308 【R18】忙しい人のためのゾンビ村【RP村】
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[「この箱の全部見るぞ!」と段ボールの山を指差して。
急にどうしちゃったの?と思ったけど、学校にも行けないし外にも出れなくてやる事が無いから、パパなりのアイデアだったのかも。 ママも何だか張りきってお料理するもんだから、冷蔵庫の中パンパンで、わたしのお腹もパンパン! …ちょっと太っちゃった。
ホームビデオ大会は何晩も続いて……]
(94) 2020/10/23(Fri) 21時半頃
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[朝、目が覚めたら
パパとママの姿はなかった*]
(95) 2020/10/23(Fri) 21時半頃
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[ 振り返ると、そこには口元を真っ赤に濡らした、女。 喉の奥がヒュウと音を立てた。]
──あ、あ、あ。
[ 鳥のような鋭い鳴き声を上げて、猫は走り出す。]
や、アーサー、待って。
[ それを見て私も弾かれたように後を追う。 "そいつ"は思ったよりも遅かった。 猫の後を追いかけ、追いかけ、気づいたら。]
アー、サー、まっ……
[ 小さな小さな猫を、私は見失った。]
(96) 2020/10/23(Fri) 21時半頃
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[健司たちの住むところからは、 通常でいけば、車で大体2、3時間といったところだ。 しかし、やはりこの混乱の最中だからだろうか。
今から出発する、と連絡がきてから、 予定の時刻を過ぎてもなかなか到着する気配がない。 家の近くで車のエンジン音が聞こえるたびに 外へと飛び出して確認するが、 どれもこれも、 健司たちが乗っているものとは違う車だ。
連絡を待ち、時折スマホを覗いたりして まんじりとしないまま夜が明けた。 翌朝のニュースでは>>#1>>#2 事態はおさまるどころか、世界中、 さらに悲惨なことになっているのが見て取れた。]
(97) 2020/10/23(Fri) 22時頃
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[ 全身が悲鳴を上げている。 気づけば私はビルの隙間の路地にいた。]
う──あ──うあっ──
[ 息を整えようとするが、嗚咽になってしまう。 猫はどこに行ったんだろう。 声を出してはいけない、だってあいつらが。]
──! ───! ────!!
[ 嗚咽を噛み殺しながら、まだかろうじてポケットに 入っていたスマホを出した。]
(98) 2020/10/23(Fri) 22時頃
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[ニュース映像の中の黒い煙と呼応するように 心のうちに次から次へと不安が暗雲のように 垂れこめる。
何度電話をかけてもつながらない。 健司も、美香さんも、二人とも。
それに、一度断ってはしまったが、 どうしたって気になって、 沼太郎や八重ばあさんの家にも電話をしてみた。
こっちも、誰もでやしなかった。 気にはなるくせに、 それぞれの家まで様子を見に行く気には どうしてもなれない。
俺自身、こんなにも小心者だったのかと この歳になんてようやく気が付くなんて。**]
(99) 2020/10/23(Fri) 22時頃
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みょんこ @myon_cat ──────
家が火事になりました。 アーサーを連れて出たのですが、 私の不注意で行方不明になってしまいました。 写真の茶白の雑種です。 どなたか見かけた方は、当アカウントか (電話番号)までご連絡ください。 どうか、お願いします。
[ アーサーの全身がわかる写真を添付。]
(*33) 2020/10/23(Fri) 22時頃
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[ 投稿ボタンを押して、タイムラインを更新して気づいた。]
(*34) 2020/10/23(Fri) 22時頃
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[はじめ、助かったと思った。 つぎに、もう助からないと思った。 最後は、せめて助けたいと思った。]
(+5) 2020/10/23(Fri) 22時頃
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[何日たったんだろう? 日付の感覚なんてとうに失くしてしまった。
ただ、朝日が窓から差し込むから それは網膜を焼くほどに眩しいから また一日、経ったのだってことだけわかる。
だけど私の脳はどんどんふやけてくみたいに わかってたことがわかんなくなってってる。
たとえばこれ。 手にもってるこの、長方形の…板?
縁についてる突起を押すと表面が明るくなるけど これはなんのためのものなのか、わからない。]
(+6) 2020/10/23(Fri) 22時頃
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[ SNSを更新して、気づいた。 噛まれた後しばらくして消息を断ったアカウント。 人を殺したかも、というアカウント。 不穏な文字列から更新がないアカウント。 動く死体のムービー。
自分にはどこか遠くのことだと思っていた。 しかし、こんなにもすぐそこに迫っていた。]
何…これ……
[ アーサーは戻ってこない。 壁に背をつけたまま、私はずるずると座り込む。
インターネット越しの絶望から私を支えてくれてた 小さな猫は、今はいない。]
(100) 2020/10/23(Fri) 22時頃
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― ??? ―
[空気の音が聞こえた。木を軋ませる、風の音だ。 鳴き声みたいなそれをきっかけに、意識が身体に宿る。]
……?
[瞼を持ち上げたつもりだったが、前が見えない。 まだ寝ぼけているのだろうか。 昨晩は何をしていたんだったか……そう、そうだ。]
……。
[緩慢な思考は混乱も動揺も許してはくれない。 ただ耳を澄まし、記憶に霞んでしまった呻き声を探る。
風の音、軋む音。 風の音、 軋む音。 小さな呼吸音。
何かが、いる。]
(+7) 2020/10/23(Fri) 22時頃
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[お腹空いたな。 おかあさんのお味噌汁が飲みたい。
…おみそしる?
なんだっけ。]
(+8) 2020/10/23(Fri) 22時頃
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[今度は失敗しないよう慎重に瞼を持ち上げたが、 一向に視界は晴れなかった。 原因を確かめるよう無意識に手を伸ばすと、 何者かに覚醒を気づかれたのだろう。 呼吸を捉えられなくなり、代わりに衣擦れの音がした。]
……あ゛、 あ。
[生きているのなら、逃げなくては。 思考よりもっと深い部分が警鐘を鳴らす。 荒くなったはずの呼吸は、淀んだ呻き声になった。]
あ……?
[その時。ミケ、と呼ばれた。動きが止まる。 最近じゃ皆に合わせてマスタと呼ぶようになっていたし、 同じ仕事に就いた時点で遠ざかっていた響きだ。
後退の為に床についた手を止める。 その指先は、眼球に触れてほんのり湿っていた。]
(+9) 2020/10/23(Fri) 22時頃
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[ >>2:*45、>>*6、>>*14。 この情報を求める発言を検索し、 何も言わずシェアする。 情報が欲しいのは自分なのに。]
(*35) 2020/10/23(Fri) 22時頃
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みょんこ @myon_cat ──────
アーサーが心配。 火事もどうなったかわからない。 消防は現在電話が繋がりませんでした。 こちらは大田区です。
[ こちらも情報を投稿する。 普段なら絶対にやらない行為だ。 最後に、「助けて」と打って──削除した。 私なんかよりずっとずっと大変な人がいるのに。]
(*36) 2020/10/23(Fri) 22時頃
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[左目に色素の薄い髪が映る。 日に翳せば透けるような色は、くすんでしまっていた。 けれど、それはきっと彼だけのせいではなく。]
しー、 しゃ。
[どうして君が、ここにいる。 濁った瞳の向こうに、いるはずのない命を見た。]*
(+10) 2020/10/23(Fri) 22時頃
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/* 2
(-27) 2020/10/23(Fri) 22時頃
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[兄貴と、家に籠ると決めてから4日が経った。 外を歩き回る不穏な気配は日に日に増えていったけど 頑丈な雨戸は凹みこそすれ、壊れることは無かった。
食料だって、ゾンビ騒ぎが出始めたころに 兄貴が買ってきてくれたのが、まだ沢山残って居た。 元々、家に備蓄されていた冷凍食品や カップラーメンにも猶予があって。 このまま乗り切れるんじゃないかって……]
[そう、思っていたのに。]
(101) 2020/10/23(Fri) 22時頃
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[ 涙が止まらない。 心細い。 スマートフォンを握り締めてそのまま膝に顔を埋める。
家もあの火事では少なくとも無事ではないだろう。 今日の寝床を探したいが、ホテルはあるのだろうか。 そんな思考の渦を、声が切り裂いた。]
「あ"あ"ぁ……」
[ びくりとその方向を向くと、そこには──]
う…えぇ……
[ 大柄な男。 その首はひしゃげ、腕は曲がり、血に塗れている。 私は、その姿に見覚えが、ある。]
(102) 2020/10/23(Fri) 22時半頃
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いやああああああああああ!!!!!
[ 私はそのまま転がるように走り出す。 それは、朝、落ちてきた男だった。]
(103) 2020/10/23(Fri) 22時半頃
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……いつ、 きた。
[昨日、と返答があった。]
いまは、
[日付だけを告げられる。 それを受けて考えるよりも先に4日と続いた。]
(+11) 2020/10/23(Fri) 22時半頃
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[唸り声を聞いたのは、その直後だった。]
(104) 2020/10/23(Fri) 22時半頃
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[ここはデパートの2階。衣服売り場の一画。 婦人服売り場のあたりから、 血に濡れた声が聞こえて背を震わせた。
さっき、一瞬スマホの画面に映した死体 ――いや、この場合ゾンビか そいつが俺めがけて走ってくるのが見える。
這い上れる場所なんかない。 持っていたスマホをゾンビの顔面に投げた。 そのまま3階まで駆け上がる。
スポーツ用品店から死に物狂いでバットを拝借して、 尚追ってくるゾンビのうめき声に怯えた声をあげた。]
(105) 2020/10/23(Fri) 22時半頃
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死ね、よぉ!
[ひとをころすことが罪なら、 その罪を犯すことになんの躊躇もなくなっている俺は とうに英雄失格って感じなんだろうな。
べこっ、と嫌な音がした。 よろめくそいつを押しのけて俺は再び走り出す。
――どこへ。 ――デパートの外へ。
走っていこうと、して、]
(106) 2020/10/23(Fri) 22時半頃
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ヴィオラ
______________
>>*27>>*28 ああ、そうだな。
お互いに。 生き残って酒を飲もう。
[そう返答を返し。 スマホから一度目を離す。]
(*37) 2020/10/23(Fri) 22時半頃
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おいおい……
[2階にさっきより多数のゾンビが徘徊している。 降りていけば間違いなく食い殺される。 かといって戻れば、間違いなく男のゾンビに殺される。
冷や汗が背を伝った。 死にたいわけじゃない。 けどそれ以上に、]
あー…………
くそ、
俺は、ゾンビになるのなんか…… ぜってえ、ごめんだからな! [叫びながらバットを振り上げる。]
(107) 2020/10/23(Fri) 22時半頃
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[デパートの大窓を何度か殴りつけ――勢いよく、破った。 襲ってくるゾンビ男の顔面に もう二、三度バットを叩きつけて そのまんま、踵を返して落下する。
夕暮れの空から落ちて、落ちて、落ちて、
何かが折れる音がした。 落下先の木々の枝を巻き込んだのだとだけわかった。 その直後、衝撃がやってくる。
激痛。
左腕の痛みに悶えながら、 俺は落下した先の植え込みの中を転がった。 ぼやけた視界で見上げれば、破ってきた窓の向こうで 音につられたらしいゾンビたちが集まっている。 かと思えば、獲物の姿がなかったからか お互いを食い始めた。]
(108) 2020/10/23(Fri) 22時半頃
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― 4日後・コーヒーショップ『abbiocco』 ―
[壊れたドアを端材で無理矢理留めた場所から風が入る。 その度にささくれた木がきぃきぃと甲高く鳴いた。
どうしてここに――なんて。 答えの分かりきった質問はしない。]
……触れた?
[代わりに、たっぷり時間をかけて別の問いを投げた。 自身よりも大きく育った彼は壁際で膝を抱えている。 膝頭に額を押しつけてから乱暴に首を横に振った。 まるで水浴びをした後の犬のようだった。
そうだ。それでいい。 10フィート先からぐうるりと目玉を揺らして笑う。]
(+12) 2020/10/23(Fri) 22時半頃
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[……ざまあみろ。 てめーらはそうやって、共食いでもしてればいいんだ。
呪詛のような悪態をつこうとして、 直後、進の顔が過り、痛みに顔を歪める。 思考がぼやける。痛い。
でも、俺は噛まれてなんかいないし ゾンビに触ってもいないんだから、 死んだって串谷秋の死体のままでいられるはず。
…………そのはずなんだ。]
(109) 2020/10/23(Fri) 22時半頃
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