[>>8と>>19のペラジーの言葉で、頭を過った不安が確信へと変わる。]
今の人が砂となって……。
もう、この村には、私たちしかいなくなってしまったんだね。
[ゆっくりと語る男の顔色は優れない。
だが、こうなれば語らざるを得ない。男は先程商人から受け取った水を取り出し、それに目を落としながら口を開いた。]
砂人というのは、人を、全てを砂にしてしまう力を持った存在だ。
彼らは人に紛れ、見た目で区別することもできず、多くの人間が砂人の手にかかって砂となった。
……そして。この水は、砂人を砂へ帰すことができる水。
被害を減らすために、村の人たちみんなで買ったんだけれど。
まだ……、いたんだね。
[一通りを語れば、ふうと溜息を吐く。
それ以上は言いたくなかった。つまり、村の人間の半数以上が水で消えたのにも関わらず、まだこの六人の中に砂人がいるんだ、とは。]
(25) 2011/10/19(Wed) 00時半頃