3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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[探す声が聞こえるから。
まだ、つながっているから。
必死で手を伸ばす。赤い糸の先へと。]
やめろぉーーーーー!!
[それを叫ばせたのは何かは分からない]
よ、っとと
[まだ走れる。
ずぶりと闇に埋もれた足を引っ張りあげ、顔を上げれば
糸の先に手が見えて]
……ディーさん!
[駆け寄り、その手を握り締める。
闇に飲み込まれたその先に居るのがディーンだとはわからない。
それでも必死に闇から助けようと]
[指先が触れる。しっかりと握りしめる。
闇が牙を剝く。
絆を食いちぎり、2人を引き離してしまおうと。
幾本もの腕が、メアリーに向かっても伸びた。]
鬼なんて。誰が決めたのでしょう。
望んで、なはずもない。 セシルはそれで苦しんでいたのに。
けれど、鬼を送らねば自分達が死ぬのなら、鬼として送るしかないのでしょうね。
[呟く声は虚空に響く]
[握り返された手を離さぬように力を込める。]
だめ、やめて!ディーさん連れてかないでよ!!
[闇色が己の身体に伸びる。
肩に、腰に巻きついて握った手を離そうと蠢く。]
だめだ、ってば!
[おぞましい感触に涙が出そうになるのを堪えて
力いっぱい手を引いた。]
鬼からすれば理不尽。
けれどそれは人にとっても同じ。
殺した側が傷付いていないはずもない。
いえ。生き残ればそれは一生苛むことになるでしょう。
殺したくて殺すわけではない。
生きるために。
だから私は。
ドナルド・バルビエーリの願を、許すことは。
[少し冷たい口調]
[巻き込んではいけないと思う。
この手を離せばきっと、メアリーは逃げられる。
けれど…たとえ闇に呑まれても共に居られるのならば幸せなのだろうか?]
……く……っ。
[握った手が滑りそうになる。]
[目が霞む。
いくら引いても闇は彼を放してはくれない。]
やめ、て、よ……
[両手で包んだディーンの手を、祈るように己の額に当てる。
滑りそうになる手を握り返そうとして、足がもつれた。]
っやぁ!
[背中が闇色の底に叩きつけられ、意識が刹那飛ぶ。
それでも離さないと握った手が、微かに震えた**]
[記憶。呑まれた、流れ出たはずの]
……。
もう私には関係のないことですが。
[闇から聞こえる他の声。
知っている。けれど心はもう震えない。
闇が魂と同化していく。
――傍に。
願ったこと。口にはしなかったもの。
「彼」の傍に。
消えかけそうになるのを留める。
そのたびに一つ一つ何かが壊れていく]
がぅ………
[グロリアとフィリップの横で心配そうにしている。]
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―体育館→>>144― …… 、っ…
[は、と息を吐く。 こえが、きこえる。あの人たちが、紡ぐ。 あかい声、いびつな声、 ――――かなしいこえ]
…―――見つけたら 、…
[鬼は、 帰れるのか。 帰れないのに。 帰れるはずがない。 けれど。何かしら叶うならば。]
(157) 2010/03/07(Sun) 08時半頃
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|
[(此の繋ぐ手が、いきられるなら)
身勝手な願いつのる。 闇に浸りながら 距離を近づけて]
――――、…
[―――“あんたさえいなければ” 耳奥に残って離れない、けれど。]
(158) 2010/03/07(Sun) 08時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/03/07(Sun) 09時頃
[誰に、何か対しての叫び声
魂が砕けた空ろな体を動かしたのは何か
また表示は硬くなり沈黙]
暗い、寒い、そして寂しい。
ケイト・グリフィズこちらに―。
ああ、眠いな。
[ヘクターは再び暗い闇の中]
[最初の記憶の映像が 止まっていた扉が、ゆっくりと動き始める
冷たい金属の箱
ゆっくりゆっくりとと四角い扉が閉じていく]
つめたい ここは つめたい
暗くて
おいていかないで
[細くなって消えていく光のイメージ]
おねがい
[昏い世界の中にひとりっきり残されていくイメージ]
……ピッパが、謝る必要なんてないんだ。
[先刻、とても近くで聞こえた囁き。
どうしようもなくて、ただ首を横に振った]
いるよ。
まだここに、いる。
[異形の、鬼の声はもう聞こえない。
多分もう聞く必要がないからなのだと思う]
[遠くで聞こえる、獣の唸り声。ひらひらと舞う蝶。
それらを無感動に見つめていたところ、ピッパの声が聞こえた。
彼女に向かって手を伸ばす。そっと彼女の髪に触れる]
[自分の存在を教えるように]
―― 大丈夫。
寂しい、寂しいで隙間を埋め、混ざり合い一つ闇になる。
[闇からゆっくりと実体化
頭のノイズが時折、ヘクターだったものを動かす]
かくれんぼ、鬼ごっこ。
自分が必要と確認する為の遊び。
[ヘクターは坦々と呟く]
俺のビー玉とピアスはどこになくしたんだ?
[自ら渡した事も思い出さないまま]
[手を取り合い 互いに求め合う二人の姿が 闇色の虚ろには ただ妬ましく]
寂しい
どうして、あいつだけ
あんなに優しいキスをくれたのに
寂しい
どうして、私には
何もないの? 誰もいないの?
寂しい
誰か私を求めてよ
私の手を取ってよ
寂しい 寂しい――寂しいよ――さみしい――
[濃紺と薄紫に振り切られてしまったのならば
虚ろな少女は何処へ向かうのだろうか]
[金色の髪の 或いは黒い髪の友人のところにか
――それとも 少女を狩った 闇にすら救いの手を求めるか]
寂しい
――寂しい
――寂しいよ
――さみしい――
[慟哭が闇の中に響いた]
[執着はいずれ落ち着きを取り戻し、いずこかへと行くだろう。
主たる者が目覚めたから。]
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― 北棟1F廊下>>166 ―
どうして
[――酷く苦しげな痛む声が聞こえる。 ――鬼は、あんなにも]
――、… やさしいのに どうして
[指先が、繋ぐ手のあたたかさを知る。 ――己にその資格はあるのか それでも距離を縮めて。 叶わないならいっそ 一緒に と 思うのは 正気の沙汰では、――。
繋いでいない手に握ったピンク色のビー玉がある。]
(178) 2010/03/07(Sun) 17時半頃
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[仲いいんですか、と 誰かが聞いた。 う、と 困ったように眼が泳ぐ。
結局見ないように視線は逸らす。
会議室の前に差し掛かれば マーゴとミッシェルが、見える。]
……、ぁ
[うろたえたように指を離そうとするが叶うか。 ミッシェルの問いかけに――じ、と見て]
……、 …
[――黙す]
(179) 2010/03/07(Sun) 18時頃
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―会議室前―
…あ
[窓から。 校舎に帰るケイトの姿が見えた。 繋いでいない掌に、ピンク色のビー玉。]
――、…返さないと
[これは、きっと チャールズ「せんせ」に 渡すつもりだったのだろう。]
……
[例え、それが叶わぬことだとしても。 「ケイトを頼む」と、そう 青碧の眸に託された 自分によく似ている薄紫の眸の少女に、]
(180) 2010/03/07(Sun) 18時頃
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[知らない]
[――知らない]
[間に合わなかったことも]
[知らない]
[その、ころしたせんせいが誰なのかも。]
[ピンクのビー玉が、光を はじく]
(181) 2010/03/07(Sun) 18時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/03/07(Sun) 18時頃
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―北棟会議室前― [マーゴたちは生徒会棟のほうへ駆けて行く。 あそこは。――あそこには。]
よせ … 行かなくていい。 ――、 頼むから――もう。
[闇に、これ以上。手を染めさせないでくれと、 伝える声は、届かないか。 ――代わりに、振るわせる 赤い声。
己が行くべきなのは、]
…――ケイト、
[用具室のある場所へ、顔を向ける。]
(182) 2010/03/07(Sun) 18時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/03/07(Sun) 18時半頃
奏者 セシルは、用具室へ向けて*歩を進め始める*
2010/03/07(Sun) 18時半頃
[闇の中でケイトが見せた記憶の破片
それは意外な崩落の顛末
望んでない歪んだ思いの果て]
この顛末は―
――がないじゃないか。
[魂がない空ろな体
言葉を語らすは漂うヘクターの残滓]
(ケイトが忘れた
温もりを思い出させようと、
ケイトが愛し、愛された世界に戻そうと
―――を渡したのは無駄?)
[希薄な残滓
ケイトに渡した大地色のビー玉の温もりは弱々しく
闇が哄笑する]
…そう、だから逆効果だと言ったんだ。
[愚かだと、ヘクターに向かって闇は囁く。
手を伸ばし、抱きしめて、愛せば愛すほど傷口を抉ってしまうのだと、当の昔に気づいていたから。]
君の身勝手な自己満足の愛も、
一緒だよ、あの男と。
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