254 東京村U
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― 夜:中央総武線電車内 ―
[マンションから出て、東中野駅に向かった。 家から近いところはどうしても気持ちが悪かったため、駅を変えたくて電車に乗っていた。]
今日どこで寝よう……。
[と呟いていたら、従兄にホテルを勧められた。 シングルで、と付け加えられたが、流石に今は一緒にお泊まりできる出来ないで一喜一憂してリアクションしている余裕がない。]
るいくんのトコ泊めてよ。
[と言ってみたが狭いからと渋られた。どさくさで泊まりに行けないかと考えたがお見通しか……と思ったが、本当に一人が不安でもある。 どこか離れるにしても新宿から乗り換える、ということにして、一度着いてから考えよう、ということになった。]
(228) 2016/09/30(Fri) 18時頃
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[電車から降りて、もう一度、従兄の家に泊めてくれるよう頼んだ。 返事はどうだったか。なんだか気分が沈んでしまって、やや上の空だったのだ。ホテル探しもおまかせしてしまっていた。
従兄の背中について、新宿駅を歩いていた。
乗り換え、どこにするつもりなんだろう。 なんか、けっこう歩いたような気がするけど。 そう思って、顔をあげた。 ついて歩いていたのは、いつの間にか、別の人だった。
従兄の背中について、新宿駅を歩いていた―――つもりなだけだったらしい。]
あれっ…… あれっ!?
るいくん?!
[名前を呼びながら、ひとでごった返す新宿駅改札内を見渡すも、彼の姿がない。]
(231) 2016/09/30(Fri) 18時半頃
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[*そういえば――家に帰る前も、西口前で迷ってたっけ。*]
(233) 2016/09/30(Fri) 18時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2016/09/30(Fri) 18時半頃
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― 夜:新宿駅 ―
[従兄に「どこ!?」とラインを送ったりもしたのだが、遭遇できない。 こちらの場所を伝えて待ったりしてみたが来ず、痺れを切らして探してみたりしてしまったから、すれ違ってしまったのだろうか? 伝えてあった場所に戻って暫くは、友達が、少しづつ返してくれるリプライやラインに、返信をして、不安や心配を紛らわしていた。 父親には変わらず電話をかけてみているが、未だ出ず。]
るいくんまで居なくなったらどうしよう……。
[半べそでひとりごちた。 気を紛わせたさでラインで一二三にも返事をした。>>1:166 『気悪くしてないし こっちこそ苦手だったんならゴメン🙏』 もう、昼間ムッときたことなんて、どうでもよくなっていたから、とにかく構われたさでそう送った。 『家帰れないからご飯奢って 今!✨』 と更に送ってから、深くため息をついた。 『なんて無理だよね😖💧』 と、さらに送って、自分で自分に「なにやってんだ…」と呟いた。]
(240) 2016/09/30(Fri) 19時頃
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― 夜:新宿駅 ―
[そう送ったときだった。 母のではなく、入間自身のスマホに着信があった。 ひ、と息が詰まった。 知らない番号からの着信だったからだ。 とっていいのか、悪いのか、しばらく悩んで、あまりにも鳴りやまないので、ついとってしまった。]
「みおん?」 「よかった、心配で電話をかけたんだけど――」
(244) 2016/09/30(Fri) 19時頃
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[最初、だれだろうと思った。 相手の声の向こう側、遠くで、テレビの音がしている。 だんだんその相手に察しがついてきた。
おそらく――おそらくだが、これは、今、自分の家にいる――]
(245) 2016/09/30(Fri) 19時半頃
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[電話を切って、その拍子、スマホを取り落とした。 恐る恐る、震える手で、ごみでもつまむように拾い上げると、また通知。びくっと背中を震わせる。
けれど、それは、母と名乗る知らない人からの着信ではなく、一二三からの返信だった。]
(246) 2016/09/30(Fri) 19時半頃
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[泣きそうなほどほっとする。]
『新宿』
[と、たった一言、焦って返した。 そのあとで、震える手で]
『受かった?😺』
[と、心細さから、返信を続けた。]
(247) 2016/09/30(Fri) 19時半頃
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[願ってもない申し出だった。]
『できそう?😢』
『怖い人から電話かかってきてて』
『一緒にいたんだけどイトコともはぐれちゃって』
[不安から、泣き言も、聞かれていないことも送った。]
(249) 2016/09/30(Fri) 19時半頃
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― 回想:電車内 ―
[さっき、電車でゆられながら、入間はぽつりと言っていた。]
…… そんなつもりじゃなかったのに。
[従兄の家で泊まれないことではなく、アンケートのことだ。]
アタシ、朝ね…… [後悔でその先のことが言えなかった。 ため息のあと、首を振って、しばらく黙っていた。 言えないうちに、新宿駅に着いていた。]
(250) 2016/09/30(Fri) 20時頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2016/09/30(Fri) 20時頃
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― 現在・夜:新宿駅 ―
[あのアンケートに八つ当たりしたことを、今更ながらに後悔している。 一二三へ泣き言を送っていたら、ついそのことについても零したくなってしまって、『朝、駅前』とまで打ちかけたが、返信があったので、それを消して、別の文字を打ち込んだ。]
『ありがと✨ ほんとにごめん!🙏』 『ごはんは、みおんがご馳走したほうがいいね🐼💦』 『まってるね』
[一二三の返信や到着を待ちながら、合流が難しい気配濃厚の従兄に『友達がきてくれるって言ってる!着いたらそっちと一緒にいるかも』と送った。 キルロイ先生からの朗報(とも限らないが、期待はしておく)を待ちながら、人の言葉が恋しくて、Twitterを眺めた。]
…………あ。
[誰かRTしたツイートだ。
【閲覧注意】『知らない街ニキ』の遭遇・目撃情報【都市伝説】 - NEVER まとめ
『知らない街ニキ』と呼ばれている変人についてのまとめ。 誰彼構わず話しかける困った人で、入間自身も友達と一緒にいるときに遭遇した。]
(253) 2016/09/30(Fri) 20時頃
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[急な絡みに腹がたって、その時は動画まで撮ってやった。 変なことをされたら、警察に届けてやろうと思ったからだ。]
………、……。
[RTした者によれば、『知らない街ニキ』は居なくなったらしい。 いつ何時しょっぴかれて居なくなってもおかしくなさそうな変人と一緒にしたくはないが、父母と連絡がつかない状態で聞く『いなくなった』という言葉は、その言葉だけでも具合が悪くなりそうだった。 こんなタイミングで、聞きたい情報じゃなかった。]
(254) 2016/09/30(Fri) 20時半頃
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[『知らない街ニキ』のまとめの導入だけ眺めた。 そこには、入間も言われた内容が書かれていた。 誰にでも言っているらしい。
「知らない街だった。」 「まだ、その街から出られないんだ。」 「おまえだって、そうなんだろう?」
思い起こしていると、だんだん、胸がむかむかしてくる。 鎖骨の少し下を、さすった。]
(277) 2016/09/30(Fri) 20時半頃
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きもちわる……。
[知らない――あんな人たち知らない。
あの知らない顔の女は言った。「どうしちゃったのみおん。」 あの知らない顔の男は言った。「何かあったのか…?」 駅前の交番の警官がいう。「お父さんたち心配してたよ」 でも、近所の小太りのおばさんは知っているようで――
まるで、こちらの方がおかしいような扱いだった。]
(278) 2016/09/30(Fri) 20時半頃
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(知らない街なのかな)
[そう思ってしまった途端、あの『知らない街ニキ』は間違いなく変な人だったと思っていたはずなのに、もうあれを変人と呼べる気が、しなくなっていた。]
(280) 2016/09/30(Fri) 21時頃
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[母の携帯に電話があった。 ぎくりとしたが「キルロイ先生」と表示されている。 おそるおそる、電話をうける。]
もしもし。 あの。何かわかりました?
(281) 2016/09/30(Fri) 21時頃
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……そうですか……。
[過度の期待まではできていなかったものの、落胆はする。]
あの。 き…つゆ?さん?て、名前なんですか? ごめんなさい、名前、キルロイ先生って書いてあったから。 ありがとうございました。
[どちらにしても聞き慣れない響きだ。本名なんだろうか?それとも、ペンネームというヤツだろうか。]
えと。 知り合いには、連絡とれたんですけど、 さっき新宿ではぐれちゃって……。
(283) 2016/09/30(Fri) 21時頃
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イルマは、ジリヤの画像を待ち受けにしている人の隣で電話をしている。
2016/09/30(Fri) 21時頃
イルマは、ジリヤファンかもしれない隣のひとのことも知らない。
2016/09/30(Fri) 21時頃
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[本当に律儀にいろんな人にあたってみてくれたのなら、きっと大変だったことだろう。それに、折り返し連絡をくれたことが、それだけでも有り難かった。 木、露、る、井、と想像してみたが、「る」は電話越しではわからなかった。まあ、今はどうでもいい話のようだ。]
参上? え? はい。
知り合い、ていうか、親戚なんですけど。ホントは。 合流、無理そうかも。全然会えなくて…… 高校の男の子がこっち来てくれるっぽくて、待ってるとこ。 頼れる……かどうかは、わかんないです。 頼っていいのかも、こんな事だから、わかんないし……。
[そう、やや暗く零した。]
(285) 2016/09/30(Fri) 21時半頃
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(名前、るいくんと一緒なんだなぁ)
[電話先の相手が考え込むように静かになってしまっている間、従兄の名前である、琉衣という文字を想像する。 それから、続く言葉にはたとする。]
代々木、ですか? ……あ、ありがとうございます! どうしようもなくなったら……泊めてくれるってこと、ですよね?
[会う時は絶対お巡りさんのいるところにしようと決心していることは口にださないし、申し出はありがたい。 見ず知らずの相手だ。入間も最後の手段として覚えておくことにする。 ここからなら、タクシーか、いざとなったら歩いていこうとしていけない距離ではない可能性だってある。]
(287) 2016/09/30(Fri) 22時頃
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[次いで、クラスメイトの名前が出てきて、ぎょっとする。]
えっ!?あ、え……?一緒に居たんですか!? もしかして、名前知ってたのも、ひふみ?
[では、今まさに新宿まで心配して向かってくれているのは、電話をしているキルロイ先生の声を聞いていたためだろうか。入間は、う〜と小さく唸った。鼻の奥が痛む。]
さっきいってた、男の子、そいつです。 さっき、電話いきなり切ってごめんなさい、キルロイ先生。
(288) 2016/09/30(Fri) 22時頃
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そうなんです、びっくりしちゃって。 家で、知らない人に名前知られてたから――
[自分の手元のスマホが鳴る。「キャッ」と悲鳴をあげた。 さっきかかってきた、登録されていない番号だ。]
い、い、いま、でん、でんわきてます。 家に、いたひと、から。 こ、こういうの、でた、ほうが、いいの、かな?
[声が震える。]
さっき、家、いってきて……るいくん…じゃない、イトコと……。 まだ、いたん、です。
ど、どうしたら……。
(292) 2016/09/30(Fri) 22時頃
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[電話が止まってくれない。
自分の愛用しているスマホが、今はとても怖い代物に思えるが、これを手放すのは人とのつながりを捨てるようで恐ろしい。 例えば友達。例えば一二三。例えば従兄。これらは、今恐怖を堪えるために必要なものだ。
電話が止まってくれない。
何なのだ、一体。 自分が何をしたというんだろう。 何を―――]
(293) 2016/09/30(Fri) 22時頃
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……そんなつもりじゃ、なかったのに!
[入間は半ば叫ぶようにして言った。涙があふれてくる。 震える声は、何かを後悔するように続けた。]
そんなつもりで『書いた』んじゃない、アタシ―― こんなの望んでない……っ
(294) 2016/09/30(Fri) 22時頃
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[電話の声が質問を投げかけている。 入間は、嗚咽交じりに答える。]
……朝……、
朝、アンケート、書いたの。 どんな未来がいい?って書いてあって。
うち、親仲わるいから 喧嘩しない親がいいって書いたの。
こんなことになるなら、 あんなこと、書くんじゃなかったっ……
(297) 2016/09/30(Fri) 22時半頃
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[電話が鳴りやむ。 そして、はたとする。]
でんわ。 さっき、一回、とっちゃった……。
移動、したほうがいいかも。
(298) 2016/09/30(Fri) 22時半頃
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[キルロイ先生は電話先でまた考え事をしているようだ。]
じゃあ、一回、きります。 キルロイ先生、もし、最後の手段にもしなっちゃったら、 また電話します。
[と、電話を切った。]
(301) 2016/09/30(Fri) 23時頃
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[とりあえず場所を変えなくては。 さっき電話に出たのは駅の中央東口改札の近くだった。 電車を使わず改札を出るか、それとも何かに乗り換えるか―― 一二三宛に急いでメッセージを書いた。]
『新宿、いられなくなっちゃった』 『別の駅で会えない?』
(311) 2016/09/30(Fri) 23時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2016/09/30(Fri) 23時半頃
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[一二三からの返事はどうだろう。 入間は、指定された場所に、すぐに向かうつもりでいる。 続けて一二三にメッセージを送った。]
『きつゆるい先生わかる?』 『代々木いったら、最悪泊めてくれるかもって』
[従兄にも、『新宿に居られなくなった』とだけ送って、一二三の返事を待った。]
(317) 2016/09/30(Fri) 23時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2016/09/30(Fri) 23時半頃
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『来るなら二人でって言ってたよ』 『でも最終手段として考えてだって』
[と、一二三に返事を送った。 それはそうだろうな、と、実際文字にして改めて思う。 見知らぬ高校生二人、しかも一人は顔もしらない、わけのわからないことに巻き込まれている女子高生。 出来れば部屋にはあげたくないだろう。]
(334) 2016/10/01(Sat) 00時半頃
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『じゃとりあえず代々木で会お』
[と一二三に返事をして、入間も代々木へ向かった。**]
(338) 2016/10/01(Sat) 00時半頃
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