ええいっ!これでもくらえ!
お前らにゃァ、金よりもこっちの方がお似合いだァ!
[威勢良く男達の近くへ寄って、其奴らの顔を目掛けて足元の砂を被せてやる。いい気味だ、と笑おうとして――気付いた。
ここまでやれば奴らも反省すると思っていたのに、どうしてかとっちゃんみたいに顔を真っ赤にしていて。あれ、可笑しいな。
こんな時に取るべき行動はひとつだよね。
奴らが声を発する前に、今来た道を走って引き返す。あァ、でもこのまま家に帰るわけにはいかない。
こいつらが家まで来ちまったらとっちゃんにまで怒られて――その先を想像するのも恐ろしいや。
どうしようか、と顔を上げるとさっきも見かけた見知った顔。>>98 思わずぱぁ、と明るい顔をして叫んでいたよ。]
明之進にィ!良い所に!
――ねェ!僕を助けておくれよォ!
[答えを聞くよりも先ににィの背中へとがっしりへばりつくと内心『勝った、これならなんとかなるかもしれねェ』とほくそ笑んで。
逢引のことを黙っててやるから頼むよォ、なんてにィに向けて呟いた。]
(107) 2015/01/21(Wed) 19時頃