[少し、一部分いつもより甲高く聞こえてくる上ずったような声。
聖爾ではなく柊子の声だ。
時々聖爾と柊子が入れ替わっていることなんて気づいていない。
あ、もしかしたら、前髪まだちゃんと直ってないかも。
隠すように手で前髪を押え、なんとか目を開こうともう片方の手で目を必死でこすっていれば、案ずる声が聞こえてくる。>>43]
ん、だいじょーぶ。
目にはいって、沁みてたんだ……、
だから、聖爾の姿はみてないんだけど……。
[普段はクラスが違うため、授業中に話すことなんてほとんどない。聖爾に何か用事だったのだろうか?
柊子(と信じている)から、ハンカチを顔にあてられる。
柊子ちゃんのハンカチが!いいのかなこれ!どうしよ、心なしか、いい匂いがするんだけど!
ああ、せっかく部活以外で話せたこの機会に乗じて、呼んでしまおうかな。勇気を振り絞れ、オレ!]
ハンカチ、いいの?
心配してくれて、ありがとう……柊子ちゃん、
[にっと笑って、ハンカチを手に取ってようやく目を開けば]
(44) rinco 2016/06/22(Wed) 22時頃