3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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― 学食と購買部の狭間→南棟東靴箱 ―
[パンっとグラウンドの方で音がした気がした。 左眼を眼帯の上から押さえながら、そちらを向く。]
―――……今更になって、恨み言きけって話じゃねぇよな。 いや。聴けるんなら聴きてぇんだけど『 』?
[生まれる死体に重ねて見たのは、あの時前を走っていた女。 テールランプを引いて、赤信号にアクセル全開で突っ込んで逝った女。
けれど、蠢く死体は長い銀の髪が綺麗だった女ではない。]
くそったれがっ
[傷む。女が乗っていたバイクの破片で失った筈の左目が。 煙草を口に咥えたまま、ゆらりと南棟東靴箱の方へ向かった。]
(52) 2010/02/27(Sat) 01時半頃
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[頭の中を無数の異形の声が駆け巡る。 異形の声に、耳から蝕まれてしまいそうなのに。 そんなところに少女の非情な宣告が突き刺さる]
[ぼこり]
[篭った音が向かい、ピッパの背後。 数段上の段から響いて、ごろんと何かが1段転がり落ちた。 闇にまぎれてそれとはっきり見えないが、緑の光の下でもはっきり分かるのは、つーっとまるで階段を滝のように伝い落ちてくる真紅の液体]
っ!!
[思い切り顔をゆがめて、反射的に後ずさろうと。 ぎりぎりで、踏みとどまる]
嫌だ。ちょうど今、あんたは一人が怖いと言った。嫌だといった。
触らない! あんたが嫌なら、触れやしない。 だから、だから早く逃げようピッパ
(53) 2010/02/27(Sat) 01時半頃
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[血液が彼女にとどかないうちに、早く早くと気ばかり焦る。 焦りが語調へ、そして騒音からか声が大きくなった。 震える両手をぎゅっと握りこむ]
[これでも拒否されたなら、殴られてでも担いで行こうかなんて]
(54) 2010/02/27(Sat) 01時半頃
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問題児 ドナルドは、化学教師 スティーブンが職員室をうかがっている視線の間に、折り悪く挟まった。
2010/02/27(Sat) 01時半頃
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[異形を見る。 こくり。小さく喉を鳴らしたものの、口内の水分はまるで乾上がったように感じる。]
……がう、違う、こんなの幻覚だ。 そんなばかなことって。
何言ってるんだ、何見てるんだ、僕は。 誰かを犠牲になんて、だめだ……!
[頭を抱えて蹲る。 鸚鵡は寄り添うようにして居る。]
(55) 2010/02/27(Sat) 01時半頃
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[脳裡に響く聲に、ゆっくりと、返す声。]
……だめだ、そんな事。 出来るわけ、ないだろ……。
[小さく、か細い声。 出してるのは無意識下なのか知れない。]
(*17) 2010/02/27(Sat) 01時半頃
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[厭だ]
[――厭だ]
[厭だ]
――…、 …送る の
… か?
[背が、 寒く なる。 ――は 熱いのに]
(*18) 2010/02/27(Sat) 01時半頃
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つれてゆくの は ど こ に なんて
しってる よ ね ?
(*19) 2010/02/27(Sat) 01時半頃
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『違ウ』
『違ウヨ』
『ダッテ、ソウシナイト――ガ――サレチャウヨ。』
(*20) 2010/02/27(Sat) 01時半頃
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『ダカラ、コレハ罪ジャナイ』
『かるねあですノ舟板』
(*21) 2010/02/27(Sat) 01時半頃
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セシル!いいから落ち着け! [パニックを起こしているのだろうと思い込み、暴れる相手を抱きすくめるようにして。
自分の肌が、その下に流れる血が、餓えを煽っているなどとは気づかない。]
(56) 2010/02/27(Sat) 01時半頃
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『ソウ思エバ イイヨ』
(*22) 2010/02/27(Sat) 01時半頃
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『コレハ仕方ナイ事』
(*23) 2010/02/27(Sat) 01時半頃
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どこ
――何処、 って
[此処 では ない 何処か それは]
おにの、 いる ところ…?
(*24) 2010/02/27(Sat) 01時半頃
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[ 蠢く死体 ] [ 実体を持つものもいれば ]
[ 幻想のようにすり抜けるものも ]
[ぼこぼこと][ 生まれていくたびに ]
[ 少女は哂う ]
(@14) 2010/02/27(Sat) 01時半頃
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だいじょう ぶ み んな いっしょに
つ れて いって あげれ ば
――……寂しくはないから
(*25) 2010/02/27(Sat) 01時半頃
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―職員室―
や…!!!
[びくん、と怯えたように一瞬薄紫の眸が揺れた。 血が 流れる 首筋がすぐ傍にある。 きつく眼を瞑って 頑是無い子供のように首を横に振る。]
はな れ 、ろ って… 謂ってる の に……
[咽喉が渇く。僅かに虚ろに、眼を開いた。 これは。 水ではなくて 赤色の 赤 が ほしい。
眸から 光が薄れて 首筋に、――歯を]
(57) 2010/02/27(Sat) 01時半頃
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かわい そ う な
あ の こ も
(*26) 2010/02/27(Sat) 01時半頃
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[しん、しんと。静かに。 雪が降り積もっていくように。 精神が侵蝕されていく。]
…… 送って?
[>>*19どこに。それはおにのいるところ?>>*24]
あげる。
そこにはあの子が居る から。 きっと寂しく なんて
[ない。]
(*27) 2010/02/27(Sat) 01時半頃
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板。
――振り落としても
罪では
な い?
[帰りたい 帰れない 帰りたく]
――……、…さみしく
な、 ――ぁ、
(*28) 2010/02/27(Sat) 01時半頃
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[不思議そうに見上げて、鸚鵡は名前を呼んだ。 その鳴き声に、安堵が広がる。 ゆっくりと瞼を開けると異形は、見えたまま。 それに眉を寄せるが、鸚鵡を見れば表情は緩む。]
……ああ、ごめんな。 僕が、しっかりしなきゃ、な。
[腕に移らせると抱き上げる様にして静かに立ち上がり、背を撫でる。 息を吐いて、ゆっくり、ゆっくりと、自分の教室へと向かう。]
−→ 3年B組−
(58) 2010/02/27(Sat) 01時半頃
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[ふ、と給湯所から職員室の方へ目を向けると人ならざる物がいて。]
……うわぁ。
[なんとも間抜けな声が出た。 けれど、給湯所の方へは近寄ってこようともしない様子に、 怪訝そうな顔をしてある可能性に思い至る。]
……まさかこういう使い方するとは。
[苦笑しながら人数分を残して、 淹れすぎた分のハーブティーを職員室に撒く。
おそらく匂いに異形が嫌がるものが 含まれてるのかもしれないが、推測でしかない。
異形が、避けていくなら大人数が入れる程度までハーブティーを撒き続け、 外へとハーブの茶葉を持って正面玄関の方へ向かうつもり。**]
(59) 2010/02/27(Sat) 01時半頃
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かわい、
そうな
…、 こ?……
だれ…?
(*29) 2010/02/27(Sat) 01時半頃
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[首筋へと鋭い痛み。 しまった、と心の何処かで思えど、ココロとは裏腹に強ばった身体は逃れられず。
犬歯が肌へ食い込めば、鮮やかな色が溢れてワイシャツの襟を染めていく。]
(60) 2010/02/27(Sat) 01時半頃
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――職員室付近? → ――
[座り込む少女の顔の傍を何かが通り過ぎる。 ぎょっとしてそちらを見遣れば、ぎょろりと覗く目と視線が交錯する]
っ!?
[声にならない悲鳴をあげ、跳びあがるようにその場を離れる]
ミッシェル、……ミッシェル、どこなの? ドナルド、マーゴ、ヘクター……誰かいないの? ねぇ。
[友人たちの名を呼びながら、ふらふらと歩き出す。 左目の痛みは治まらず、涙がとめどなく流れ続けた]
(61) 2010/02/27(Sat) 02時頃
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―南棟用務員室付近―
サイモン君、サイモン君、どこ?
[声を上げて、呼んでみても誰かに届く気配は、ない。 足元がぐにゃり、ひどく揺らいだ気がして、気がつけば階段を降っていた]
…用務員室、っていうのは聞いてたはずだから。 あ、保健室も好きよね、サイモン君。
[とりあえず保健室を目指して階段を降れば、 まずは>>52問題児君の姿が目に入っただろうか]
(62) 2010/02/27(Sat) 02時頃
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[――溢れる赤。]
…ん、…――
[表情は何処か恍惚として、溢れた血を舌先で舐め取る。 金髪と白と赤。鮮やかな対比。 首元に顔を埋める形。 甘い、と感じるのは乗り移った何者かの所為か。 虚ろな薄紫の双眸が 赤を 映して]
(63) 2010/02/27(Sat) 02時頃
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ぞわり、ぞわり…。
[自分の体の中で何かが蠢いている。何かが…。 ふと右手を見ると、既に血は止まっていた。 強く手を握りしめれば、オスカーの呼びかけ>>34]
…大丈夫。ちょっとよろけただけだから。
[それでも床に座り込んだまま、右手は後ろに隠し。 ただ誰かが近づこうとすれば、後ずさってしまうだろう。]
(64) 2010/02/27(Sat) 02時頃
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――、… っ、
[其処で。 恐れが、憑依を押さえつけた。 大きく眼を見開く。 鉄錆の味は甘いままだったけれども――]
ぁ、… ッ ディ、…ン どう して 俺、 …、ッ…
[視界に鮮やかな血色。 理性を曇らせる色だ。 腕を振りほどいて、職員室から駆け出そうと、した。]
(65) 2010/02/27(Sat) 02時頃
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― 廊下/南棟東靴箱前 ―
[化学教師は、煙草を咥えたままの生徒に気がつくだろうか。 もういっそのこと堂々と煙草を咥えたままの男は、声が聴こえる方角を向く。]
なんかあった、んだろうなぁ……―――
[さてどうするか、と隻眼を細める。 異形が時折見える視界の先。 煙草の火くらいでは暗闇が深くて、保健室の前がかろうじて分かる程度。はっと息を吐いた所で人の気配に振り向けば、担任の姿が見えるだろうか。]
(66) 2010/02/27(Sat) 02時頃
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こい に やぶれた こ
かわいそ う
うらぎられる な ら
夢なん て いらな い のに ね
(*30) 2010/02/27(Sat) 02時頃
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