Humpty Dumpty sat on a wall,
Humpty Dumpty had a great fall.
All the king's horses and all the king's men
Couldn't put Humpty together a gain…
[か細い声だ。か細い声が歌を歌っている。
空白の満ちた空間。この世の摂理<<PERFECT HUMAN>>の中心。深淵に染まりつつある根。その上でふらふらと足を揺らす。
小さな声はやがて擦り切れるように、おおきく、そして金色の夜光獣<<ロジヴェット>>のような金切り声になった。
そうしてまた小さく消えていく。]
世界樹の、中心はもうなおらないんだわ、
──ねえ、バルメロス。
[小さく、小さく唇に手を当てて。ねえ、そうでしょ。呟く少女の瞳は長い睫毛に隠され、見えることはない。長い睫毛に乗った雫が、ぽとりと落ちて──そして深淵に飲み込まれていく。
"伝説の英雄"の名に縋るよう、少女の体は根に、闇に飲み込まれていく。]
(5) 2016/12/02(Fri) 01時頃