88 吸血鬼の城 殲滅篇
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[嘲笑を浮かべ、クラリッサに歩み寄る。]
よくもあのヘクターが、そんなに弱い存在を傍に置いておいたものですね。
それとも、弱いからこそあなたを愛でたのですか?
[呆れたような声でクラリッサを見下ろした。]
――…如何なのかしら
彼の方に尋ねてみれば分かるのではなくて?
[緩く首を傾げながらレオナルドを見上げる]
全知全能の造物主が存在しない以上、
善悪は概念に過ぎず、絶対的な価値を持たないのだから、
「魔」など存在の有り様を示す言葉に過ぎない。
[指で眼鏡を押し上げ]
私は絶望などしていませんよ?
むしろ世界の真実を悟って、心が晴れ晴れしたくらいです。
[歪んだ笑みを唇に刻んで、愉しげに腕を広げた。]
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修道士よ、 吸血鬼になりたくないというなら──そこに膝をつけ。
首を刎ねてやる。
[呼びかけつつ、刃を滑らせたのは自分の首筋。 薄く裂いた傷口からこぼれる血を赤い霧に変えて結界となし、聖なる光を封じ込めんとする。]
(167) 2012/05/03(Thu) 23時半頃
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負傷兵 ヒューは、メモを貼った。
2012/05/03(Thu) 23時半頃
「魔」が存在の有様を示す言葉だというのなら
「神」もまた存在の有様を示す言葉かしら
[語るレオナルドの様子を不思議そうに見詰める]
人の一生で悟れるほど
世界の真実は単純だったの ?
世界の真実を悟れたほどの貴方なら
彼の方が私を傍に置いた理由も分かるのではなくて ?
[先ほどレオナルドが口にした疑問をなぞり
ゆるやかに笑みを浮かべる]
もし尋ねることができたら訊いてみましょう?
[くつりと暗い冷笑を浮かべ、優しげな手つきでクラリッサの髪に触れようとする。]
うるわしい姫君。
あなたの美しさは、あの暴君を以ってして傾城に足るに相応しいようだ。
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[あくまでも道を違えぬ修道士の声。 霧を裂く光は数多の銀の矢のごとく身体を刺し貫いた。]
── ク… ぁっ!
[身を灼く白熱の中で、呼ばう 愛する者の名。]
(173) 2012/05/04(Fri) 00時頃
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私の悟った世界の真実は、世界を動かすものは善も悪も無い、精緻な機構だったということですよ。
その仕組みを、原理なり法則なり一部でも解き明かすことができたなら……!
[その眸に、一瞬だけかつての誠実な学徒であったころの純粋な知の憧れが戻り輝いた]
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[いつか その腕の中に還ることを願って ]
(177) 2012/05/04(Fri) 00時頃
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それを知ることができたなら――!
[切ないほどの熱情を込めて囁いた。]
尋ねて答えを得たなら――…
その答えを貴方の口から聞きたいわ
[当人に其れを聞く勇気はないのか
冷笑浮かべるレオナルドにそんな事を言う。
伸ばされた手を避けることはなくはたりと瞬くのみ。
触れるは容易。
なれどそれが叶うは僅かの時間。
女の目覚めは刻一刻と近づく]
――…心にも無い事を
[賛辞にはじらうでもなく困ったような笑みを浮かべた]
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