[睨みつけていた大蛇の瞳に更なる光が灯る。
やはり信用など、出来るものか!]
──“俺”は水ってのがよくわからないけど。
[しかし大蛇の目は、“俺”によって遮られる。]
今、ニコさんに会えたのは、その水のおかげ
……かな?それなら俺は『どちらとも言えない』
だって、信じる事にしたし。
[サラリと言いつつ、金を揺らす彼の、菫色の瞳を覗き込むのは“俺”だって同じ。天秤が結論を出すのは、“まだ”でいい。
正義か悪かなんて、見透す力のない“俺”はすぐに決められない。それなら信じた方がいいだろ?と思考の中で問いかける。
僅かに残る人間の名残が忌々しい、と“私”は舌を打つ]
《そんな簡単な話では無…「遙さん?!
[話が中断したのは、遙が不調を訴えたから。>>39
“俺”は咄嗟にそちらに駆け寄る。
おのれ。まだ話は終わってないぞ、と“私”は大蛇の瞳をニコラスへ向け、猫のぬいぐるみを抱いたは少女がはしゃいで腕を伸ばすのを見た。*]
(45) 2016/06/22(Wed) 20時頃