[コートを翻しくるくると、まるで踊る様な足取りで街並みをゆく。]
まあ流石に?聖歌など謡えば舌も爛れようが折角の宴じゃ、夜が明けるまで楽しんでも罰は当たるまい?
[昼の時間は譲ってやろうほどにな、と、各々ショーウィンドウを飾るイルミネーションを覗き込んでいれば、男の眉間も少しは晴れはしただろうか。
繁忙期、稼ぎ時であるので、人の店に招かれて入る事は容易い。
流石に人の世の合間に生きて長くはあるので、男が心配するほどに、奇矯なふるまいこそなかったものの、かわり、前日シーシャが悩まされたような、根本の釦が掛け違ったような、愚にもつかぬ問いにはまま付き合わされたかもしれない。
「何がなあにだ>>32」、などと毒づかれても、近場に店員が居たなら、えへ☆などとしらっとぼけていただろうが。]
散らぬからこそ、紛いの生にはさぞ相応しいものよ。
[底笑いする様はやはり人ではないもので、それはそれとて、散るものこその甘美の味よ、と、生花をすら望んだかもしれない。]
(52) 2016/12/07(Wed) 23時頃