[温い謎の物体はシャツの中に留まってくれており、
ズボンの下から落っこちないのは幸か不幸かよく分からない。
変な物を持ち込むな、と怒られるよりかはマシか。
ダッシュしていった瑠紀>>98と違い、ゆっくりトイレに向かうと
絆創膏持ってないかと妹に尋ねる声が聞こえた。>>94
いつも使ってる可愛いキャラ物を渡せば赤っ恥だろうに、
普通の物も出して選ばせる気遣い、中学二年生とは思えない。
巻いてあげようか、と言わなかったことに安堵しつつも、
くりんくりん頭のチビをひっそり睨み付けていた。
まだだ。今ここで力を使えば、柊子にそれを気付かれてしまう。
やるならもっと離れた場所か、効果的な時でないと。
冷えた視線は妹とかち合えば一変して穏やかな物に変わり、
軽く手を振ってトイレの方角にと消えていく。
洗面台で前髪から水を滴らせる啓壱は無視し、>>90
最奥から二つ隣のトイレに入ると上着を脱ぎ払った。>>98]
(107) 2016/06/18(Sat) 22時半頃