3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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化学教師 スティーブンは、長老の孫 マーゴの髪を撫でて、額に口付けを落とした{4}×{4}
2010/03/04(Thu) 00時頃
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[この身体では、抱くことは出来ない。
そうディーンに言ったのは、嘘ではない。 身体の殆どは、もう透けてしまって、実体を持っていないのだから]
貴女は、生きてここを出てください。 私はもう、出られない。
その代わりに、鬼を連れて行こうと思います。 あちらに。
ご両親にも、よろしくお伝えください。 父の病気も、よくなるといいのですけどね。一人息子である私がいなくなったら、気を落としてしまいそうですが。
(510) 2010/03/04(Thu) 00時頃
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[猫が、鳴くのをやめた。 生命力の落ちたこの体で、満足はできないと思ったのか、それとも]
今だから、言えますが。 私は、貴女が生まれる前、貴女のお母さんが好きだったのですよ。
きっと、そうだ。
[推測でしかないのは、もうなくしてしまったから]
貴女が生まれたことで、私はやる気を失ったのでしょうね。ピアノも、やめてしまいました。
でも、あなたの面倒を見ていたころ、貴女の無邪気な様子が、私には宝物のようだった。 あなたの伸ばしてくれた手が、私の心を救ったのです。
ありがとう、ございます。
[触れる肌。するりと滑る白い肌。 黒に飲み込まれそうになるのを、堪える]
(515) 2010/03/04(Thu) 00時半頃
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[失くしたのは、過去の思いだけ。 それでも今の自分は、あのころよりもひどいとやはり思う。
指が滑って、首筋を撫でた。
甘く感じるのは、猫の所為。
彼女を選んだのは、初恋の人に似ているから。 そして、近い存在だからこそ、抑えられると思ったから]
(527) 2010/03/04(Thu) 00時半頃
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……もう。
私の体は半分ないのですよ。
[見せた肌。シャツの下、殆どシャツの背が見えていて]
あなたに触れるのも、指先で精一杯です。 送ることは出来なくなってしまいますけどね。
一人で、帰る事が出来るでしょう?
(532) 2010/03/04(Thu) 00時半頃
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[――あ あ
この
しろいはだを
]
(534) 2010/03/04(Thu) 00時半頃
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きっと叔父さんも、卒業まで後少しですから、私がいなくても大丈夫だと、言ってくれるでしょう。
[そう言って、微笑んだ。 欲しい、欲しいと裡で騒ぐ。
だから
欲しいのは別の人だと、裡へ伝える。
傍にいられたら。 傍にいることを ――傍に]
話は、終わりです。 行きなさい。
(539) 2010/03/04(Thu) 00時半頃
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ありがとうございます、マーゴ。
その気持ちは、とても嬉しいですよ。 ……我侭を、言わないでください。 貴女の我侭は、たっぷりと以前に聞きましたから。 もう聞いてあげられません。
[流れる涙を指で拭った]
(542) 2010/03/04(Thu) 00時半頃
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[出て行くマーゴを、見送った]
……貴女が、無事にここから出られることを、祈っておきます。
[出て行くと、ほっとして崩れ落ちた。 ああ。
渇くのは猫の所為か、それとも]
ディーン・ギュスターを探さなければ。
[そう言って、補習室を出ようとする。カーテンを開けた。
四人に増えた人影。その中に、見える、いとしい ひと]
貴方も、生きてください。同じ場所に、来ないように。 来たら、追い返しましょうか……。
[暫し見つめて、それからまた闇に溶けていく]
(559) 2010/03/04(Thu) 01時頃
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化学教師 スティーブンは、風紀委員 ディーンを探して、彷徨う。ゆらりと、その残滓を見つけた
2010/03/04(Thu) 01時頃
化学教師 スティーブンは、風紀委員 ディーンの姿を、玄関の前に見つけた
2010/03/04(Thu) 01時頃
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貴方には、共に来ていただこうと思っています。 あちらへ。
[同じ、半透明の身体。
ディーンのほうをじっと、みた*]
(569) 2010/03/04(Thu) 01時頃
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