おう!
まァ、僕のものが何か盗まれたら信じるけどなァ……、
――いや、盗まれるものは家にねェけどよ、
[無くなって困る、と言えば『とっちゃん』くらいだけど……人間を盗むなんて有り得ねェだろうし、うん、やっぱり困るものなんてないや。
ぴょん、と立ち上がって団子のお代を払おうとしたら店のとっつぁんがにやにやして首を横に振る。どうやら『お代は要らない』ってことなんだろうけど、何でだろう。訳が分からずに首を捻るばかりだ。
『なんでだろうなァ』なんて辰次にィに呟いてみるけれど、きっと真相は分からず終いなんだろうなァ。]
ん。僕も、楽しかったよ。にィ。
また会ったら遊んでくれよな!
[店の外に出ればぶんぶんと勢い良く両手を振ってご挨拶。一通り別れの挨拶を済ませれば、お世話になった男の背中を見送ろうとして――ひとこと。]
(120) 2015/01/19(Mon) 16時頃