[───あんがとねぇ
違う。自分はこの少女に”期待”を押し付けただけ、少女を苦しめている大人たちや世間と同じ様に。少女ではなくその周りにいる人間たちに共感した、周囲が少女を見る姿に姉を見る自分を重ねただけ。]
……いいじゃねぇか。
[メイの右手首を強く掴み上げる。
死ぬ動機もない、生きる理由もない、それでもここに隠した傷は生きる実感が欲しかったから───そうじゃないのか?]
聞かせろよ、クソガキ。
女神だろうと木偶だろうとぶちまけてみろよ。
お前が聞いて欲しいと思う奴に。
[賢しいガキはそれでどうなるかわかってしまう。だけど本当にそうなるのかどうかはわからない。誰にも大人にも子供にも賢者にも愚者にも、誰にだって実際に起こしてみないとわからないから。
───祈り、叫び、涙を見せなければ
神様だって奇蹟を預けてはくれない。]*
(17) 2019/02/10(Sun) 12時頃