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誰だい、って。……本気なの?
[個室に通されると、アマルテアは揺れる瞳でノアを見つめた。
やがて大きなため息を吐くと、観念したように]
いいわよ、分かったわ。
[投げやりな口調で言うのだった。
変な気分だった。見知った男に自己紹介をするのは]
さっきも名乗ったわよね。
私の名前は、アマルテア=メティス。
今は近くの診療所で医者をしてる。
あなたとは、元同僚。地下施設で一緒に管理人をしていたわ。
[簡単に自己紹介を終えると、顔を上げて]
まさか記憶喪失にでもなったとでも言うの?
それとも―――
[少しだけ迷う素振りを見せてから]
今の職場まで来られて迷惑だ、という意味で。
そういう態度を取っているのなら、すぐに帰るわ。
あなたの今の生活を、邪魔する気はないもの。
[じっと、ノアの瞳を見つめて。
“あの日”のことも。すべてなかったことにしよう、と]
ただ、もしもそうだったとしたら。
―――あなたってやっぱり、すごく嫌な男ね。
[嫌味たっぷりに、そう言ってやった**]
本気も本気
ボカァ、不思議な事に前の職場は覚えていても誰が居たか覚えてないんだ
[適当な仮眠用ベッドに腰掛けてから買ってきたミルクティーを一口飲んで
彼女の名前を再度聞けば、ブツブツと呟いて。どこかで聞いたし、どこかで会った。きっと間違いなく彼女は自分の元同僚なのだろう
それなのに、どうしてか彼女との思い出が何一つない]
今の職場は楽しくないからね。他人行儀になる事もあるかもしれない
なんたって、僕は必要とされてるようでされてない
獣人を人に戻す気も失ったんだから……
[結局、前の職場を出ても何も変わらなかった。全てを諦めて、投げ出して。過去にしがみついて、成長していない
すぐに帰るなんて言われてもきっと止めるだけの話があるわけでもない。けれど、続けられた、嫌な男と言われれば]
キミ、失礼な事を言うようだけど
――ボカァ、キミの事嫌いだな
[言ってから、ズキリと頭が痛くなる。前にも言った言葉で
けれど、嫌いなのに。何か言葉を続けなきゃいけない気持ちになる。その言葉が見付からなくて、まるで手探りに暗闇の中を探っている気持ちになる]
嫌いだ…。キミの事は……
なのに、なんで。なんでだろうな
[胸が苦しくなって、心臓の辺りで握り拳を作って俯く
呼吸がしにくい。普段どうやって息を吸って吐いていたかも忘れて、思い出す事に集中してしまうような
それなのに、思い出せなくて。ふと顔を上げてアマルテアを見た時には今にも泣き出しそうな顔でもしていただろう]
キミの事が――
[言葉が出なくて、息が詰まる。それから諦めたかのように肩を落として]
…なんでもない
悪かったね、嫌な男で。こういう性格なんだ
[彼女が出て行くのならば止める理由も無い。胸にポッカリと空いた大きな穴に気付いてから、虚無感に襲われ、蝕まれていくのを感じた**]
![]() | 【人】 落胤 明之進― 第三棟 ― (40) 2015/07/16(Thu) 23時頃 |
[ノアの態度
半信半疑のまま、彼の話に聞き入った]
“獣人”を、人に戻す……?
[唐突に飛び出した“獣人”という単語に首を傾げる。
あれ、獣人ってなんだっけ。なにか大切なことだった気がする。
胸の中で、モヤモヤが広がっていく]
今の職場は楽しくない?
……そう。前の職場よりは、楽しくやってるように見えるけど。
[正直な感想だった。あの何もかもが真っ白な施設で。
彼と私はいつも反発していて。
ええと、何で揉めていたんだっけ]
[もしも記憶喪失が本当のことだとしたら。
彼は思い出さない方がいいのだろうとも思う。
新しい生活をしていくのに当たって、
きっとあの施設の記憶は良いものではなくて。
自分の存在も、たぶん彼の邪魔になると思った。
それに自分自身、“前の職場”について。
靄がかかったように記憶を封印しようとしている。
帰ろうか、と立ち上がりかけたところでかけられた言葉
アマルテアは表情を強張らせた]
……ノア。
[くしゃり、と顔を崩して。彼のことを見遣った。
いつか聞いた台詞。
あの日のことを思い出して、胸が熱くなるのを感じた]
奇遇ね。私もあなたのことが大嫌いよ。
[いつか言った台詞
けれど目の前にいるノアは自分の知っているノアではなくて]
なんで、あなたが泣きそうな顔をしているのよ。
[泣きたいのはこっちの方だ。
なのにどこか彼は泣き出しそうな顔をしていて。
ああ、無性に腹が立つ]
本当に、ずるいわ。
[涙がポロリ、と零れ落ちた。
こんな男の前で、2度も涙を見せるなんて。
悔しくて悔しくて、堪らない]
勝手に出て行って。勝手に忘れて。
本当に、身勝手な男だわ。
[涙を白衣で拭って、今度こそ立ち上がる]
……っ。
[彼に背を向けて、個室を出た。
研究室の人たちが何事かと、自分を見遣った]
お騒がせ、しました。
[頭を下げて。そのまま研究室を出ようとするだろう**]
[規則正しい、時計の針の音。
時折吹き付ける風で振動する、窓の音。
日に三度鳴る部屋のベルの音。
それだけが、今の私の全て。
"いつの間にか"視覚と手の感覚を亡くした私の窮屈な世界。
そんな世界で、私は考えるのだ。
"いったい、自分は何者なのか――"]
[私の記憶に眠る、沢山の人々。ジリヤ、アマルテア、マユミ、多くの獣と人。
その言葉も、顔も、容易に思い出すことができるのに。
たった一つの思い出せない要素。
どうして私は、彼女らを知っているのだろう。
そうして、また呼び鈴が鳴るのだ]
メモを貼った。
[「クラリッサさん、昼食の時間ですよ]
日に三度来る介護人。目も見えず杖も使えず親族もいない私は、彼が居なければ生きることさえ出来ない。
これが、私の求めた自由?
いや、そもそも....。
どうして私は、自由になりたいのだろう]
メモを貼った。
…あれ?キミなら知ってると思ったんだけど
[どうして知ってるだなんて思ったんだっけ。それは思い出せない
嗚呼 確か前の職場に似たような事を言ってた気がするなぁ…。なんて朧気に覚えているような]
どうだろうね。僕は嫌な思い出しか無いよ
それに…。どうしてか、前の職場が恋しくなるんだ
嫌なのに、未練があるみたいで
[その理由はよくわからない。その相手が目の前に居るって事すら、ノアは忘れてしまって。誰かを監視して、嫌われて。そこに囚えるのが普通の生活が日常だったなんて]
――ッ!!!
[自分が嫌いだという事くらいわかっていて。その台詞を聞いて、アマルテア=メティスという女性を、いつもいがみ合って嫌い合って、嫌味を言い合っていた相手を
真っ黒に塗りつぶされた記憶が少しずつ晴れていくようだった]
なんで…。“また”泣くのさ
[釣られるようにこちらも一筋の涙が頬を伝って、出て行く彼女の手を掴もうとするも、それは叶わないで手は空を切る]
まっ――!!!!
[もし、もしもここで彼女と別れてしまったら二度と会えない気がして
嫌いな相手なのはわかっている。まだ、言いたかった言葉は思い出す事が出来ないけれど。空を切った手を握り、決心したように個室を飛び出す]
まだ……
話は終わって、ない。だろっ!!
[既に周りに挨拶をして、出ていこうとする彼女を見付ければ走って引き止めようとして
それから、足を引っ掛けて一度盛大にすっ転んでしまう]
痛ッ…!!
待って……待てよ!!アマルテア!!
[転んだ事からか、それとも普段運動していなかったからか。足は既にガクガクになっていてもう走る事は出来ないだろう
壁に体を預けながら、それでも体を引きずって歩こうとする自分の姿に研究員は近寄ったりしてきただろうか
適当にあしらってから、一歩。更に一歩と歩みを進めて]
ボカァ、キミの事が嫌いだ
大っ嫌いだ!!!けど…けれど!!
[彼女は止まってくれたりしただろうか。否、止まらなくても言葉を続けなければまた忘れてしまう
塗りつぶされた記憶を探し当てるように、掴んだものを離さないように。頭で考えるよりも先に口を動かして]
――僕はキミの事が大好きなんだ!
[それはいつか告白したように、同じような言葉で
“けど”の続きを、嫌いなのに好きだなんて矛盾を。彼女が聞こえていてもいなくても。ただ、言ってから思い出して]
なんで、忘れてたんだか…
[こんな大事な事を、と自虐的に笑ってしまう
まだ記憶に靄がかかっているようだけれど、今はただ一つ。大切な事を思い出せて、虚無感を抱えたまま満足してしまった**]
メモを貼った。
![]() | 【人】 鳥使い フィリップ
(41) 2015/07/17(Fri) 00時頃 |
![]() | 【人】 落胤 明之進[腹を刺されうめき声を上げる警備員から刀を抜けば (44) 2015/07/17(Fri) 00時半頃 |
![]() |
メモを貼った。
![]() | 【人】 白銀∴秘星 マユミ[警備の人間が駆け寄ってくるのが見えた>>43。 (49) 2015/07/17(Fri) 01時半頃 |
![]() | 【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン
(50) 2015/07/17(Fri) 02時頃 |
![]() | 【人】 ランタン職人 ヴェスパタインなら簡単だな、ジリヤ。 (51) 2015/07/17(Fri) 02時頃 |
![]() | 【人】 鉱滓地区 チェビイ
(52) 2015/07/17(Fri) 02時頃 |
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