人狼議事


197 獣ノ國

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視点:


メモを貼った。


メモを貼った。


―銀河鉄道・列車の外―

[招き入れられた後か、それとも前か。
窓枠に腰をかけ、列車の外に脚を揺らしながら。
群青色に瞬く宝石を見つめていた。

もはや隠していない翼。
それをみたときに彼は驚愕しただろうか。
それとも、書店の店主であった彼のこと。

苦もなく受け入れたのだろうか。
確認するには勇気がいって、顔は伏せたまま。

足元に広がる白や赤、橙の灯火を見つめていた。]


メモを貼った。


【人】 さすらい人 ヤニク

―回想・夜―

[公園での戯れはどのくらい長針を進めただろうか。
気づけば夜。それを知らせてくれたのは鐘の音ではない。

もうすっかりと聞き慣れた音>>3:319と、浮かび上がった、慣れ親しんだ友達の名だった。

傍に誰かいたのなら一言断りを。
指を動かし内容をじっくりと、読み込んでから、男は。]

 ――…そうか。君も行ってしまうのか。

[寂寥感が、胸を過る。]

(4) 2014/10/09(Thu) 01時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

[実際にこうして口を交わしたのは少しの時間。

殆どが文面を通じたやり取りではあったけれど、彼女とのやり取りは男の好奇心を満たし、そして、新たな発見にも気付かせてくれたのだ。

それは言葉のやり取りだけではない。
男は思い出す。初めて彼女と出会った時を。
そうして男は読み返す。
同じ人であるのに、全く異なる人へと成長を遂げたその姿を。

深く 深く 刻みつける。]

(5) 2014/10/09(Thu) 01時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

――――――――――――――
差出人:ヤニク
宛先:カリュクス
――――――――――――――
アイスで蕩けた林檎のパイとカナリア
20xx年 10月3日
――――――――――――――
何でも鳥のせいにしてしまうのかい?
仕方ない なら君との乾杯はワインはやめて果物にしよう 果汁と果実たっぷりのね

アイスクリームを添える、なんて知らなかったよ
焼きたてのアップルパイなら、アイスも溶けてそれは美味しそうだから

だから、君が
その足で、夜には少し不便な鳥目で、人より秀で過ぎた聴覚で空を望むというのなら

僕はアイスとアップルパイを用意して待っているよ
またいつか、会えるその時を思って君の好物を覚えていられるように

(6) 2014/10/09(Thu) 01時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

君の足跡を空の下で見ているよ
だって君はカナリアだから
足があるんだから 何処へだって何処までだって、自由なのさ
空だって、飛べるさ

そう、それが君の“秘密”だね
ずっと覚えておくよ

淋しくて優しい、か
冬の寒さが熱を求めるから、その感覚が恋しいという感情を抱かせるのかもしれない、なんてね
懐かしい人を思わせる、そんな空

僕なら、ね
好きな人のそばにいられるのなら、なんだって良かったんだ
でも望むのなら、夢物語ならば覚めないで欲しかった
でも望むのなら、傍らで触れて欲しかったと、思うよ
僕が彼なら、ね

追伸:行ってらっしゃい
――――――――――――――

(7) 2014/10/09(Thu) 01時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

[目頭を押さえ付けてしまうのはどうしてか。
もうすっかりと忘れてしまっていたと思い込んでいた名の感情が胸を燻らせる。
情けない声は牙で咬み殺す。

そうして、嗚咽を漏らす前に口端を吊り上げてみせる。

何故なら僕は狼なのだから。]

 ――またね。

[同じ言葉を、けれど違う言葉を、小さく吐き漏らす。

見上げた空は冬の気配はまだ訪れていないものの。

何処か、柔らかく見えた。

その後届いた便り>>3:343には、その空は滲んでしまったけれど。]*

(8) 2014/10/09(Thu) 01時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

―回想・公園―

[“怖い顔”と称されれば>>3:344男は我に返ったように一度瞬きを止める。

その後貼り付けたような笑みを浮かべようとした尻軽の間抜け顔はパシャ。水をかけられる。]

 ――…飛んだ淑女だ。

[唇の端を吊り上げただけの笑みはどう捉えられるのか。気にする素振りなど見せずに向ける。

端末が彼女の纏う衣類に隠されるのを、噴水が揺らぎ溢れる音を、――音が止まる。]

(9) 2014/10/09(Thu) 01時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

 ――君は一つだけ勘違いをしているよ、クラリス。

[酷く落ち着いた声だった。何処か挑発めいた言葉に男が向ける瞳の色は荒れることのない、凪いだものだっっただろう。]

 でも、君は一つ僕に教えたくれた。

 ――呪いの解き方は真実の愛。
 解かれなかったのは、真実の愛を知らないから。

 御伽噺では、ありふれた言葉だ。

 狼男の話は知っているだろう?ウソを吐き過ぎた男の末路を。

 君は呪いがかかってしまったのはどうしてだと思う?

 僕の呪いなのに、解けないなんて。君は呪いがどんなものだと考えているんだい?

 君は、目に見える何かが無いと、それに縋らないと、誤魔化すことも出来ないのかい?

 ――…可哀想だね。

(10) 2014/10/09(Thu) 01時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

[視線を伏せる仕草に、男は見向きもせずに、ただただ唇を動かす。]

 君には無理だよ。これは僕のものだ。

 君の幸福と僕の幸福はきっと違う。

 ――…羨んでばかりで、中途半端に言い訳を並べるくらいなら、一層清々しく嘘つきだと分かる狼男になれたことはまあ、幸せなのかもしれないけれど、ね。

 …君は、どうしてウソを吐くんだい。**

(11) 2014/10/09(Thu) 01時半頃

さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。

2014/10/09(Thu) 01時半頃


[渡された紙片を頼りに、汽車を乗り継ぎ目的地へ向かう。一人旅なんて、一体いつぶりだろうか。ジャニスは國の中ですら遠出をしたりはしなかったから、不慣れさ故にいつもの自信は鳴りを潜めている]

……連絡したら、迎えに来てくれたりは……、

[不安げな表情で端末を操作する。"彼"のアドレスを呼び出し、文章を打ち始めて――そうして、途中まで作り上げた文字列をそのまま破棄した。
……突然行って、驚かせるくらいはしたいじゃないか。ぼんやりそんな事を考えて、子供みたいな自分の発想に、ジャニスはくつりと苦い笑みを零す。そんな意地を張っている場合なのか。

がらごろ。がらごろ。
重たい荷物を引き摺りながら、見慣れぬ道を突き進む。ああ、誰も彼も知らない顔だ。小さな國しか知らないジャニスに、國の外は恐怖の対象でしかなかった。
誰も、自分を知らぬ場所。その事実が、こんなにも重いものか]


―ルーカスの別荘前・早朝―

――は、

[しんと静まり返ったその場所。時刻は早朝。まだまだ薄暗い時間だ。漸く辿り着いたそこに、明かりは灯っていただろうか。そうであれば、安堵の一つも出来るのだけれど。

どちらにせよ、ジャニスは躊躇いながらも扉に近付くだろう。そうして何度も紙片に書かれた住所を見返す。恐らく、間違いはないと思う。けれど初めて来る地だから、どうにも確信は持てなかった。

こん、こん、と。
控えめにその扉を叩く。ベルがあったのなら、一緒にそれも押しただろう。
そうして不安げな表情のまま、扉が開かれるのを待つ。この扉を開くのが、"彼"である事を信じて。

――ああ、でも。彼に会ったら、また。泣いてしまうかも、しれない]


メモを貼った。


―自宅―

[この地へ来たからと言って、朝が変わる訳ではない。あの國で長年起きた時間に――朝陽の差し始めるその時間に目覚め、珈琲を淹れる湯を沸かす。
――嗚呼、でもあのサボテンは置いて来さまったから。その間だけは、やる事が無くなってしまいはしたけれど。

湯の温度は83度。場所も道具も変われば、冷めるまでの時間も変わる。
そうして沸かした湯に温度計を差し込み、後もう少しで83度となろう時だっただろうか――家の外から、カラコロと荷を引く音が、聞こえて来たのは。]

………、……。

[思わず、窓の方へと視線を向けて。窓へと駆け寄りそうになる足を何とか止めていたのなら、家の前で止まる音。
――コクリ。聞こえた自分の息を飲む音に呆れつつ、それでも扉から視線を外す事は出来ずに。
それから、どれ程の時間が経っただろう――否、時間にするなら極々短い間だっただろう。それが何処までも長く感じてしまったのは――その胸に広がる、期待のせいに他ならない。]

……ッ、

[こん、こん。何とも控えめに鳴った扉の音と、次いで鳴らされるベルの音。
それが聞こえたのなら、男は今度こそ扉へと向かう足を止める事は出来やしなかっただろう。


――そうして、扉を開けたのなら。降り注ぐ朝陽の向こうに、焦がれに焦がれた姿が…あの夢の時のように、白に身を包んだ彼の姿が見えたのなら。
男は眩しげに目を細め、僅かに背を屈めてその腕を取り、家の中へと引き入れたのなら、身を強く、抱いただろう。
例え彼の荷物が外へと置き去りになったとしても――万一彼が、その抱擁を拒絶したとしても。]

……ようこそ、俺の巣へ。
本当に、捕らわれに来てくれたのか。

[胸に押し付けるように腕に力を込めてしまったから、もしかしたら少々息苦しさを感じさせてしまったかもしれない。
だけれど、それを気にする余裕など…今の男に、ある筈も無く。
嗚呼、彼はもしかしたら泣いてはいただろうか?しかし例え泣いていたとしても、きっと男はこの抱擁を止めはしなかった――止める事は出来なかっただろう。
彼が痛みや苦しさを訴えたのなら、初めてそれに気付いたように僅かにだけ、力を緩めたかもしれないけれど。]



これはあの夢の続きかな……また会えて、嬉しいよ。

[彼と初めて言葉を交わしたあの日と同じ、"目立つ"白いコートを纏う姿を、その腕の中へと閉じ込めながら。
嗚呼、どれ程この時を待ち焦がれただろう。
どれ程、この温もりに焦がれただろう。
さぁ、これで漸く。漸く…あの日の彼の言葉に、返す事ができる。]

あぁ…返事が遅くなってすまない。

――……愛しているよ、…ヨハン。

[ゆっくりと離したその顔は、少しばかり歪んでいたかもしれない。そんな顔は、男にしては至極珍しいものだったけれど。
そうして、両手を彼の頬へと添えたなら。もしも彼の頬が濡れていたのであれば、その雫を唇の先で掬いはしただろう。

見つめる瞳には、溢れんばかりの慕情を込めて。一度寄せた唇は、僅かに躊躇うようにその先にだけ触れる。
嗚呼、しかし。一度触れてしまったのなら、もう止めることなど出来はしない。
ほんの僅かな真を置いて、堪え切れぬように再度寄せた唇は――果たして。受け入れて…貰えただろうか。]


メモを貼った。


……きゃっ、

[言葉を交わす間も無く引かれる手に、ジャニスは小さく悲鳴をあげる。背後で荷ががたりと音をたてて倒れた。けれどキツく抱きしめられる体に、そんな事を気にしている余裕も無く。
自らを抱く体に小さく息を吐き、そうして、そっとその背に手を回した。最初は柔く、けれど次第に、彼の存在を確かめる様に強く]

アナタの為なら、何だって捨てられるって言ったでしょ。

[腕に込められた力の、その息苦しさすら愛しくて。溢れた涙が彼のスーツに染みを作ったけれど、このくらいは許してもらおう。……だって、この腕を緩めて欲しくない。
此方からも強く抱きついて、すりと頭を擦り寄らせる。瞬きする度に涙が落ちて、嗚咽を堪えて歪む頬を伝った]

……もう、夢なんかじゃないわ。
夢を現実にする為に、アタシは来たのよ。

[この再会を、"夢"になんてさせるものか。
震える声で、けれど力強く言葉を吐く。夢なんていう泡沫の存在ではない。そんなもので終わらせるつもりは、端から無かったのだ、と]


…………、
アタシも……あいしてる、

[いつもの余裕そうな笑みも何もない、彼の顔を見る。ジャニスだって似た様なものだ。否、もっと酷いだろう。溢れた涙は止められないままだし、零れそうになる嗚咽を堪え、強く奥歯を噛んでいるのだから。
頬に触れる唇に、ゆるく目を伏せる。拭われる筈だった涙は、次から次へと零れ落ちた。

絡まる視線に、漸く目元を和らげて。彼の瞳に映る色を見れば、微かに息を詰める。
一度、二度。寄せられた唇を拒むわけもなく、けれどそれに満足に応える事も出来ないまま、触れるあたたかさを堪能する。
けれどやがて、躊躇いがちに体を離せば、おろしたての手袋で自らの顔を拭った]


……玄関先でなんて、恥ずかしいわ。
中に入れてちょうだい。

[誰が見ているわけでもないと、そうは分かっていたけれど。彼と口付けを交わすのであれば、もっと秘めやかな場所が良い。
彼の腕の中からするりと抜け出て、倒れた荷物を持ち上げる。そうして、僅かに染めた頬で彼を見上げた]

――入れてくれたら、良い物をあげる。

[首から下げた"時計"を服の上から撫でて、ジャニスはにこりと笑ってみせた。これが彼にとって"良い物"であるかどうかは、分からないけれど。……そうであってくれればいい]


【人】 さすらい人 ヤニク

―回想・公園―

 ――そうだね。ウソを吐き過ぎた少年は全てを失ったのさ。

 二股だなんて酷いね!僕はこう見えて案外一途だと言うのに!

[彼女の瞳>>21に映る男は軽薄そうな笑みを浮かべている。

まるで道化師。
揶揄ることに愉悦を見出したような意地の悪い顔。

それが、ゆっくりと落ちていくのは。
顔にかかる影>>22
吐息すらも感じる距離で男は、琥珀の双眸で逸らすことなく見つめる。]

 ――…思い出したよ。

[独白めいた呟き>>23に男は答えない。その代わりに、雫を水溜りに落としていく。その波紋を耳に鼓膜に伝えながら、紡ぐ。]

(25) 2014/10/09(Thu) 16時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

 人のためのウソ、なんて。

 ――…、結局それを理由にしているんじゃあ、縋っているのと変わらない。

 耳があるのは…きっと。忘れないため、なんじゃあないかな。

 “約束”を忘れないために。
 ――君は、何のために耳を強請るんだい。何が、欲しいんだい。

[男は俯く。彼女が自らの赤ずきんを被せようとしたから。
それを手助けするように抵抗もなく、纏うのだ。

横目に透明の傘が添えられる。花籠でも何もない色のない質素なもの。]

(26) 2014/10/09(Thu) 16時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

 ――頼む相手が間違えているよ。

[彼女の問いかけ>>24には答えなかった。

その問いかけに答えたのは結局、その姿が公園を後にする時。]

 赤ずきんを脱いで…、

 君は、何を望むっていうのさ。*

(27) 2014/10/09(Thu) 16時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

―朝・住宅街―

[やけに陽射しの強い日であった。
まるで欲に溺れて空に向かった青年が灼かれてしまった時のような紅。

翼など男にはないというのに、照りつける太陽はじりじりと男の背中を焼いていく。]

 ――…確か、ここだったかな。

[一昨日だったか。某コミュニティサイトにて一つの噂を聞いた。

50年前からやっている銭湯が近くにある住宅街にて、白くて大きな羽根が落ちていたと。

白い羽根と聞いて思い出すのは一人の少女。
空に近づくのだと足を動かし、その結果羽ばたくことが出来たのだという>>3:343

約束を新たにした。約束を。
縛り付けるそれのことを、決して好きではなかったそれのことを、いつ叶えられるか分からない不確かなそれを。

待ち望むように男は、自身の知っている数少ない内の一つを口遊む。]

(28) 2014/10/09(Thu) 16時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

 Are you going to Scarborough Fair
    

   Parsley, sage, rosemary and thyme
       

 Remember me to one who lives there
    

   …For she once was a true love of mine
       
 Tell her to make me a cambric shirt,
    

   Parsley, sage, rosemary and thyme…
      
 Without no seam nor fine needlework,
    

   ……And then she'll be a true love of mine

(29) 2014/10/09(Thu) 16時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

[到底不可能な願いを別れた恋人に向かって投げかける男の唄。

何度聴いたところで好きになれないその旋律を、所々音を狂わせながらも奏でて、紺色の小箱>>1:95から取り出した銀色の指輪。

装飾も一切ないそれには刻まれる筈だったそれもない、つるりとした感触で男の指を撫でる。]

 ――僕は、君を愛してる。

 ――…でも、それならどうして僕の魔法は解かれないんだろうか。

 だから僕は、考えた。

[口遊むのをやめて男は一人、呟く。]

(30) 2014/10/09(Thu) 16時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

 ――ウソ吐きはどっちだったか。

 “しあわせ”とは、何なのか。

 ――…僕には、掴むための腕も、歩くための足も、声を聞くための耳も、君の姿を見つけるための目も、君に気付いてもらうための身体も、何もかもが、あるのに。

 ――僕には、出来なかった。

 何もかもを捨てて、君を引いて歩くだけの勇気も何も、無かった。

 ――それが言えなかったから僕は、せめて、

(31) 2014/10/09(Thu) 16時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

[すっかり引いてしまった紅葉色。
懐かしむように焦がれるように眇めた双眸は、ただただ鮮やかに彩られた空を望む。

冬の空とはまた異なる、何処までも遠い色を。男の琥珀は見つめる。]

 ――君のための、しあわせのウソ。

 本当に、そうだったのかな。

 ――…あの時、嘘つきだと言ったのは、

(32) 2014/10/09(Thu) 16時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

[自嘲じみた笑いは一度だけ。
すぐ様また男は口遊み出す。

キラキラと輝く太陽が、蜘蛛の張り巡らせていた糸に絡まる夢見鳥を捉えていたけれど、一瞥に留めるだけしてまた唇を開いた。

引き続き口遊むは、昔の恋人へと奏でる唄。]**

(33) 2014/10/09(Thu) 16時頃

さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。

2014/10/09(Thu) 16時頃


[ふらふら ふらふら 爪先を揺らす。 
振り子のように等間隔に。

ヒンヤリとしているようで、暖かい。
夢の中で感じる空気のような大気。

包まれているのだ―――と
朧に思った。]


  ヒヤリ

[薄青い窓硝子に触れれば指先が、
凍えるほどに冷たい。

ガラスから離した指先には、冷たく白い氷の花。
指の熱に、好きとおり雫となって

   消えて いく


ふと、翼を与えられる前。
彼の店で買った、あの本を思い出す。
               ]


         ペラリ

[頁が捲られる音が

       聞こえた気がした]


【人】 さすらい人 ヤニク

―回想・昨日―

[端末が震えたのはいつ頃だったか。

曖昧ではあったけれど、促されるまま手を伸ばした先、表示された名>>66を確認すればすぐ様手紙を開封する。]

(74) 2014/10/09(Thu) 22時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

――――――――――――――
差出人:ヤニク
宛先:トレイル
――――――――――――――
Re:もう起きた?寝坊さん
20xx年 10月3日
――――――――――――――

君が誰かとケーキを突っつく様子が想像出来ないんだけど
ヤキモチ? 焼いたら食べるかい?
なんて、ね!

なかったっけ 歌うのは好きだけれどあまり勧めないよ

…どうして、君に?
協力でもしれくれるのかい?
何だい、せっかくお婆さんの真似、練習していたのに!

(75) 2014/10/09(Thu) 22時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

待たないって? 悪者を倒してこその主人公だというのに、そんな物語僕は知らないなあ、嫌いじゃあない

追伸:そう、なら匿さん
探しに来てくれるなんて、珍しいじゃあないか
なら、少し待ってみようかな
結局僕が見つけそうだけれど

…ベネットは見つからない、か
ありがとう また見かけたら連絡、くれるかい?

――――――――――――――

[いつもより随分と長い台詞に、少しだけ男も面食らったように瞬きをしただろう。

そして、彼がいつもと違う“口約束”を、電子の紙面に綴っていた文章に目を通したのなら、口端を緩めるのだ。]

 ――…何てタイトルの物語だい、それは。*

(76) 2014/10/09(Thu) 22時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

―朝・住宅街→カフェテリア―

[ふと思い出す。昨日メールのやり取りをした友人>>66は今頃何をしているのだろうと。

どうやら“探しに来てくれる”らしいからと暇を潰していたものの、白い羽根は見つからない上に、タイミングだろうか。

知人の姿一つ見つからない。
そして珍しく男が彷徨わせるのは自身の手元。

そこにあるのは、男が以前まで纏っていたものとは異なる赤ずきん>>23

勢いのまま受け取ったものの、女性向けのそれは男が身に付けるには酷く不似合いであり、どうすることも出来ずに握り締めた。]

 ――…全く、女の子って一体何なんだい。

[友人に向けてメールを打つ時とはまた異なる様子で、端末に触れる指先は何処か、不満げ。]

(77) 2014/10/09(Thu) 22時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

――――――――――――――
差出人:ヤニク
宛先:クラリス
――――――――――――――
忘れ物
20xx年 10月4日
――――――――――――――
これ、僕に着ろって言うのかい
返すから何処にいるんだよ君
――――――――――――――

[眈々と打ち付けた文章は他の誰かよりも随分と素っ気なく愛想のないもの。
珍しく夢を語るような大仰な表現のまま手紙を送り付ければ、男はふらふらと歩き出す。

そして向かった先にいた場所はカフェ。理由は異様な日照りにて渇いた喉を潤ませるためだったのだが、昨日メールにて約束した友人>>69が図ったようにいたものだから、男は無言で赤ずきん>>23で獣耳を押さえつけ]

 ――…グレープフルーツジュース一つ。

[早々に頼めば、友人より少し離れた場所へと席をかけようとする。
その際に彼の後ろ姿を通ったが、はたして気付かれずに済んだか。]

(78) 2014/10/09(Thu) 22時半頃

さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。

2014/10/09(Thu) 22時半頃


ヤニクは、錠というお馴染みさんが本屋に訪れていたようなことを思い出す。*

2014/10/09(Thu) 23時半頃


【人】 さすらい人 ヤニク

―回想・自宅アパート―

[辿り着いたのはきっと、群青色の空が散らばっている頃だろうか。

シャワーを軽く済ませた後、おざなりに置いた端末が点滅していたことに気付く>>83

表示された名前はこのアパートに暮らしている隣人のもの。
目元を指の側面で擦り付ければすぐに返事を打ち込む。]

(94) 2014/10/09(Thu) 23時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

――――――――――――――
差出人:ヤニク
宛先:オスカー
――――――――――――――
Re:ふわふわの狼より
20xx年 10月4日
――――――――――――――
それは楽しみだ そうそう、僕も素敵な人から赤ずきんをまた貰ってしまってね 流石にいただけないから返すけれど、少しの間お揃いだね

おや、覚えていてくれたのかい?
なら気長に待っていようかな
お婆さんの皮は…友人に却下されたから、猫か山羊の真似でもするよ

神隠しだなんてそれこそ御伽だね
バイトか… まあ、都合が悪かったのかも …また会えるさ、きっと
お疲れ様 そう言えば君、本好きなの?

…なら、お願いしようか
食べられないことを祈ってるよ
――――――――――――――

(95) 2014/10/09(Thu) 23時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

[綴り終えれば一度端末を閉じる。時間を確認すれば、そろそろ眠りに就ている可能性もあったから。

だから、彼の元へとメールが届くのは、日付の変わった4日目以降だろう。]*

(97) 2014/10/09(Thu) 23時半頃

さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。

2014/10/09(Thu) 23時半頃


[思わず伸ばしてしまった腕は、少しばかり彼を驚かせはしてしまっただろうか。
捕らえるように回した腕の中、小さく聞こえた悲鳴すらも愛おしく。彼の荷物が立てた音は、耳には届いてはいたけれど――それに構う余裕など、とてもじゃあないがありはしない。
強く抱き返された腕には、堪え切れぬように息を吐き。
聞こえた彼の言葉には――あの時に告げられた言葉を再び伝えられたのなら。その吐く息すらも、震えてしまいはしたけれど。]

……あぁ、覚えているとも。
名も國も、何もかもを捨てて俺の元へと来てくれたのなら…

["自分の全ては、君へ"。
繋げようとした言葉は、震える息のせいで声にはならずに。
だけれど胸のあたりにじわりと広がる暖かさを感じたのなら、こっそりと目元を綻ばせ。嗚咽を堪えるような彼の声には、言葉には。男もまた、熱くなる目頭を堪えながら頭を寄せはしただろう。]



現実に、か。それは解っているんだが…
…何故だろうな。まだ夢心地だ。

[この地へと来る途中に、幾度この温もりを夢見た事だろう。そうしていざそれを再び手に入れたのなら――今度はそれを失うのが何とも恐ろしくて。
離さねば、と考える脳に反し、回した腕の力は強くなるばかり。
嗚呼、その上そんな愛らしい言葉を言われたのなら、今度こそ抑えが効かなくなってしまうじゃあないか。]

……また、泣かしてしまったな。

[次から次へと溢れる涙を、丁寧に唇で掬い取りながら。言葉とは裏腹に、その声はとてもとても柔らかなものだったけれど。
あの日の涙とはまた違う涙を。流れるそれは、なかなか泣けない自分の分まで流してくれているような、そんな気にすらなる。
そうして、久方ぶりにその唇へと緩く触れ――実際には、それ程の時間は経ってはいなかったけれど。
それでも十年の時を経たような錯覚を覚えたのは、それ程までに彼に焦がれていたと言うことなのだろう。]



………、あぁ、すまない。
あまりに美味そうな蝶が巣に引っ掛かってくれたものだから、つい。

[顔を拭う、別れた日とは違う真っ白な手袋。その手をやわりと取りながら、戯けたように言ってみせて。

"こんなに美味そうなご馳走が目の前にあるのなら、どんな蜘蛛だろうと味見をしたくなるもんだ"――なんて。
そう繋げてみせながら、持ち上げられた彼の荷物を取ろうと手を伸ばす。
そうして男は、荷物を取れたのであればそのまま、取れなかったのであれば苦笑を浮かべ、自ら巣へと飛び込んできたこの美しい蝶を、中へと招き入れただろう。]

しかし、荷物もあったろうに。
連絡をくれたら――あぁ、…返さなかったのは俺か。

メールは、全部届いていたよ。
……何度。電話をしようと思ったか。

[――パタン。
扉の閉まる軽い音を聞き流しつつ、服をなぞる彼の指先を見つめる。
そうして腰を引き、背を屈め。なぞられた辺りへと唇を押し付けてみたのなら、コツリと硬い感触が伝わりはしただろうか。]



それにしても…良い物?
何だろうな、メールでくれた"土産"かね。

[彼の身体へと腕を回したまま、チラリと相手の瞳を見上げて見せて。
そうして彼の言う"良い物"が待ち切れぬかのようにもう一度唇で硬い感触がした辺りを突ついてみたのなら、"良い物"は――与えて、貰えただろうか。]


【人】 さすらい人 ヤニク

[ちゃぷりと、揺らいだのは葡萄柚。
紡がれる物語の一端>>96に硝子に映った顔は瞬きを忘れる。

思わず顔を逸らし、足早に席に着こうとした。
掠めるような声>>98が、男が彼強請った菓子を口にする。

腑に落ちないような何とも言えない顔を落ち着かせようと、つま先を差し出す。腰を押し付かせたのは結局そう離れていない二人座席。
グラスを傾けジュースを仰ごうとして]

(104) 2014/10/10(Fri) 00時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

ガシャン

[派手な音が獣耳を揺らす。

つられたように視線を向けた先では、林檎を焼き上げた甘い菓子が、陶器に混じって散らばっている>>99

シン、と時が泊まるのは一瞬。
すぐに店員が駆け寄る。その際耳にしたのは、そのアップルパイは友が頼んだ品らしい。

何やら店員とやり取りする様を眺めつつ、ようやっと一口喉に通した葡萄柚は、何処か苦く感じ得て。]

 ――退屈だったからね!

[舌に痺れる渋みを誤魔化すように笑みを。]

(105) 2014/10/10(Fri) 00時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

[潜伏かバレてしまえば開き直ったのか促されるまま、向かいに移動する。途中交わされたいつも通りの挨拶には男も片手を上げて閃かせる。

そうして間も無く一つのアップルパイの甘い匂いが男の鼻を掠めるのと同時に、友が頼んだ砂糖もミルクも無しの黒い液体>>69には、露骨に顔を顰めてみせて]

 ――…あ、炭酸。

[忘れ物に、目を見開かせた男の頭から頭巾>>23が落ちた。]

(107) 2014/10/10(Fri) 00時頃

さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。

2014/10/10(Fri) 00時頃


【人】 さすらい人 ヤニク

[こうして相席になったのは何度目のことか。

外で茶を、というよりは彼の自宅にてお邪魔させていただいた方が記憶に深く残っていただけに、何と無く新鮮な気分にいつもさせるのだ。

それもお決まりの台詞>>114を彼が紡げば男もお手上げだと片手を泳がせて]

 慣れたくないよ。僕にはこれでいい。

[いつもと同じ言葉を彼に向けた。
彼が何かを言いかける。男も忘れ物について口を開く。そんな矢先に待ってしまう赤い布>>23

男の顔が強張る。それも諦めたようにすぐに笑みを向ける。今更なんだというのか。

隠しもせずに歩いていたのは自分なのだから。自ら捨てたのは他でもない僕なのだから。

待ち受ける者は何なのだろうか。
邪魔だとばかりに脱ぎ捨てたそれ。初めて見せた人間には驚かれ、二人目にはこうして隠された。

だから、三人目はどうなのだろうと視線を向けた先、獣耳を覆う布を再び取り付けられてしまった。]

(122) 2014/10/10(Fri) 00時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

[一連の流れ。物語をなぞることも出来ずに、惚けた顔をしていた狼が反応したのは、布地に触れた男性の手と同時に呟かれた言葉から。]

 ――…赤ずきんを被る狼なんて、聞いたことがないね。

[苦笑するのは一瞬のこと。すぐに首を傾げながら行儀悪く肩肘を立てて口角を上げる。]

  “仕事だらけの日常から抜け出したい”…だっけ?

[昨日、友が打ち込ん文章を口にする。そして琥珀色を揺らめかせながら、男は笑う。]

 ――君は目に映る存在を信じる?
 信じるのだとしたら、僕は君にとって何に見える?

 狩人やお婆さん、ではないのなら。

 …君は、どんな物語を紡いでくれるんだい?

[赤い頭巾の括り目を弄りながらといかけた。]

(123) 2014/10/10(Fri) 00時半頃

さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。

2014/10/10(Fri) 00時半頃



中に入れてくれるなら、味見以上の事もさせてあげるわよ

[手を取り戯けた様に落とされた言葉には、悪戯っぽく微笑んで。そうして踵を上げれば、彼の頬に口付けた。
重たい荷物は彼に任せて、逆の腕に手を回し、すりと擦り寄る。並び歩くだけで、こんなにも幸せになれるのだから不思議だ。
傲慢で強欲な自分が、それだけで満たされるだなんて。以前のジャニスに言っても信じないだろう]

ええ、そうよ。返事のひとつも寄越さなかった癖に!

……でもね。アタシきっと、電話をもらっても、出られなかったわ。
だって、声を聞いたら泣いちゃうもの。

[ぱたん、と。扉の閉まる音には、小さく口元を緩ませる。蝶が蜘蛛の巣に招かれた事を喜ぶなんて、何ともおかしな話だ。

彼に半ば体を預ける様にして、するりと"時計"をなぞる。そしてその指先を見詰める視線に気付いたのなら、一つ。朗らかに微笑んでみせただろうか。
ジャニスの胸元……"時計"に口付ける彼の後頭部を、ゆるうく撫ぜて。そのまま、その首元に腕を回す]



そう。それの事。
でも、気に入ってもらえるかどうか、分からないわ。

[見上げる視線と、二度目の口付けに、ほんの少しの不安を塗り潰す為、ジャニスは楽しげに目を細めた。

そうして、ちゃりと小さく金属が擦れ合う音をたてながら、首にかけた鎖を引き出す。そうして背中側にある留め具を外せば、てのひらに蜘蛛と蝶との時計を落とした。
鎖を掴み、彼の眼前にそれを掲げる様にして。小さく小さく、首を傾げてみせる。気に入ってもらえるかしら?なんて。そんな不安を、無意識の内に滲ませながら]

蜘蛛と、蝶の時計。
多アナタが集めているのは、もっと上等な物だと思うんだけど――、

[自信無さげに言葉を落とし、彼が屈んだままでいてくれたのなら、時計から伸びる鎖をそっとその首に回しただろう。嫌がられなければ、留め具をはめてみせて。腕はそのままに、彼の瞳を覗き込む様にする。
彼の首から伸びるそれは、やっぱり、似合っているとは言い難かった]


……ごめんなさいね。時間が無くって、こんな物しか買えなかったの。
また今度、もっとマシなのをあげるから。

[ちゅ、と。小さく音をたてて額に口付け、そっと体を離す。そうして彼の反応にはあまり期待しないまま、ゆるく微笑んでみせただろうか。
……喜んでくれなかったとしても。その"時計"を外させるつもりは、毛頭無いのだけれど]


【人】 さすらい人 ヤニク

[注意>>132にはいつも通り笑みを浮かべる。正すつもりはないらしい。

足を組み、珈琲の傍に置いた煙草を取り出す仕草も様にはなっていると言えるが、とても“お行儀良く”見えない、なんて言葉はふわりと揺れる紫煙に包まれ音になることはなく、胸中で零すだけ。

視界には少し霞む友の顔。]

 ――何だい。刺激が欲しいって言うから身体を張って日中君のところに訪れたっていうのに。

 ――…恐がる君の顔、楽しみにしてたのに、ね!

[表情を崩すことなく、男が生真面目だと感じている友人から紡がれる言葉に、肩の力を抜いて落とす。

がっかりしたような、安堵したような複雑な笑みと共に口元を緩めてにやり。]

 ――君は、君だね。

[思い出したように男は蜂蜜色に似た果汁を喉に通す。]

(140) 2014/10/10(Fri) 11時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

[煙草の煙が途切れてしまうとまた新たに作られていく>>133

灰皿がチリッ、と小さな音を立てて一時の休憩を貰えれば、彼は口遊んでいく。

男を主人公に見立てた物語を。
まだ筆の乗っていない頁には、問いかけが。]

 ――選べば君がその通りに紡いでくれるのかい?

 ――…物語の紡ぎ手は、主人公ではなく、筆者じゃあないか。
 だと言うのに、選ばせてくれるのかい?

 ――…なら、君を散歩にでも誘おうかな。

 “主人公”からのお願い、君ならどうどのように紡いでくれるんだい?

[虚をついた言葉を、どう扱うか男は少し悩んでしまう。
それを見過ごすことも突つくことも出来ない男は曖昧に笑みを浮かべて、紡ぐは軽薄な羅列。

それでも半分程減ったグラスを傾けて、表情をそのままに目元を和らげる。]

(141) 2014/10/10(Fri) 11時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

 ワインはないし、葡萄味の炭酸もないけれど、柚の入った葡萄のジュースなら、あるよ? それで晩酌でもしようか?

 ほら、メインディッシュも訪れた。

[男が視線を逸らした先、もう一つのアップルパイを乗せた皿が定員により運ばれる。
軽く礼を言いつつ、当然のように男は自らの目の前に皿を置くとフォークを刺す…直前。くるりとフォークを一回転。]

 ――お誘い、してみたけれど。君はどんな物語を書きたいんだい?僕はそれが聞きたい。それは、御伽噺のような甘やかなもの?それとも――…?**

(142) 2014/10/10(Fri) 11時半頃

さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。

2014/10/10(Fri) 11時半頃


【人】 さすらい人 ヤニク

[自らを端役だと自負している男にとって、友の言葉は不可解なもの。]

 ――…謙虚というよりは、卑屈だね、君は。

[首を傾げながらも問いかけに開いた唇は、紡がれる物語>>146に閉ざされていく。

そしてやられた、とでも言うような眉を下げて口端は上げた表情。
やがてグラスとカップを互いに掲げれば、君には負けたよと乾杯を。

アップルパイにはアイスは乗っていなかった。可愛い小鳥が好いていたものとは違ったけれと、向かいに座る彼に倣うように一口運ぶ。

口内に広がる林檎の甘さ、パイ生地がさくりと軽やかな音を立てる。サクサクとフォークを突き刺しつつ、向かいから珈琲の香りが相変わらず鼻を突いたけれど我慢して、促すよう彼を見つめる。]

(157) 2014/10/10(Fri) 19時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

 ――…これはこれは、下手なことは言えないなあ。だって君が見ているんだろう?
 僕が主人公というよりは…君の物語の中にお邪魔している気分、だよ!

[銀髪を、相手の茶色を揺らす風。
僅か灯っていた火を吹き消してしまった友人にはにかみを。追加で珈琲のお代わりを頼む時は理解出来ないとばかりに苦言。

甘いもので腹が満たされていく感覚は未だに少し理解出来ないけれど、残さず食べ終われば両手のひらを合わせる。

会計の際に流れるように支払われる代金は二人分。]

 君、僕のこと甘やかし過ぎじゃあないかい?

[そんなに歳も変わらないのに、なんて笑いながらと好意にはちゃっかり甘える。礼を言いつつ、誘われるまま辿り着いたそこは、公園だった。]*

(158) 2014/10/10(Fri) 19時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

―公園―

[思っていたよりもカフェで時間を使っていたらしい。
ベンチに腰を下ろしていても変わることのない日差しに双眸を眇めていた時、宙を舞うペットボトル>>148を片手で受け取る。]

 お揃いね。こうも揃って同じものを頼むのは新鮮だね。

[なんせカフェで珈琲を頼む男だから。そんな理由を裏側で付けながら一言。
本日2度目の礼と共に触れ合うボトルに、にんまりと唇を吊り上げる。]

 いつもと違って悪くはないさ。いつも通り君と楽しむ葡萄酒は勿論好きだけれど。

[甘酸っぱい液体で、僅か火照った身体を冷やしていく。]

(159) 2014/10/10(Fri) 19時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

[仕事に精を出す彼とこのように外で言葉を交えることは、何処か懐かしい記憶のことのように思えた。

会話は心地よいリズムで流れていく。髪色について話題が流れれば「そう言えば赤かったね」なんて口にし「似合っていたのに」なんてその頃とすっかり変わってしまった彼の様子を面白おかしく揶揄っただろう。

いつまで続くのだろうか。ベンチに二人。ペットボトルを供に口を開いて、止まる。

横へと視線を移した際に垣間見えた表情は、>>149太陽よりも真剣味を帯びたように思え、男は彼の唇をただただ眺める。]

 ――僕を?

[転んだ言葉はまずそれ。主人公を彼はどのように捉えているのだろうか。小さく唸りつつも、笑みを浮かべた男は答える。]

(160) 2014/10/10(Fri) 19時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

 君と二人旅…か。なかなか面白そうだね!

男二人なんてむさ苦しいけれど、間近で僕に対する君の観察日記を聞きながら歩くのも悪くはない。

[二人を纏う空気はカフェにて男の頬を撫でたそれとは全く異質のものだというように感じた。けれど、それでも男は口を閉ざすことなく紡ぎ続ける。]

 ――君の紡ぎたい物語に、僕がいるのかい?

 曖昧な表現は嫌いじゃあないけれど、ね。
 この話が冗談でないのなら、御伽噺でも無いというのなら…、

 ――選ぶ言葉を間違えているよ、トレイル。

 君がなりたいのは、筆者なのかい?それとも主人公? 端役で満足?

[筆者だと喩えた人に、“主人公”は問いかける。それは余りにも行き過ぎた行為かもしれない。

それでも男は彼に問いかける。]

(161) 2014/10/10(Fri) 19時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

 ――君が、どうして僕を誘ったのか…分からないけれど。

 旅に出るのは悪くはないと思っている。もとより出ようかと考えてもいたんだ。

 いくら考えても、この魔法が…呪いが、解ける気配はない。

 御伽噺らしく、真実の愛でも知れたら解けるのかと思っていたけれど、それならおかしいだろう?

 僕には、愛してる人がいる筈…なのに。解けないんだから。

 だから一層旅にでも出て、確かめてみるのも悪くはないし、イイかもしれないから、行ってみたいとは、思っていたんだ。

 ――でも、それに君が僕を誘ってくれた理由が、僕には分からない。

 …君には、君を育ててくれたおばさんやおじさんもいるのに。

(162) 2014/10/10(Fri) 19時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

[いつの間にか、両手で包み込むようにして持っていたペットボトルを握り締めて男は笑う。]

 ――たとえ話に熱くなり過ぎてしまったよ。こんなに暑いのが良くないね!

[空気を切り裂くように態とらしく作った調子の良い声は相手にどう思わせただろうか。

注意されたところで男は訂正するつもりも無いのだが。]

 ――君との旅。素敵だとは思う。君の心が変わらなかったのなら、ついていくのも一興だろうね。

だからもし、変わらずに思ってくれたのなら…そうだね。

(163) 2014/10/10(Fri) 19時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

 今度こそ、君が、僕を、見つけてよ。

[男は立ち上がる。そして彼を見下ろしながら猫のようだと喩えられた笑みを向ける。]

 忘れ物を返しに行ってくるよ!

[そして頭に被せられた頭巾を指しつつ、口早にそれだけを告げたのなら、ご馳走様と一言残しその場を後にしようと踵を返す。

たとえ止められたとしても、動きを拘束でもされない限り、足を止めることもせず飄々と足を前へと赴けただろう。]

(164) 2014/10/10(Fri) 19時頃

さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。

2014/10/10(Fri) 19時半頃



…何とも傲慢な蝶だ。
君はもう、巣の中に居ると言うのに。

[悪戯のように落とされた言葉には、クスリと笑いながら言い返して見せて。こんな他愛のない言葉遊びを再び交わす事が出来る喜びに酔いしれる。
頬へと触れる吐息を感じながら、視線を降ろした先には僅かに浮いた踵。
――見えたそれを、どうにも可愛らしく思うてしまったと知れれば。彼は気を悪くしてしまうだろうか…それとも。]

……泣いてしまう、か。
それなら、電話をかけなかった判断は正しかった。

――……離れた場所で泣かれても、何も出来ない。

[頭の後ろに回された手に目を細めながら、離れた間の事を思い、小さな声で呟く。回された手に沿うように手のひらでなぞり、肩から腰へとゆるりと撫ぜ。
彼の内心など気付かぬままに唇を寄せたのなら、小さな小さな時を刻む音も聞こえては来ただろうか。そうしてそれに混じるように、彼の鼓動も聞こえた気がして――。]



………ほう。

[そうして彼が見せたそれへと視線を移したのなら、男は小さく感嘆の声を上げる。
鎖の付いた先には、小さな時計がひとつ。蜘蛛の巣を模した文字盤に囚われた白い蝶に、刻を刻みながら巣の中を伝う金の蜘蛛。
彼のその手で首へと付けられたそれは、似合っているとは言えなかったかもしれないが――先程まで彼が付けていたからか、それともその蝶と蜘蛛とに自分達を重ねたからか。仄かに伝わる金属の暖かさは、男を酷く安心させた。]

――成る程。
文字盤の巣に捕らわれた蝶が君で、針の蜘蛛が俺、か。

……く、く。中々いいセンスじゃあないか。
ほら、見てご覧。この蜘蛛は、蝶を喰らうのが待ちきれないらしい。

[頬への口付けに、そしてこの贈り物に男は滲む嬉しさを隠そうともせず。柔らかい微笑を浮かべ、彼の頬へと口付けを返したのなら、首に下がった時計を指して見せただろう。
丁度、長針が12へと差し掛かる頃だったらしく、まるで待ち侘びるように蝶を狙う長針の蜘蛛。その様に思わず吹き出しながら、彼の瞳を覗き込む。]



――……まるで俺のようじゃあないか。

[その言葉を告げたと同じ頃に、長針がひとつ動き。文字盤の蝶を喰らう蜘蛛のように、男もまた自分の巣へと捕らわれた蝶を喰らおうと、ほんの少しだけ荒く、唇を重ねる。
…先とは違い、ここはもう巣の中だから。彼もきっと――自ら捕らわれに来た彼なら、拒絶はきっと、しないだろうと。]

気に入ったよ、ありがとう。
集めた時計も、全て置いて来たから…これが最初の時計だ。

…しかし12を過ぎたら蝶から離れなければならないとは、哀れな蜘蛛じゃあないか。
一度会えたらまた時が満ちるまで君に会えないとは…俺なら、耐えれそうに無い。

[口付けを交わしたのは、果たしてどれくらいの間だっただろう。名残り惜しげに蝶から離れる蜘蛛に視線を向けながら、男はその白い手袋に包まれた手を引く。
そうして時計の蜘蛛とは違い、未だその腕の中に蝶を捉えたままの男は、獲物を逃すまいと腕に力を込めはしただろう。]



――いっそ、時を止めてしまおうか。

["そうしたら、離れずに済むだろう?"、なんて。戯けるように言葉を投げながら、僅かに身体を離して彼の手を引き。
彼がそれに倣ってくれたのなら、二人で共にソファへと。あの夜語り明かした時のように、寄り添おうとしただろう。]

そう言えば、殴られた…と言っていたが。
口の中は、まだ痛むか?

痛むなら、氷を持って来るが。

[珈琲が染みる、と言っていたから、恐らくは顔を殴られたのだろう。痛みが無いように、そっと頬へと――今更かもしれないけれど――触れながら。
そうしてまた、痛みの具合が解らぬ男は、啄ばむように唇を寄せ。指をそっと握ったのなら――あの時血で濡れていた指は、未だ痛みを伴いはしただろうか。]

しかし情けないかな、俺は君の趣味はおろか…好物すら、知らないんだ。

……ヨハン。
君の話も、聞かせてはくれないか。

[彼へと寄り添い、軽く目を伏せながら。彼を求めるように投げてみた言葉に、彼は果たして応えてはくれるだろうか。]


[頭の中で捲られる物語のページ。
その最後の言葉が終わった後。
列車は音もなく何処かに止まった。

シン、と空気のなる音が耳の奥をこだまする。]

 白鳥の停車場ですか―――?
 それとも

[降りるべきなのかどうか、自分にはわからない。
そもそも最初から乗っていたわけではないのだから

この列車が今どこを通っているのかわからない。
本屋の店主ならば知っているのかもしれないけれど。

星空を走る列車を一つしか自分は知らなかった。]


 南十字星を観たいです……。

[あの本の列車とこの列車が同じなのかはわからない。

けれども、もしも同じものなら。
そして、同じ道筋を通るなら。

獣になることを選んでまで
近づきたかった場所を通るのでは―――

そんな感じがした。]



……気に入ってくれたみたいで、良かったわ。

[嬉しそうに笑う相手に、安堵した風に息を吐く。
頬に返される口付けにぴくりと体を震わせながら、彼の指す時計へ視線を向けた。覗き込まれる瞳に気付いたなら、すぐに見つめ返しただろうけど]

るー、……ん、

[彼の名を呼ぶ形に開かれた口は、荒い口付けには塞がれた。先までは余裕無く重ねる事しか出来なかったけれど、漸くそれに応える事が出来ただろうか。
角度を変え、重ねる度に熱い吐息を零す。やがて唇が離されたのなら、見せ付ける様に唇を舐めてみせた。

手を引かれたのならそれに従って、逃すまいとするその腕に寄り添う。そんなに力を込めなくても、逃げるつもりなどないのに、なんて。胸中でだけ苦笑しながら]



あら、良いわね。
そうしたらきっと、蝶も寂しくないわ。

[最後に一度、彼がそうした様に時計に口付けて、手を引かれるままソファへと導かれた。
座る彼に体を預け、腕を絡ませる。そうして緩む口元を隠しもせず、彼の方を見上げただろう]

……もう痛くないわ。
氷なんか要らない。

[頬に触れる手にほんの少し眉を寄せ。何処にも行かせないという風に、絡める腕に力を込める。
実際の所、切れた口は未だに痛むのだけれど。素直にそう言って、彼が離れて行ってしまうのが嫌だった。……例え、氷を持ってくるだけの僅かな時間でも。もう、離れたくはないから。
寄せられる唇と、指先に触れる手と。その二つに目を細める。口内は兎も角、指先の痛みはとうに無くなっていた。

そうして、乞う様に投げられた言葉には、幾度か瞬く。けれどすぐにはにかむ様に微笑めば、よりいっそう彼に寄り添って]



……アタシはね、チョコレートが好き。
後は、ココアとか、ホットミルクとか。甘くて、安心出来る物が好き。

[身を乗り出し彼と向かい合ったのなら、軽く右手を上げ、一つ彼に教える度に指を折っていく。ひとつ、ふたつ。彼が教えてくれたのと同じ様に、自分の事を、少しずつでも彼には伝えてゆく。
たったこれだけで、胸が弾む様に高鳴った。たったこれだけで、満たされてしまう]

それと、やっぱり舞台は外せないわね。
アタシ、人に見られるのが好きなの。舞台に立って、役を演じて。……そこに向けられる視線が、堪らなく好き。

……そして、

[指を折るのを止め、ふと視線を彼に向ける。指先を握るその手を一度離したなら、絡める様に手を繋いだ。
そうして満足そうに口元を緩ませて、そっと。その手を自らの胸元に当て様としただろう]


――アナタの事が、すき。
きっと、これがアタシの中でいちばん大切なこと。

[押し当てたてのひらに、高鳴る鼓動は伝わるだろうか。張り裂けそうなくらいの、この気持ちは。
微かに震えてすらいる手を、ぎゅっと握り締める。少し冷えた指先でも、きっと彼よりはあたたかいんじゃないだろうか。ほんの僅かでも、この熱から。彼への想いが伝われば良いのに。

伏せた瞳を縁取る睫毛が、ふるりと震えた。それでも口元は柔く微笑んでいる。
ああ、愛しさというものは。……こんなにも、泣きだしそうなくらいに、胸を締め付けるものなのか]

……アナタにとっての、いちばんじゃなくても良いから。傍においてね。

[向かい合うのを止め、彼の肩に頭を乗せる。ゆるりと胸元から手を離して、重ねたままその手を降ろす。手袋越しの体温は、何とももどかしいものではあったけれど。柔く伝わる彼の体温が心地良くて、離す事など出来やしない

――そうして小さく小さく呟いた言葉は、彼に届いたかどうか。届かなくたって、別に構いやしないけど]


[コンコン、といつかの悪夢を思い出させるような音:334に、ベネットは身体をびくりと緊張させた。

そろりと窓を見ると、銀いろの―――銀河の岸のすすきとおなじいろの紙がはためいていて、声を失った。

半ば取りつかれたようにカララ、と乾いた音を立てて窓を開ける。]


君は…………



[つぶやいてから手を取って列車に招き入れると、折りたたまれる翼に、ふっと目を細めた。いつか落ちていた羽根は、彼女の物だったのかもしれない。

窓に腰掛けてつま先をゆらし、なにもいわない。本当に彼女だろうか。ジョバンニが見たカムパネルラのように、いつか消えてしまうまぼろしだろうか。]

『ぼく、白鳥を見るなら、ほんとうにすきだ。川のとおくを飛んでいったってぼくはきっとみえる。』


[音もなく列車が止まったとき、おもわずそう言った。彼女は振り向いたろうか。]


メモを貼った。


メモを貼った。


さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。

2014/10/10(Fri) 22時半頃


[音もなく列車が止まった。
振動も何もないのに確かに『止まった』と思ったのは

車窓から光の尾を揺らし、後ろに流れる赤や橙の灯火や
燐光の三角標が後ろに止まって見えたから。

息をすることも忘れて、列車の止まった先を見つめ
窓から停車場に降り立とうとした時、ふと後ろから聞こえた声

こくんと息を呑み、声の主を振り返り。]

 時計は11時かっきりですか?

[彼の方を見つめ、そう問いかけた。]


【人】 さすらい人 ヤニク

―公園―

[そのメール>>174が届いたのは昼に差し掛かる頃より後>>159
つま先を公園から一歩外へと向ける途中>>164

震える端末に指先を伸ばす。同時につるりとした表面の指輪が触れたけれど見向きもせず、素直に取り出したのは携帯。

表示された宛先を確認する。]

(180) 2014/10/10(Fri) 22時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

――――――――――――――
差出人:黒ヤギ
宛先:クラリス
――――――――――――――
Re:君こそ配達は順調?
20xx年 10月4日
――――――――――――――

被せられたんだよ

僕が捨てないとでも思っているのかい?
君も大概ロマンチストらしい

人の持ち物…それも女性のものなんて持ち歩く趣味はないから君に返すよ

残念、呪いは一つで十分さ

夕方か夜ね 君と初めて会った場所
そこでいいかな?
――――――――――――――

(181) 2014/10/10(Fri) 22時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

[数行、手早く打ち込めば再び足を動かそうとする。
方角は商店街の方。訪れることが出来たかどうかは相手次第。]

(182) 2014/10/10(Fri) 22時半頃

さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。

2014/10/10(Fri) 22時半頃


[彼の方に向けていた顔を逸らすことなく、
けれども緩やかに瞼を閉じる。

自分と重ねてしまうことの多かった物語の登場人物。
その台詞が口をついて出る。]

『お母さんは、僕を許してくださるだろうか』

[それは遠い遠い三角票の辺りにいる母親を思って
どもりながら思い切ったように、カムパネルラが口にした言葉。

自分とは境遇も何もかもが違う。
けれども言わずにはいられなかったのだ。

空に近づけば逢えるのではないか―――と
遠いところに居場所を求め

翼をもらった自分のことを許してくれるのだろうか。

そんな不安が心の中にぽかり浮かんで揺れていた。]


【人】 さすらい人 ヤニク

―公園―

[向き合う瞳>>193を真っ直ぐと捉える。相変わらず照りつけるような陽射しは男の背も灼いたけれど、気にはならなかった。

友の言葉を耳で拾うために。決して聞き漏らすことのないように動かすのだ。]

 ――…そう、それが君の答えなんだね、トレイル。

[彼が主人公に憧れる理由。

彼の髪色が男の被る頭巾のように鮮やかであった頃から知っていた男は、彼の家庭事情についてどのくらい知っていただろう。

御伽噺の主人公へと思いを馳せる言葉を、筆者として、主人公として、端役で満足だと言う彼の口から零れる言の葉に、目元を和らげる。

誰に見せていたでもない、猫でも鶴でも山羊でもなく、狼とも違う…彼の友としての笑みを浮かべた。]

(204) 2014/10/11(Sat) 00時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

  ――……。

[言葉は紡げなかった。代わりに唇には穏やかな弧を乗せていただろう。]

 ――また、戻ってくるよ。

[やっと音となり言葉と形を成したのはそんな言葉。
追い払うような仕草に戯けた態度を取ろうとして失敗。

いつも通りの仕草をする友人に、男もまた同じように片手を上げる。

決して振り返らない。けれど、耳元を微かに揺らした音>>197には一度]

 ――…ありがとう。

[面と向かって告げることの出来なかった礼を、捻くれた男が口にしたのは、公園から踏み出した後。]*

(207) 2014/10/11(Sat) 00時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

―公園の後・自室→夕方・商店街―

[商店街へ足を向けたものの、忘れ物をした男は一度自身が住まうアパートに戻る。

自室に戻れば筆を取ろうとしてやめた。
代わりにチェーンを取り出し銀色の輪っかに通してやった。
無造作に詰め込んでいく。

部屋にあったのは2枚の紙切れと、空になった一本のペットボトル。そしてまだ何も綴られていない空色のレターセットと、本屋にて取り寄せたファウストが一冊。玄関には、透明のビニール傘。

獣耳が生えてくる前日から今日に至るまで、男が手に入れたものを全て置いていく。

まだ半分ほど残る僅か温かくなったペットボトルも、全て。

そうして商店街へ向かう道すがら、様々なことを思い出す。]

(210) 2014/10/11(Sat) 00時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

[時計の家に住まう蜘蛛のこと、その蜘蛛の罠に自ら捉えられた夢見鳥。

白を纏う人は、「0時を過ぎても解けない魔法」だと確か言っていた。
そして、追いかけるのだと。

飛ぶことの出来ないと告げた金糸雀は、足を動かし微かながらも自らの翼を動かし空に近付けたという。

彼女の紡ぐ物語の先は分からないけれど、探し人と出会うことはあったのだろうか。
それは何れ知ることが出来るのかは、分からないけれど。

男よりも幾分も小さな背中。
華奢な身体。細い指先。あんな少女ですらも誰にも縋ることなく、唄を紡いでいくのだろう。]

(211) 2014/10/11(Sat) 00時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

[御伽噺を強請っていた少女は、自身の物語をどう紡ぐのだろうか。

夢を望む姿は男が昔、思い寄せていた人の姿に酷似していたものだけれど、彼女はひとりでも歩き出せる力があった。
男は彼女を侮っていたのだ。

彼女の腕を、夢の世界から導き出すのは向日葵のような存在なのだろうか。それは男の知らぬところではあるけれど、しあわせであれば良いと思う。

砂糖二つ分を足した珈琲ならば、男だって口に出来るかもしれないから。葡萄柚を飾りには否めないけれど。

花屋の店先にて少し言葉を合わせた学生は今頃どうしているのだろうか。

随分と憔悴し切ったように見えたけれど、男の残した土産を彼を安心させることは出来たか。

掲示板に綴られた獣人と近い存在であるのことは知っていたけれど、結局再び会うことは出来なかった。]

(212) 2014/10/11(Sat) 00時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

[会うことが出来なかったといえば、本屋で働く青年もそうだ。
約束を取り付けた割に、連絡も無しに姿を消してしまった。

妙な噂が出回っているから不安に思うものの、少女や少年達のために早く戻って来てくれればいいと思う。

そして、少年の一人。鹿角を持つ少年に押しやって来た赤ずきん。

彼がそれを身に纏うのは想像しにくく、酷く不似合いだろうな、なんて見たこともない勝手な感想を抱く。

大人しそうな顔をしている割に随分と“素直”な彼とのやり取りはなかなか新鮮であった。

本を好むのは男も同じ。もっと早く会えていたら、なんて今更なことを少し思って苦笑した。

手紙を綴ることも考えた。けれど、やめた。手紙を送る人は素敵な人らしいから。それは彼女の主観であるようにも思うけれど、残るものは何も無くていい。今はそう思ったから。

けれど削除出来なかったから、未送信フォルダにひとつ、隣人宛の物を残して置いた。もうひとつは綴る前にやめた。]

(213) 2014/10/11(Sat) 00時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

[御伽噺の筆者は一人で十分なのだ。男は時間に縛られる白ウサギではない。彼女の言葉を借りるのなら、“チェシャ猫”なのだから。
いつか、なんて口約束は軽薄なままで良い。

ああ、そう言えば花籠を頼まれてくれた彼には一言くらい礼を言いたかったかもしれない。

雨の中傘もささずに寝こけていた不審な男に声をかけてくれた青年。
雨がすきだと言った彼に対して晴れた日での再会を並べて見送ってしまったけれど、彼は今日の空に何を思うのだろう。

そして、友のことを。思い描く。
共に旅を、なんて。

一瞬、それも悪くないかもしれないと手を伸ばしかけた事実を、男は口にすることは無いだろう。

真実を映し出す鏡を、相手の瞳に置き換えたとしたら、彼の目に映る男は正真正銘、人間あらざるべきだというのに。]

(214) 2014/10/11(Sat) 00時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

小鳥は男を狼だと。彼は、男を友人だと、告げた。

それが、人か獣か、どちらなのか。
惑う男の胸にどれほど響いたのか、きっと彼らは知らない。

全てを捨ててしまえたら、また新たな物語を紡げるのだろうか。

それは分からないけれど、今ある自分の中に絡み付く柵を全て捨てることが出来たのなら、世界を知るのも悪く無いと。

だからこそ、彼女にとても会いたくなった。

同じウソつきの末路を、自分に一番近しいと感じた少女と、言葉を交えたくなった。

そう考えていたところで商店街へと、辿り着く。]

(215) 2014/10/11(Sat) 00時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

 ――…君“も”迷子?

[少女の頭巾を被った男は、少女と出会ったのならあの日と同じ言葉を、彼女>>208へと向けただろう。

あの日とは異なって、男を照りつける茜色はきっと、男の身体を夕日色に染めていただろうけど。]

(216) 2014/10/11(Sat) 00時半頃

さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。

2014/10/11(Sat) 01時頃


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