[ ニコラスの彼女への言葉も、ニコラスと揺籃の会話も、彼女は真剣な眼差しを向けながらしっかりと聞いていた。しかし、半分も理解できていないというのが正直なところであった。
彼女は自分が馬鹿なのかもしれないと、ほんのり憂鬱になる。
これからどうするかという質問へのニコラスの答えは、彼女にとっては少し残念なものだったが、それならそうと決めた自分の行動をすぐに実行に移す。元より、頭より体が動くタイプだ。>>200]
そうどすかあ。
うちは、誰かと一緒に動いたほうが良いかと思うてましたけんど、バラバラに動きはるゆうんなら、それも仕方のうどすな。
うちが探しとるんは、いっつも白衣ひらひらさせて怪しげな笑顔振りまいとる、チアキゆう人どす。ちょいと苗字はど忘れしてしまいましたけんど……。
それじゃ、また無事に再会できることを祈うて、お別れしましょか。
[ 割合あっさりと、彼女は別れを告げると、チアキを探して当てもなく歩き出した。ふたりはチアキのことを知っていて情報をくれただろうか。揺籃はこれからどうするだろうか。*]
(216) 2016/06/19(Sun) 20時頃