84 戀文村
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ブローリンに4人が投票した。
クラリッサに1人が投票した。
ブローリンは村人の手により処刑された。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
犠牲者はいないようだ。殺戮の手は及ばなかったのだろうか?
現在の生存者は、ホレーショー、ベネット、ミッシェル、クラリッサの4名。
多くの軍人が戦地へと旅立った。
それでも、戦は終わらずに……。
また、赤い手紙か、命令が届く。
今日は―――……ホレーショー[[who]]へ*
(#0) 2012/03/31(Sat) 00時半頃
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村人でなく、軍人さんたちが戦地へ向かったのです。 ……きっと、もう直ぐ……終わりますよ。
[もし召集されたら。 そんなことを言われて、青年は前向きな言葉を向ける]
待っていると言いながら 忘れて欲しいだなんて、矛盾なさってますよ。 ほら、お酒で頭が回っていないんでしょう? ゆっくり、おやすみなさい。
[夜がしんしんと過ぎていく 硬いソファに腰掛けて、いつの間にか転寝を始めていた**]
(0) 2012/03/31(Sat) 00時半頃
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・・・・そうなのかな。 そうだといいんだけど・・・でも。
・・・
[1日だけ、といったあの約束。彼が寝静まったらそっと家に帰ろう。 召集が自分になっても構わない。1日だけ、その与えられた時間で何にも代え難い思い出を作る事ができたから。
だけど、それ以上の幸せな思いをしてはいけない。頭では違うと分かっているけれど、母親に何も言えなかった自分に、エリアスを送り出した自分に、内心どこか罪悪感を感じてもいた。 ダーラについて誰かから聞けば、おそらくさらに。
きっと彼らはやっぱりその考えを変える事はないと思っているから。ベネットや、クラリッサや、他の誰か。きっと、一番その生に価値がないのは自分だという思いもあって。
少し離れた場所の寝息を聞きながら鬱々と抱いていたその考えは、いつの間にか眠りに溶けた**]
(1) 2012/03/31(Sat) 01時頃
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― 朝:自宅にて ―
[夜、戦地へ向かった人の無事を祈り床について。 朝、起きて同じように祈りを捧げる。
そして、出かけるまでの束の間のひと時。 レェス針を使って、女はレェスを編む。 それは、ミッシェルとの約束の品。 ウェディングドレスを飾る為のもの。
彼女が、自分の生に意味がないなどと、考えているとは知らない。 いつか、自分も彼女の作ってくれた指輪を活用できたらと思うけれど。 望みは本当に淡ければ、自らの夢をミッシェルに託すように……。]
姉妹そろって、本当に莫迦ね……。
[死んでしまった姉に向けて語るように、独り語つ。 姉妹で選んだ道は違うけれど、きっと戀の仕方は*似ていた*]
(2) 2012/03/31(Sat) 01時頃
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− 朝 −
[目覚めはとても穏やかで、久しぶりに熟睡したように思う。 ダーラが夢で責めるかと思ったが、夢の覚えも無いほどで。 どうして良眠出来たのだろうと思っていたが、早朝に下った 命令に納得がいった]
駐屯軍の撤収? いよいよですか。
[干された部隊も2、3人だけ残して全員へ前線への命令が下る。 もうじき終わるな、と確信に近い予感を覚えて苦笑が浮かぶが、 慌てて取り繕って命令を真摯に受けた。 昨夜の眠りは悪魔か死神からの最期の贈り物なのだろう。 だが、自分にとって戦地への命令が何よりの贈り物だった]
(3) 2012/03/31(Sat) 01時半頃
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挨拶周りに行って来る。
[ばたばたと部隊の撤収が始まる。 慌ただしい中、役場や教会へと挨拶周りや、 宿舎の受け渡し等面倒臭い書類の手続きと その日は忙しく動き回る事になる。
だが合い間を縫ってナタリアの家へと向かう。 彼女と約束したわけではないが、彼女には逢って 行くべきだろうと思っていた。
同じように合間を縫ってか、数人の兵士が彼女の家に 入るのを見て彼らも大切なものがいるのだなと悲しげに見つめ]
(4) 2012/03/31(Sat) 01時半頃
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よう、ナタリアさん。 この騒ぎで大体判るだろ? 駐屯部隊引き揚げの命令が来たんでね。 時間ある間に薪でも割っておこうと思ってな。
[いつもの様に挨拶をして、裏手に回り薪を割り始める。 夏までの分位は割っておきたいと夢中になっていて、 気付けばナタリアが傍にいた]
おお? ナタリアさん、薪飛ぶから危ねえよ。 もう少し割っておくから暫くは心配しねえでいいぜ。
[汗掻く自分に水を差し出し、静かに老婦人は口を開いた]
(5) 2012/03/31(Sat) 01時半頃
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手紙? 俺が? 何言ってんだ、ナタリアさん。 手紙を渡すのは村人だろ? 俺は部外者だぜ?
…言わなくていいから。 ナタリアさんの言葉は嬉しいけど。 俺は部外者だ。それでいい。 これだけの兵士が動けば、この村に赤紙は暫く届かないと思う。 それで充分だろ。
[だから手紙は残さない。この村には何も。 例え彼女が残っていたとしても手紙は書かないだろう。 自分の強い口調にナタリアの顔が悲しげに歪む]
(6) 2012/03/31(Sat) 01時半頃
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あ、この村が嫌いなわけないだろ。 むしろ大好きだぜ。 いい奴ばっかりで。 だから、何処かも判らない残酷な場所で死んで欲しくない。
[苦しげに口にした言葉にナタリアの目が一瞬見開く。 何かを察したのか、それでも何も聞かず静かに遥か上にある 自分の頭を撫でる。 他の兵士にもそうしたのだろうか、 まるで誰かを見ている様に優しく切ない眼差し]
女に優しくされると惚れるから止めてくれよ。 これだけ薪あれば、暫く持つだろ。 じゃ……ナタリア位いい女なら村の男がこぞって 世話してくれるから心配はしないよ。
(7) 2012/03/31(Sat) 01時半頃
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ただ……元気でな。
[手紙を託した者達にとって、彼女は母の様に見えるのだろう。 自分も懐かしい母を思い出し、最期に息子の様に健康を願った]
(8) 2012/03/31(Sat) 01時半頃
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− 本屋 −
[ナタリアに別れを告げた後、向かったのは本屋。 先日の事があるから、長居をするつもりはなく、 扉から店内に入る事はせずに簡潔に告げる]
俺達村から引き揚げる事になったから。 今迄騒がせてすまなかったな。
軍人嫌いだと知ってるけど俺は嫌いじゃなかったぜ。 むしろこの村に来れた事感謝してる。 ありがとう。
この村、宜しく頼む。
[店主はどんな表情をしただろうか。 冷たく突き放すものだったか。 それでも自分は笑みを浮かべて、じゃ、と店を後にするだろう]
(9) 2012/03/31(Sat) 01時半頃
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[そして次に向かうのは工房へ。 そこにミッシェルの姿はあっただろうか。 無ければ暫く村を探し、彼女に栞の発注を]
ブローリンが結構本読むみたいだからな。 戻って来た時用に幾つか頼むわ。
[そう言って財布の中身を全て渡そうとするだろう。 死人に金等必要ない。 彼女は何と答えたか。 恐らく彼女が言いたい事は他にあるだろうから]
多分、もうすぐ戦争は終わる。 だから俺の我儘も終わりだ。 聞きたい事もあったけど…忘れた。
[全てを知っている彼女にはそれだけで何を言いたいのか 伝わるだろうか。 そして彼女は何と答えたか。 暫く会話は続くのだろうか**]
(10) 2012/03/31(Sat) 01時半頃
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[クラリッサは何処で出会っただろうか。 騒がしさから撤収と徴収について隠す事は出来ないだろう]
クラリッサ、目は腫れてないか? あんまり目赤いと兎と間違われるから気を付けろよ。
…あ、もう知ってると思うけどな。 駐屯部隊皆呼び出しくらったわ。 多分罰だろう。
短い間だったけど楽しかったぜ。 この村の皆のお陰だな。 ありがと。
[また頭をポン、と叩いて礼を言うと]
(11) 2012/03/31(Sat) 08時頃
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……生きろよ。
[自分がいなくなった後、この村で消えた命の、旅人の 真相を知る事になるかも知れない。 その時クラリッサを悲しませるだろう。 けれどそれを今それを告げる事は出来ず。
逃げに走る自分を自嘲しながら 少しの会話を交えて別れるだろう**]
(12) 2012/03/31(Sat) 08時頃
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[そして、いつものようにナタリアの所へと向かう途中。 今日もざわついている軍人たちを見かけた。 漏れ聞こえる声から、彼らも旅立つのだと知る。 彼らを暫く静かに見つめてから、ナタリアの家へ。 この分だと、今日もあまり彼女の家には居ない方が 良いだろうと思いながら……。]
ホレーショーさん……ええ、あの陽気な人。 あの人もね、挨拶に来ると思うわ。 昨日、近いうちに薪割りに行くって言ってたから。
[案の定、クラリッサが家事をしてる間にも、 ポツリポツリと手紙を託しにくる軍人が居た。 だから、できるだけ手早く用を済ませて、 ナタリアにホレーショーの件を告げ、その場を去った。]
(13) 2012/03/31(Sat) 10時頃
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[次に向かったのは、役場。 駐屯軍の撤収で、ごたつくその場の手伝いを申し出る。 女にできることと言えば、お茶を出したり、 書類の使いに走るくらいではあったけれど。
役場の仕事を手伝っていれば、思い出す顔がある。 まだ、死亡届を見ていないならば、 大事な幼馴染の無事を作業の間に間に祈る。]
(14) 2012/03/31(Sat) 10時半頃
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[そんな中、ホレーショーと出会ったのは、 役場から軍部への使いの途中であったろうか。]
……兎に間違われたから スナイパーに射抜かれたのかしら?
[いつも通りの揶揄いに、今日は負けじと言い返す。 取り用によっては、痛々しくもあるその言葉は、 けれど発する女の表情は、酷く穏やか。
それは、射抜いた相手が目の前にいないからこそ、 初めて戀を認めた言葉だとは、ホレーショーは知るまい。 認めてしまえば、辛いだけだろうと、 無意識に自覚を恐れていた感情は…… 今は逆に女の生き様を支えていると判ったから。]
(15) 2012/03/31(Sat) 10時半頃
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それを罰と言ってしまう貴方は とても優しいのね。
[子供のように頭を撫でられながら、別れの言葉を聞く。 身長差に首を傾けて、じっと相手の眸を射抜くように見る。 それでも、ヤニクになされたことは、 今その身体を雪が覆っているように、見ぬくことは出来ないけれど。]
生きるわ……。 そのことが、とても辛いことだとしても。 申し訳ないことだと、思っても。
[ゆるりと伸びる女の手は、老女が彼にそうしたように、 お返しとばかりに随分と高い位置にある頭を撫でる。]
(16) 2012/03/31(Sat) 10時半頃
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いってらっしゃい。
[相手がどのように思っているかは、判らない。 けれど、一方的に女は再会を願うような、挨拶を向けた。 これまで見送ってきた人と同じように……。 さようなら、とは言わない。]
お見送りにも、行けるならば行くつもりよ。
[緩く微笑んでみせる顔に、涙は今は*光らない*]
(17) 2012/03/31(Sat) 10時半頃
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―深夜―
[そっと寝台から起き出して、静かに眠る店主の顔を眺めた]
…ありがとうね。
[そう呟くと、こっそりと彼の部屋を出て、そのまま自宅へと戻った。母がきっと心配している。親不孝な自分に心の中で詫びた]
(18) 2012/03/31(Sat) 17時頃
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―翌朝― [母は相変わらず塞ぎこんでいるようだった。だからなだめて家を出るまでに随分と時間がかかってしまった。
まっすぐ向かったのは工房。指輪と共に残しておいた、いざという時のための手紙を眺めて、机の引き出しの奥にしまいこんだ。多分、これを簡単に見つけることはもう誰にもできまい] この手紙はもう必要ないかな。・・だって、あの人なら、きっと必ず覚えていてくれるから。
[扉がノックされたのは、そのすぐ後]
ああ・・・上官さん。 どうしたんです?今になって。もういい時間ですよ。 [彼の口から聞いた言葉は、少し前の自分なら手放しで喜べたかもしれないが] ・・・そうなんですね。もう昨日一日いただいた時間で、思い残す事もないようしておいたのに。 他の人達には、きっと背負わなければならないものがそれぞれあるはずだから、と、それなら私が一番後腐れは少ないはずだから。
(19) 2012/03/31(Sat) 17時半頃
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・・あ、栞は用意しておきますよ。確かに。ブローリンさんの分と、それからあなたの分も。あなたのはヤマアラシかヒグマです。 ・・・また戻ってきてくださいね。 そう言えば、ダーラさんはどうしました?
[ベネットから彼女のことを聞き、きっと自分の代わりに誰かが犠牲になったのだろうと思うと、罪悪感を覚えずにはいられなかった]
(20) 2012/03/31(Sat) 18時頃
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− クラリッサと −
[昨日とは違い、笑みや軽口を返す余裕をクラリッサは見せる。 本当にこの村の女達は気丈だと両手を挙げて]
この村だと男は皆尻に敷かれるな。 その方がいい家庭が出来るって言う話だけどな。 ただ体積は増やすなよ。 ブローリンが潰れるぞ。
[軽口には軽口で。 それこそ隣村にでもちょっと出かける位の陽気さ。 だが、優しいと言われると困った様に微笑んで]
(21) 2012/03/31(Sat) 20時半頃
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優しくはないよ。 優しいのはこの村の連中だ、クラリッサ、あんたも皆。 だから……。
[戦場では散らせたくなかった、と口にする事は出来ない。 伸びて来た手に少しだけ驚いた表情を見せるが、 優しく彼女を見つめる]
ああ、やっぱりこの村の女は皆優しくて、強い。 大丈夫だ、あんた達なら…きっと…生きられる。
[そうだ、皆自分が思っていたより…ずっと…ずっと…強いのだ]
(22) 2012/03/31(Sat) 20時半頃
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ありがと。
[別れでは無い挨拶には感謝の言葉を。 微笑むクラリッサに同じように微笑み返す]
華を添えてくれると、男達は喜ぶ。 本当に…ありがとう。
[最期の思い出には勿体無い光景だと思いながら、 彼女が見送りに来る事は笑顔でもう一度礼を]
(23) 2012/03/31(Sat) 20時半頃
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− ミッシェルと −
[ダーラや自分の事を知っていて尚、 自分と話をするミッシェルが不思議でならなかった。 ブローリン同様、彼女にもいらぬ苦しみを 抱えさせたと思いながら僅かに笑みを浮かべたまま 彼女の目を見つめ]
他の皆が背負うものがあるなら、あんたにもあるんだろう。 俺はその重さに、苦しさに、哀しみに潰される前に。 ……解放してやりたかっただけだ。 そして残してやりたかっただけだ。
同じ嘆くなら。 せめて抱きしめてやれる骸だけでも残してやりたかった。
[穏やかに静かに胸の内を語る。 ミッシェルから目を逸らす事はしない。 彼女の言葉は全て抱えて逝くつもりだったから]
(24) 2012/03/31(Sat) 21時頃
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あ? ヤマアラシかヒグマ? もうちょっと可愛いのにしといてくれ。 ブローリンに渡しといてくれ。気が向いたら取りに来る。
[栞の話には少しだけいつもの口調になったが、 ダーラの話には困った様に首を傾けた]
…ダーラは…眠っているよ。ヨーランダの横で。
[墓穴はヨーランダの横に掘られていた。 それだけで彼女はあの夜の事を悟る事は出来るだろうか]
(25) 2012/03/31(Sat) 21時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2012/03/31(Sat) 21時半頃
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―本屋― [朝から村が慌しかった。 目覚めた場所はソファの上で、くしゅんと小さなくしゃみひとつ 寝台を見遣り、人の姿が無いことに、小さな嘆息。 騒がしい方へと身を向けると、窓の外には軍人の姿がやたらに多い。 そのとき、まだ開けていない扉をたたく音がした]
今開けますよ。
[店開きをしようと、鍵をはずす。 外に居た姿に一瞬身を強張らせたが 部隊が村を出ると知ると、ほっと息を吐いた]
……そうですか。 [漸く、というよりは今更だ。 青年はそう思ったが、口には出さなかった。 流石に軍人相手に言う言葉ではない]
(26) 2012/03/31(Sat) 23時頃
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[別れの言葉に、青年は何時もどおりの微笑みを作った]
もうお会いする事もないでしょうから申し上げておきましょう 私は軍人を嫌悪しておりましたが あなた個人まで嫌ってはおりません。
言われずとも、この村に残る適齢の男なんて 数える程にも残っていませんし 私達の村ですから、私達が何とかします ご心配には及びませんよ。
[突き放すようなものではなく、大勢が知る何時もの笑顔で 去っていく軍人の背を見送った]
……戦争はもうどうしようもない所なんでしょう 戦力温存なんてしてないで、とっとと全軍向かわせれば 赤紙など来なくても済んだかもしれないのに……
[そんな一言を零したのは、彼が去った後に**]
(27) 2012/03/31(Sat) 23時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2012/03/31(Sat) 23時頃
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・・・そうなのかな。 そうだったら、きっといいな。
・・・もうあの手紙はきっと必要ないから、そうだとしたら、私の口から直接伝えたい。 ・・いろいろなものを失ったけど、新しく家族になりたい人がいるんです。
・・・あなたたちの事も、否定しません。私も、母に対しては同じことを思っていたから。
[ダーラの事について知ると、唇を噛んだ]
・・・・私のせいなのかな。
(28) 2012/03/31(Sat) 23時半頃
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大丈夫ですよ、私は生き続けます。 時が経てば、生き残ってすまないと思う事もなくなるかもしれないから。
・・・あの人も、悲しみを抱えてるかもしれないから。それだってなんとかしてあげたいから。・・・あの人を閉じ込めているものから。 もらった時間のおかげで、そう思えそうな気がしています。
[静かに、くすりと笑ってそう言った]
(29) 2012/03/31(Sat) 23時半頃
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― ホレーショーと ―
[重なる揶揄に、膨れて見せるけれど。 頭を撫でた人が、微かに見せる陽気以外の感情を じっと見詰める眼は、拗ねた色はない。]
優しくなれるのは、みんなが優しいから。 それは、貴方を含めてよ。
[否定する人に、更に否定する。]
(30) 2012/04/01(Sun) 00時頃
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……だから、私の方こそ、ありがとう。
[もし、この先、生きていけるとしたら 全ての優しさがあったから。 見送りに対しての礼には、大袈裟ねと、小さく笑って、 そしてホレーショーと別れた。
次に彼の姿を見たのは、見送りの時。 彼に、そしてすべての行く人に、女がかける言葉は変わらない。]
いってらっしゃい。
[それは、再会を望む*言の葉*]
(31) 2012/04/01(Sun) 00時頃
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・・・行ってきてください。 そして、望むなら、戻ってきてください。
あなたが戻ってきたのなら、他の人達も戻ってくるかもしれないから。 ・・・今は、そう信じたい。
[そう言って、他にも少し会話して彼の後姿を見送る事になるだろう**]
(32) 2012/04/01(Sun) 00時頃
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− 工房 −
[唇を噛んだミッシェルに苦笑しつつ]
あれはダーラが選んだ事だ。 ダーラは残される方より先に逝く方を選んだ。 もしあんたが背負いたいって言うなら。 あんたは新しい家族と一緒に幸せになりな。
[幸せにな、と笑い掛けて。 財布を押し付ける様に渡して工房から去っていく]
(33) 2012/04/01(Sun) 00時頃
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ー 夕方 兵舎 −
[慌ただしく全員の出立の準備が整うと、 がらんとした食堂に皆を集めてグラスを用意する]
一時とは言え、寝食を共にした仲間。 お前達と出会えた事に感謝する。 ……本当なら、お国の為にって言いたいが…。 お前達が本当に護りたい者の為に最期まで戦い抜いて欲しい。
[もう戻れない道。懲罰ものだが、最期だからこそ。 僅かな時を自分を偽らず、 自分と大切な者の為に歩んで欲しいとグラスを掲げた。
一瞬間をおいて1人がグラスを掲げる。 それを合図としてか、瞬く間に全てのグラスが掲げられた]
(34) 2012/04/01(Sun) 00時半頃
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お前達の武運と健闘を祈る。
[一気にグラスを空けて、外で待つ車へと向かう。 外に見送りはいただろうか。 本屋の店主は来ないだろうと判っていたから、 迷惑だろうと思いながらも挨拶をした。 彼ならこの村を、自分達が来る前の 穏やかな村に戻して護ってくれると信じている]
お世話になりました。
[進み出た村長に敬礼で返して車に乗り込んだ。 傾いた陽に照らされた空は禍々しいほど赤い。 流れた命の様なその色に向かって車は行く。 まさに死出の旅路だと、 心で呟きながらも笑みだけは消す事無く、 見送りの村人達に敬礼を送る]
(35) 2012/04/01(Sun) 00時半頃
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さて、誰を地獄に引き摺り込みましょうかね。
[赤い夕焼けの下はそれ以上に血と炎で赤く染まった 大地が広がっているだろう。 その元でどれだけ生きていられるか判らないが。 もうこの色の紙がこの村に、他の村に、誰にも届かずに 済む事を祈りながら、車は戦地へと**]
(36) 2012/04/01(Sun) 00時半頃
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ダーラ、セレスト……もうすぐ…地獄に逝くから。
お前達はそこにいないだろうけど、 入口位で声掛けてくれたら嬉しいな。
[眠りに就いた共犯者達を思い出し呼び掛ける。 渡された通信機をせめてものお守りと抱きしめて。 墓穴より尚惨い戦場と言う地獄へと**]
(*0) 2012/04/01(Sun) 00時半頃
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