123 霓虹鬼故事
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― 地下・研究室 ―
―…っ!
[自分の振るったナイフは露蝶の肩に刺さる。 ―しくじった、と顔を歪めるのも束の間。
肩に刺さっていた刃が引き抜かれ、喉を切りつけられた。]
ぁ、っ…。
[太い血管に近い切り裂かれた場所からは夥しい量の血が雨のように彼女に降りかかる。 息をしようとして自分の血が喉に流れ込み、ごふ、と苦しげに血を吐き出した。]
(+0) 2013/05/25(Sat) 01時頃
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[―あぁ、 苦しい。
これが死ぬって事か。
…あぁ、悪ぃな。 ――…。
現世で謝る相手は束の間、手を貸した男か、仕事仲間か。―親代わりの祖母か。
やがて力の抜けた身体が露蝶の上に倒れ込む。 褐色の目から既に光は消え。
顔に浮かんでいた表情は苦しげではあったが、…何処か救われたようにも見えるかもしれない。*]
(+1) 2013/05/25(Sat) 01時頃
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[死を迎えた黒宵の魂は、肉体から切り離されてその場に留まる。
けれど今はまるで眠りについたように目を固く閉じて。
黒宵が目を開き、自分が魂だけの存在となった事に気付くのは、もう少し後の事。**]
(+2) 2013/05/25(Sat) 01時半頃
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― 地下・研究室 ―
…るせぇよ。 …っ…?
[明夜の声に応じようとして目を開き、瞠目する。 自分は喉を切り裂かれて死んだ筈だ。 視界はフィルターでも掛けたようにぼんやりと青みがかかっていて、聞こえる音も何処か遠いように聞こえ。
周囲に視線を走らせて…自分の死体に気付いた。遠目に見やり]
うわー、結構ざっくりやられてんな。 死んだら何もないと思ってたけど、薬の影響か何かか?
[露蝶はもういなかったが、何事か声を掛けられたような気がした。 彼女に対する恨みはない。 ―自分も彼女を殺そうとしたのだから。]
(+3) 2013/05/25(Sat) 11時半頃
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[でも露蝶には感謝をすべきかもしれない。 おかげで俺は、人間のまま…死ぬことが出来た。
やはり何処かで割り切れなかったのだろう。先刻明夜の言ったように。 人を殺してその上で生きる覚悟が足りなかったのだ。]
…あー。 にしても、こんなんなら遺書でも書いておきゃ良かったか?
[もし警察が来たら、自分の扱いはどうなるのだろう。 生き残った奴に研究者達を殺した罪を被せられる? もし露蝶が正直に話すのなら、正当防衛…になるのだろうか。―その時は少しでも罪が軽くなると良い。]
…悪ぃな、婆さま。 不肖の孫で。
[ぽつりと零したのは親代わりだった祖母への言葉。 まぁ、自分以外にも彼女には孫はいる。…というか、嫁いだ伯母の孫の方が断然優秀だ。 もし彼らの未来に邪魔になるようであれば、縁を切ればいいだけの事。 どうせ家を飛び出した身だ。]
(+4) 2013/05/25(Sat) 12時頃
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[鞄の中には一つだけ…自分の本当の身元を証明するものが入っている。 鞄の隠し底の下にあるのは、自分がまだ家にいた頃に取得した自動二輪車の運転免許証。 普段は偽造のものを使用しているが、これだけは残してあった。 警察が優秀なら気付くだろうが…。]
―ま、あんたの行く末を見ててやるよ。
[自分のナイフを露蝶が持って行ったのには気付かないまま。 取り敢えず、明夜のいる筈の1階の洗面所へ向かう事にした。]
(+5) 2013/05/25(Sat) 12時頃
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― 1階・洗面所 ―
―おいおい、派手にやられたな。
[見つけた明夜の様子に眉を潜める。 左目の周辺が少し赤く爛れ、何かが刺さったのか、ずたずたになった左手は顔よりも酷い火傷を負っていた。
けれど、ただ、痛そうだな、と思うだけ。 ―自分達の関係は相手を心配するような綺麗なものじゃない。
床に倒れている佩芳の背中には何かが貫通した穴がぽっかりと開いている。]
…あぁ、これは…。
[死亡した、と一目でわかる。それには可哀そうに、と思った。 自分は彼女が明夜に襲われるのを知っていた。 知っていて見捨てたのに…身勝手なものだ。―口許には苦い笑みが浮かぶ。]
(+6) 2013/05/25(Sat) 12時半頃
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[不意に何かを探すように周囲を見回す。
―彼女の魂は消えたのだろうか。 それとも、自分と同じように何処かに留まっているのだろうか、と。**]
(+7) 2013/05/25(Sat) 12時半頃
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―1階洗面所―
――――、いた、い。
[ふ、と気付いて最初に感じたのは、身体の痛みだった。 腹の辺りを押さえた手を見下ろして― 自分の足のさらに下に、見覚えのあるカラダが崩れ落ちていて。]
あ、あああ、あ、あれ。
[わたわたと辺りを見回した。 崩れているカラダは壊れてしまったように動かない。
だがどう見ても自分だ。 では、それを見ている自分は?]
(+8) 2013/05/25(Sat) 14時頃
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――あ。
[死んだのだ、と気付いた。]
――――――。
[悔しさとか、悲しさとか、そんなものは何もなくて。 ただ、何か―ぽっかりと。 ―実際、カラダは腹の辺りがぽっかりなのだがそういう意味ではなく― 何かをやりかけている途中でそれを壊されてしまったような。 やり場のない空しさを感じた。]
えっと―。
[爆弾と化した携帯端末を探して辺りを彷徨う。 壊れたことを確認しなければ―大変なことになる。 死んでからも気にしたのは、扱っている情報のことだった。]
(+9) 2013/05/25(Sat) 14時頃
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[このときの女の視界には、鬼の姿も生ある者も― 死して霊となった者も映らない。 それほどに、大事なことだった。]
―――!
[爆発の跡から携帯端末の破片を見つけて近づいて、 破片を取り上げようと手を伸ばすが、 触れられるはずもなく、指先は破片を通り過ぎて空を掴む。]
あ――そ、っか。
[触れるはずはないのだ、と自分の立場を再度認識して 他に破片がないかと辺りを見回す。
やがて、携帯端末が完全に爆発したことを確認して、 やっと、ほっとしたように胸を撫で下ろした。]
(+10) 2013/05/25(Sat) 14時半頃
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ああ、よかった。
[ほっとしたら急に気持が軽くなった。
携帯端末とアパートのサーバーとの通信が一定時間なくなると、 サーバーはストックした情報を守るためにロックモードになる。 その間にアパートへ帰って解除コードを入力すればいいが、 さらに長い時間経過後、幾つかのタスクを実行後に、 部屋の全ての電化製品の起動することになっている。 コンクリートで囲まれた部屋が炎に包まれるのは時間の問題。
つまり、女の心残りは何もないということになる。]
ああ――、ああ。
[ふわりと柔らかい笑みを浮かべた後、 生きていたときとは違う、スッキリした面持ちで改めて辺りを見回した。**]
(+11) 2013/05/25(Sat) 15時頃
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[―洗面所から少し離れた、何かが爆発して破片が飛び散っている場所に実体ではない佩芳の姿はあった。 何かを探して周囲を見渡している彼女は後からやって来た自分に気付く様子はなく。 ―その後ろ姿をぼんやりとそれを眺めていた。
やがて、良かった、と零す顔に笑みが浮かんだのに気付けば。]
…何だ、あんな顔出来るんじゃん。
[首筋を掻きながらぽつりと零す。 ―思い出せば、何かに怯えているような様子しか見なかったから。 今度は嘆く姿を見る事になるかと思っていたから、少しだけ…気が抜けた。**]
(+12) 2013/05/25(Sat) 16時頃
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―――、――?
[黒宵の姿が見えて、首を傾げる。 彼も実体がない―ように見えて、さらに疑問を面に浮かべた。]
どうして、あなたが?
[ここにいるのか、死んでるのか。 2つの疑問を1つにまとめた短い問いを向けた。**]
(+13) 2013/05/25(Sat) 18時頃
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―……。
[自分に気付いて首を傾げる佩芳。 問いかけられた内容に僅かに目を瞬かせ。 暫しの沈黙の後に、言葉を紡ぐ。]
…俺は、明夜の協力者で。 鬼と人を見分けられる露蝶を殺そうとして…、返り討ちに遭った。
[―これで答えになるだろうか。 彼女から目を逸らしながら短い言葉で伝えたのは真実。
…自分が見捨てた彼女に、嘘を告げてはいけないと思ったから。 けれど、それに対する彼女の反応を想像すると、自然、実体のない身体が強張る。**]
(+14) 2013/05/25(Sat) 20時頃
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[首を軽く傾げたまま黒宵の返事を聞いて、はたと瞬いた。]
――協 力 者 ? あ、あなたも、鬼なの? それとも、に、人間?
明夜――アイツとは、ち、違う感じだけど。
[女の言葉は生きていたときよりもたどたどしくはないし、 態度もおどおどしてもいない。 強いて言えば、電話口でもこのくらいの調子だっただろう。]
じゃあ、露蝶は――あの人は生きているのね。
[たくさん気を使ってもらった事を思い出し、目を伏せる。 あんないい人を手にかけようとするなんて、人間だろうと鬼だろうと―。]
返り討ちなんて―いい、気味。
[くす、と口の端で笑った。]
(+15) 2013/05/25(Sat) 20時半頃
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[佩芳の口調は今まで聞いていたものよりもしっかりとしていた。 …そう、やはり何処かでこの声を聞いたような。 その変化に僅かに目を瞬かせるも、緩く首を傾げてみせながら聞く。]
―どっちに見える?
[答えは与えない。 外見からは判断出来ないだろう。 自分の事を鑑定する手段を持つ露蝶はまだ生きている。]
あぁ、生きてるよ。
[淡々とした口調で事実だけを返す。 佩芳は露蝶に懐いているように見えたから、反応は想定範囲内だ。 ―だから口の端に笑みを乗せる彼女の言葉は、胸に刺さっても鈍く痛むだけ。]
…いい気味、か。 はは、確かに。
(+16) 2013/05/25(Sat) 20時半頃
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―俺もそう思うわ。
[頭を掻きながら、激するわけでもなく、静かに笑う。 こうなったのは全て自分の所為。 因果応報とはこの事を言うのだろう。]
(+17) 2013/05/25(Sat) 21時頃
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[ぐちゃぐちゃと、鬼が空っぽのカラダを咀嚼する音が聞こえる。 ふわと身を翻してその様を見やって、明らかな嫌悪を浮かべた。]
どっちに見える――ね。
[黒宵を一度見て、緩く首を傾げたのを真似するように首を傾げ、 また、噛み潰される自分のものだったカラダを見やった。]
人間でも鬼でもどっちでもいいし、いい気味だと思ってるけど――。 ど、どうせ鬼に食べられるなら、あなたの方がよかった、かも。
―す、少しは味わって食べてくれそう。
[また、くすりと笑って軽く肩を竦めた。 本当に鬼になってしまえば、ただ欲求のままになってしまうのかもしれないけど。]
(+18) 2013/05/25(Sat) 21時頃
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[何かを咀嚼する音に気付けば、そちらを見て思わず顔を顰める。 どちらにも見える、と言われれば苦笑を浮かべ]
…見た目では分かんねぇんだよ。 外見に変化が生じない限りは。
[飢えを満たすように彼女の身体を喰らう明夜の様を見て、あぁ、これが鬼の姿か、と思った。 鬼が人を喰らうのを目にするのはこれが初めてだ。 ―自分もああなっていたら、と思うと怖気が走る。]
(+19) 2013/05/25(Sat) 21時半頃
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あぁ、それでい…。
…はぁ…?
[いい気味と思って貰っていて構わない、そう応じようとして、続いた彼女の言葉にあんぐりと口を開ける。 暫し固まっていた後に、長くため息を吐いて。]
―あのな。 味わうとか、そんなんじゃないと思うぞ、あれは。
[きっと、只、欲を満たす為のものでしかない。 実際になった事のない自分には分からないが。]
(+20) 2013/05/25(Sat) 21時半頃
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あなたにはわからないでしょうね。 自分のカラダが食われてるのよ?
[ふわ、と黒宵に近寄って顔を覗きこむ。]
少しはおいしそうにしてくれなかったら、浮かばれないわ。 それも、あんなヤツに。
[明夜は顔見知りでもないし、最初から薄気味悪かった。 どうせなら存在を知っていた黒宵の方がまだましだった―とは、当然に思うこと。]
喰われるのだけは嫌だったのよ。 人と思えば腹も立つわ。
[鬼だとはわかっているけれど。 人と変わらぬ見た目なれば、やはり人にも見えて。 ―諦めたようなため息を落とした。]
(+21) 2013/05/25(Sat) 21時半頃
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…っ、それは…そうだけど。
[顔を覗き込まれれば、驚いたように思わず後ろに引いた。 目の前で身体を食われる気持ちは、自分には想像も出来ない。視線を落として詫びる。]
…わり…。
[明夜のあのノリは、正直自分の気持ちを軽くもしてくれたので何も言えない。 暫くしてため息が聞こえれば、そろそろと窺うように相手を見ながら]
何で明夜より俺のがいいわけ。 あんたと俺って面識あったっけ? …似たような声、何処かで聞いたような気もするんだけど。
(+22) 2013/05/25(Sat) 22時頃
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―そういう、正直なところがあるからじゃないの?
[何故黒宵の方が―。 それに、目を細めてそう返した。]
なんて、嘘よ。 声を聞いた通りだと思ったからかもしれない。
[首を傾げて、こちらを伺う黒宵を見返し、]
「―運んでもらいたいものがある。 ただし、こちらの指定どおりに動くのが条件だ。」
聞き覚え、ないかしら? あれ、私なのだけど。
[いつかの依頼をした時の言葉を再現してみせた。 依頼時に名乗ったのは、窺鼠という情報屋としてのものだったが。]
(+23) 2013/05/25(Sat) 22時頃
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は…?
[目を細めて言われた言葉、すぐに嘘だと言われて軽く混乱する。 ―そんなに分かりやすい性格をしているんだろうか、自分は。
けれど依頼の時の声を再現されれば、以前に情報屋を名乗る人物に依頼された案件を思い出し。]
…っ!あぁ、あの依頼か。 ん、でもあれって確か…。
[依頼の時に名乗られた名前が違う気がする。 そう、確か]
―あんたが「窺鼠」?
(+24) 2013/05/25(Sat) 22時半頃
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ええ。 私が窺鼠―だったの。 あのときは、指示どおりに動いてくれてありがとう。
[依頼の時は比較的上からの物言いだった。 おまけに、何時にどこへ行き、そこからどちらへ―と、 都度連絡をいれていたので印象はよくなかったかもしれない。]
―あ。
[肉を食む音ではなく、別の声が聞こえてきた。 見れば黍炉と露蝶が来ていて不安げな色を浮かべた。 鬼が2人を食らう姿を想像してしまったのだ。]
(+25) 2013/05/25(Sat) 23時頃
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いや、まぁ仕事だし。 …はぁ、それでね…。 声の雰囲気が違うから分かんなかったわ。
[色々と指示をされて閉口したが、終わった事は気にしない主義だ。 という事は、名乗った時点で彼女は自分の事に気付いていたのか。もし知っていたら…、と考えるのは詮無い事。 何かに気付いた佩芳の視線を辿り、黍炉と露蝶の姿が目に入る。]
―来た、か。
[自分が死んで二対一。 どう見ても分が悪いが、あいつはどうするつもりなのだろう、と。 只、行く末を見守る。]
(+26) 2013/05/25(Sat) 23時頃
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――ふ。
[わからなかったと言うのに、目だけで笑った。
しかし、生きていた頃の話をするには、 近くの人間の方が気になって―。
仇を、とまでは行かないが。 この鬼を野放しにしてしまっては、さらに― あの、惨い写真のような事件が起こってしまうだろうから。]
爆弾が少しは役に立ったらと思ったけど―。 鬼ってどうやったら死ぬのかしらね。
[仲間だったんでしょう? 黒宵を見上げて、首を傾げた。]
(+27) 2013/05/25(Sat) 23時半頃
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[笑う気配は感じていたが、目は三人の動きを追っていた。 明夜が自分を露蝶の憎む相手だと明かした事には瞠目した。 嫌がっていた奴もやがて殺すようになる、と言ったのは露蝶の恋人ではないのか。]
…さぁ。身体能力が上がるだけで、傷がすぐに癒えるわけじゃない。 …殺そうと思えば、殺せるんじゃねぇのか。
[首を傾げる相手に答えるのは、自分の推測。 明夜と交わしたのは殆ど、自分達が生き残る為にどう動くかといった話で。 研究者が薬品を地下の研究室から持ち出していたのなら、やはり多少丈夫なだけで普通に死ぬのではないかと。]
(+28) 2013/05/25(Sat) 23時半頃
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ふうん…殺せば、殺せるの。 それは、見た目が人間と変わらないから?
[見た目から鬼なったりしたら、不死になったりしないのかしら。 鬼を野放しにして欲しくないと思いながらも、そんなことを考えた。]
―――あぶな、い!
[回し蹴りを放つ鬼の動きに目を奪われる。 飛びのいた黍炉がナイフを突き出し、 それと同時に露蝶がナイフを構えて駆け寄っていく。
さて、鬼は―?]
やっぱり、アイツ嫌い。
[人間の攻撃をものともせず、怯む様子も見せない鬼。 それを見る視線は、やはり嫌悪を帯びていた。]
(+29) 2013/05/26(Sun) 00時頃
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…っ…。
[黍炉のナイフが明夜の足を狙い、露蝶が刃物を構えて駆け出すのを見て、知らず、顔が強張る。
まるでそれらが自分に向けられるもののように感じるのは…明夜と服用者として、束の間言葉を交わしたからか。]
(+30) 2013/05/26(Sun) 00時頃
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