70 領土を守る果て
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−ゴドウィン酒店・回想−
[店の外で、酔ったグロリアが何やら喚きながら扉を叩いている。...は僅かに開けた扉から顔を覗かせた。カルヴィンを制止できなかった、己への怒りが静まらない...の顔は、これまでグロリアに見せたことのない、殺気立った顔であった事だろう。]
この非常の時に、酔歩蹣跚とは…けっこうなご身分であられるな? グロリア嬢、もう良い加減になされい。 このゴドウィン、今は虫の居所が悪くてのぅ? 如何にグランツーリスモ家のご息女と申せども、左様な態度は承知ならぬ…私が本気で怒り出さぬうちに、疾くこの場を立ち去られるがよろしかろう!
[...は刺々しい口調でそう告げると、ピシャリと扉を閉めた。]
(98) 2011/11/14(Mon) 22時半頃
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[グロリアを門前払いにすると、...は店内の椅子に腰を下ろした。飛び出してゆくカルヴィンの背を虚しく見送ってから後、拭い難い不安が、...の心を支配していた。と、裏口から入ってきた治安警察の配下…先日、イアン戦死を報告に来たのと同じ男だ…が、蒼白な顔で...の脇に立ち尽くす。]
・・・報告を聞こう。
[カルヴィン王子、暗殺さる。最も恐れていた、最も望まなかった、考え得るかぎり最悪の悲報を受け取りながら、...は不思議と平静だった。]
そうか…やはりそうなったか…報告ご苦労。
[報告を終え、踵を返して立ち去ろうとする配下を制して]
待て。たまには、年寄りの愚痴に付き合ってみんか? その…昨日は、お前に当たってしまって済まなかったな。 俺は、これでも己の振る舞いを…恥じておるよ。
(113) 2011/11/14(Mon) 23時半頃
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お前たちも知ってのとおり、俺には妻も子もない。 我ら影に生きる者に、家族も家庭も無益有害と心得ていたからだ。
しかし…我ながら可笑しいがな。 そんな俺が、我が子も同様に思っていた者が、二人あった。 我がアンゼルバイヤの次代を担ってくれようと、期待していた者がな。
(117) 2011/11/14(Mon) 23時半頃
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一人はイアン・パーカー。 我が莫逆の友、リック・パーカーの遺児であるな。 イアンにとって俺は、ひたすらに煙たい存在であったろうよ…顔を合わせるたびに、俺は小言ばかりを並べていたからな。
[...は苦笑した。イアンの、最後の手紙は読んでいないのであろう。]
英雄リックの名を辱めぬ、立派な男に育って欲しいと思ったが故に、厳しく接してばかりであったよ…いや、俺には、他に接し方が分からなかったのだな。
だがイアンは、俺の想像以上に、頼もしく成長しおったな。 亡父と肩を並べる、あるいはそれ以上の軍人に。 逞しく成長し…そして、雄々しく死んでゆきおったわ。 この俺に、何の挨拶もなく…
[...の唇がわなないた。...は、動揺を隠すように、棚から酒瓶を手に取り、盃に注ぐと一気に呷った。むろん、酔えるはずもない。]
(119) 2011/11/14(Mon) 23時半頃
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そして、いま一人は…畏れ多くも、カルヴィン殿下であったよ。 陛下に命ぜられ、殿下がご幼少の頃より、守り役としてお仕えし…俺は剣技を、軍学を、そして王族としての心得を…全身全霊でご教授したつもりであった。 ご聡明にあられ、そして烈しいご気性をお持ちであったよ。 まこと、アンゼルバイヤの将来を背負われるに相応しい、威徳のある御方であったとも…あと10年、いや…せめて5年、殿下が天より時を与えられておれば、アウストはもとより、近隣の小国すべてを、斬り従えておられたであろう。
そんな殿下が、刺客の手にかかるとはな。 まこと、天とは…神とは無情よな。
[...は、杯を握り潰した。]
(120) 2011/11/14(Mon) 23時半頃
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[...は配下に向かい、フッと笑う。]
我が子以上に大切な存在を、立て続けに失って。 俺が、己のやるべき事を、見失ったとでも思うか?
心配いらん、俺は迷ってなどおらぬよ。 先に逝ったイアンが…殿下が…俺の生き方を定めてくれたように思う。 命あるかぎり、俺は俺の務めを果たすさ。
付き合わせて悪かったな…もういいぞ、配置に戻れ。
[配下は敬礼し、風のように立ち去った。その背を見送ると、...は眦に決意の色を浮かべて腰を上げた。]
さて、と。
(121) 2011/11/14(Mon) 23時半頃
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