88 吸血鬼の城 殲滅篇
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ヒュー、…
……大丈夫か?
[聖術をまともに受けた背後の男。 その安否を気遣うように声を送ってみる]
(*0) tatsuru 2012/05/04(Fri) 01時頃
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ああ、良くやった。 上出来だぞ、おまえたち。
[褒め言葉を紡ぐ声音は、裏のない、 ごく素直で嬉しげなもの。]
(*1) nekomichi 2012/05/04(Fri) 01時頃
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…どうやら。
[まだ目が眩んでよく見えないが、存在は消滅していないようだった。]
おまえも?
(*2) enju 2012/05/04(Fri) 01時頃
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[クラリッサの死んだ後、愉悦を感じることなど終生ないと思っていた。 だが、今──]
……。
[彼らの声に、静かに微笑む。]
(*3) enju 2012/05/04(Fri) 01時頃
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……ああ。 なんとかな。
[修道士の首筋に接吻ける直前、 苦笑と共に言葉を送る]
………アンタも、…飲んだほうがいい。 今でなくても。
[その言葉は酷く平坦な、感情を伺わせぬもの]
(*4) tatsuru 2012/05/04(Fri) 01時頃
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………。
[主の気配をうかがうように、 中空に目線を向ける]
………食事、したぜ。 たぶんちょっと残ってる。
な、……どうする?
[彼がムパムピスを眷属に変えたがっていたのは知っている。 此の侭彼を食い尽くしてよいものなのかと、 迷うように首を傾け]
(*5) tatsuru 2012/05/04(Fri) 01時半頃
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>>*1 ……。
[上出来だ、という言葉に、 痛みを感じたように唇を噛む。] (……そんな風に褒められんのは、慣れてんだよ。)
[人殺しで褒章をもぎ取る。 或いは、魔物の討伐で。
……寧ろそれが日常だった筈なのに。
じくじくとした胸の痛みは何故なのだろう、と ぼんやりと、思う。
ヒトとして残る記憶の所為か。 ……男の言葉に、 力の抜けるような安堵を感じた所為なのか ]
(*6) tatsuru 2012/05/04(Fri) 12時頃
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>>*5
[どうする、と問われて考えたのは僅かな間。 良いことを思いついた、とばかりに頷く。]
そうだな。 おまえがやってみろ。
[修道士を眷属に変えろ、とごく簡単な調子で言う。]
子供というのも、可愛いもんだぞ?
[喉の奥に零れる笑いは、ドナルド自身のことも揶揄している。 だがなにより、元の仲間に闇の眷属へ変えられた聖職者、 それを、見てみたくもあった。]
(*7) nekomichi 2012/05/04(Fri) 22時頃
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>>*7 変える、……って。
[戸惑い、揺らいだ声。]
どうやってだよ……? 俺、そんな遣り方知らねえぞ。
[己の拙い知識では、 レオナルドを蘇らせる事もできなかった。
続く言葉に含まれた揶揄には、険を露にした答え]
……っ、要らねえよ、おれは。 ガキなんざ、作りたくもねえ…!
(*8) tatsuru 2012/05/04(Fri) 22時半頃
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>>*8
おまえの血を、そいつの傷に注げ。 気前よくな。 傷がなけりゃ、作っちまえ。
[自身はそうしてきた。 他の眷属の中には違うことをしている者もいるが、 眷属にするという意識を持って血を与えるのは、同じだ。 いずれにせよ、相応しいやり方はいずれ本能が教えてくれる。]
しばらくオレは忙しい。 いいから適当にやっておけよ。
[噛みついてくる口調を笑いでいなしながら ひらりと手を振る気配を送った。]
(*9) nekomichi 2012/05/04(Fri) 22時半頃
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>>*9 傷口から……。
[レオナルドの唇に塗りつけた時には、何も齎さなかった。 遣り方が間違っていたのか、と瞬きし]
……また適当に、かよ。 何に忙しいんだかな。
[続く言葉にはため息をつき、声を打ち切る。 ――酷く苛立っている自分に気づき、舌打ちした]
(*10) tatsuru 2012/05/04(Fri) 23時頃
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辛くなったら、いつでも帰ってきていいぜ?
――― 魔物狩人に殺されんなよ。
[低い笑い声は、互いの姿が見えなくなっても響いていた。]
(*11) nekomichi 2012/05/04(Fri) 23時半頃
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(――復讐じゃ、なかったのかよ) (なら、なんで)
(なんで俺を)
[無意識に叩きつける。 それは聞こえない声であったかもしれないが。
……男は、己の血を クレアに直接注いだわけではない。 獲物の血が必要なことなどは知らなかった。]
(俺を――殺さなかったんだ)
(*12) tatsuru 2012/05/05(Sat) 00時頃
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[復讐だった。 儀式で、単なる食餌でもあった。
娘を殺した相手を生かしてはおけない。 殺すだけでは飽き足らない。
最初は、それだけだったのだ。]
(*13) nekomichi 2012/05/05(Sat) 00時半頃
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[胸の軋むような叫びの気配(>>*12)に耳を傾け、 薄い、笑みのようなものを浮かべる。
言葉としては、なにも口にしなかった。]
(*14) nekomichi 2012/05/05(Sat) 00時半頃
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[男の気配に、吸い寄せられる様に意識が向く。 伝わる薄い笑いの波動。 ……頭の中を掻き混ぜられるような惑乱。
――自分への嫌悪感に、 くらりと眩暈のように視界が回った。]
(*15) tatsuru 2012/05/05(Sat) 01時頃
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(領主様はとてもお優しい方よ)
[鈴の鳴るように涼やかな、彼女の声。 微笑いかけてくれた。 薔薇の花を摘んでくれた。 綴られる幸福な思い出。 今頃、クレアは、あの男に笑いかけているのか。 ――あの男はクレアを見て、微笑っているのだろうか]
(*16) tatsuru 2012/05/05(Sat) 01時頃
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(―――愛してなど、いない。)
(*17) tatsuru 2012/05/05(Sat) 07時頃
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(最初に与えられる血は 力と渇望 を生み) (二度目に与えられる血は 忘却と服従 を強い)
(三度目に与えられる血は ―――)
――― 与えるのはな、 いつだって、親なんだよ。
(*18) nekomichi 2012/05/06(Sun) 15時頃
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