88 吸血鬼の城 殲滅篇
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2012/04/30(Mon) 00時頃
ラルフは、我知らず肉体のみ放り出されていた……。21
2012/04/30(Mon) 00時頃
掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2012/04/30(Mon) 00時半頃
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―監獄塔への石橋―
[ふと気付けば、冷たい石畳の上で横たわっていた。 うっそりと顔を上げ、周囲を見渡す。]
…………ここは…?
[ぼやけた頭を振り、記憶を呼び起こす。 慌てて状況を確認する。 剣はしっかりと手に握ったままで、ホッと胸を撫で下ろした。]
それにしても……。
[仲間とはすっかりはぐれてしまったらしい。 ひとまず、誰か探すか…と、城方面へと歩くのだった。]
― →作業室(20)へ―
(19) 2012/04/30(Mon) 01時頃
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―― 地下聖堂 ――
[眠る女の魂が薔薇の花束に包まれる。
ヘクターの使役する影が運んできた薔薇の花はあの時と同じ色か。
高貴な香りを纏う花弁がふわ、と揺れて――]
――…ン、ぅ
[夢現の頼りない声が吐息と共に零れた]
[聖堂の中央に横たわる女の睫が震える。
一拍置いて深紅の双眸が同じ色の花を映した。
はたり。
瞬きをするは状況が理解できぬから。
黒犬が残したあの薔薇は
ドナルドの刀子が散らしたはず]
[ゆっくりと身を起こし
貫かれたはずの胸に手を宛がう。
傷はない。
纏うドレスも破れてはいない。
腕に負う傷も
脚の火傷も跡形なく消えていた]
[それに伴い女を苛んでいた痛みも消えて
ぼんやりと自らが死んだと知る]
此処は――…?
[辺りを見回すがこの場所に覚えはない。
会いたいと願った主の姿も其処に無く
不安げな表情が過ぎる]
[不安と寂しさを紛らわすは薔薇の花。
香りに包まれているうち
此処が怖い場所でないと思えるようになる]
聖堂……?
[燭台の淡い灯火を頼りに
自身の居る場所にあたりをつける]
[女は燭台をじっと見詰め
炎が強まるよう念じる。
肉体を失っても魔力は失われぬのか
この場でのささやかな干渉が叶う。
先ほどより明るくなる室内。
薔薇の色も鮮やかに映り女は緩く微笑んだ]
[聖堂で見つけた鏡に魔法を掛ける。
其れは此処でない何処かを映す魔法。
城の様子を映し出す鏡。
女は平らな面をそっと撫でる。
深紅の双眸に映り込む光景は――**]
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―二階・作業室(20)―
[そっと扉を開け、顔を出して中を窺う。 誰もいないようだとわかれば、中に入って扉を閉めた。]
ここも誰もいない、か。 皆どこに飛ばされたんだろうなぁ……。
[仲間の身を案じながら、キョロキョロと周囲を見渡す。 幾何かの心細さも否定は出来ない。 軽く肩を落としていると、ふと、声が聞こえた気がして。 顔を上げ、宴会場へと続く扉を見つめた。]
(83) 2012/04/30(Mon) 14時半頃
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―作業室→宴会場(12)―
――――――っ!!
[そっと扉を開けて宴会場の様子を窺い、息を飲む。 客室に向かい立つ巨漢>>66>>67と、そちらから出ようとする姿>>81と。 ドナルドの言葉を聞くに、ムパムピスも一緒に居るらしい。 咄嗟に作業室を見渡し、テーブルの上にあったペーパーナイフを掴んでヘクターへと投げた。 そんな物が通じるとは思わないが、とりあえずこちらに気を逸らしたかった。]
大丈夫か!!!
[そう声をかけ、ナイフを投げた後はスラリと銀のレイピアを抜いて宴会場へと踏み出した。]
(84) 2012/04/30(Mon) 14時半頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2012/04/30(Mon) 14時半頃
[鏡には一階大広間の光景が広がる。
女の知る大広間とは随分違ってみえたのは
椅子とテーブルで築かれたバリケードのせいか]
これは…… ?
[ぱちりと瞬きして
鏡へと目を凝らせば見えるのは騎士の姿]
[今見えるヒューは女が傍で見ていた彼とは違ってみえた。
その理由が自分にあるとは未だ知れず]
ヒュー ……
[呼びかけるは騎士の名。
今の彼に女の声は届かない]
ありがとう、も
さよなら、も、言えなかった
[ぽつ、と悔い感じさせる響きが零れる]
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[不意に階下から爆発音>>86が聞こえ、そちらに視線を移した。
――――瞬間、だった。]
…………なっ…!?
[ぶわり、と広がる闇に飲み込まれるように。 周囲が暗がりに閉ざされる。 目を擦り、漆黒に目を凝らせば。
中から浮かび上がるのは、一匹の猟犬。]
(100) 2012/04/30(Mon) 17時半頃
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やれやれ……どうやら、吸血鬼殿は犬がお好きと見える。
[じわり、額に汗を浮かべながら。 レイピアを繰り出し、黒犬の軌道を逸らす。 すぐ傍を鋭い牙が過ぎれば、立ち上る硫黄の臭いに顔を顰めた。]
厄介な……酸など持ち合わせてなければ良いのですが。
[そう呟くと。 銀のレイピアを持ち直し、体勢を落として黒犬めがけて間合いを詰め。 その腹部めがけて鋭い突きを繰り出した。]
(101) 2012/04/30(Mon) 17時半頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2012/04/30(Mon) 17時半頃
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[犬の腹部を貫く感触が腕に伝われば、微かに表情を綻ばせる。 ――――が。 すぐさま呪詛の声が上がり、その口から炎が吹き出せば>>106 慌てて右手にしたレイピアを引きながら、左手で顔を覆いながら後方へと飛ぶのだった。]
――――――っつうぅぅっ!?
[炎が表皮を焼き、衣服に燃え広がる。 床を転がるようにしてその炎を押さえ込みながら、火傷の痛みに顔を顰めた。]
(108) 2012/04/30(Mon) 18時頃
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[炎が収まれば、左手部分の衣服はほぼ焼け焦げ、崩れていた。 赤く腫れた肌の傷みに顔を顰めながらも、再び周囲に目を凝らす。
先ほどの犬はどうなったのか。 あの大男はどうなったのか。 ドナルド達は無事なのか。 また、新たに聞こえた物音>>107は何なのか。]
……新手、か? それとも……。
[恐る恐る、声をあげるのだった。]
(110) 2012/04/30(Mon) 18時頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2012/04/30(Mon) 18時頃
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エリアスさんでしたか……。
[小さな炎に照らし出されたエリアスの姿>>113が見えれば、ホッと安堵の表情を浮かべる。 が、すぐに表情を引き締め、周囲を見渡す。]
気をつけてください。 すぐ近くにあの領主と、その眷属が居る筈ですので。 最も、眷属は手負いではありますが……。
[闇の中、微かな声>>111が聞こえれば。 思わず声を上擦らせた。]
――――――ドナルド!? 大丈夫か……!?
[小さな灯りだけを頼りに、声のする方へ。 闇の中を一歩踏み出した。]
(116) 2012/04/30(Mon) 18時頃
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[鏡の中の景色が変わる。
一階から二階へ。
宴会場を抜けて客室の光景が映し出された。
聞こえくる声は懐かしくも恋しい音色]
――…ッ、 ヘクターさま!
[会いたいと願った主の姿に声を上げるも
どのような状況かがみえてくれば
何処か複雑そうな表情が過ぎった]
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[さらに聞こえた声>>120に、一瞬だけ心配そうな視線を投げかけるが。 エリアスの声>>121が聞こえれば、ゆっくりと頷く。]
そうですか。 えぇ、後でいただいてみます……が。 まだ今は――。
[そこで黒犬の炎に気付けば、咄嗟に身を躱すも、足元を炎が嘗める。 エリアスの放つ炎が黒犬へと向かうのを見ながら、自らも再びレイピアを構えた。*]
(125) 2012/04/30(Mon) 18時半頃
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[真っ暗な客室で何が起きるか分かるのは
鏡の魔法ゆえか――。
叩きつけられ衝撃を受けるドナルドの姿に
思わず悲鳴を漏らし両の手で口を覆う]
――…っ
[このような状況を望んだわけではなかった。
けれど主が戻ればこうなるかもしれぬ、と
何処かで感じていたのだから――]
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[エリアスの放つ炎は黒犬に深刻なダメージを与える事は無かったようで。>>126 自らが作った傷から火の粉と闇が零れるのを見れば、思わず目を細める。 エリアスの表情が痛みに歪むのを見れば>>136 銀のレイピアを手に、黒犬めがけて再び床を蹴った。 腹を突くだけでは致命傷にならぬとあれば、次は僅かに括れた首を狙って。]
(137) 2012/04/30(Mon) 21時頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2012/04/30(Mon) 22時頃
ドナルド
貴方には来て欲しくなかった
[会いたくなかったわけではない。
会えて嬉しくなかったわけ、ない。
あの時の男の子がこうして傷つくのを見たくはなかった]
仮令会えずとも
何処かで平和に、しあわせに
いきていてほしかった
掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2012/04/30(Mon) 22時半頃
[女は目を瞑る。
ヘクターとドナルドが対峙する様を
みているのがつらい、とでもいう風に]
――…私は
ヘクターさまにお逢いしたかっただけ、なのに
[鏡を通じて見る事は叶ったが
それは望んだカタチとはまた違って]
[女が目を閉じると同時
鏡もまた城の景色を映す事を止めた。
何の変哲も無い鏡であるかのように
クラリッサの相貌を静かに映すのみ]
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[銀色の閃光が黒犬の首元に届くかと思われた瞬間。
――――――階下より、爆音が轟いた。
犬の首を襲ったレイピアは手応えはあったが、果たして。 今はそれよりも二階まで漂ってきた爆風と、静かになった隣室の事が気がかりだった。]
どう、なっているんだ……。 っと、エリアスさん、大丈夫ですか!?
[慌てて火傷を負った魔術師の元へと駆け寄る。 革袋をベルトから外せば、それをエリアスへと手渡す。]
その中に貰った薬が入ってますから、それを使ってください。 私は、少し階下を見てきます。
[受け取ってくれるならばそう言って後を託し、慎重に階段を下った。]
(162) 2012/04/30(Mon) 23時頃
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[シン、と静まりかえる地下聖堂。
深紅の薔薇が彩る其処で
女は座り込んだまま鏡を抱きしめた]
――…何も出来ない
[自分の無力さは嫌というほど知っていたが
此処に来てより一層その思いは強くなる]
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