[キーンコーンカーンコーン
チャイムがなり、軽く上を見上げる。
なんだかすごく、静かだった。
波がおちついたのでトイレから出る。
背に腹は変えられないので手洗い場で軽くうがいをした。ぺっぺと水をはくとご飯粒が洗面所に残ったので、手で水をすくってかけて、排水溝へと流した。
ハンカチをだして、手洗い場の淵において、今度は顔を軽く洗う。目元をぐにぐにと軽くもんだ。ぎゅーっ。おさえて、ぱっと目を開く。瞬く。鏡を見ながら、赤くないだろうかと思うけど、情けない表情の、いつもより顔色の悪い自分がうつっている事に、口を結んで溜息をついた。]
はー
あー…
あー……
[情けない声をあげて。
いこ、と。胃を抑えながらトイレを出て、静かな廊下を保健室に向かって歩く。 教室の横を通ると、べんべんのあの声が他の教室から漏れてきて、ちょっとさらに、気分がげんなりしてしまったりもした。]
(19) taru 2012/05/08(Tue) 10時半頃