3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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[蒼い蝶は獣と化したバーナバスの鼻先を掠め
眉を顰めるディーンのまわりをしばし ひらひらと舞い
やがてどこかに飛び去った]
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…ドナルド…?
[ケイトを改めて追おうとした足が、止まる]
(92) 2010/03/06(Sat) 22時頃
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[深いモノクロームの景色の中、飛び去るは鮮やかな蒼い蝶。
かなしみのいろだと、ふと思った。]
[寄り添う恋人達の上を
蒼い蝶は ひらり ひらり と飛んで行く]
……ちょうちょ
[鳶色の眸にも蒼い蝶は映るか。
戯れるように手を伸ばし、くるりと身体を回転させた。]
[蒼い蝶は
戯れるように差し述べられた、鳶色の少女の白い指先で
しばし羽を休める]
ねぇ、君はどこから来たの?
迷い込んじゃったのかな。
[指先に止まる蒼い蝶に言葉をかける。
美しいその色に目を細め、眸を瞬かせた。]
…メアリー?
[感じる気配。蝶と戯れるようにふわりと舞う様に目を細めた。]
|
…、…――――
[闇が、ざわめく。 声は微か―――意味を成さない呻き。 ポケットの中、口にしていない飴玉。 啼く。]
…、ドナルド、
[止まった言葉。 いったいどうしたのかと、もう一度呼んだ。 影が長く伸びていく。
ケイトは、―――用具室だろうか]
(101) 2010/03/06(Sat) 23時頃
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[鳶色の少女を呼ぶ声が聞こえれば
蒼い蝶は羽ばたき、白い指からふわりと飛び上がる]
[響いた声に、髪を揺らして顔を上げる。
赤い絆が、見えた。]
……ディーさん。
ようやく、見つけた。
[よかった、と笑む。
指を離れ、羽ばたいて飛んでいく蒼い蝶の姿を見上げながら
ふわりとディーンの隣へ降りる。]
[蝶の蒼い燐粉が照らす闇。
ほんの僅か重なる映し世が垣間見えるか。]
君は、誰だい?
[見覚えのない鮮やかな蒼。ひそやかに問いかける。]
[つなぐ赤い糸が仄かに輝く。
ようやく見つけたと微笑む姿を抱き寄せようとして、
ざわり…闇が蠢いた。]
[伸ばした手は触れることなく。
なすすべもなく闇に絡みとられて。
一滴の波紋を残し、呑み込まれて消える。]
|
[さみしい と微かに声が聞こえる]
―――ドナルド、…
[手を、伸ばし、て。 ――行くな、とあの時謂われたように、思う。
濃紺が、 奪われるのは、いやだ、と はっきり胸の中形を成す]
(115) 2010/03/06(Sat) 23時頃
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[闇が蠢く。
ざわりと感じた気配に鳶色を大きく開く。]
……っあ
[伸ばされた手を取ろうとして
――消える。
ざあっと風が吹いたようにツインテールが闇に揺れた。]
そうだ……
[違うのだ。
あの陽の差す場所とここは――
闇に溶けそうになる思考。
必死に繋ぎとめるように、両手で顔を覆った。]
[ざわりと闇が蠢き、金色の男の姿が消える
蝶は鳶色の少女の上を小さく旋回し
やがて蒼い光を曳いて闇の中へと飛び去った]
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……行く。
[淋しい。痛い顔、をしたから。 伸ばした手を、とる。 包帯の巻かれた手。 少しだけ傷つけた、ろうか。 でもそれは、意思表示―――。]
ッ…!!!
[――――さみしい。
叫びにびくり、と体が強張る。 痛みが刺すようだ。 闇が、ひび割れを生む――――(01)]
(122) 2010/03/06(Sat) 23時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/03/06(Sat) 23時半頃
[金色を塗りつぶしてしまいそうなほどに、闇は深く粘りつくように濃い。]
…メアリー……ッ。
[浸み込む闇に蝕まれ、深く深く奥底へ封じられるように。
それは誰の執着だったろう。
絡みつき、縛り付け、身勝手な愛を囁きながら肌をぬちゃりと舐めまわしていく。]
[蹂躙され、染め替えられ、消えそうになる自我。
それでも細い細い赤い糸だけが、かろうじてつなぎとめている。]
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―体育館近く>>128―
…ん、
[手を、握る。 いかないと。 ―――任せたと謂われたのだ。 手を引かれながら、唇を噛む。 ―――触れた手があたたかい。
その資格があるのか。 そう考えもしたこともある。 でも、今願うのは―――側にいたいと。]
…ケイトを、
[間に合う、だろうか]
(137) 2010/03/07(Sun) 00時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/03/07(Sun) 00時半頃
……そう、幸せだよ。
[闇の中、届いた声に顔を上げる。
まだ赤い糸は繋がっている。
――大好きな人と一緒なら――]
探さなきゃ、探さなきゃ!
[繋がった糸の先はどこにあるのか。
闇の中ふわりふわりと漂いながら、その先を求める。]
[手をあわせ 見つめる]
(思ってるだけだから…いいよね 独りよがりに感情を紡ぐ)
[こんな歪んだ闇の中で咲く花はやっぱり狂ってる]
(でもそれは とてもいい匂いがする)
[恋という狂気を悟り それを受け入れ]
ごめんね ごめんね…
(交わされる口づけは 甘くてそして苦い味がした)
[けふり。闇の中呑まれるように。
もがいてそれでも抜け出せなくて。
握りしめた赤い糸。その赤だけが視界に残る。]
探さないとな。
の―。
[壊れた魂
何もない空ろな体はずが、突き動かされたようにさ迷う]
探すの?
[どこからか聞こえてくる自分と同じ亡霊の声に問う]
さがしてどうするの?
ディーさん、ディーさん!
[名前を呼びながら、闇雲に走る。
強く蹴りだした拍子にまた、転んだ。
足がじっとりと闇色に濡れる。]
あは、痛くないや。
[幾度となく助けてくれた人は今、近くにいない。]
何を探す?
分からない。
[見つめるはケイト・グリフィズ]
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