3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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[(――さみしい)]
……、…見つける。
[緋色の奥に、薄紫を見出そうと告げる。 もう一人の鬼は、どうしたろうか。闇は揺れる。]
…――探してる から。
[鬼の皆は。そしてきっと、誰も彼も。 嗚呼、いま――後どれくらい残っているのだろう。 数えると、気が遠くなりそうだった。
だから もう 失いたくなどないのに]
(45) 2010/03/08(Mon) 14時半頃
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[闇は闇に沈み消えた。 (殺して あげる)]
…――、それは こまる
[呟く。まだ、こまる。まだ、死ねない。 ――「たすけて」 聴こえた声の主をたすけるために。 ケイトを任すといった橙に応えるために ――「殺せ」 駆けていった莫迦を探すために。
――かたり
小さな音がしたろうか。音楽室の方を、向く。]
(47) 2010/03/08(Mon) 14時半頃
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…、ドナルド…
[眼を見開いて、駆け寄った。 眸と同じ色の、濃紺の影。 ――堪らず伸ばした手は、触れずに透けるか]
…――、… なんで
[――さがさねぇと な。
そんな姿になっても笑うから、 それが酷く痛い気がして 胸奥ひび割れるような音を聞く。]
(49) 2010/03/08(Mon) 15時頃
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[黒い花は緋色の傍らで 寂しいと呟いて]
私を奪ったとき
あんなに嬉しそうに哂ってたよね
満足だよ って言ったよね
だから貴方のものにして
私のものになってよ
みんなを送りたいんでしょ?
私が手伝ってあげるよ
だから 私を求めてよ
[闇色の瞳が 闇を捕らえて 昏く揺れる]
[左腕の約束はいつの間にか消えていた。
隠していた、古い傷跡、いつの間にか開いていて。
命を失った体からは、あかい血ではなく、
闇の欠片が、砂のようにこぼれ落ちていく。
手首から流れる 凍てついた闇は、
陰鬱に 輝いて。
やみ の中で尚、己の形への執着は強く
女の姿は 煙る月のように 仄白く やみ に浮き上がる
ずっと焦がれていた 世界 にいるというのに
まだ こころ を あちらに 残している]
[ あかい こえ が きこえない ]
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……、 ――ドナ……、…
[殺せば、よかったのか。 でも、厭だった――厭だった のに。 生きて帰って、]
ばか やろう
[詰まる声で、眸を揺らす。 触れることも傷つけることもできない。 首についた紅い傷が痛む。
――俯いて]
(51) 2010/03/08(Mon) 15時半頃
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[教師である以上、生徒に想いを抱くのは許されない。
口にすることなどあってはならない。
だから。
口にしなかった。
想いに気づかなかった]
想いを抱いたと言う点においては私とあの生物「教師」は同じなのでしょう。
このまま闇に落ちたら本当に同じになってしまうでしょうから。
[だから、想いを手放した事で「私」という存在が消えても構わない。
くらい闇にぬれた眼でケイトをみる。
最期まで教師として在りたかったから*]
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かえって、 ほしいのに お前に
[――どれくらい俯いていたか。 触れられない体へ震える手を伸ばし 笑みを浮かべる唇へ ――触れられないなれど口づけの仕草。]
……すき だ
[漸く、囁き程度の声でそう、謂った。]
…――見つけて、 ……かえるん、だ。 おまえは。
[かえれるのだろうか。こんなになってまで。 一縷の望みに、少女の願いに、薄紫は、彼女を探し始める。]
(52) 2010/03/08(Mon) 15時半頃
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奏者 セシルは、問題児 ドナルドに、僅かでも触れたことが伝わればいいと、願った――(06)(回復)
2010/03/08(Mon) 15時半頃
奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/03/08(Mon) 16時頃
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―南棟3F→階下へ―
[あいしてる、の言葉には 何処か泣きそうな表情をした後俯いた。 かえるのはおまえだ、と聞けば 首を横に振り]
ちがわない。…、――、 かえるのは、お前 だ…
[同じ言葉を、相手に向けて、謂う。 薄紫の奥で揺れるのは 願いと葛藤と、それから――]
…ああ。
[「あの木の下へ」 異形の彷徨く校舎を濃紺の影を伴ない歩き始める。 ――青碧なる橙が、笑ったのを、*知らない*]
(60) 2010/03/08(Mon) 16時半頃
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あたしが願ったのは…
フィリップ そんなこと望んでなかった
あなたに 望んだのは闇に囚われない事
鬼でも違っててもどちらでも…
鬼ごっこが終わっても
闇に囚われたままなら 意味はない
ケイトの闇は開くかな
ケイトの扉が開くといい
「寂しい」
「寂しい」
「寂しい」
どこかから聞こえる哀しい声
[ 白 に 込められた願い は
光 だと、知らぬまま。
闇 の 中で 淡い 月光を纏う
女 は ただ泣いている。]
[蒼い蝶は何も知らず
分かたれた虚ろな少女の言葉を
翅を震わせ告げるだけ]
――……ッ だめ、やめて
[聞こえる ひいろ に、俯く面を上げれば、
凍てついた つめたい 滴 が 流れ散る]
貴方がほしい ドナルドもほしい
――寂しいの
――――寂しいの
[人の形をした闇に向かって 希い願うように]
─もう、戻れやしないのだから。
[さざめくは闇。囁くは闇。責めるように、蝕むように。
殺してしまった者。
壊れてしまった者。
守れなかった者。
救われなかった者。
変わってしまった者。
抗えなかった者。
届かなかった者。
掴めなかった者。
踏み躙った者。
拒絶された者。]
諦めてしまえばいい。…割れた硝子は元になど戻らない。
[密やかに沁み透る闇は、ざわめく様に笑った。]
だから、このまま身を委ねて。
…堕ちて染まって、その先でひとつになろう?
[腕の中で感じる気配へ、甘く囁いた。]
……――ッ、ぁ…
[足元、そう認識した場所から、絡みつく。
魂を侵す 闇 の 心地よい苦痛。
闇の胎に溶け出そうとする意識、
沈んで より ふかく 落ちても
届かなかった白い糸、
一筋の光のよう]
[砕けた魂の残留思念か、ビー玉に託された思いか]
(お前の手の中にある限り、温めてやる―、だから―)
[希薄な気配は呟きも残せず
思いを漂わせる]
……そうだね。
割れたガラスの皹は消えない。
けれど、殺したっていいんだ。堕ちたっていいんだ。
変わったっていいんだ。戻らなくたっていいんだ。
綺麗なものを、綺麗だと思えればそれでいいんだ。
[闇のざわめきが聞こえる。
そのざわめきの中に、ぽつりと呟いた]
楽にはなれないよ
まだ捨てられない、わたしの形
だからきっと沈んでも楽にはなれない…
[ あかい こえ が きこえる から ]
ずっと沈んでしまいたかったのに、
どうして最期になって、
どうしてこんなときに、
気付いてしまうのかな…
[ ひとつひとつは ほんの些細な 想いの欠片に ]
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―南棟1F → 中庭―
[――声が。]
――…?
[薄紫は、ふと立ち止まり辺りを、見回した。]
[闇が 落ちる]
(65) 2010/03/08(Mon) 18時頃
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奏者 セシルは、再び、木の下へと *歩みを進める*
2010/03/08(Mon) 18時頃
[ あかい こえ が きこえる ]
―――……、……
[冷たい滴は、流れる傍から、氷の粒に変じて、
手首の痕から流れ続ける、黒い砂と混ざり合う。
ざわめきの中の呟きに、
一度だけ目をやった]
こんなことに巻き込んだケイトを許しているか?
―― 許せない
自分を殺した鬼を、フィリップを許しているか?
―― 許せない
ゲームに乗ったミッシェルや、オスカーたちをどう思う?
―― 残念に思う
でも、別にいいんだ。そんなこととは関係ないんだ。
まだ間に合うんだ。
どんなに闇に染まって、絶望にあがいて、醜く汚れたって。きっとその先には綺麗なものが待ってるんだと思う。
―― それに気がつけばいいのに
[闇に抗って抗って、何とか最後の形を保つのは、もう一度だけこの世の外の綺麗な光を見たいから]
[最後に渡されたピンクのビー玉の周囲を、闇と同化しつつある腕がぎゅっと握った**]
[人の形をした闇に拒絶されれば ふらふらと]
――さみしいの
――――さみしいの
誰でもいいから 私を求めて
貴方がほしい
私をあげる
[ただ自分の手を取る誰かを求めて その手を伸ばす]
用務員 バーナバスへと手を伸ばし 届けば その獣を 抱き締める**
奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/03/08(Mon) 19時頃
闇の中に泣く声が聞こえる
『あーん あーん』
あれは…冷たい金属の扉の向こう
『あーん あーん あーん あーん』
赤ん坊の声がする
あれはあたし? それともまた別の子
ゴメンね あたし亡霊だから助けてあげれない
もうすぐ…闇が覆えばきっと怖くないから
闇に溶けてしまえば
きっと 泣く事もないから…
奏者 セシルは、飼育委員 フィリップは何処へ、と――探すように、また首を巡らせた。
2010/03/08(Mon) 19時頃
[抱きしめられると、大人しく、その身を摺り寄せていた。]
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