296 ゴールイン・フライデー
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[店について席へと通される間に周囲を見回す。 顔見知りと幾つか言葉を交わしはしたが、一番見たい顔はそこにはいなかった。 少し早かったか、と考えて、俺より後に来る事が多い事を思い出す。 諦めるのはまだ早いと、いつものように幾つかの料理と軽い酒を注文した。
海老のオイルマリネは俺好みのハーブ使いが気に入っている一品だ。 残ったオイルをパンにつけて食べると、控えるつもりの酒が進む。 くるりくるりと、いつもより機嫌のいい看板娘を捕まえて 注文ついでに理由を聞いたら、明日はデートなんだとはにかむ様に答えた。>>1]
へえ、そいつはいい。 でも浮かれて注文間違えないようにな。
[なんて親父臭い注意と共に注文したポッロ・ポモドーロ。 デート、なんて言葉に、あの人の影が過ぎって首を振ったとき ドアベルの音が、鳴った。]
(33) 2019/05/19(Sun) 21時頃
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[視線が向いたのは無意識だった、だけど、そのままフォークを持つ手が止まった。 硬過ぎず、ラフ過ぎもしない服装と、いつもと変わらない面差し。 ああ、今日も会えたと安堵して、勤めてさりげなく視線を落とした。 見回すような視線がこちらを見た気がするのはきっと偶然 あの人がどんな表情をむけているのか、確認してしまうのが怖かった。
見てくれているなんて、覚えているなんてそんな事は 高望みだってわかってるんだ。
気を落ち着かせようとグラスに口をつければ、タイミングよく看板娘が料理を連れてくる。 その片手には、さっき俺が注文した物と同じ物。 その行き先を目で追いかけて、テーブルを確認して思わず口を開きかけた。 きっと偶然だ、よくある前菜の一つがたまたま被っただけだ。
だけど、それでも 同じ空間で同じ物を食べている、その偶然だけでいつも以上に満たされる
気がした]
(34) 2019/05/19(Sun) 21時頃
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[本当に?]
(35) 2019/05/19(Sun) 21時頃
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[ああ、高望みだってわかってる。
あの人は幸せな家庭を持っているかも知れないなんて思いながら 近くを通る際にさりげなく左手を見詰めていた。 しなやかな指には指輪の跡さえなくて、それにいつも安堵しているなんて。
一人でいつもいることに安堵しているなんて 一方的に想っているだけなのに酷い独占欲だ こんな気持ちを知られたら、あの人はもうここには来なくなるかもしれない
ただ、週に一度顔が見られる、それだけでいいんだ。]
(36) 2019/05/19(Sun) 21時頃
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[そんな風に、また自分に嘘をつく。]
(37) 2019/05/19(Sun) 21時頃
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[気付いてるさ、どんどん望みがでかくなってる事に。 見て欲しい、覚えて欲しい、それだけじゃもうきっと足りない。 もっと近くに、もっと声を、そして、そして
そんなこと、言えるわけないじゃないか。 ああ、まったく、自分の嗜好を自覚したばかりのガキでもないのに。 あの人にだけは、知られたくない あの人を失くしたくないから。
少し前、職場の女子社員に勧められて読んだ小説 あんな風に綺麗に纏まればどれだけいいか。 作者は何を思ってあれを書いたのか、知る事はきっとないだろうけれど。 あの主人公は、どこかあの人に雰囲気が似ている気がしていた。
だからこそ、小説みたいに行かないと思うからこそ
……打ち明けたらどうなるのか、怖かった。 俺よりも多分自由なあの人の、翼を傷つけてしまいそうで。 柔らかな表情を凍らせてしまいそうで。]
(38) 2019/05/19(Sun) 21時頃
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[いっそ、何もかも打ち明けてしまえば楽なんだろうか そうしてしまえば、もしダメでも諦めが……
つくのなら、最初っからこんな風に悩まない。]
(39) 2019/05/19(Sun) 21時頃
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[相変わらず料理は美味しい、けれど実際の所は半分も味わっていないだろう。 最後に頼んだジェラートは、頭を冷やすのに丁度いい。
知られたくない、でも気付いて欲しい、知りたい、だけど知るのは怖い。 だけど、視線であの人を伺いながら、それでも考えてしまうんだ。
いつか、名前を呼んで、隣同士寄り添ってみたい、なんて。**]
(40) 2019/05/19(Sun) 21時頃
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[カウンター席に座らないのは、振り返らなければ店内の様子を見る事が出来ないからだ。 周囲と話しているならともかく、意味もなく店内を振り返るのは流石に目立つ。 だからいつも、ほんの僅かに視線を動かすだけで見える場所に 視界の端に捉える位置にあの人が座ってくれる事を期待していた。
気付けばいつの間にか、いつも視界の中にあの人が居て 自然と目で追いかける頻度も増えていく、ああ、怪しまれていないといいけれど。
名残を惜しむように食べていたジェラートも、やがて溶けて空になる。 夢を見る時間は終わりだと。]
ごちそうさま、今日も美味しかった。
[そう言って席を立ち会計を済ませる。 店を出る前に、もう一度だけ視線を向ける。 こっちを見ていたような気がするのも、きっと偶然だと そう、自分に言い聞かせて店を出た。 そうでもしなければ、あの人が帰るまで居座ってしまいそうで。]
(60) 2019/05/20(Mon) 02時頃
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[土曜はトラブルで呼び出されでもしない限りのんびり朝寝を決め込む。 遅い朝食はグラノラ・バーとラテ・マキアート。 出来るだけ金と手間を省きつつ栄養をと考えた結果がこれだった。
グラノラ・バーを齧りながら新聞に目を通す。 だけど頭に浮かぶのは、昨夜のあの人の事ばかり。 思えば、偶然が重なる日だったな、なんて 俺にとってはとても嬉しい偶然だったけれど
もし、あれが偶然なんかじゃなかったら? そう考えて苦笑する。そんな都合のいいことがあるはずがない。 あの人が、俺を見ていてくれた、なんてこと]
願望が出すぎだろう、俺……
[自分に呆れながらカップを口に運ぶ。 気付かれたくないくせに、見ていて欲しいと願う矛盾。 本当に、面倒な物を飼っちまったと思う。]
(61) 2019/05/20(Mon) 02時頃
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[都合のいい妄想は虚しいだけなのに あの人も同じように思ってくれたらいいなんて。 だけどそれは、同じように悩んでいて欲しいと願うも同じで 出来るなら、あの人にはそんな思いをして欲しくないから。]
ほんと、矛盾してるなぁ
[グラノラ・バーの残りを口に放り込んで噛み砕き、残ったコーヒーで流し込む。
このままでいいと思いながら、もっと先を望んでしまう。 もっと知りたいと願ってしまう、声も、表情も、その先も。 ずっと、自分だけを見て、自分だけの物にしてしまえたら……
手を伸ばしたら逃げてしまうと、わかっているのに。 わかっているから、こうして見ているだけでいいと決めたのに。]
(62) 2019/05/20(Mon) 02時頃
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……今、何をしているんだろな、あの人は。
[夢想するにはあまりにもあの人を知らなすぎて 浮かぶのは、タヴェルナで垣間見る、カトラリーを持つ綺麗な指と 食べ物を運ぶ口元の動きの艶めかしさ。
あの唇で名を呼ばれて、あの指に触れることが出来たなら ああ、今この時に、どこかの誰かがその幸運を味わっているのかもしれない、なんて。]
手に入らないものほど焦がれるとはよく言ったもんだ。
[自嘲気味に零して、大して頭に入らなかった新聞を放り投げる。 そんな事は高望みだ、そう、例えば 名前も知らないあの人の瞳、その視線と交わって、視線で抱きしめ合えたなら それだけで、いい。]
(63) 2019/05/20(Mon) 02時頃
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[そんな風に、またひとつ、自分に嘘をついた。**]
(64) 2019/05/20(Mon) 02時頃
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[一週間は短いようで長い。 それが待ち焦がれるものであれば尚更。 いや、別に仕事が嫌なわけじゃないんだけどな? それでもトラブルの処理が続けば、早く週末になればいいなんて 金曜になればまた、行き場のない想いに焦がれるっていうのに。
「たまには飲みに行こうぜ」
なんて声をかけてきたのは同僚。 金曜じゃなきゃいいんだろ、面倒な事は飲んで忘れようぜ、って 当然仕事の事だろうが、下手に断ると藪から蛇が出そうだと、とりあえずは話に乗っかった。
タヴェルナとは違う、静かで小洒落たカウンターバーで 頼んだカクテルは「フォーリン・エンジェル」
「やっぱりお前さん、恋してるだろ」
深くは聞かないでおくと同僚が笑う。 無意識に頼んだカクテルの意味を思い出して苦笑した。]
(87) 2019/05/20(Mon) 23時頃
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[あの人にカクテルを捧げるなら、何が相応しいだろう。 「アプリコットフィズ」は軽すぎる、「キャロル」じゃまだ重過ぎる 「ビトウィーン・ザ・シーツ」なんてとんでもないし 「モーニング・グローリー・フィズ」は願望でしかない 「モヒート」「ライラ」「コロネーション」幾つも浮かべて首を振る 「スクリュードライバー」それとも「ロブ・ロイ」 どうせ渡せやしないのに。
まあ、考えた所で、タヴェルナで頼める物じゃないんだが。 なんて思いながら頼んだ二杯目は「ヴァイオレット・フィズ」
「まったく、仕事の時はガンガン行くくせになぁ」
完全に人で楽しんでる同僚に「ほっとけ」と一言言ってグラスを空けた。**]
(88) 2019/05/20(Mon) 23時頃
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[そうしてまた金曜がやってくる。 きっちりと定時で仕事を切り上げ、いそいそと帰り支度をする俺をにやにや眺める同僚には 先日しっかり、口止めと言う名目で奢らされたんだが。 最後に「ニコラシカ」なんざ渡すから、それが出来りゃ苦労はしないと言って盛大に笑われた。
こんなに誰かに心を動かされたのなんざ久しぶりすぎて どうすればいいのか思い出せない、なんて、言えるかみっともない。
本当に恋なのか、ただの興味なのか わからないけれど、俺はあの人に会いにいく。 会える保障もないのに、何故か、今日も会えると確信している。
問題は、その先
この恋が恋じゃなくなった時、この想いは消えてしまうのか それとも……「愛」に形を変えるのか。 どのみち、後者は期待するもんじゃないが 消えずにいつまでも傷になって残る、それだけは嫌だった。 それなら、このままで居たほうがずっといいんだと自分に言い聞かせる。]
(114) 2019/05/21(Tue) 01時半頃
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[嘘をつくな、と、心の片隅が騒ぐのは見ない振り]
(115) 2019/05/21(Tue) 01時半頃
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[ドアを明ける前にもう一度、おかしな所はないかと確認をする。
見られていた気がする。多分偶然、多分錯覚、だとしても。 偶然も重なれば必然だ。
ドアベルの音を鳴らして店に入り、いつものように案内されるまま席に着く。 道中、店内を見回すのはもはや癖になっちまった。 案内されたテーブルで、出来るなら店内を見られる椅子に腰掛けて まず頼むのは、旬も後半のシュパーゲル。バジルとバターにレモンも添えて。]
後はカプレーゼときのこのアヒージョ、ワインは白で銘柄は任せるよ。
[メインの一皿はサルティン・ボッカ。可能ならチーズも添えてもらおう。 他はまた、様子を見ながら考えればいい。 あの人が今日何を食べるのか、また、同じ物だと嬉しいなんて 偶然も重なれば必然、なんて、都合のいい事ばかり考えていた。
俺がもし、後から来たならば、あの人と同じものを頼むだろうと想像できてしまうから。**]
(117) 2019/05/21(Tue) 01時半頃
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