[眼球に映った漆黒は、すぐに少女のりょうてのひらに遮られる。カサリと音を立てる、飴の包み。黄色幾つか、青ひとつ。]
…くれるの?
[差し出された鮮やかな色。仲良くなるとは飴を食べる事だっただろうか?
飴とペラジーを交互に見る。笑顔、飴…]
…うん、そう…だね、一緒に。
ありがとう。じゃあ…お友達さん、に。
[瞼の裏。手摺りの無い広い滑り台の上。飴を斜面に置いて笑う、誰か。
そうだ、飴といったら、約束…だったっけ。
笑みを絶やさない少女には、何処にも厭な雰囲気は無いが、ほんの少し、足と足が離れているのは。やっぱり、怖いのかな。でも、仲良くなりたい、と。飴を差し出して。
…礼を言って一度繋いでいた手を離し、黄色い一粒を少女の掌からつまみ取った。
一緒に、と言うならペラジーも包みの一つを開いただろうか。
座ったままの目線は少女と余り大きな高低差は無い。]
……頂きます。
[ぱつり。こちらも包み紙を開き、中の半透明の黄色を、口に含み––––––……]
(104) 2014/09/06(Sat) 21時半頃