298 終わらない僕らの夏休み!
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― 回想・図書館 ―
[あの後、鹿崎たちと別れた俺は図書館へ向かって、大して興味もない本を手にとっては席につき、何か自分の気を引いてくれるものがあってはくれないものかとページを捲る。 結果はいつもと同じ。味気ない気分を咀嚼するばかりだ。 自分のことで精一杯の俺は文字ですらも、その奥にいる作者の思想に人間味を感じてだんだんと嫌気が差してしまうのだ。 結局よくわからない野草図鑑を眺めることにした。 小さい頃食った野草に毒があったことを初めて知った。]
(22) 2019/09/02(Mon) 03時頃
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なんで。
俺が、明日なんて来るなって、思ったから――?
[まさか。 そんな簡単に天変地異が起きてたまるもんか。 いや、もし起きるんなら、何回でも祈るけど。 そんな超能力が自分にあるなら、明日が来ないことより、もっと別の願いを叶えたい**]
(*8) 2019/09/02(Mon) 03時頃
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………ふーー…
[深くため息を吐いた。 祭囃子も、夏の匂いも図書館までは届かない。 寂しいわけじゃない。 ただ、自分はもしかしてこの世界のどこにも居ないんじゃないかと、中学2年生みたいなことを考えてしまう。 明日からほぼ毎日学校の…居場所を持って能天気面している連中と顔を合わせなきゃいけないと思うとうんざりする。 彼らを嫌いなわけじゃないんだけど、どうしても腹が立つ。
そんなことを頭の奥底でぼんやりと逡巡させていたら気がつけばすっかり日は暮れて、図書館を追い出されてしまった。 帰宅すれば親戚連中は既に祭りに出かけていて、後は各々自分の巣へと帰っていくだろう。それだけが救いだった。]
(23) 2019/09/02(Mon) 03時頃
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[帰り道、腹がぐう、と鳴った。 そういえば串焼き、美味かったな。 声、掛けてもらったし。]
………
[明日は、俺から声を掛けてみようか。
せめて。 優しくされた分を食いつぶしてしまわない程度に。]
(24) 2019/09/02(Mon) 03時頃
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─ 朝・根岸家 ─
[ああ、嫌だ起きたくない。]
[新学期初日。目覚めは最悪だった。 家の中を歩き回る足音、大きな話し声と笑い声。 まだ寝てる人間が居るのにどうしてこんなに無神経に物音を立てられるんだろう。神経を疑う。 ほら、ほら、そろそろだ。来るぞ。]
(25) 2019/09/02(Mon) 03時頃
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────!─────!!!
[怒鳴り声だ。いつもこう。 早く家を出たいと思いはするけど、家を出ていったところで俺なんかが一人で生きていけるだろうか?朝からこんな事ばかり考える。いつものことだ。最悪。
夏休み中ならこんな時も親が出かけるまで寝ることでやり過ごしていたんだけれど。いや、でも今日はやけにうるさい。これじゃまるで…]
(26) 2019/09/02(Mon) 03時頃
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……は?
[「まるで人がたくさんいるみたいだ」 観念して部屋を出た俺が見たのは、昨日とまるで同じ。親戚連中がどたどたと歩き回りああでもないこうでもないと騒ぎ立てている。]
…昨日帰ったんじゃないのかよ。
[通りがかった母に小さな声で尋ねると、母は怪訝な顔をして「忙しいのにわけのわからないことを言わないで。」と一言だ。
そうすればそれを見た親戚が「またつまらんことばかり言って母さんを困らせている」と大笑いや叱責をして俺で遊び始めるのだ。勘弁して欲しい。
大方皆でもう一日とか、 大雑把でクソな提案が通ったのだろう。 嫌だ。大嫌いだ。]
(27) 2019/09/02(Mon) 03時頃
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[最悪だ、最悪だ、最悪だ。
今日から学校で、帰っても親戚がいる?!地獄だ!!
──俺はヤケクソの気分で制服に着替えて、随分早い時間から家を飛び出した。**]
(28) 2019/09/02(Mon) 03時頃
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/* 根岸の家の最悪さリアル好きwwwwwwwwwwwwww wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww さいあく…!さいあく……!!!wwwwww
これがループするんじゃたまったもんじゃねえよなwwwwwwwwwwwwwww
(-26) 2019/09/02(Mon) 03時頃
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/* 髪の色もイヤホンも死ね死ねも全部回収すんじゃんwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
(-27) 2019/09/02(Mon) 03時頃
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/* 何も設定考えてなかったけど家庭環境あんまよくなさそう〜から広げていったら地獄のような生々しいイヤさに仕上がって満足感と同時に嫌悪感がすごい
(-28) 2019/09/02(Mon) 03時頃
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/* 大須賀転ぶの可愛すぎかよ中学3年生〜〜〜〜!!!!!!!!しかも結構派手な転び方してて可愛すぎる…萌男子 関係ないけど宍井に顔触られてた時に思ったけどめちゃくちゃ肌キレイそうだよね颯成くんね…
今日学校行かない理由とかって明らかになるのかな!私の読み落としかもしれないけど愉悦に浸りながら窓から見下ろす大須賀は…かわいいね…!
この怪我が残ってる、みたいなのめちゃゾッとする最高だあ…
(-29) 2019/09/02(Mon) 03時半頃
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/* 雛子ちゃんもうずっとかわいい事件 全部ぜんぶ可愛いし >あんた今年は夏休みが一日長いって喜んでたのに忘れちゃったの? このお母さんのセリフめっちゃ上手くてテンション上がっちゃう!
(-30) 2019/09/02(Mon) 03時半頃
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/* え?マジで誰か死んでるの?嫌だが??? 俺は生きてるな????おう・・・・
(-31) 2019/09/02(Mon) 03時半頃
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/* 死ね死ね団にあるまじきことを言ってしまったな…
(-32) 2019/09/02(Mon) 03時半頃
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−自宅・洗面所−
昨日…剃ったっけ。
[洗面台の鏡を、俺はまじまじと見つめた。 いつものぱっとしない顔に、ヒゲはまだうっすらとしか伸びていなかった。撫でてみると肌の感触がぞりぞりと痛い。]
昨日……
[そうだった。俺は昨日、祭りの道すがらに明加先輩を見かけて有頂天になって、そしてどん底に落とされた気分のまま、とぼとぼと帰ってきたんだった。冷蔵庫にあった親父のビールをくすねて、飲んでふて寝したんだった。最悪の夏休み最終日。]
(29) 2019/09/02(Mon) 08時頃
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−外−
[気乗りしないまま、俺は学生服に着替えて外に出た。人生何度目の始業日だか知らないけど、こんなに気分の重い日もなかっただろう。俯き加減のまま学校の門前にまで来た。けれど門が閉まっていて入れなかった。狼狽して辺りを見回して、気が付く。]
街の雰囲気。休日っぽくね?
俺…なんか間違えた?**
(30) 2019/09/02(Mon) 08時頃
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─回想・神社─
[参拝を済ませて、屋台がある方へと向かう。秋山は連れの状態なので基本行動を共にして、雛子も一緒に行くなら声を掛けた。
夜空に星が瞬く時刻。 星を見るのがいつからか好きな俺は(ロマンチストみたいに言われるのが嫌だから、人には言わないけど…)、屋台の明かりから離れて夜空を見上げていた。]
海の上だと、星を頼りにするんだよな。
[ぽつ、と呟いた独り言。 秋山は、その言葉の意味する事を知っている少ない友人だった。]
(31) 2019/09/02(Mon) 10時半頃
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[バニシングツイン。 これは俺の記憶の全くない時の話。何せ胎児の時だから。けれども、俺にはもう1人兄弟がいたらしい。
双子だとわかった時、親は1人には「航」、もう1人には「海」と名付けるつもりだったんだと…聞いた。 由来とかは忘れたけれど、ただ、出会う事が出来なかった片割れがいた事実をずっと抱えている。寂しいとか悲しいとかそういった感情は別に湧かないけれど、居たらどうだったんだろうな、みたいに妄想する事はたまにある。
俺の知らない事としたら、両親が海が消えたという事を知った日が ────9月1日だという事だ。]
(32) 2019/09/02(Mon) 10時半頃
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[親は何処にでもいるような2人だ。サラリーマンの父親と、専業主婦の母(日中、よく出かけているけど俺はよくわからない。)ただ、母さんの家の都合?で、うちの親父は婿養子というやつらしい。父親の兄弟が多くて(親父は3番目の弟らしい)、親戚の家に休みとなると行く事が多い。ガキの頃は何で俺は名字が違うのかわからなかったけど、別に気にしちゃいなかった。正月に親戚のおじさん達から貰えるお年玉は貴重だったし。
けど、中学、高校とかになると子供の成績とか進路がどうのとか…父親達の話の中に俺は存在したくない事が増えてきたものだから、近所の親戚──根岸の家に俺は殆ど行かなくなっていった。]
(33) 2019/09/02(Mon) 10時半頃
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─??─
[変な夢を見た。 真っ白い空間で、雲の中みたいな場所。 俺の目の前に、俺がいた。 正確には、俺にどこか似た俺だ。
何か喋っているけれど、 はっきりとは聞こえない。
ただ、その俺に似た俺の顔が 悲しそうな、心配そうな顔で 俺を見ていて────]
……、か
[声を発しようとした時、目覚ましの音で俺は目覚める事となった。]
(34) 2019/09/02(Mon) 10時半頃
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─9月1日・朝─
あれっ?
[夏休みも同じ時間に起きていた為、起床時間の違和感はなかったが…自分の机の上を見て声を上げた。 確か学校に行く支度をしてから寝たはずなのに、何故かそれがなくなっていた。]
??なんで、
[寝ぼけて全部片付けた?いやまさか。そんな思いと共に鞄にペンケース、教科書とノートと順々に入れて支度をし直す。 次に赤本を解いたノートを入れようと中を確認するが
そこには昨日解いたはずのものが何一つ書かれていなかった。]
……………………、なんで?????!??
(35) 2019/09/02(Mon) 10時半頃
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[次にスマホを手にして、時計と日付を見る。
今日は9月の2日のはずなのに、スマホの画面には1日と表示されている。3度見くらいしたけれど、やっぱり1日だ。]
……、……。
[疲労で頭がおかしくなったのかもしれない。本気でそんな事考えかけた。 とりあえず、スマホを手に持ったまま、翔にメッセージを送ってみた。]*
(36) 2019/09/02(Mon) 10時半頃
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──9月1日/朝──
[ 顔を洗い、歯を磨く。 制服に袖を通したあたりで、 どうにも家が静かだなって気付いたのだ。
お母さんが寝坊するのは、 ときどきあることだからいいとして、 中学校だって今日からあるはずなのに、 年子の弟が起きてくる気配がちっともない。
まったく仕方のないやつ。 ってふうに、千早はため息をついて、 弟の部屋の扉をノックしてやったのだ。]
(37) 2019/09/02(Mon) 12時頃
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竜太! アンタも今日から学校でしょ。
[ 開けるよ、と予告して開いた扉。 ベッドに寝っ転がったままの弟は、 不機嫌そうなしかめっ面して言う。
なに寝ぼけてんだよ。 明日からだっつーの、バーカ!
しっかりと制服まで着込んでいた千早は、 だって、昨日の記憶がしっかりとありますので。
弟こそひどい寝ぼけ方をしている。 なんて思って、「あっそ。勝手にしな」なんて。
スマホもテレビも確認せずに、 いつもと変わらぬ時間に学校へ向かったのだ。]
(38) 2019/09/02(Mon) 12時頃
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[ 始業時間にだいぶ余裕をもって登校する。
それはいつものことなんだけれど、 こんなにも気の重い朝ははじめてかもしれない。 と、千早は胃のあたりを抑えながら歩く。
それにしても、なんだかおかしい。 このくらいの時間なら、朝練のある部活の人や、 登校が早めの人とそれなりに出くわすはずなのに──、
それにしては、制服姿が少ない。ような……?]
(39) 2019/09/02(Mon) 12時頃
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[ 疑問の芽を育みながら、 通学路を歩くこと少々。
前方にようやく見つけた制服姿>>28に、 思わず「あっ」っと声を上げて、 追いつこうと地面を蹴って駆け出した。]
すみません! そこの、そこの……根岸先輩?
[ すこうし近づいてみて、 どうやらそれが知った顔であると気付く。
慌てて見知らぬ人に話しかけるモードから、 顔見知りへの挨拶へと口調を切り替えながら、 走ったせいで滲む額の汗を手の甲で拭った。]
(40) 2019/09/02(Mon) 12時頃
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おはようございます、あの、 今日って学校……ありますよね?
[ 少しマシになったとはいえ、 猛暑の気配を残す9月入り。
部活でしっかりと日焼けをし、 今も汗を拭っている千早に対し、 なんだか夏を感じさせない人だな。 なんて、どうでもいいことばかり考えて。**]
(41) 2019/09/02(Mon) 12時頃
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師範棋士 千早は、メモを貼った。
2019/09/02(Mon) 12時頃
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─9月1日・朝─
[翔へ送ったメッセージは既読が付かないままだったので、仕方なく制服に着替えてから部屋を出て、リビングへと向かう。 自分の姿を見た母親が目を丸くして、それからカレンダーを確認してから]
……
[学校は明日からよ。と言い笑った。 父親の姿を探すと、根岸さんのとこでしょ、とまた笑われた。]
………………
[俺が、間違っているのか???] [頭の中で思考をしても答えが出てこない。ダメだ、考えるのはやめよう。わからん。]
……、……
[椅子に座っていると、昨日と同じ朝食が並び、昨日と同じテレビが流れ始める。 なんというか、これは、少しばかり、気持ちが悪いな、と、内心思い始める。]
(42) 2019/09/02(Mon) 14時頃
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[それから、ふと、自分みたいに間違えて登校してきた生徒がいたら、と…思い至る。
翔からの返事はない。 それを確認すると画面を暗くして、制服のポケットへ突っ込んだ。]
ごちそう様。 ちょっと…今日は外で勉強してきます。
[夜のお祭りは行くの?と、昨日と同じ質問が飛んでくると、エッ?という喉元まで出かけた声を飲み込んで、翔と行ってくるよ、と、伝えると学校に向けて歩き出した。*]
(43) 2019/09/02(Mon) 14時頃
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