人狼議事

270 食人村忌譚


【人】 看板娘 櫻子


あ。 すすむ!

[それから少し後。娘はまた、猫以外に意識を動かされた。それは、丁度、その両手がついに猫を掴み上げた瞬間。掴むなり弛んだ娘の手から、猫はぬるりと脱け出ていった]

すすむ、おはよう。
すすむ、元気?
私は、元気だよ!

[逃げてしまった猫はもう忘れてしまったように、娘はぱたぱたと進に駆け寄り、矢継ぎ早に声をかけた。
 進。その少年の初夜を娘は相手にしていた。あるがままに行為を促し、あるがままに行為を受け入れた。それから度々、少年は娘に伽ならぬ伽をする事があった、
 その、進の話を、娘はいつも大人しく聞いていた。大人しく、といっても、すぐにわからない言葉を聞いたりしたし、大人しいが過ぎて眠り出す事もあれば、いよいよ飽きて昔話やら何やらねだる事もあったのだが。
 何しろ娘には、進がそうして語る話は難しくて、大体が何もわからないのだ。ただ、その語る声色は娘は好きだった。「あたまいい、すすむ」の]

(80) 2017/11/23(Thu) 22時頃

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