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メモを貼った。
あなたの耳にはあたしの声は届かないけど
いい声か悪い声か ずっと 耳を傾けてたのは判った位
でも、耳は戻ったんだねピアスもつけられるね
[くすりとわらってジェレミーの耳をぎゅうとひっぱった]
[閉じたスケッチブックへの、不思議そうな視線。
困ったような笑顔を落とした]
………ごめん。
もう、ジェレミー・ジスカールは死んだんだなと思って。
[自分の胸中を説明するのに、上手く行かずにやはり口ごもる]
ミッシェルも、ドナルドも。
生きてて、まだ、人間だから。どんな選択をしても。
人間だから、きっと、ダメなんだ。
[ディーンやヘクターに感じた違和感。
自分では分からないけれど、きっと、自分もどこか深く変質している。闇は誘うように甘く、身を包んでいるから]
……ケイトを嫌ってないんだな。
[彼女の答えに、そう感想をこぼした。
帰ってきた上目遣いに、笑う。手に少しだけ力を込めた]
![]() | 【人】 奏者 セシル―木の下― (39) 2010/03/06(Sat) 12時頃 |
ははははは…………違いない。
[からからと笑って、あっさりと肯定した]
明日が来ていたら、どうなってただろな。
……卒業できずに退学になってた可能性も高いなあ……
[そうしてふらりとどこかへ立ち去って、きっともう、ずっと戻っては来ないだろう。どこか遠くの国の道端で、何のことなくのたれ死んでた]
……俺は望んでたのかな。
どうやら、俺はなりそこないの鬼だったらしい。
鬼の声が聞こえて、亡者の声が聞こえて。
もしかしたら、たった一人になりたかったのかもしれない。
[その道を選ぼうとした瞬間もあった]
……そこで肯定できるピッパは強いね。
ちょ、いたいなぁ、もう。
[もう自分の耳は天使の形をしていない。異形になる必要がなくなったから。魂そのものが異形になったから。
耳を引っ張られて、笑いながら悲鳴を上げた。
実は全然痛くなんてなかったけれど]
……うん。もう聞こえてる。
まあ、あれは致命的に色男に似合わなかったからしょうがないね。ピアスをつけるなら、どんなのがいいだろう。
[彼女の手首を掴んで、ふざけるように耳から手を離してもらって。そんな風に生前の会話の続きをひっぱりだした。適わない生を切なく思いながら、その胸の痛みも闇は変質させていく**]
そうね…あたしたちは死んじゃったね
[口ごもる顔をみて何となく頷いた]
そうね恋する乙女は強いのよ…
自分でやっちゃた事に後悔はしてなかったし
[笑う顔をみたら軽口を叩いて]
でも やっぱりこの闇の世界は歪んでると想う
ケイトの世界では扉は閉じていく…みたい
[手首を掴まれて…じっと目をみつめて]
時間がたっぷりあるなら ゆっくり考えればいいわ
[ニッコリと笑みを作り 顔を近づけそっとくちづける**]
わぅん
わうん
![]() | 【人】 奏者 セシル―木の下― (42) 2010/03/06(Sat) 13時頃 |
![]() | 【人】 奏者 セシル―木の下― (46) 2010/03/06(Sat) 14時半頃 |
無表情のまま、過去を見詰めている。
[小さく肩が震えた]
――…。
馬鹿ですよ。
貴方は。
傍にいたいのではなかったのですか。
貴方が傍にいるのだと思ったから、私では声は届かなかったから、何も言わずにきたというのに。
―…それに。
私がどう想っていたかなど言わずともいいことでしょう。
言わずに、いてほしかったのですけどね。
[眼を伏せて浮かぶ苦い表情。
他人の口から告げられるならせめて自分の口で。
叶うことなどない想い。――あの頃と同じ]
![]() | 【人】 奏者 セシル……意味、 (47) 2010/03/06(Sat) 15時頃 |
「キャロル……――――?」
[耳を打つ声
見上げた先にはぼろぼろに傷ついた長身の男がいて
あれだけ慕って求めても、想いが届くことはなかったけれど
もう蒼を忘れて薄紫の傍に寄り添っていると、心のどこかで思っていたけれど
――本当にあの人は来てくれた
――愛しい人が来てくれた
間に合うことはなかったけれど、――それでも、彼は約束を果たしに来てくれた]
[少女だったモノは悦びに打ち震え、愛しい人に眼差しを向ければ――濃紺から涙がこぼれる]
――なんで、泣くの?
[小さく首を傾げ、問うた
愛しい人の涙が――想いの欠片が、僅かでも自分に向けられてしまったから
彼の全てを手にしたいという、望みを忘れられないから]
[いつか彼がそうしてくたように、涙に濡れた頬に口付けようとして
砕けてしまった蒼が、彼の裡にある薄紫の淡い輝きを映せば]
――……本当に……ばかだなぁ
[今更ながら、それは叶わないことだと知るけれど
奇しくも言葉は愛しい人と重なって
少女だったものの唇に僅かに笑みが浮かんだ]
メモを貼った。
![]() | 【人】 奏者 セシル
(53) 2010/03/06(Sat) 15時頃 |
メモを貼った。
![]() | 【人】 奏者 セシル―北棟東階段側― (57) 2010/03/06(Sat) 15時半頃 |
![]() | 【人】 奏者 セシル…いえ、知りません。 (67) 2010/03/06(Sat) 16時半頃 |
![]() | 【人】 奏者 セシル[背に触れた手が、あたたかい。 (73) 2010/03/06(Sat) 17時頃 |
[彼が最後にもう一度 "蒼" を見上げて
異形に身を委ね、快楽で心を塗り潰そうとしたのに叶わなくて
最後に試すように彼を突き放した
――彼を求める心は本物だった
だから、その愛しい手が黒い花を手折らなかったことを悲しく思った
少女に終わりをもたらした闇色の手も、少女自身を求めたものではなくて
誰からも求められることもないまま、最期を迎えたことが今は悲しい]
[募る愛しさは、求められることのなかった寂しさへと変わり
少女だったものの心を悲しく満たせば
胎の中に蒔かれた種が、最後まで黒い花に侵されなかった胸の中心――ぽっかりと空いてしまった穴を侵食する
種は少女だったものを苗床にすると
空に向かって捩れた黒い芽を伸ばし、やがて艶やかな――本物の黒い花をつけた]
[――寂しい ――黒い花は、思う
愛しい人も、友人も、闇色を纏った鬼ですら、ここにはいない
咲かせた花は誰にも省みられることなく、徒に闇の中、ひとりぼっちで散っていくだけ]
[――寂しい
黒い花は寂しさを埋めてくれる誰かを求めて、甘く芳しい香気を闇の中に立ち上らせる。
誰でも良い、今はただ、自分を求めて手折ってくれる手がほしい]
[――寂しい
黒い花は、緋色の少女の想いを知ったような――そんな気がした。
誰かを求める渇望は、やがて黒い花に闇色の実を結ばせる
結ばれた実は寂しさを糧として色づき、やがてぽとりと落ちる
闇色の実はころりと転がり
――かつて "キャロライナ・コールリッジ" と呼ばれた少女の姿になった
そして少女は立ち上がり、異相の "蒼" がぽっかりと抜け落ちた昏い闇色の虚ろで、一度だけ空を見上げると深い闇の中へと消えていった]
[――……少女が去った後、一陣の風が吹いた
滅びの風を受け、苗床となった身体はあっけなく塵となり
最後に異相の左目――砕けた "蒼" だけが残った
やがて "蒼" は ぱきり と音をたてて完全に砕け散り
裡から蒼い蝶が一羽、ひらりと舞い上がる
蒼い蝶はしばらくの間、塵となった苗床のまわりを飛び回り
少女の後を追うように闇の中へと向かった]
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![]() | 【人】 奏者 セシル―用具室― (78) 2010/03/06(Sat) 18時半頃 |
わぅん
[かたちはまだ、獣のまま]
……がるるるる?
[だけど、黒い花の変化には、警戒の声を…。]
メモを貼った。
メモを貼った。
メモを貼った。
…犬?
[けもくさい気配に眉を顰めた。]
そうだね。着々と、扉は一つずつ閉じていく。
救いの光は、そこかしこにあるって言うのに。
まるで、それを拒絶するみたいに。
[目の前に広がる光の、過去の光景。
その中であがく友人達。彼らは徐々に闇に染まっていって]
……………。
[だから、黙って目を逸らす。
ピッパと目を合わせて、冗談言って、笑いあう。
手と手をとって、唇合わせた。
囁くように、何度も、何度も]
[それは、死者にはきっと何の意味も無い行為。生者の真似。
生きていた時の、酷く滑稽だったあの倉庫でのやり直し]
[しばしの後、そっと身を離した。だって、ケイトが見ている。
過去の世界の幻影見せて、生前の行動なぞって、それでもこの闇の中、たゆたっている。そんな気がする]
[………それに、そこら辺にきっとサイモンいるし]
[多分、恨みがましい闇を送り出している]
[全力で目を逸らす]
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