123 霓虹鬼故事
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/* は、みんなおかえり。
佩芳が小動物なのはたしかに……
(-107) sinotaka 2013/05/27(Mon) 22時半頃
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─シルヴィオ・ノックスの過去─
[12の頃。 おそらく俺は捨てられたのだろうと思う。
だろう、というのは自身がそうだと認識しなかったからだ。
知らない街で両親に置き去りにされた。 その事実を捨てられたとも感じずに自由を得たと思っていたからだ。
捨てられたという認識は後になって他人に指摘されて得たものである。]
(35) いか 2013/05/27(Mon) 22時半頃
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[最初は文字も全く読めなかった。 言葉も通じなかった。
何とか身振り手振りでやり取りをして少しずつ言葉を覚えていく。
名もこの街では異質な響きであったからたくさんある文字の中から比較的簡単なものを二つ選んで名前にした。
"明夜"
みんいぇ と呼ぶらしい。 簡単でいいなと気に入った。]
(36) いか 2013/05/27(Mon) 22時半頃
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[生きていくための仕事は選ばなければいくらでもあった。 毎日毎日知らない世界を覗いた。
騙されることもある。 全てがうまくいくわけじゃなかった。 それでも生きていけた。 時には汚い地面に溜まった雨水を啜ることもあった。
けれどそれが楽しかった。 どう生きようか、生き延びようか考えるのは飽きないことだから。]
(37) いか 2013/05/27(Mon) 22時半頃
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[そうして生きていくうちに特に考えずとも、安定して生きることのできる生活を手に入れていた。
つまらなくなった。
だから新しい遊びを探した。 生きるよりも、それを脅かすような何かを探した。]
(38) いか 2013/05/27(Mon) 22時半頃
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[そうして得た新しい仕事でその欲は満たされる。 同時に、報酬として得る金で生きることには困らなくなる。 だからさらに身を危険に置く。
頭がおかしいんじゃないかと言われたこともよくあった。
なるほど、俺はなにか落として生まれてきたのかもしれない。 けれどそれが幸せなんだから不満はない*]
(39) いか 2013/05/27(Mon) 22時半頃
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/* と、とりあえずここまでおとしとく。
トレイルと露蝶辺りをからめた話を書いているとどんどんながくなっていくんだ。
愛か、愛だな。
(-108) いか 2013/05/27(Mon) 22時半頃
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/* こんばんは。 明夜の過去も来てる…!
(-109) 蒼生 2013/05/27(Mon) 22時半頃
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[明夜からの返事はない。 期待をしていたわけではないので、肩を僅かに竦めた。 去っていく佩芳の後ろ姿を見ながら、どうしたものかとその場で首筋を掻く。]
[―やがて通報を受けた警官隊が屋敷に突入し、其処で起きた惨劇が明らかになる。
鬼に喰われた無残な遺体を見て、嘔気を催した者も少なからずいた。
傷付いた生存者は救急車で病院に運ばれ、惨劇に居合わせた者は誰もいなくなり。
それを目に収めればようやく動き始め、屋敷を後にする。]
(40) 蒼生 2013/05/27(Mon) 22時半頃
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― 惨劇の後 ―
[警官たちがやってきたときに見たものは、死んだ男と倒れた女と踞った男。 無残な姿がのこされた洗面所や、殺された男が地下と二階にと別れていることから警察の追及は激しく。 露蝶ほどに消耗していなかった黍炉は手当てを受けて落ち着いたと判断されたあとは延々事情聴取と言う名の取調べを受けた。
それに対する返答は「鬼」とそれに纏る「薬」の話。 その薬ができた詳細などは知らぬ存ぜぬで押し通したけれど。
腐った上層部に配下の者が袖の下を送った事でようやく開放されたのは発見され、処置が終ってから9日後のことだった]
(41) sinotaka 2013/05/27(Mon) 23時頃
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――
[ふ、と一息をついたのは病院の庭にあるベンチでのこと。 経過観察の診療ではあと3週間は安静にとのことだった。
まあ肋骨は治りにくい箇所であるがゆえにいたし方がないとため息一つ。
露蝶への見舞いにはまだいっていない。 行かぬ方がいいだろうとも思うのはあの惨劇を思い出したくないからでもある。 怪我したこと以外、あの館で追った傷など何もない男は、そのまままた日常へともどっていった**]
(42) sinotaka 2013/05/27(Mon) 23時頃
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/*
露蝶のお見舞いに行かない冷たい人だった……
いこうと思ったんだけど動いてくれなくて断念。
(-110) sinotaka 2013/05/27(Mon) 23時頃
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[屋敷を出れば、暫く繁華街をふらふらとさ迷い歩き。
仕事場の方に向かった時には、屋敷の一件を知った仲間達が自分の死を悼んでいた。
けれど喪に服する期間もそこそこに彼らは仕事を始める。生きていく為なのだから仕方がない。]
―馬鹿やるんじゃねぇぞ。
[仕事に向かう彼らの後ろ姿に向かって声をかける。 はめを外しがちな仲間達にあれこれ言ってやる事はもう出来ない。
―祖母の使いがやって来た時、彼らは驚きつつも仕事場にあった自分の遺品を渡してくれた。 引き換えに渡された金には、更に驚いたようだったが。]
(43) 蒼生 2013/05/27(Mon) 23時頃
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[遺品が実家に渡ってから、何となく実家の自分の部屋に戻ってみた。 出ていった時そのままにしてある事が、僅かに胸を焦がす。
やがて自分の事がネット上に流れ、それを知った親族が進言するのを見れば、祖母は当然了承するもの、と思った。 けれど毅然と拒否する祖母の姿を見て親族と同様に瞠目する。
今後を考えれば、縁を切った事にしておいた方がいい事は自分にも分かるのに。 ―祖母の目に灯る光は強く、揺るぎない。]
…は…、やっぱ敵わねぇわ。 あんたに迎えが来る時には、俺が向かうとしますかね。
[そう言った瞬間、不意に実体を持たぬ身体が揺らぐ。]
…っ、あぁ。時間切れ、ってとこか。
[それに対しては何の感慨も浮かばない。 死んだのだから、消えるのは当たり前の事。むしろ今までいた事が不思議なくらいで。
この世から自分が消え去るその瞬間を、何処か穏やかな気持ちで待った。*]
(44) 蒼生 2013/05/27(Mon) 23時頃
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/* とと、連投すみません。
祖母様に対する感情は、育ててくれた親、かつ、いつか越えたい壁みたいな感じでした。 本当は父親とかなんだろうけど死別しているので。
…もし情報流したのが仲間だったら黒宵涙目だな…。
(-111) 蒼生 2013/05/27(Mon) 23時頃
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/*
黒宵のもよいなあ。 仲間の可能性はたかいけどそれはしかたがない。うむ。
(-112) sinotaka 2013/05/27(Mon) 23時頃
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/* 黒宵は大事にされてる子なんだね。
なぜぐれてしまったし…
(-113) Cadenza 2013/05/27(Mon) 23時頃
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― 病院 ―
[事件後、まるで魂が抜けたようになっていた女は、 ある日の朝になってから、看護師たちに対しても、 ぽつり、ぽつりと声を掛けられるようになっていた。
病室のテレビは、点けられることなく壁に掛かっている。 今頃はおそらく猟奇事件のこと、それに研究所の事件のこと、 そうしたものがワイドショーで扱われているのだろう。
事件に関わった露蝶が勤めていた土産物屋にも、 興味本位でマスコミが来ていたりしなければ 好いのだけれど――と、女はぼんやり話したりもした。]
(45) sakanoka 2013/05/27(Mon) 23時半頃
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/* まぁ、手切れ金沢山貰ったら欲出ちゃうよね…っていう。 うっかり屋が酒の勢いで漏らしてしまったかも。
黒宵がそれ知ったら涙目でしょうが、 何してんだよお前ら!(社会的に)制裁されっから逃げろ…! って思う、かな。 でも多分ばれる。
(-114) 蒼生 2013/05/27(Mon) 23時半頃
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――…そうね。ちゃんと動けるようになったら、 先ずは、黍炉さんに会わなくちゃ。
[噂話好きの気がある若い看護師に向けて、 ベッドの上の露蝶は、ゆっくりと話を続けた。]
初めの応急措置をしてくれたのも彼だったの。 それに……彼だって酷い怪我していた筈なのに、 それでもずっと、泣いてたあたしの側に居てくれた。
[あの時手を貸してくれた彼も傷つき、 苦痛を堪えていたじゃないか、と。 落ち着いた今だからこそ、その時のことを思い出せた。]
あの時、何のお礼も言えなかったのよ。
[――なんて話は、当の黍炉には無論聞こえてはいまい。 結局今に至るまで、彼が見舞いに来ていない訳も 知ることなく、女は小さく苦笑いを浮かべていた。]
(46) sakanoka 2013/05/27(Mon) 23時半頃
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[この黍炉の話で、もう一つ思い出されていたのは、 黒宵を返り討ちにして殺してしまった時のこと。
あの時の様子から「見つかる」と拙かったのは明白。 けれど相手が「鬼」であれば受けていた筈の傷は、 肩の刺し傷以外、特に受けていない。 少なくとも、黒宵の「力」は明夜程では無かったのでは。]
……あの人は、「鬼」だったのかしら?
『え?』
あ、ううん。 なんでもないの、その――…
[いくらあんな警察とはいえ、研究所のデータくらいは しっかりと見つけて押収していることだろう、と思う。 あの場の遺体から遺伝子を採取して調べることもあろう。 故に、黒宵が「鬼」であると見做されてしまうかも、と 思いはした。だから――。]
(47) sakanoka 2013/05/27(Mon) 23時半頃
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孫を殺した女と、顔を合わせてくれるのかしらって。 赦しを請う訳じゃ無いの。 ただ、謝罪と――それに、伝えたいことがあるからって。
[彼にはおそらく近しい人が――祖母がまだ居る。 あの時の反応>>0:73が思い出されれば、 なんとなくそんな気がした。 譬え警察やらネット上の誰かやらが何を言おうとも、 彼は本当の「鬼」になった訳では無かった筈だ、と、 その人にだけでも、伝えておきたいと思ったのだ。]
(48) sakanoka 2013/05/27(Mon) 23時半頃
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『それは……っていうか露蝶さん! やっぱ …――い、いえ、まさか』
ええ。身体がちゃんと治ったら、警察には言う心算よ。 あたしがあの日やったことも――。 この目で見て聞いた限りのことも、全部話す心算。
[黒宵と――明夜を殺したのが自分だということ。 明夜が鷲珈を殺し、佩芳を食べたこと。 初めに殺し合いを言い出したのが鷲珈その人だということも。]
あいつ――を殺したことで、真相を話す事で、 あの子にも報いる、なんて言ったら勝手だけど、ね。 確り抱き締められなかったの、少し後悔しているの。
[とはいえ彼女――佩芳もただおどおどとしているばかりの 女では無かったはずだ、と露蝶は思う。 あの洗面所の爆発の原因が結局何だったのかは未だ知らないが、 それが明夜の為したことでないならば、おそらくは――と。]
(49) sakanoka 2013/05/27(Mon) 23時半頃
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[――「あいつ」、と。 そう口にした時、ふっと目を伏せていたのだけれど。 またすぐに、弱弱しい顔ながらも、気を取り直していた。]
『それにしても露蝶さん――、 いや、本当に元気になられて良かったですけどォ……』
[何か言い淀むような若い看護師の顔を見て、 露蝶はなんとなく、この若造が言いたげなことを察した。 ――如何して急に立ち直ったのか、などということだろう。]
あたし、気づいたのよ。 残された――託されたものがあるじゃないって。 あたしの愛しい彼から、ね。
[ベッドの枕元には、あの日嵌めていた指輪が置かれていた。 黍炉の店でトレイルに選んで貰った、翡翠の――婚約指輪。 正確には「婚約指輪の代わり」であるそれを手に取り、 露蝶は緩く微笑んでいた。]
(50) sakanoka 2013/05/27(Mon) 23時半頃
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この指輪もそうだし、それに、あの人の部屋には――、 あの人が、人を救う為に積み重ねてきたものが、 沢山残っている筈だから。
[「鬼」を見つける薬を手に入れ、自分なりに検証していた彼。 「鬼」と化して、狂い、悔やみ、壊れたという彼。 そんな彼だからこそ、「それ」を望んでいた筈だと。 つまり――鬼薬を飲んだ人を治す薬、を。]
あたしには医者や薬屋になれるだけの学歴はないけど、 彼の遺したものは無駄にさせたくないのよ。 自分でももっと、確り勉強しておきたいし、ね。
(51) sakanoka 2013/05/27(Mon) 23時半頃
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それに――。 まだきちんと検査した訳じゃないんだけど。
[ぺたんこのままの下腹を、ふっと見下ろして]
……あいつには彼のこと、奪われちゃったけど。 彼から託されたんだもの。 死んだように生きてなんて、いられないの。
[零した独り言に、またこの看護師が浮かべた疑問と興味。 それをまた、露蝶は苦笑いと共に軽く流したのだった。**]
(52) sakanoka 2013/05/27(Mon) 23時半頃
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/* 多分、婆様のデレはここが初めてだったんじゃない、かな…。 愛情は持ってるけど、表現出来ない人。 頑固な性質が似てて、すれ違いまくりな二人。
黒宵視点では、いつもしかめ面してて厳しく躾してくるというイメージが強く。 (彼女が一人で家を守ってきた事とか、普通に尊敬はしていた筈。ばっちり教育された事は刷り込まれているけど、気付いてない。) 大学で自由な生活に触れて、そっちに引かれてしまった感じです。
黒宵、なんて贅沢な…!
(-115) 蒼生 2013/05/27(Mon) 23時半頃
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/* れんとうしつれいしました……! というわけで、多分後日露蝶のほうから黍炉に逆お見舞いが来ると思います。
(-116) sakanoka 2013/05/27(Mon) 23時半頃
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/*
逆お見舞いとか、流石。 露蝶の行動力にはまけますね。
まあ来てくれるのなら笑顔でうけいれます内面はどうあれ(待て
(-117) sinotaka 2013/05/27(Mon) 23時半頃
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/* あああ露蝶さんのに挟んでしまった…。す、すみません!(土下座)
婆様は多分会ってくれると思います。 しっかり生きろ、って言いそう。 資金援助申し出そうな。
(-118) 蒼生 2013/05/27(Mon) 23時半頃
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