人狼議事


197 獣ノ國

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[走る汽車の窓から外をぼんやりと眺めていれば、景色の向こうに見えたのは見慣れた大きな科学塔。
朝陽を浴びて遠くに見えるそれは、とても、とてもゆっくりと窓の外を走り行く。
――あの國で過ごしたのは、果たしてどのくらいの間だっただろう。故郷と呼ぶには短く、旅と呼ぶには長いその年月。徐々に遠くなるその塔の影を追ってしまうのは、やはりそれだけの年月を其処で過ごしたのだと、言うことなのだろうか。]

………ん、

[そうしてふ、と。震えるポケットに気付き。其れを開いて見たのなら、そこには二通のメールの通知。何方も、差出人はあの歳の近い友人だ。
先に来ていた一通は、昨日の昼の"デート"を揶揄る一言と、"今日"より先の晩酌の誘い。
応える事の叶わぬそれには、小さく、小さく苦笑を漏らす。
最後に付け加えられた一文には、呆れたように肩を竦めはしたけれど。]



……フン。自分の方こそ、十分にお楽しみだったじゃあないか。

[大学で見かけた時に、彼の隣に居た少女を思い浮かべ。"唯の生徒と先生"ならば、この言葉の限りでは無いのだろうけれど。
懐かしむように目を細め、呟いた言葉はあの國に残る友人には、決して届く事は無いだろう。
借りた本は、結局返さぬままに持って来てはしまったけれど。まぁ、あの友人の事だ。もしもこの先会うことがあったのなら――酒の一つと此方の話とで、きっと許しては貰えるだろう。
そうして最後の追伸に、ふ、と――嗚呼、何時だっただろう。まだ自分の歳が二十の前半だった頃、酔った勢いで悪戯に詐欺を装い、彼に電話をかけたりもしただろうか。]



…出来るなら、最後にまた一度お前と酒でも交わしながら…話でもしたかったんだが。

[二通目のメールに目を通しながら、ポツリと漏れたのはそんな一言。このメールを飛ばして来たと言うことは、恐らくはあの本は無事に持ち主の元へと届いたと思っていいのだろう。
此方から本を貸す時、或いは彼方から本を借りる時。返すと言うのを理由にして、数え切れない日々を共に朝まで語り明かしたかの友人。神話の生物の事を主に研究している男と、民俗学から神話や都市伝説まで幅広く精通している友人と。
大学に用事がある時は、その授業風景を時折覗きに行った事もある。そして彼の話す話は、男の興味を酷く惹きつける物だったから。
自分があの國で最も近しいと言える友人は、今頃何をしているのだろう。]



………、あぁ。

[メールへの返信は行わぬまま、携帯端末に登録されている全ての番号からの着信を、拒否に設定する。全てを置いてきた中で、この小さな機械だけは置いて来ることが出来なかったのは――それは果たして、あの國への未練故か。
そうして再び窓の外へと視線を移し。既に見えなくなってしまった科学塔に、知らずのうちに声が漏れる。
向かう先は、長年使っていない別荘へ。きっと埃に塗れて"仲間"の巣も沢山張られているだろう其処を思い浮かべ…男はひとつ、諦めたように息を吐いた。

ガタン、ゴトン。
揺れる汽車に運ばれて、《蜘蛛》は漸く國の外へと。]*


奇跡の子 カリュクスは、メモを貼った。

2014/10/07(Tue) 06時頃


奇跡の子 カリュクスは、メモを貼った。

2014/10/07(Tue) 06時半頃


【人】 奇跡の子 カリュクス

―早朝・自室―

[スースーと、規則正しい感覚で続いていた寝息は、目覚まし時計のベルの音で途切れる。

乱れた髪を手で軽く整えると、ベッドの上で伸び一つ。寝ぼけた頭をしっかりさせようと、ふるり首を軽く左右に振ってベッドから降りる。
窓の外で明るく囀る鳥の声。その囀りの意味も自分にはわからないけれど。それでも―――微笑みが浮かぶ。

これからが楽しみで、胸が弾むような気持ち。
新しい本を手にしたときよりも、遥かに強いその気持ちは。もう何年も経験したことがなかったもの。
家族で迎えるクリスマスや。誕生日のプレゼントを待つ時のそれと、とてもよく似ている気がした。]

 書類、書類――あ、その前に…。

[昨日渡された書類>>2:149を机の上に広げて、少し折れてしまった端っこを指で伸ばす。
昨夜の雨の中、身体を濡らしながらも護ってきたそれは、端の方が少し撚れてしまっているものの、雨に濡れることなく無事に机まで運ばれて。]

(44) 2014/10/07(Tue) 10時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

[書類を前に深く息を吐き、雑貨屋で買ったボールペンを取り出し、くるりと指先で回す。

くるくる くるり

銀色のボールペンは数度回った後、カランと乾いた音を立てて床に落ちた。身を屈めてそれを拾い上げ、ふと思い立って机に放置されたままの端末に手を伸ばす。

昨日は返信するタイミングを逃してしまった。けれども、新しい報告がある今ならば、送っても大丈夫だろう。そんなことを考えて、端末に指を滑らす。

子供のような笑みが口元に浮かんだ。]

(45) 2014/10/07(Tue) 10時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

差出人:カリュクス
宛先:ヤニクさん
――――――――――――――
おはようございます。
20xx年 10月3日
――――――――――――――
昨日はいろいろありがとうございました。
なぞなぞ遊びにも、付き合って頂けて楽しかったです。
誰かとなぞなぞしたのなんて久しぶりで、なんだか懐かしい気分でした。

カナリアにびっくりしてしまうくらいなら、狼さんに驚いてしまっても仕方がないですね。
動物苦手ではないと良いのですが……。

けれども、嫌な感じのする人ではなかったので
またお話しできたらいいな。と思っています。
喫茶店。あまり行ったことがないのですが今度行ってみますね。

ヤニクさんの冒険が楽しいものだといいな。と願っています。
追伸:
素敵な本との巡り合わせではなく自分で本を書いてみようかな。と思っています。アルバイトをはじめてみようかと。

(46) 2014/10/07(Tue) 11時頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

[端末を操作し終え、打ち終えた文章ににっこりと笑う。

一番最後、どこでアルバイトをするのか書こうとして――止めた。
働いているときに会ったら面白い。
びっくりするだろうか。そんな悪戯っぽい考えが浮かんで、そのまま送信を押す。]

 書類、出来るだけ綺麗に書かないと。ね。

[端末を文鎮のように書類の上に置いて、真剣な顔で書類に向き合い始めた。
メモ帳に試し書きをしながら、一文字一文字丁寧に記入していき。

書きあがったそれを目の前に掲げて大きく頷いて、白い封筒に折りたたんで入れる。
早く持っていこう。と、気持ちが急いたためか。]

 ―――っつ。

[封筒の隅で指先が切れ血が滲む。
指先に浮かぶ赤に表情を曇らせたが、それも束の間のこと。
ハンカチで傷口を拭い、封筒を抱いて本屋へと向かった。**]

(48) 2014/10/07(Tue) 11時頃

奇跡の子 カリュクスは、メモを貼った。

2014/10/07(Tue) 11時頃


[――ゴトン。
乾いた音と共に、床へと置いたトランクの周りで大きく埃の渦が舞う。
其れが肺に入るのを嫌うように――そもそも服に埃が付くことがそもそも我慢ならない事ではあったのだが――男は大きく眉を顰め、荒れるに任せるその別荘を見回した。
埃の絨毯はそれはそれは高く積み重なり、"仲間"の巣は至る所に張り巡らされている。必要最低限の家具はあるが、それでも暮らして行くには足りない。
――一先ず掃除は後回しにして、先に家具を揃えに行くか、と。この時間なら、無理を言えば夕方には届けて貰えるかもしれない――とそこで、ポケットの中で震えた端末に目を瞬かせる。]

………、待ち遠しいよ。

[家の外へと出ながら開いたメールに、漏れたのはそんな言葉。自分の声音に微かに滲んだ寂しさに苦笑しながらも、見慣れぬアドレスに僅かに目を見張り。
貰った名刺に書かれていたのは、"ジャニス"の名。そこに書かれたアドレスとは別のアドレスと…彼の名前に、男の顔には先とは別の笑みが浮かぶ。]


[そうして、そのまま返信は行わぬままに男はタクシーを拾って乗り込む。行き先を伝え、シートへと身を預けて窓の外を見たのなら、そこに広がるのは見慣れぬ景色。
最後にあの國で見た車からの景色は、あの図書館からの景色だっただろうか。]

……――――。

[そっと動かした唇が紡いだ名は、静かな車内に響く事は終ぞ無く。ぼんやりと外を見つめながら、夜が明けるまでのあの時へと、ゆるりと意識を向ける。
ポツリポツリと、幾つの話をしただろう。此方の話に相槌を打つ彼の姿を浮かべたのなら、その指先にはあの柔らかな髪の感触すらも蘇った気がして。それを掻き消すように――逃さぬように、男は強く、拳を握った。]

……泣いていたな。

[去り際に彼が初めて見せた、その涙。此方の言葉を拾った運転手には"何でも無い"、と手で制しておきながら、また意識はあの夜の時間へ。
演技に自信を持つ彼が、あの時だけは笑顔すらも演じられなかった事。その事に胸に痛みと…ほんの、ほんの僅かな充足感を覚えたのは、男にしか知り得ないだろう。]


[彼の口からは、ついには"行くな"という一言は出はしなかった。男を困らせるような言葉は、一つたりとも出なかった。嗚呼、本当に――聡い子だ。もしも次に相見えたのなら、思い切り、我儘を言わせてやりたいものだ――あの時伝えられなかった言葉を、捧げながら。

そうしてふ、と手にした携帯端末に視線を落とす。
電話は拒否に設定したけれど、メールはそのままこの端末へと届く。そんな事を――相手からの一方通行だけを許すなんて、それは酷く未練がましい行為だとは…自覚はしているとも。
――嗚呼、だけれど。彼からのそのメールは慰みになどなりはしない。
更に募る恋しさに焦がれながらも、しかし今後ももしかしたら届くかもしれないそれを拒否する事なんて…どうしても、出来はしなかった。]*


【人】 奇跡の子 カリュクス

―自宅→本屋―

[目的地へと急く心。
それを表すように、足も軽くなる。

足ごと、羽が生えたような。
本当の鳥になって飛んでいるかのような。
そんな錯覚を覚えながら、本屋へと向かう。

ピリ ピリ ピリ

指先の傷が時折、引き攣ったように傷んだが。
それも気にならずに。]

 あ……なんだろう。

[道中、端末が震える感触が二回したけれど。
それは、目的を達成してから。と言い聞かせて

端末を覗くことも、触れることもなく目的地へ。] 

(87) 2014/10/07(Tue) 15時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

―本屋・店の前―

[ベネットの書店の前に来て、足を止める。
開かれていない扉に幽かな違和感を感じた。

小首を傾げて、扉へと近づくと
躊躇いながらも、ノッカーを鳴らす。

  コン   コン
    コン    コン


固い音が耳を叩いたが、返る言葉はなく。
音を拾おうとそばだてた耳にも何も届かない。

店から感じるシンとした空気と
後の雑踏から聞こえる人の声。
それと、自分の呼吸と心臓の音。]

(88) 2014/10/07(Tue) 15時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

 そうだ……!端末。

[もしや先ほどの振動は、店主からのものだったのでは。
そんな考えが頭をよぎり、慌ててポケットに手を入れる。

新刊を予約した際に、連絡先を教えたことがあったから。

ガサガサと幾分荒く指先で探せば
小さな四角に指が触れ、急いでそれを掴みとる。

端末の液晶に並んだ名前は。
昨日の白いコートの男性>>50と、狼さん>>62

求める名前は―――なかった。

じわりと指先が痛むのを感じながら。
端末を操作する。]

(89) 2014/10/07(Tue) 15時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

―――――――――――――
差出人:カリュクス
宛先:ジャニスさん
――――――――――――――
指の怪我、大丈夫ですか?
20xx年 10月3日
――――――――――――――
おはようございます。
ジャニスさん――で、良かったですよね?
はい。昨日ぶりです。
今日は雨ではないようなので、少し安心しています。
ジャニスさんは雨に、降られませんでしたか?

今日ですか?はい。大丈夫です。
用事は有ったのですが
どうやら相手の方がお出かけしているみたいなので……。
お昼前くらいに、場所はまた連絡しますね。

追伸
本屋さんを知っていますか?もし、知っていてどこかですれ違ったら『カリュクスが本屋で待ってます』と伝えて頂けますか?

(90) 2014/10/07(Tue) 15時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

[白いコートの人からの連絡。
こんなに早く来るとは思っていなかったので少し意外で。

それでも、約束を守ってくれたことが嬉しいと
波だった心が僅かに落ち着く。

待ち合わせ場所は悩んだけれど
向こうの雰囲気をみて決めようと思った。

すぐに連絡がつく自宅か、この本屋が見える場所。
いつ店主から連絡が来ても平気なところがいいけれど。

もし彼が獣を怖がるならば、
人目があるところの方が良いかもしれない。

そう考えて、送信を押す。]

(91) 2014/10/07(Tue) 15時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

[視線は商店街の通りを、意識は本屋に向けたまま。
そして、もう一通。狼さんへと通信を打ち始め]

――――――――――――――
差出人:カリュクス
宛先:ヤニクさん
――――――――――――――
件名なし
20xx年 10月3日
――――――――――――――
懐かしい気分は真新しいものと
どこか似ているように感じました。

似たようなことをしていても
すべて同じではないから、新しくても古い。
そういう風に感じるのかもしれません。

暗記するほど読み込んだお気に入りの本に
ある時、気づかなかった誤植があるのと似ていますね。

(95) 2014/10/07(Tue) 17時頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

意地悪を……ああ、犬歯を見せたのでしたっけ?
たしかに、びっくりしてしまいますよね。
私が味方でも頼りないとは思いますが。
話すことも上手ではないですし。

甘い物ですね。わかりました!
今日、彼と会う約束をしたので、用意してみます。

あ、そうだ…何処かで本屋さんを見かけませんでしたか?
見当たらなくて。
もしどこかで見かけたら、私が待っていたと伝えてください。
お昼近くまでは、待とうと思っていますから。
―――――――――――――

(96) 2014/10/07(Tue) 17時頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

[通信を打ち終えて長く息を吐く。
緊張、期待、不安。
心ごと吐き出してしまうようなそんな呼吸。

そして、通りを歩く人々を眺めながら
店主の帰りを待つ。

あの日、母が亡くなった時。
学校から戻った後、こうやって
いつまでも開かないドアの前で待ち続けた。

そんな、遠に忘れたと思っていた記憶が
ゆっくりと浮かび上がっては消えていく。

目尻に浮かんび始めた涙を隠すように
膝を抱えて店先にうずくまる。
こうすれば、店が開くまでの間
待っているだけに見えるだろう――と。]

(97) 2014/10/07(Tue) 17時頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

―昼近く・本屋前―

[本屋の影、電灯に寄りかかりながら、いつの間にか眠ってしまっていたらしい。

姿勢を変え顔を横に向けた瞬間。
高く昇った太陽、その光が瞼の裏を赤く染めた。

眩しさに顔を顰めながらも、視線はすぐに本屋へと向けられる。

暗い店内は相変わらずシンと静まり返っていて、人の気配もない。
眠っている間に人の声>>105>>107を聞いた気がしたけれども
今現在、店内の様子に変わりがないことを考えれば、あれはきっと通行人の声か、夢だったのだろう。

それにもし、話しかけられていたとしても、寝ぼけた頭では、まともな返事は出来なかったのではないか―――
そんな風に考えて体を起こす。

ギシリ。長時間同じ姿勢で居たためか、体は硬くこわばっていた。]

(129) 2014/10/07(Tue) 21時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス


[時間を確認しようと端末を取り出し、画面を覗けば案の定、時刻は昼近く。

そして約束した相手の名前>>94が受信欄にあることに気がついて、慌てて文章を打つ。

できるなら、このままこうして待っていたい気持ちもあった。けれども―――

約束したところに相手がいない。
居場所となるはずだったところに、行くことができない。
その不安感を相手に味わわせたくはなかったから。]

(130) 2014/10/07(Tue) 21時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

―――――――――――――
差出人:カリュクス
宛先:ジャニスさん
――――――――――――――
それなら良かったです。
20xx年 10月3日
――――――――――――――
室内にいたなら良かったです。
怪我は水に触れると、余計に痛みますから。
私は少し濡れてしまいましたが、
雑貨屋さんで傘を買ったので大丈夫でした。

はい。本屋さんでアルバイトをしようと思って
書類を書いてくるように言われたのですが。留守みたいで。
もしかしたらば、遠くに配達に行ってるのかもしれないので
また夕方にでも足を運ぶつもりです。

待ち合わせ場所。
私は今、商店街にいるのですが
ジャニスさんがもし近くにいるなら、そちらに向かいます。

(131) 2014/10/07(Tue) 21時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

[端末に文章を打ち込んで、送信ボタンを押す。
昨日よりも柔らかい印象を受ける彼の分面に、何があったのだろう。と、疑問に思いながら。
それでも、敵意を露わにされるよりはずっと良い。と一人で納得する。

今、棘を刺されれば
たとえそれが小さな棘でも、その傷口からヒビが全身に広がり、体ごと粉々に割れてしまう。
そんな気がしたから。

気持ちを切り替えるように瞼を閉じ、深呼吸を一つする。
そして、ポケットからメモ帳を取り出して伝言を書き、ドアに挟み込む。

白い紙が風にパタパタと揺れるのを、ただ黙って見つめる。
連絡が来ればすぐに足を運べるように、立ったままで。]

(133) 2014/10/07(Tue) 21時半頃

奇跡の子 カリュクスは、メモを貼った。

2014/10/07(Tue) 21時半頃


カリュクスは、マユミという名前を構内で聞いたことがあるが、こころあたりもなく

2014/10/07(Tue) 22時頃


―街中の喫茶店―

[あれから、開店直後の家具屋へと向かい。必要な家具を取り揃え終えたのは丁度ブランチの時間くらいだった。
大口の買い物を多くしたからか、店の店主が男の無理を快く聞いてくれたのは嬉しい誤算だ。頼んだ家具は、夕方には届けてくれるらしい。
それまでにせめて、あの埃まみれの家の掃除を終えておかねばならぬのだけれど――取り敢えずは珈琲が飲みたい、と。
しかしヤカンもミルも全て置いてきてしまったので、ひとまずは近くにあった喫茶店に入ってみたのだけれど。]

…珈琲を。豆は…

[カウンターに座り、注文を済ませ。豆の種類は、取り敢えずは目に付いたものを。
時間が時間だからか、人のあまり居ない店内に、レコードの音が静かに響くのが心地良い。煉瓦造りの壁の前で、コポリコポリと丸いフラスコの中で湯が湧く様をぼんやりと眺め、このひと時を堪能する。
火から降ろされたフラスコに、ミルで挽かれた豆が入ったロートが差し込まれれば。湧いた湯が、その筒を伝って上へ上へと昇って行く様は、何度みても面白い。
ゆうるり、ゆうるりと竹べらで回されていく豆と湯と共に香る豆の香りに目を細めていたのなら、ひとつ、ポケットが震えた。]


[取り出した携帯端末に表示されていたのは、先程手に入れたばかりのアドレスと"彼"の名前。思わず口元が緩んだのは、男の意識の外だったけれど。
――だけれど、その文面を見たのなら。柔らかく細められた男の目は、怪訝そうに見開かれる事となっただろう。]

――……殴られた?

["兄に殴られた"、と。その一文を見るなり、男の眉は至極不満げに寄せられる。
しかしすぐにそれの――殴られた理由を理解したのなら。嘆息と共に、こめかみを指で押さえはしただろうか。]

……"責任"、か。
そんな物は…幾らでも取ってはやるさ。

…帰りに氷を買っていくか。

[彼が、家を出ると言うのなら。それはきっと、渡したあの紙に書かれた場所へと――自分の居るこの場所へと、向かう為だろうから。
彼が自分を追い掛けてくれるのだと言うそのメールの文を、何度も、何度も目で追い。焦がれる想いを誤魔化すように、運ばれて来た淹れたちの珈琲を、一口口に含む。]



………、美味いな。

[はた、と。手にした珈琲を、もう一口。
珈琲を出す店は星の数ほどあれど、美味い珈琲を出す店は少ない。男の目に敵う珈琲を淹れてくれた店主を見たのなら、白髪の奥の瞳を小さく細め、柔和に笑っていただろうか。

嗚呼、遠く離れたあの國で、彼もまた今この時に…自分と同じく、珈琲を味わっていると知れたのだ。身を焦がす想いは強くはなれど、その小さな繋がりを感じたのなら、じわりと胸に熱さも広がろうと言うもの。
返事を打ちかけた手を無理矢理に止め、開いた返信画面はそのまま保存もせぬままに閉じ。本当であれば…彼のその声が、聞きたくて仕方が無いのだけれど。

――だけれどどうやら、彼は珈琲が苦手なようだけれど。最後に加えられた一文を眺めながら、またいつか会えた時は…彼にこの珈琲を、味わわせてやりたいと。
最初は、甘い物と共に飲むのが良いかもしれない。嗚呼しかし彼は甘い物は好むだろうか?
チョコレートケーキが好物だなど、男は未だ、知り得ない。

そうしてその時には、自分とあまり仲の良く無い堅物の兄の話でもしようか…そして彼の兄の話も、聞いてみようか。
――なんて。そんな事を、思いはしただろうか。]*


メモを貼った。


メモを貼った。


[そうして、淹れられた珈琲が無くなった頃。机の上に置いたままの携帯端末が震える音が、レコードの音へとジワリと混じる。
端末の画面を覗いたのなら、見慣れぬアドレスがひとつ。メールを開いてみればそこには、一昨日始めて話したあの小さな郵便屋の名前と…一通の文。]

…成る程、参ったな…手紙を入れておくべきだったか。

あぁ、すまない。同じ珈琲をもう一杯頂けるかな。

[書かれた文章には、困ったように肩を揺らし、浮かしかけた腰を戻して追加の珈琲を頼みながら。
何処か律儀な所がある彼女らしいと言えば、彼女らしいとも思うけれど。
このメールが来たと言う事は、あの家の時が止まった事は、知れてしまったのかもしれない。
自分が可愛がっていたあのサボテンとそのお友達も、彼女の手には渡ったのだろう。]

…届け物なら、もう届いているんだが…どうしようか。

[昇る湯を見ながらポツリとそんな一言を。困ったように呟かれたその声は、何故だか何処か楽しげなもので。
サボテンも、その友達も――そしてあの時計も。確かに彼女の言う通り、大切なものだが、それはどれも他でも無い彼女へと宛てたものだったのだけれど。]


[――そう、彼女は郵便屋。
宛名が無い荷物は、きっと届ける事は出来ないだろう。
そして宛名を書かなかったのは、自分の失態に他ならない。]

…君には。
礼を欠いてばかりだな…クラリス。

[彼女がくれた花の贈り物が、あの時の止まった時計へと贈られた事など、遠く離れた地に居る男には知る由もなく。
幾日経っても届く事の無いその花を見て、彼女が何を想うのか――それすらも知り得ないのは、それは酷く残酷な事かもしれないけれど。

初めて言葉を交わしたのは、あの最初の休みの日。向けられた反応が愉快で、ついからかってしまったあの日。
二度目は同じく玄関で。まさか菓子折りを持って詫びに来るとも思わずに、借りを作ったままにしてしまった。
――そうして最後に、宛名の無い贈り物。
結局、あの"優しい郵便屋"への礼は、最後まで…出来なかったのかもしれない。

…だけれど、きっと彼女は自分を見つける事は出来ないだろうから。
その間、あの時計はずっと彼女の手の中で時を刻むのだと思えば――それもそれで、悪くは無かった。]*


【人】 奇跡の子 カリュクス

[パタパタと風に煽られはためくメモ。
『また来ます』の言葉と、名前、連絡先。
果ては住所まで几帳面に書いたそれを、ただぼうっと見つめていると、端末が震えていることに気がつき>>157
視線を落とした。]

――――――――――――――
差出人:カリュクス
宛先:ヤニクさん
――――――――――――――
Re.Re.件名なし
20xx年 10月3日
――――――――――――――
たしかに…そうですね。
毎朝、食べているパンや紅茶も
その時の気分や体調によって、感じる味は微妙に変わりますから。

食べ物ですらそうなら
書物は人の心が映されやすい分、もっと違いが出てくるのかも…。
昔の書物や、昔からの言い回しが残っているのは、そういう理由があるからかもしれませんね。
もちろん、それが全てではないのでしょうけれど。

(177) 2014/10/08(Wed) 00時半頃

【人】 奇跡の子 カリュクス

証拠を見せろっていわれたのですか
それなら仕方がないのかも。
私も、翼で信じてもらえなかったら困ってしまいます。
雄なら求愛の囀りは綺麗ですけれど。私は雄ではないですし。

はい。ベネットさんです。
ヤニクさんも会えなかったのですか…。
私は昨日のお昼間に会って、それっきりなのです。
大事な書類を渡さないといけないのに。

ヤニクさんも探してくださるなら、ありがたいです。
私にはあまり知り合いがいないので、心あたりがなくて…。
心配してくれてありがとう。
大丈夫、一度帰ってから出直すことも考えていますから。
ヤニクさんも、無理はしないでくださいね?
―――――――――――――――

(178) 2014/10/08(Wed) 00時半頃

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