231 獣ノ國 - under the ground -
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狼
墓
少
霊
全
きみは自らの正体を知った。さあ、村人なら敵である人狼を退治しよう。人狼なら……狡猾に振る舞って人間たちを確実に仕留めていくのだ。
どうやらこの中には、村人が1人、共鳴者が4人、囁き狂人が5人、首無騎士が1人いるようだ。
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皆さまお集まりありがとうございます。えー、ごほん。 この催し物、しっかりと楽しんでくださいませ。
…何があっても、文句は言いませんよう、ご了承くださいませ。
(0) 2015/07/10(Fri) 02時頃
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ああ。僕はいつまで、……―――ここに居るんだろう。
(1) 2015/07/10(Fri) 02時頃
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かちかちと廊下の電球が瞬いた。
亀は首を持ち上げて、その弱い光が消えそうになるのをただ、見つめていた。
―――「普通」を欲して居たとしても、楔は取れずに。解けずに。
亀はまた、「異常」な日常を守ることに精を尽くすのだろう。
(#0) 2015/07/10(Fri) 02時頃
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[ 僕は、耳にそっとイヤホンを付け、口元にマイクを寄せた。 これで管理人全員のみに伝達をするのだ。 口元に充てがわれた機械はそのまま、僕の声は棒読みじみて、機械じみて、音が鳴る。
もしかしたら管理人達はまた別の連絡手段があるかもしれないけど、僕はこれしか知らないから。 ]
Test。test。
聞こえるかい。 今日も今日が始まったんだ。 聞こえるかい。こんにちは。
脱走者が出ないよう、みんな。今日も今日を守るんだよ。
[ ――――ブツリ。 ]
(2) 2015/07/10(Fri) 02時半頃
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――回想・第1棟広間――
[ そういえば、以前にも彼から“それ”の匂いを嗅いだことがあったかもしれない、と。マトモな頭で顔を覗き込む。 幾度か施設内で見知った顔だ、と思い返しつつ、やはり名前は記憶から引っ張り出せないまま。]
……よくいるし俺、じっさい。
[ >>0:161イメージ、と形容されればマスクを揺らし頷いた。サイズの大きく固定されていない面体がずり、とズレるのを直す。その間に彼がサメと自身の生態の相違に思いを過らせていることなど、露にも想像しなかった。
他にどこにいけっていうんだろう、とひねた皮肉じみる感想は喉奥に押し込みながら。 ――彼だけの力で管理下に置かれているなんて思う訳もなかった。勿論、“実験”のアマル先生だって同様に。
それでも「管理者の先生」をマスクの下、見つめ返しては。同時に浮かぶ疑問を、そのまま面体の奥から小さく溢す。]
(3) 2015/07/10(Fri) 03時頃
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…、どうして先生はここにいるの?
[ 本当の“うみ”も、においのする花だって幾らでも見られるんだろうに。と、白い壁を回し覗いた。くぐもった声はもとより、届かなかったかもしれない。聞き返されでもしなければ、何度も問うつもりもなかった。
――本当のうみを、彼は、管理者たちは見た事があるのだろうか。
うみを、本当のひかりを見たら、ここでの暮らしに自分は耐えられるんだろうか。
勿論仕事だといわれれば頷くしかない。管理者は自由に外へ出入りできることも解っている。ただ包帯に浮かぶ血を見ながら、――先ほど、滲む程握りしめられた掌を思い返す。それにどんな意味があるかなんて、自分の考え及ぶところでもなかったが。
警告か忠告か知れないそれ>>0:162を受けつつ、別に好きで傷つけてるんじゃない、と。八つ当たりじみた感情を逃がすよう、踏みつけた血をグリと数度、躙った*]
(4) 2015/07/10(Fri) 03時頃
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―― 食堂 ――
[ いい歌声、と。不意に掛けられた言葉>>0:165に、はた、と仕草が止まってしまった。 「何を仰っているんです、」と交わそうにも、少しの気恥ずかしさが上回る。 男はパスタを咀嚼したまま、暫く黙った 。黙って、聞こえない振りをすることにした 。…それが通用する相手かどうかは、兎も角。
じわりと微かに赤みを帯びる耳は、長髪に隠されて覗けるか、否か。
――それ以上に褒められる「誰その賛美歌」には、こくりと喉を鳴らして後、是非聴きにと笑み返したのだったか。 ]
有能…――いえ、私は、
[ まま、繋げられた行き先と、有能さを測る言葉には。 「 特に。」と、続けようとして、思わず口を噤んだ。 世辞かもしれない。しかし噤んで、これからまたドヤ顔するのも。――と。横に流した長髪が、だらりとまた垂れる。
彼が女医に、「尋ねる」ことを気兼ねしているとは思わずに。…少しだけ、真面に仕事をしようかと男は揺らぐ。男のしている三割が、大扉前の番犬と戯れることである。何故だか無性に申し訳無くなって来た。 ]
(5) 2015/07/10(Fri) 03時半頃
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これから。
――そうですねぇ、私はプールの方にでも行こうかと。 鮫の彼が居ったでしょう。あの子の様子が気になるのです。
…恐らくは、何処か水場に現れそうですし。
[ 水が無いと生きられない――ように思う彼の、泳ぐ様は度々見掛ける。
融合している種族自体、危険なものではあるが――男は今更そんな事は気にはしない。 何ぞあれば、寧ろ自分から喰う気さえ、あった。
「ごちそうさま」と、声と手が揃うのを見て、男は急ぎ最後の一口をぱくんと食べた。 掛けたタバスコの味が咥内に広がる。 飲み下して彼の夜色を見つめ返しても、彼の心中は測れなかった。 ]
…「針」には気を付けてくださいね、月見さん。
[ ……トレイを返しに行く道中、声を掛けつつ。男は自分より低い背を見据えながら、柔に声を投げた。
―――そうして別れることもあったなら、ひらりと手を振ることさえ。]*
(6) 2015/07/10(Fri) 03時半頃
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― 食堂 ― [白米を口に運んだ。 横目に、もぐもぐとパスタを咀嚼する口が見えて、
長髪の幕の向こうの耳が、 やわらかに薄赤に染まっていた。]
はっはっは。
[照れているのだなあ、 とこの自分よりも背の高い男に何ぞ和んで、 彼は朗らかに笑った。
他人を褒めるのは彼の癖の様なものである。 言いよどんだ相手が何をどう考えたまではわからず。]
あの子……ああ、モスキート君かい。 そうだね、きっと水場だ。 ……水の獣の成分が入ったひとというのは、 中々どうして生活しづらそうなことだよ。
(7) 2015/07/10(Fri) 07時半頃
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[同じく水場によく現れる彼の姿を思い浮かべて、 相槌を打った。 いそいで最後の一口を食べる様子には、 「急がずともいいのに」と苦笑。]
[かけられた声に、ゆっくりと振り返る。]
ああ、ありがとう。君もね、
[獣人が必ず人を傷つけるかといわれれば否だろうが、 用心にこしたことはあるまい。
彼自身からも相手に注意を促して、別れ際には、 男にひらりと手をふった。*]
(8) 2015/07/10(Fri) 07時半頃
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何してるのか、は知ってるけど....。
別にあの人だって、わざとああいう薬を作ってるわけじゃないと思う。本当に私達を、"直"そうとしてるんだよ。
[先生が私達で実験をしているのは、当然知っている。そして、それが私達を本気で直そうとしていることも。
自由にやるだけだ、と吐き捨てるジリヤに対しては]
それで、今よりもっと悪い事になったらどうするの。
[生まれてから施設育ちの私には、自由というものが分からない。だから、どうしてジリヤがそんなに自由でありたいのかも分からない。
話を聞いていると、どうやら大浴場で身体を洗おうということになったようだ。着替えは備品の服を使うという]
またそういうことを。
私の服を貸すから、そういうことするのは――
(9) 2015/07/10(Fri) 08時頃
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[そこまで言って、私の服の形状を思いだす。この手でも簡単に着られるようにボタンなどは付いておらず、全て身体を通すだけで着られるような形だ。
"ハリネズミ"の彼女がそれを着ようとすれば、頭を通しただけでボロ布になってしまうだろう]
あー....うん。貸すから。備品を盗むなんてよくないよ。
[そう、言葉を濁さざるを得なかった]**
(10) 2015/07/10(Fri) 08時頃
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―第一棟 食堂→第二棟方面へ ―
[ヴェスパタインに別れを告げて、 第一棟を奥の食堂から廊下を渡って広場へ、 それからフラワーガーデンをひとつ、覗いて 誰もいないのを悟ると、反対の第二棟の方へ歩いていく。
廊下の暗がりで、 きらり。 蒼い光が零れれば、記憶に思いを馳せる。]
(11) 2015/07/10(Fri) 08時頃
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― ―
(これをあげる どうせわたしには不要のものだ。)
[並び立つプレートに描かれた極彩色の主義主張。 眩暈がしそうなほど熱にうかされた空気の中。 狂騒の前夜、君は私に笑って、 薄く鱗の生えた掌で、石を一つ、差し出した。
( ……なア、もう、いいじゃないか。)
喧騒に紛れて君は、私の言葉は聞かず 妄信した平等と云う主義主張を掲げることに躍起になる。 私はそれを、数歩離れた場所で見ていた。
天女から羽衣を奪った男のように 君を、引き止められていたのならば、]
(12) 2015/07/10(Fri) 08時頃
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[――そうして、歩くうち、思考に漬かっていく。 鸚哥や女の子達、誰かとすれ違うこともあるだろうか。 前方不注意ゆえ、ぶつかる可能性も高い。**]
(13) 2015/07/10(Fri) 08時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2015/07/10(Fri) 08時半頃
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なおす……ね。
[クラリッサの言葉>>9を鸚鵡返しに呟いて、私は地面に目を落とした。口元が少し歪んでしまったかもしれない。 私はどうして自分がこんな風なのか知らない。覚えていないから。 けれど、獣の中には、人間による実験とやらのせいで獣になってしまった人もいるらしい。 自分たちが獣を生み出しておいて、なおす、だなんて。 それは、酷く身勝手な話に思われた。 それに、仮になおされたとして、私はどうなるのだろう。 人間になる? 私たちを管理している、あちら側のものになる? ……そんなこと、別に私は望んでいない]
身勝手だわ。
[自分たちの都合で獣をここに閉じ込めて。 自分たちの都合で獣を人間になおそうだなんて。 確かに私はここから出たい。でも、ここから出ること=人間になること、ではないはずだ]
(14) 2015/07/10(Fri) 09時半頃
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[備品の服を調達するというジリヤ>>0:187と、それをたしなめるクラリッサ>>10を眺めて、私は改めてクラリッサの全身を眺める。 そうだ、私の衣服は背中の上半分が大きく開いているから不向きだと思ったけれど、クラリッサの衣服は別の理由で不向きだろう。 頭からかぶって着るタイプの服は、ジリヤとの相性最悪だ]
そんなことを言っても、ないものは調達するしかないでしょう。 クラリッサの服、ジリヤが着終わるまで無事でいられると思うの?
[クラリッサが濁したであろうことをはっきりと言い放ち、私は大浴場に向かうジリヤについていくことにした。 眠気はすっかりどこかにいってしまっていたし、入浴後にぐっすり眠るのも悪くない]
まあ、わざわざ誰かの神経を逆撫でする備品を選ぶのは、どうかと思うけれど。
[クラリッサのように従順でもなければ、ジリヤのように反抗するわけでもない。 ただ本を読むことを、知識を得ることを邪魔されたくないだけ。 どちらの肩を持つこともなく、私は中立を決め込む。 私は梟ではなく蝙蝠なのかもしれないなんて、いつか読んだ物語がふと頭を過ぎった**]
(15) 2015/07/10(Fri) 10時頃
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―― 食堂 → 廊下 ――
[ 同僚と別れてから、男はまたゆらりと影を揺らし歩んだ。食堂を出た付近、音楽室のそこに視線を遣っては離し、彼が居そうな場所へと足を進め。
…――大浴場とプールとは並んで居るが、流石に熱い方は行かないだろう。
干からびてしまいそうだと思いつつ、男は靴音を鳴らす。 動きに合わせて揺れるスータンの裾と上着は妙に重く ―― はて、俺はいつまでこれを着るのか。 など、平生思わないことを思う。……それでも男は、衣を脱ぐことはしないだろうが。
……道中、何気無しに広間に向けた視線が何かを躙っている彼>>4を捉えることがあったならば、「見つけた」と呟いて、そちらへ歩を進ませたことだろう。躙っている先、足元に何が有るのか興味深く見据えながら。
その姿が広間に無く、ただ大理石のみが輝いていれば、真直ぐにプールへ行くことさえ。 ]
(16) 2015/07/10(Fri) 11時半頃
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……――Flee as a bird to your mountain.....
[ 鳥籠の中。 零れ落ちた聖書の言葉は、似合わずに。 逃げることさえままならないのに、逃げることを勧めるなど。
男は少しだけ嗤った。嘲笑う笑みだった。 ―――男は如何も、「良い人」になり切れなかった。…
真白な廊下に黒い影は揺らめき通る 。]**
(17) 2015/07/10(Fri) 11時半頃
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[ 回想・秘密棟 庭 ]
[ ―――>>0:189握り締められた衣服が微かに映った。 視線を腹元に下げると、くしゃりと握り締められた衣服。 思わずに弾けて視線を上げると、彼の瞳は僕を越えて――どこか遠く、懐古のものを見ているような、気がした。
そこじゃない。そこじゃない。僕は此処にいる。 僕の何を、僕を何に、君は見ているの?
なんだか無性にむしゃくしゃして、悲しくて、焦って。 また手を伸ばそうとしても後退りされたことで、動きあぐねた指先が宙を掻いた 。 ―――まるで泳ぎ損ねた亀みたいな、動作だ。
僕はぎゅうと指先をまた握った。兄さん、と呼ばれた鸚哥の姿を視界に認めながら、咥内でそれを反芻する。 土穴を作った彼の足が、思い浮かぶ。 ]
(18) 2015/07/10(Fri) 12時半頃
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僕は。―――……
[ ああ、僕はさっき、彼の名前を呼んでしまったのだっけな。 それじゃあ、怪しまれちゃうか。また怒られそうだなあ。上司はねちっこくて、嫌だなあ。 僕は頬を掻いた。 困ってはないけど、そう。 どう反応したら良いか、少し首を傾げて考える。
思考の背景で、ざわりと森が揺れた気がした。 深い木々、風に揺られる葉。 森に隠れる湖さえ、水面に波紋を作る。 戸惑いがちに、奏でられた「おと」は、僕の何を知りたいのだろう? 僕は、故郷に―――
――ああ、いけない。僕はね。 そうだ。 」
(19) 2015/07/10(Fri) 12時半頃
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――――「いっしょ」…だよ。 …そう、君と、ね。
[ ぺたり。 裸足は土に汚れながら、後退った彼に一歩近付いた。 ぺたり。 伸ばした手は、今度は届いただろうか? 湿り気の残る肌が、彼の手に触れる。 ]
―――いっしょ。住まうのも、 姿も。
でも、僕は。 「 君を知って居た。」
何故だろう? ……鳥籠の鍵を、君は欲しいと思うかい。―――僕から奪って。
[ 何色でもない僕の瞳が、彼を捉えた。彼の色鮮やかな肌がかちりかちりと視界で煌めいた気がした。
獣であり、管理人である。なんて、可笑しな話。 そう。夢物語と、僕の存在をマボロシとさえ思ってくれて、構わないんだ。
…それでも僕は何故だか言い過ぎて、口を滑らしたような感じがして、口を閉じてからまた、開いた。 ]
(20) 2015/07/10(Fri) 12時半頃
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なんてね。
[ ――冗談めいて、また茶目っ気に笑って見せれば、彼はどう反応しただろうか。 少しだけ、彼の視る物、視えた物の存在を、気に掛けつつ。 その綺麗な肌が、以前はどこに「在った」のか。 …気になりつつ。
彼を拾ったのは誰だっけなあ。 僕は小首を傾げて、今度は自分から距離を置いた。]**
(21) 2015/07/10(Fri) 12時半頃
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― ジリヤと別れた後:1棟2棟間廊下 ―
[ 薄暗い廊下に、かちゃりかちゃりと長い爪の音が響く。 光差す庭から一転 体を包むようなしっとりとした空気は 木々の中で出会った人物の触れた手指を思い出させて 僕のちいさな鳥の心臓が きゅう、としぼんだ。 猫と梟に詫びてきた兄を肩に迎えてひとつ撫で さてどうしようかとひとりごちる。 昨日も今日も変わらない、死んでいないだけの日々を。
コツ、と向かいから聞こえた靴音>>13は 硬質に響く音に反して 脚の主はほうやりとしている。
( あんまり、あっちに行かせたくないなぁ )
傷だらけのジリヤはきっと、 あの姿を管理者達に見せたくないだろうと思ったから。]
(22) 2015/07/10(Fri) 13時頃
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[ 僕がそう思った矢先、兄はばさりと羽ばたいて 夜色を纏った肩へと。]
『 センセ! フィル! グアイワルイ!』
[ ( 仮病はだめって、アマルに言われたのに ) 僕はくすっとひとつ笑ったあとに 兄の演目に付き合うように、 ひどくわざとらしくお腹を抱えてみせる。 よろ、よろと近づいてみせ、 ふ と目が留まるのは
光りあふれる庭では気づかなかった、彼の首元の光。
鳥は ぴかぴかするものが好きなのだと言ったのは どこの誰だったか。 思考も趣向も、鳥のそれではなかったはずなのだけれど 僕の瑠璃色の視線は無遠慮に、彼の首へと注がれた。**]
(23) 2015/07/10(Fri) 13時頃
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医者に頼りたくないんじゃない キミに頼りたくないんだぞ…と
[口癖を真似された事は特に何も思わず、ただ率直な感想を述べて 理由なんて、本当単純でただ嫉妬している相手だからなのだが。そんな事は口が裂けても言えるわけがない]
怪我の痛みより消毒の方が痛いってハナシ… 泣きたくて泣いてるわけじゃないぞ…と
[ぐすっ、と鼻を鳴らしてから白衣の袖で涙を拭けば彼女からは“医者”として真っ当な、正しい答えが返ってきてそれが眩しく思えてしまう 全員救いたいなんて、自分は思った事があっただろうか]
それは……
[言いかけて、止めて。たった1人失っただけで全てを投げ出した自分と、多少の犠牲だと割り切る彼女と やはりそんな彼女が羨ましく、妬ましく、嫌いだ]
(24) 2015/07/10(Fri) 13時頃
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……立派だ
[誤魔化すように言葉を繋げてからジリヤについて言われれば、ふと笑いが溢れてしまう また無茶をしたのか、と。よりにもよって目の前の女医となれば、こちらの被害は少なくとも向こうはどうなったか、想像もつかない]
それは大変だ。向かうとしよう 怪我をしてもお世話になるのはごめんだぞ…と
[彼女の傷の手当てを断られなければしようとするが、自分が何かするよりは放っておいた方が良いのだろうか 少し様子を見て庭園へ急かされるようなら生返事でもして向かおうか**]
(25) 2015/07/10(Fri) 13時頃
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庭師 ノアは、メモを貼った。
2015/07/10(Fri) 13時頃
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“直”そうとしてる、だぁ? [その言葉は>>10 否定せずにはいられない。あれが、直す?]
…違うね、アレは排除しようとしてンだ。 どうしてニンゲンに“直”る必要がある。クラリッサ、おめーの手はその手でも扱える道具がありゃすむ事じゃねえか。アタシの髪だって、楽に切れるハサミさえあればいい。後は、猿どもが威張り散らしたりしなけりゃ、何の問題もねぇ。そういった道具を作る方が、何倍も簡単で、アタシらみたいな犠牲者だっていらねーンだ。 なのに、こっちを選ぶのはよ、アタシ達が異質で、おぞましくて、気持ち悪いと見下してるからだろ。 アタシは胸糞悪いニンゲンをたっぷり見てる。だから、この髪がいくら身体を傷つけようと下品な猿の仲間入りはゴメンだね
[生まれた時からケモノだった。だから、アイデンティティーは完璧にケモノの側にあった。ニンゲンはほとんどが胸糞悪かった。父親には日常的に打たれた。母親は…知らない。生まれてきた時に、殺してしまったから。この、針のような髪で。]
(26) 2015/07/10(Fri) 13時半頃
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心まで渡しちまうのが、もっと悪い事だよ。死ぬと心渡すのだったらアタシは前者を選ぶね。
[クラリッサのように従順でいる事は、考えられなかった。自由を全て奪われたら、それは何よりも屈辱的な死に他ならないと、考えるくらいには。それに…外にいる時は反抗は守る術だった。…自分と、他人を。今更、止めれるわけがない]
そーそー。知ってるだろうけど、アタシ借りた服は返せねーよ。着た瞬間どっかに穴開くかンな。だから頂くしかねーの。
[マユミ>>15の言葉に同意して、大浴場に向かう。久しぶりにあの鉄臭いシャワーを浴びなくてすむかと思うと、少し嬉しかった]
(27) 2015/07/10(Fri) 13時半頃
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――第1棟広間――
[ 大理石に伸びた血へ、マスク越しに視線を落とす。いくどか子供じみた八つ当たりに形を崩したひとの血は、少量であれやはり微かに、におった。分厚い合成繊維の中、ひととも獣ともよらない中等半端な身を1つ震わせる。
さかなはうみでおよぐもの。
とりがやまへとぶように。 ここへ訪れるさなか、見かけた茶色の羽を過らせる。冷たい床を舐めそうなほどに大きなそれは、人工光の落ちる中におよそ不釣り合いにも、映っていた。“愚か”と、すれ違う間際>>0:114、庭園へと落ちた言葉の奥は、表情の浮かばない目に読むことはできなかったけれど。
……そういえば、うたう彼の背には、にたそれはなかった、と。度々届く歌声の主を思い浮かべつつ。
外界からシャットアウトしてくれるハズの、役にも立たない硬い面体を撫でる。今日も吸収弁は“正常”に動作してるんだろう。ここにも、朝と夜が毎日決まって訪れるのと同じに。 ――たとえ、と。その先はあまいにおいののぼるままに、思考すら掻き消える。]
(28) 2015/07/10(Fri) 13時半頃
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……あ、
[ 決まりきった動作で、替えの吸収缶をマスクにすげ付けながら。羽織ったパーカーの奥を探っては声を落とす。
濾過の有効時間を過ぎた缶が手袋越しに触れるのみであれば、面体の中で舌を打つ。役には立たないとは思ったものの、外気に晒されるままより気休め程度にはなる。また、“ほかのにおい”になるべく触れない方が、ココではこまったことにはならない。
――これじゃあやはり余計に、ひとなんかといられない。
替えの吸収缶はいつもと同じに支給されるのだろうが。今日に貰いに行った方がいいのかもしれない、と鬱とした気持ちを携えては。
硝子戸の前に見かけた、にた形の“口”を持つ姿>>0:160を記憶の端に浮かばせる。 ……彼がもし“同じ”なら、管理者には内密に貸してくれることなんてないだろうか、と。
――背を向ける直前、庭園へのばされた手の先を思いながら。 同じよう触れたなら、このあまったるいにおいも一瞬は忘れられるのかもしれない。たとえにおわない、つくりものの花でも。*]
(29) 2015/07/10(Fri) 14時頃
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庭師 ノアは、メモを貼った。
2015/07/10(Fri) 14時頃
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――第1棟・広間→――
[ さかなはうみでおよぐもの。 鳥がうたってやまへとぶのと同じに。 ……ならひとは、と。思考は吸収缶をすり抜け、あまいにおいが鼻腔を通るうち失せていく。
――そうして訪れる人影>>16に、祈りを映すことすらない面体の奥をひくり、とさせた。長髪を下ろす彼の名は知っている。自ら、いくどか傷つけたことすらあったかもしれない。
外皮の鱗は下――足先から上へと、なで上げられれば柔い皮膚には血がにじむ。 においに錯乱すれば同胞にすら、とかちりと歯を立てては、くつわじみた面体に触れかかりつつ。
衣服に覆われてはいるものの。仮にも管理者なら理解してない訳もないだろう、と1つ、寄せられる歩に後退る。]
……ヴェスパタイン、先生。
[ いのりも“みちびき”もままならないだろう地下で。におわない花を見る様に、胸元の十字架を眺めながら。 名を呼びつつ、足下の血をグリ、と一層隠しにじる。 ――何か用か、と短く投げては、いくつか交わす話もあったろうか。やがてプールへと足を進めれば、スータンの裾を見つめ。
“そのカッコじゃ、先生はおよげないだろうけど”と、小さく揶揄いを投げることすら。]
(30) 2015/07/10(Fri) 14時頃
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そうね。
[大浴場へと向かいながら、私は先ほどのジリヤの言葉>>26を反芻する]
なおす、という発想が出るということは、人間の状態が正常で、私たちの状態は異常だと言いたいんだわ。
[そして異常という烙印を押された私はこの“プリムラ”という名の鳥籠に閉じ込められている。 この鳥籠は、私が飛ぶにはあまりにも狭い]
(31) 2015/07/10(Fri) 14時頃
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[トラブルはできるだけ避けたい。大浴場へ向かいながら、私は女医に会わずに済むことを願っていた。 あの女医以外の人間なら、なんとかなると踏んでいる。まさか女性の入浴についてこようとするほどデリカシーのない人間はいないだろう。 獣である私たちを、人とみなしていないのならば、そんな発想が出てくる可能性はゼロではないけれど]
あなたの髪、もう少しどうにかならないかしらね。 筒状の頑丈なケースに収めておく、とか。
[ジリヤの髪を見やりながら、そんなことを呟いてみる。 髪は彼女の個性だけれど、個性で自分自身を傷つけてしまうというのも困りものだ。 私は仰向けで寝られない、とか背もたれのある椅子は横向きにしないと座れない、程度の不便しか感じていないけれど、獣たちは多かれ少なかれそれぞれ不便を抱えている。 人間になりたいとは思わないけれど、もう少し生きやすくなればいいのにとは思う]
(32) 2015/07/10(Fri) 14時半頃
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[──茫洋とした記憶の海に溺れていると 視界に映るものさえも曖昧になる。
少し離れた場所、暗い廊下の先に 灯火燈るように碧と、赤が映れど それがすぐに何であるかを認識できず]
『センセ! フィル! グアイワルイ!』
[頭上から降りたる声に、びくっ、と 震え、二三度瞬きをした。 きこえた羽根の音に咄嗟に腕を差し伸べる。
その方が「兄」ものりやすかろうと 咄嗟に判断しての行動だった。]
ええっ、と……フィリップ君が? ──、大丈夫か、
(33) 2015/07/10(Fri) 14時半頃
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[よろりと腹をかかえる相手を見れば真面目な顔で ひたひたと距離を詰める。 その肩に触れようと手を伸ばした。]
腹が痛むのか。悪いものでも食べたか…──歩けるか
[普段の彼ならば、フィリップのようすに 違和感の一つでも覚えようが、 追憶から覚醒したての脳は目の前の獣人の 黒い脚を見ては過去と重ね合わせ 焦燥は冷静な判断を失わせる。
フィリップの意図には気づけない。 それだから、第二棟に向かう廊下とは 反対側の、医務室の方まで彼を誘うだろう。 自室がいいといわれたなら ひとまずそちらを目指しただろうが。
その視線が注がれる先に気づいたなら、 小さな声で、友の形見だ、とだけ答えた**]
(34) 2015/07/10(Fri) 14時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2015/07/10(Fri) 14時半頃
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あー、そういうのあったらいくらかマシになるな…作ろうにも材料がねぇけどよ。
[自分の個性、自分の誇りとはいえ、さすがに、自分を傷つけるという性質まで、その誇りの範疇に入れているわけではない。こうやってゴムでまとめたり、布が割りかし丈夫な服を着ていたりしたが、それでも、鋭利な棘の鋭さを完全に削ぐことはできなかった。]
…ン、ついたか。風呂。 [久しぶりに来た大浴場。とりあえず、着替えを確保するか、とロッカーに近づき、その髪の毛の一本を鍵穴に差し込み、ガチャガチャとやりだした。昔取った杵柄だ]
(35) 2015/07/10(Fri) 15時頃
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ああ、問題は材料ね……。
[ジリヤの言葉>>35に、私は思案する。飛ぶには狭い鳥籠とはいえ、そこそこの広さはある。管理されていない図書室があるくらいには。 だから、探せば材料になりそうなものは調達できそうな気がした。いや、それ以前に、人間に頼めばそれくらいは用意してくれそうなものだけど。 だって、ジリヤの髪で痛い思いをしているのは、なにも本人だけじゃない。ジリヤの憎しみの対象となっている人間たちも、何度も痛い思いをしているはずだから。 けれどきっと、ジリヤの方から人間に頼み事をするなんてことはないのだろう。 ああ、本当にジリヤの言うとおり>>26だ。 道具を与えることの方がずっとたやすいはずなのに。それはせずに、頼んでもいない人間に“なおす”方法を探し続けているなんて]
……手馴れているのね。
[衣服だってそうだ。必要なのに与えないのが悪い。たとえ、ジリヤが私と比べて衣服を駄目にする速度が格段に速かったとしても。 だから私はジリヤを止めない。ロッカーをこじ開ける様子にそんな感想を漏らすだけだ]
(36) 2015/07/10(Fri) 15時半頃
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……私を頼りたくない? ますます、失礼じゃない。
[あんまりな返答>>24に、くすくすと笑った。 今は自分が“医者”で、ノアが“患者”だ。 若干の優位性を感じながら、口元を弛めた]
立派、かしら。本当に。
[しかし、その表情もすぐに曇ってしまう。 本心で言っているのだろうか。この男は。 じい、とその瞳を見つめてみるが。 のらりくらりとしたこの同僚の、真意は果たして読み取れない]
(37) 2015/07/10(Fri) 15時半頃
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あら、私の手当てを手伝ってくれるの。 意外と優しいのね。 [なんて、ひょいと肩を竦めてみせるだろうか。 治療を手伝ってくれると言うのならば、それに従う。 そこまで彼女も天邪鬼ではない。 消毒をすませると、素直にノアに包帯を巻いてもらった]
さてと。終わりね。
[オキシドールやピンセットを棚に片付けてから、少し悩んで。 鸚哥からプレゼントされた頭の花>>0:52を、そっと花瓶に挿した。 造花は萎れることがない。 この花瓶もずいぶん賑やかになってきたな、と思いながら]
それじゃ、庭園に行きましょうか。
[ノアを促すだろう**]
(38) 2015/07/10(Fri) 15時半頃
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こっち探したらあるかもしンねーけど、自由に歩けるわけじゃねーからな。…っと、開いた。
[簡易的な機構のロッカーの鍵は容易に開いて。備品が出てくる。そこから丈夫な作業着と、その上に羽織るために、半分挑発用の白衣を取り出す。ロッカーの鍵は開けたままにしておく。他のケモノが追加で盗んだりして騒ぎを起こせば、さらに猿共をイラつかせることが出来るだろう、と考えて]
これで着替えは大丈夫だな。 …ここくる前はコレとスリで食ってたからな。
[手慣れてる>>36と言われればなんともないようにそう返す。街で悪さをしてた頃は、髪は不便さと同じくらいには役に立った。髪で親に捨てられたが、髪で親無しで生きてこられた]
(39) 2015/07/10(Fri) 16時頃
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― 記憶の断片 ―
……兄さん。苦しいよ。
[視界が歪む。毛むくじゃらの手が、首を締め付ける。 私が苦しいのに。兄の方がもっと苦しそうな顔をしていて。 どうしてお前だけ。俺もヒトだったら。戻りたい。ずるい]
いや、だ。
[激しい嫉妬の炎が、彼の瞳の中に見え隠れしていた。 視界がぼうっと霞んでいく中、最後に口から零れたのは]
見た目だけじゃなくて。 心までバケモノになっちゃったの。
[その瞬間の、兄の絶望した瞳を。 私は一生忘れない**]
(40) 2015/07/10(Fri) 16時頃
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そりゃごもっともだぞ…と
[ますます失礼だ、と言われれば反論する事も出来ず。治療される自分が情けなくも感じてしまう 口元を緩められればこちらはむしろため息が出てしまう]
僕も、同じ研究をしててね。それは私利私欲のためってハナシ …今じゃその理由が無くなったんだけどさ
[助けたい相手が助けられなかった。否、助けようとしたら、取り返しの付かない事をしてしまったという方が正しいか 彼女が立派かどうか、自分でも本心から出た言葉かはわからないまま。誤魔化すように彼女の腕の方へ手をやって]
(41) 2015/07/10(Fri) 16時頃
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沁みない?…大した傷じゃ無さそうだぞ…と これならきっと痕も残らないってハナシ
[頭の花を花瓶に刺す彼女に対して「似合ってたのに」なんて冗談を言って 治療が終われば促されるままに医療室を出るだろう]
って言っても、庭園に居るかはわからないぞ…と 誰か居たら話を聞いてみれば良いか
[流石に死人が出たりはしないだろうが、怪我人が出た時点でタダ事では無いのかもしれない もしそれで、逃がした相手が本当に殺処分なんて考えると恐ろしい]
(42) 2015/07/10(Fri) 16時頃
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…早めに見付けなきゃ駄目っぽいぞ、と
[ボソリ呟いたそれは彼女に聞こえるかもわからない その足は確実に庭園の方へと向かっただろう**]
(43) 2015/07/10(Fri) 16時頃
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もう少しおとなしくしていれば、もう少し自由に歩けるでしょうけれど、ね。 あなたの優先順位に口は出さないわ。
[ロッカーを開けることに成功したジリヤがしっかり白衣も拝借する>>39のに肩をすくめた。何が起こっても私は知らない。ジリヤを止めない代わりに加担もしない。開けられたままのロッカーにも手をつけない。クラリッサはたしなめたかもしれないけれど。 私には定期的に衣服が支給されていた。それがどこから来るのかは知らない。もしかしたら、懐中時計と関係があるのかもしれないけれど、そんなことはわからない]
……それでも、戻りたいのね。
[鍵をこじ開ける技術と、スリ。私は外の世界を知らないけれど、ジリヤが苦労したことはなんとなくわかる。 大変だっただろうに、それでも戻りたいと願うその姿は、見たことのない外の世界への期待を私に抱かせた]
(44) 2015/07/10(Fri) 16時頃
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―第一棟・大浴場―
[脱衣所で私は衣服を脱ぎ捨てる。 現れるのは日に焼けることを知らない、やせ細った真っ白な体。大きな翼のせいで、びっくりするほど小さく見える。我ながら、あまりバランスは良くない。 ぴたぴたと足音をさせて足を踏み入れ、ざっとシャワーを浴びた後、浴槽に体を沈めた。 翼は浴槽から出している。私の羽は、水を弾くのだ。 顎の下まで浸かって、私は不健康な私の体を眺める]
ジリヤは……髪洗うの、大変そうね?
[自分の体から目をそらして、なんとなく目をやったのはジリヤの方。 どうしているのだろう、と首を傾げた**]
(45) 2015/07/10(Fri) 16時頃
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今のままでも別に困るわけじゃねーしな。媚びへつらうよりはマシだよ。
[その提案は、当然だが受け入れず。大浴場の脱衣カゴにその作業着と白衣を放り込んで、今着ているボロ布を脱ぐ。身体は背中や胸元にいくつもの傷、そして傷跡がある。ほとんどが髪でついたものだ]
ここよりゃ、大分マシだよ。そりゃ苦労はするし食えない日もあっけど、全部自由だ。飢え死にする自由も含めて、だけどよ。
[辛くないといえば嘘だが、こんな陰鬱とした場所よりはずっとマシだった。明るい家庭、なんてものに一度も憧れた事がないくらいには、幸せだった。…いや、憧れた事は、なかったっけ?まあいい。大浴場に入ってまずシャワーを浴びる。錆び臭くないのは久しぶりだ。傷口に少し沁みるが、問題ない程度だ。]
(46) 2015/07/10(Fri) 16時半頃
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あー、髪な。普通に洗うと、指が血まみれになっからな…こうしてる [先ほどロッカーから盗んだタオルに、これまた盗んだ石けんを包んで泡立てる。それで髪を拭っていく。太く硬い分、髪の毛の総量はそこまで多くなく、こうやって洗っても十分なのだ]
ま、あっちで使ってるやつはもうボロ布だけどよ。 …それより、お前こそ羽洗えるのかよ
[背中は本来手が届きにくい。そこに大きな翼だ。楽に洗えるとは思えない]
(47) 2015/07/10(Fri) 16時半頃
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[二人の女医に対する言葉には、何も言い返さない。....きっと、これが普通の反応で。何にも執着しない、私の感覚が異常なんだ。
大浴場に辿り着けば、ジリヤは先に言ってあった通りロッカーの鍵を開け、備品を盗んだ。自分の服可愛さにそれを止められなかった私は、せめてもの抵抗として無言でそのロッカーを閉めて]
ここまで来れば、もう大丈夫かな。マユミ、後はよろしく。
[そう声を掛けると、浴場に入る二人に背を向けて歩きだす。どうにもシャワーという行為が苦手なのは、やはり私が"猫"だからだろうか]
この手じゃ、居ても邪魔なだけだしね。
"猫の手も借りたい"ようになったら、また呼んで。
[さて、いい加減本を返して....あと、薬も貰わないと]**
(48) 2015/07/10(Fri) 17時頃
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ーちょっと前、脱衣所ー
ン、ありがとよ、クラリッサ。起こされなかったら連れてかれてたわ
[さっていくクラリッサに手をヒラヒラと振る]
アタシは結構好きだけどな、その手。きもちいい
[猫の手でも、と言うのに、思ったことを短絡的に言う]
(49) 2015/07/10(Fri) 17時半頃
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……私利私欲? あまりあなたらしくない台詞。
[どちらかというと、この同僚を偽善的な人間と捉えていた。 仕事に中途半端な情を持ち込む男だ、と。 だからこそ、彼の言葉>>41には多少首をひねって。 しかし、深く追及することはしないだろう]
意外とフェミニストなのね。
[傷痕が残るか気にするその姿に、くすりと笑って。 医者としては、自分の傷を心配してほしいのだけれど]
(50) 2015/07/10(Fri) 18時頃
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誰にでもそういうことを言うの、あなたは。
[似合ってる、とノア言われれば>>42。 口を尖らせつつも、少し頬を赤くするだろうか。 ずっと仕事一筋だった。やはりこういう言葉は慣れない]
……あら、たまには意見が合うのね。珍しい。 急ぎましょう。
[この同僚と、仕事の方針が一致するのは稀だった。 そのまま医療室を出る。 庭園に来るまでの間に誰か出会ったならば。 足を止めて話をするだろう**]
(51) 2015/07/10(Fri) 18時頃
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[ 僕に断りもなく、小さな企みを背中に乗せて飛んだ赤鳥は 差し出された腕>>33に素直に乗って くるる、くるる、 思惑通り! フィルに歩み寄る”センセ”に、ご機嫌に喉を鳴らす。
いつもの聡明な彼ならば、瞬時に見抜いて 一笑に付してくれそうな演目なのだけれど 思惑に反して 慮るように肩に添えられた手に 僕はゆるりと頭をあげる。
珍しく焦りを浮かべた夜色の瞳>>34に 少しの申し訳無さと、微かな違和を覚えながら ふる、と大きく首を振り、縋るように彼の袖を握った。]
『 センセ! コッチ! 』
[ 赤い鸚哥が得意げに 2人を先導するかのように 飛んでは 降り 飛んでは 降りる。 女医とノアが居るであろう医務室を避けて、 僕と兄の 思い出のモノなど何もない白い部屋へ――。]
(52) 2015/07/10(Fri) 18時半頃
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[ 下腹に片手を押し当てて 痛いふりをしながら歩く折 低くした姿勢の先に、光る石。 じぃと見つめた僕の瞳に答えるように、 彼の口から出た「過去」は 少なくとも 僕にはひどく羨ましいものだった。 僕には、唄しかないから。
彼に支えられながら着いた自室は、真っ白な壁と 朝起きたままのヨレたベッドがひとつあるだけ。
”大丈夫”と”ありがとう”を詰めた掌で 彼の胸元を2度叩き 自分を支える力が弱まったなら 冷たいベッドへ腰をおろした。]
……友の形見、 …たいせつなひと、いまは?
[ 顎を上げ 薄暗い部屋で濃紺に染まった目で問いかける。 (死んでしまった?)とは 言えずに はて。 僕のたいせつなひと は 。]
(53) 2015/07/10(Fri) 18時半頃
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『 コイビト? コイビト? 』
[ 相変わらずの ”兄さん” は 僕の言葉を追うようにしゃべりだす。 空気を読んだ上で無視をするから 本当にタチが悪い。
ぼくのほんとうのにいさんだったら……
にいさんだったら、 何て言っただろうか。 **]
(54) 2015/07/10(Fri) 18時半頃
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―― 第一棟・広間 ――
―――後退るなんて、寂しいですね。
[ 男は喉を鳴らした。全く、寂しいなど思ってはいない。 ただ揶揄うように笑っては、その姿>>30をじとりと見据えた。
面体の奥、彼がどのような表情をしているかなど、面白可笑しく勝手に想像を膨らませながら。 ―――ああ、気まずいような、嫌な、顔でもしていたら面白いのに。 男は彼が後退るのにも気に掛けずに、大きく歩を進めてその目前へと歩んだ。 …もしかしたら、また彼に距離を広げられたかもしれないが。
管理人になった後、彼に傷付けられた事は幾許か。 衣服の下、鋭利な肌に。香りに錯乱した彼の手に掛かっては、また錯乱させる香を零したことさえ、…あったような気がする。
――何処まで擦れたら、自分は召すことが出来るのか。
凶暴とケチ付けられる種族を得た彼の、…鮫肌に思いを馳せては、男はその面体の奥を覗き込むように背を屈めた。 ]
(55) 2015/07/10(Fri) 19時頃
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「先生」とは。…また違うような気もしますが。
――これから何方へ行かれるのですか、モスキート君。
[ 慣れない敬称には、揺れる髪と共に首を傾げて見せ。困ったように笑みを――と雖も、所詮薄ら笑いにしか見えないのだろうが――浮かべる。 視線の詳しい行き先など知らずに、ただ漠然と胸元に顔を向けられているのが解れば、「気になりますか」と十字架模様を引っ張り声を投げ。
……その足元がまだ動きを見せれば、目を細めてそこを見遣ったことだろう。 まるでその仕草を咎めるように 。]
……泳ぐ必要が無いのです、 ――私は歩けますから。
[ 投げられた声には、 ドヤ顔じみて返してみせたことだろう 。]
(56) 2015/07/10(Fri) 19時頃
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― 第一棟 医療室 → 第二棟 庭園 ―
……ノア。 今回のことで。あまりあなたを責める気はないけれど。
[庭園へ向かう道すがら、そう声をかけるだろうか。 自分には自分の信じる考えがあるように、 彼にも彼なりの考えがあって行動しているのは分かる]
いまいち、私はあなたが良く分からないわ。
[悔しいけれど、この同僚の才能は認めていた。 同じ方向性で、研究に打ち込めば。あるいは。 そんな感情が思わず口をついて出た。 ヒトにも動物にもなれない中途半端な存在である“彼ら”。 そんな“彼ら”が幸せなはずがないと、彼女は信じていた]
(57) 2015/07/10(Fri) 19時半頃
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[彼女はこの同僚の行動ひとつひとつが、理解できない。 中途半端な同情は偽善だと断じる彼女は、 やはり自身が偽善的であるという矛盾に気付けない]
―――どうして。あなたはここにいるの?
[率直な、疑問だった。以前からその思いを抱いていた。 もしもノアの表情が曇ったのならば。「ごめんなさい、無遠慮だったわ」と話を打ち切って、曖昧な笑みでも浮かべようか。 ノアが何らかの言葉を紡いだなら、黙ってそれを聞いただろう。 そうこうしているうちに、庭園が見えてくるだろうか**]
(58) 2015/07/10(Fri) 19時半頃
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[クラリッサによろしくされてしまった>>48けれど、さて、私は何をしたらいいのだろう。 己のことを「邪魔」と言うのには「そんなことはないわ」と言ったけれど、別に引き止めることもしなかった]
自由って、そんなにいいものなのね。
[浴槽に浸かりながら、脱衣所での会話>>46を思い出して、呟く。 私はここしか知らない。ここに来る前のことを覚えていない。だから、自由がどんなものかを知らない。 なぜか懐中時計は“大切なもの”という気がするから、大切なものを持っていた私は、それなりに幸せだったんじゃないかと思うのだけれど、想像の範疇を出ないのだ]
なるほどね。 背中の傷は大丈夫?
[器用に髪を洗う様子>>47に、相槌を打つ。よろしくされてしまったけれど、やっぱり私の出る幕はなさそう。 ジリヤの髪は不便なこともあるけれど、そこは伊達に18年も付き合っていない。洗い方も利用法もばっちりなのだろう。……怪我をしない対処法はまだのようだけれど]
(59) 2015/07/10(Fri) 19時半頃
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私?
[質問を返される>>47と瞬いた。後ろを向いて、少しばさばさと翼を動かしてみる。私の首は、人間より少しばかり良く回るのだ。 鳥籠の中では役に立たない私の翼]
だって、梟はわざわざ入浴したりしないでしょう?
[せいぜい水浴びするくらいだと思う]
だから、翼はそんなに念入りに洗ったりしてないの。
[熱いシャワーをかけて、乾かした後、少し念入りに整えるだけ。洗うことよりも、洗ってからの方を気にしている。多分こういうのを羽繕いというのだろう。生憎私には、脂肪を塗る嘴はないけれど]
(60) 2015/07/10(Fri) 19時半頃
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[浴槽で茹るのに飽きて、上がった後、髪と体を洗った。 その後翼に熱いシャワーをかける。やっぱり私の翼は水をよく弾いた。脂肪を塗ったりしていないのにお利口な私の翼。 ばさばさと羽ばたけば、水滴を振り落としてしまう]
背中を洗うくらい手伝いましょうか。
[傷のあるジリヤの背中。クラリッサによろしくお願いされたことを思い出せば、珍しくそんなことを申し出てみたけれど、ジリヤはどうしただろう。 どちらにしても、入浴を済ませば、ふわ、と私の口からはあくびが漏れた。 懐中時計を見れば、こんな時間まで起きていたのは初めてかもしれない、という時刻]
私、部屋に戻るわね。
[手を上げる代わりに、ぱたりと一度羽ばたいてみせたのは、単なる気まぐれ。 そして、私は大浴場を後にした]
(61) 2015/07/10(Fri) 20時頃
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マユミは、ジリヤの白衣姿が女医に見つかったら、またひと悶着あるんでしょうね…と考えながら、廊下をゆっくりと歩いていく。
2015/07/10(Fri) 20時頃
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ああ、どこにだって行けるし、何だって出来るかは別にして試せる。世界の果てをいくら目指しても、終わりが見えねえ。必ずどっかに知らない事がある。自由ってだけで、人生退屈しねぇし、どんな驚きもも、自分が選び取ったモンだから生きてるって実感につながる。
[自由は、ハリネズミにとって何よりも大事だ。だって、それより大事なものは手に入らないのだから]
傷は…まぁ、大丈夫だ。こンくらい。
[沁みるが、これくらいは慣れてるし、他に対処法があるわけでもなし。実際、問題は何もない]
ああ、そうか、そりゃそうだな… あー、この髪も洗わなくて済むなら楽なのによ。 [鳥は羽を洗わない>>60と言われれば確かにそうだ。髪の毛はハリネズミのように鋭いが、人の髪のようにほおっておくと脂でベタつく。嫌なところが混ざってしまった、とは思う。]
(62) 2015/07/10(Fri) 20時頃
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ン、…ああ、頼む。流石に、背中の傷に石鹸が沁みるのは、嫌だ。
[出来る、と言いかけたが、背中に傷があるのを思い出す。 傷を確認しながら洗うのは、少しもどかしい。洗ってもらうと自分も上がって。]
すまねーな。こんな時間まで付き合わせて。
[相手が夜行性だと考えれば、こんな時間まで付き合わせてしまった事は申し訳ない。感謝と謝罪を不器用にぶつけて見送った]
(63) 2015/07/10(Fri) 20時半頃
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―第一棟・廊下―
[ジリヤからの謝罪>>63には、「私が勝手にしたことだから」と返した。 どういう風の吹き回しかと自分でも思うけれど、気が向いた。ただそれだけだ]
世界の果てを目指しても、終わりが見えない……。
[ジリヤに聞いた自由の話>>62を思い出して、呟く。 私はこの鳥籠の中しか知らない。覚えていない。 見知らぬ自由な外の世界は、私には途方のないものに思えた。 私はこの鳥籠に、閉じ込められているけれど。 人間たちは、閉じ込められているわけじゃない。 選んで、ここにいる。その意味がわからない。 それだけでも、相容れない存在なのだと思う]
(64) 2015/07/10(Fri) 20時半頃
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[ 怯えるように引いた一歩>>0:190は まるで伸ばされた彼の手>>18を拒絶でもするようで それは、あながち間違いでもないのだけれど
”同じ”と言った ”同じ”奇異なるもの同士ならば 拒絶がどれだけ痛いものかも知っているから 握りしめられた指先は 僕の胸に微かな後悔を生む。
「ごめん」 そう言いたいのに 喉はこくりと鳴ることしかできず
僕は胸の内に ある種の恐ろしさを抱えたまま 「いっしょ」だと繰り返す手へ、蒼碧のそれを重ねた。
明るい光差す庭の中で ひやりと湿度を保つ手は ”ヒト”のそれとも確かに遠くて もしかしたら 僕の名は誰かから聞いたのだろうか、と 彼の手へ視線を落としながら 思案していた。]
(65) 2015/07/10(Fri) 20時半頃
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[ ―――それだから、ひどくびっくりしたんだ。 ]
[ 謎解きのように「名を知る理由」を僕に問う姿に 夢の狭間へ誘うような「鍵」をちらつかせる言葉に
( それじゃあ まるで… きみは )
僕等は ヒトではないから”管理”されている のだと 半ばあきらめていた何かを根底から覆すような ひとつの仮定が 太陽の無い空から降る。
既に乾ききった唇は震えて 浅い息が ひぅ、と空気を切った。
僕の目は、玉蟲のように定まらぬ瞳>>20に縛られ 含みを持って閉じられた口元が また 笑った気がして
重ねたままの蒼い手が 彼から跳ねるように逃げた。]
(66) 2015/07/10(Fri) 20時半頃
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[ 逃げ出した手を胸元に抱える。 抱えていないと 朧の中に見えた人影も 赤い鸚哥も どちらも見えなくなってしまいそうだ。
「何」と問うた僕に 彼は十分すぎる答えを残し、
最後に 「 なんてね 」 と>>21 全てを反故にするようで 全てがほんとうだと言うような こどものような笑みに 僕は ]
……………っ、
[ 素直に こわい と思う。
彼が取った距離を広げるように 2歩 3歩 大きな爪が後退りながら 地面をえぐる。
ひら、と両手を翻し 彼に背を向けて。 背後から引き留められる事がなければ、 走る事に向いていない脚で 逃げ出すことだろう。*]
(67) 2015/07/10(Fri) 20時半頃
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[ ( こわい こわい こわい ) ( いかなくちゃ 兄さんのところに )
( 今すぐ走って 馬車を追いかけなくちゃ ) ( どうして僕には 兄さんには )
( 追う為の 逃げ出す為の、翼が無いのだろう )
僕と同じ姿の兄だけが人間に連れ去られた日 僕だけが 雨が打つ地面に捨て置かれた日
記憶に蓋をした程の ふたつの恐怖に比べたら
彼の笑顔は まだまだかわいいもの、だけど 。**]
(68) 2015/07/10(Fri) 20時半頃
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[作業着を着て、上に白衣を羽織る。半分は挑発だが、もう半分はとげの先がよく当たる肩や背中を守るためだ。]
さってと。じゃ、イカレ女医をぶん殴りに行くか。おとなしく戻ってやるつもりなンてねーからな。
[鎮痛剤はもう抜けきっていた。体はもう思い通りに動くはずだ。…が、肝心の女医の行く先に見当がつかない。適当に廊下あたりをぶらつく事にした]
(69) 2015/07/10(Fri) 21時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2015/07/10(Fri) 21時頃
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僕らしくない…かな それは僕に言われても、なんとも返せないってハナシ
[誰かのために尽くすような、そんな人間にでも見えていたのだろうか。自分にはさっぱりわからないけれど フェミニスト、だなんて言われれば自分が言った言葉に対してふと笑ってしまう]
誰にでもは言わないぞ…と デリカシーの無い事は言うけど
[確か件のハリネズミの彼女に対して胸が見えるだのなんだの言ったなぁ、と思い出して 赤くなった彼女の顔は見てみぬ振りをして。意見が合うだなんて言われれば]
…ボカァ別に意見が合って嬉しいとは思わないけどね
[なんて捻くれて返すだろう**]
(70) 2015/07/10(Fri) 21時半頃
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―第一棟 医療室 → 第二棟 庭園―
責められるつもりも無いけれど
[相手の言葉に重ねるようにそう話す。勿論、彼女もそんなつもりじゃなかったのだろうけれど どうしてか売り言葉に買い言葉を返してしまう]
わかってほしいとも思ってないぞ…と
[そう、ボソリと呟いて この施設で監視者として、誰かと深い関係になったり、過去の話をする事はそう無いし、自分も話した事が無かった 故にこんな事を聞かれるのは初めてで、一瞬戸惑い、足を止めてしまう]
(71) 2015/07/10(Fri) 21時半頃
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どうして…か
[別段隠す必要も無い。けれどどこから話したら良いべきかと、少し思案して 歩きながらポツリポツリと話していく]
昔、好きな子が居てね。その子には“尾”があったんだ
[その子が獣人だと後から知った事。それでも、一緒に居たかった事 彼女はヒトになる事を望んでいて、自分はそのために勉強して、学者と呼ばれるくらいまでになって]
(72) 2015/07/10(Fri) 21時半頃
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毒の可能性があるけれど、ヒトになる可能性がある魔法の薬 少ししか作れなくて、材料が集まるかもわからない
――キミなら、どうした方が良かった?
[過去形。その意味を彼女は理解しただろうか それ以上語る事も無く、廊下に差し掛かれば見たことのある問題児>>69くらい見付ける事が出来ただろうか]
…お話は終わりみたいだぞ、と 話しかけてみるかい?
[先に気付くのは女医か、それとも獣二匹か どちらにしても自分がやる事はいつも変わらず平和的解決なのだが(尤も、そうしないと自分が責任問われるのだから)**]
(73) 2015/07/10(Fri) 21時半頃
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庭師 ノアは、メモを貼った。
2015/07/10(Fri) 21時半頃
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[ジリヤが女医に見つかってしまったら、ひと悶着あるだろう。そう思ったのに、ジリヤはむしろ積極的に女医を探しに行くつもりらしい>>69。 すっかり薬の影響も抜けきったらしい元気な様子に、そっと息を吐いた]
ジリヤは、元気ね。
[私はというと、正直もう眠くて仕方ない。夜行性なことに加えて、体力もあまりない方なのだ。 ジリヤのような速度で歩くことすら難しくて、我ながらふわふわとした足取りで。当然、先を行くジリヤとの距離もどんどん開いていく]
……う。
[かくん、と。 とうとう歩きながら、うたたねしそうになってしまう。 入浴後の就寝がぐっすり眠るのに効果的、というあの本はとても正しかったらしい。 けれど、今は困る。せめて、自室まではもってくれないと。 そう思うのに、とうとう私は立ち止まってしまった]
(74) 2015/07/10(Fri) 21時半頃
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[ 回想・秘密棟 庭 ]
……あーあ。 逃げられちゃった。
[ 僕は至極残念じみて、声をこぼした。
土が抉られ、また抉られた土が周囲へ跳ぶのを見ながら。 >>67遠ざかる背中に、―――背中に、また、ぼくはひとりになる。
寸分、重なった「獣」と「獣」のてのひら。 どれ位の間、僕以外の誰かに触れなかっただろう。 僕はまだ温もりの残るそこを、今度は柔く握りしめた。
拒絶。容認。そして、―――拒絶。
繰り返されたことだ。いつだって、その渦中に僕は居る。 ――ああ、こうだから早く、『排他』が無くなったら良いのに。 そう思っても、どうせ実験はまだまだ、まだまだ。続くんだろう。 ]
(75) 2015/07/10(Fri) 22時頃
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[ 故郷のにおい、おと。もう全てが遠い。 今はただ、何の色とも分からない、>>66僕に背中を向けてしまった彼が僅かに吐いた息が、音が、耳に残る。
鮮やかな腕を抱き込んだ姿は、まるで人形を抱き締める、人間の幼子みたいだった。 …そんなことを思いつつ。]
―――…そう。まるで、「奪われそうな何かを守る」、みたいな。
[ 僕はてのひらを開いて、やがて元の位置へ戻した。 そのまま、抉られた土穴を尻目に僕も背を向ける。 彼との距離が、遠くなる。……その距離が、そう。 外の世界まで広がらなければ、いい。それで良いんだ。僕の立場は 。
だって、さみしいのは、僕だけじゃない 。 彼の瞳が、震える唇が、ひどく心を抉る。 ]
僕はいつまで、此処に居るんだろう?
[ ほたりと長く見ない、雨が落ちた気がした。 ]*
(76) 2015/07/10(Fri) 22時頃
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…お、さっきはよくもやってくれたじゃねーかイカレ女医。探す手間が省けたぜ。
[猿共二人を見てニヤリと笑う。髪が役に立つ数少ない時だ。ここぞとばかりに髪を解く。…これで、髪は他人に刺さりやすくなる]
なンど眠らせたって同じだよ。なンどだって殴りに行ってやる。
[体は楽に動く。今使っている鎮静剤に対する抗体は出来上がりつつあるようだ。時期に、気絶すらしなくなるだろう]
(77) 2015/07/10(Fri) 22時頃
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マユミは、壁にもたれてうとうとしはじめたが、やがてずるずるとその場に座り込んでしまった。
2015/07/10(Fri) 22時頃
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[顔色はそこまで悪くない。 口よりもよく物をいう目は、今は痛みを騙らない。 それでも騙されてしまったのは、 縋るように袖を掴んだ掌の所為か。>>52
彼は『コッチ』といわれるまま、 フィリップの背を支え、部屋までつれていく。 扉を開けば、いっそ気持ちが悪いくらい真っ白な部屋に ぽつんと孤独にベッドが横たわっていた。
とんとん、と胸元を叩かれたならば、 そうっと、フィリップをベッドに座らせて]
――冷えたのだろうか、布団を、…………
[顎を上げて、こちらを見据えた瞳は 鳥の真っ黒な目に似た濃紺の色。]
(78) 2015/07/10(Fri) 22時頃
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[薄桃の唇が紡ぐ詮索の言葉に、 (痛みを訴えてはいなさそうな表情に) 彼は一瞬、口を開いて
――は、と軽く息を吐き、瞬き一つ。 (瞼の裏に黒髪揺らし彼女が笑う) フィリップの兄が沈黙に差し込んできた 茶化すような言葉を聞いて失笑した。
彼はフィリップの前に軽く膝を折ると、 微笑を浮べて濃紺を見上げる。]
いまは、遠い天の向こうに飛んでいってしまったよ。 彼女に鱗はあっても、翼はなかったはずだが。
(79) 2015/07/10(Fri) 22時頃
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[天津風は天女がゆく道を閉ざすことはなかった。 ある朝、風のように消えてしまった彼女を思い、 少し、迷って]
……彼女は活発な人でね。 君たちのような獣人、または人種、職業、 なんであっても、平等に平和に暮らすべきだと そう、しきりに言っていた。 出会ったのは丁度私が君の歳くらいの時だったな。
[恋人というにはあまりにも離れた関係だったと、 さっきの兄の質問に答えてから、
薄笑いを浮べて小首を傾げる。]
……ところで。 腹は、実はさほど痛まないのかな?
[真っ黒な瞳にフィリップの顔を映し出せば 果たして相手は、どんな表情をしていただろうか。]*
(80) 2015/07/10(Fri) 22時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2015/07/10(Fri) 22時頃
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[戸惑いの表情>>72を見せるノアに、しまったと顔を顰めた。 入ってはいけない場所に。 土足で踏み込んでしまったのかもしれない。 やがて、ぽつりぽつりと紡がれるノア言葉に。 ズキリと胸が痛むのを感じた]
……好きな子が。そう。
[どこかで聞いた話だと思った。 自分の場合、それは兄であったが。 身近な者が獣人であることの苦労は、容易に想像ができた]
(81) 2015/07/10(Fri) 22時頃
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私なら意地でもその薬を作って、試すわ。
[きっぱりと、言い切った。 目の前の男は、果たしてどちらを選んだのだろうか。 過去形で語られる重さを分からぬほど、彼女は愚かではない。 どちらにせよ、幸せな結果を生まなかったことを察した]
例えそれが、魔法の薬か毒か分からなくとも。 可能性が少しでもあるのならば。
[それでも、今の彼女はそう答えるしかない。 自分の行いを否定するわけにはいかないのだ。だから]
……お話は。終わりって。
[ノアの言葉に視線を前に向ければ、獣二人が目に入るだろうか]
(82) 2015/07/10(Fri) 22時頃
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[ 現在・第一棟廊下→ ]
[ ちかちかと電球が頼りなく光る、渡り廊下を通って、僕はひたりひたりと足音を鳴らし歩いた。 道中振り返ると、少しばかり、土の跡が付いていたけど。 …まあ、いいか。
そのまま真っ直ぐ進んで、お腹のなるのを他所に、プールの方へ。 ――ああ、でも。腹拵えするのも良い気がする。…けど、どうせ動くなら後の方が、いいかなあ。 なんて思ったりして。
………良く作り上げられているこの施設は、便利で、不便だ。
きっと何千年もこの中で生きていけるだろう。 たとえ上で戦争が起きても、ウチュウジンが侵略しに来ても。 だって 何百年、既に僕はここで過ごしたのだから。]
(83) 2015/07/10(Fri) 22時半頃
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[ BGMも何もない廊下には僕の不気味にさえ思う足音だけが響いた。ひたり、ひたり。 真夜中だれかが見たらホラーじみて、怖がられたかな 。
僕はそのまま突き当たりを右に曲がった。 ……プールの入り口に入れば、既に誰か先客が居たかもしれない。
そしてプール行く途中、長髪を揺らめかす影を見付けることさえ。もしかしたら。 ]
……かさつく、なあ。
[ ……衣服の下を指先で撫ぜると皮膚がめくれた。 はらはらと皮が落ちるのを放って、滲む赤をゴシゴシと拭い広げる。すると鈍い痛みが、内部に広がった。
…ああ、だめだ。施設には鮫が、居るんだった。 僕は慌てて( と言っても、そんなに素早く動けてないけど。)水で流して、ハンカチで縛った。――これで何とか、彼の嗅覚を誤魔化せるだろうか。
…亀のクリームとか、無いのかなって。 あまり普及されない「ぼくたち」の道具を恋しく思う。
―――そうして、それから。 何も無ければ、僕はのろのろとプールに体を浮かべてみただろう。 その差中、人影を見たなら、様子を見てその場から去ろうとすることだって 。]**
(84) 2015/07/10(Fri) 22時半頃
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チェビイは、マユミの影をどこかに見た気がした。
2015/07/10(Fri) 22時半頃
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あら、もう薬が切れちゃったの。 量が足りなかったのかしら。
[減らず口を叩くジリヤ>>77に、眉を顰めた。 思ったよりも回復が早い。薬量を誤ったか]
殴るとは穏やかじゃないわね。 いい加減、私たちに反抗するのをやめた方がいいわ。
[その口調は、あくまで冷静で。諭すように]
大人しくしていれば。 少なくとも“あそこ”に入れられることもないのよ。 どっちの方が得か。分からないあなたじゃないでしょう。
[言ってから、じろりと隣のノアを見遣った。 だいたい、荒事は苦手なのだ。 やっぱり少しは罪悪感を覚えてほしいとは思う*]
(85) 2015/07/10(Fri) 22時半頃
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おめーが穏やかじゃねーことやってるからだろ。穏やかじゃねーのはよ。 大人しくしてここにいるンじゃ、あそこにいるのと変わらねーよ。 お前さンの顔に傷でも作れたら、大人しくするより何倍も得だな。お前のやってる事振り返れよ、イカレ女医。それがわからねーおめーじゃねーだろ? わかるだろうがッ! [ザッと踏み込んで、殴りかかる。髪が大きく揺れる。洗い立てのそれは光を反射して]
(86) 2015/07/10(Fri) 22時半頃
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[大浴場を後にして、二棟の図書館へ。途中誰かとすれ違うかもしれないけれど、特に用事も無ければ会釈をするだけに留めた]
相変わらず、埃っぽいなあ。
[慣れた口つきで扉を開けると、すぐに白埃が顔を襲う。今は両手が塞がっているのだから、少しは手加減して欲しいところだけれど]
まあでも、今更向こうの図書館は使えない....かな。
[何しろ、水が苦手な私にとっては暇をつぶす手段と言えば本くらいしかないのだ。それが生まれてからずっと続いているのだから、向こうにある本は全て読んでしまった。
それに、こちらの本ならば傷を付けてしまっても――見つかりさえしなければ――何も言われない。それが気楽だった。
自分の持ち出した本を棚に戻す。ふと机に視線を向けると、明らかに埃が付いていない部分と、そこにある分厚い本]
彼女、なんであんな所にいたのかとは思っていたけれど....。そうか、図書館から帰る所だったのね。
[元来夜行性の彼女。ジリヤを任せたのは失敗だっただろうか、と考えながら、外に出る。
次は、先生を探さないと]
(87) 2015/07/10(Fri) 22時半頃
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…だろうねぇ
[嗚呼 自分は何を期待していたのだろう。叱られたかったのか、呆れられたかったのか その薬の行き先と、用途と。そして、その結果は]
……そう、だよねぇ
[納得のいかない答え。自分の中で結局答えは出ずにいつまでも十字架を背負ったまま、ただやる気も救う気も失くしてしまった ポツリ、呟いた言葉はいつまでも続くわけじゃなく。ジリヤの乱暴な言葉遣いとその奥で眠るフクロウの姿 それから隣でジロリと睨んでくる女医の姿。あー、怖い怖い]
ボカァ、知りませんよ。なんて通じませんよねぇ…
[ジリヤを見て、女医を見て。参ったように頭を掻いて その手の傷がズキリと痛んでから、どうしようかと迷っているウチに飛び出してくるジリヤの姿>>86]
(88) 2015/07/10(Fri) 22時半頃
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ちょ、まっ―― あー…もう!もう…!!!どうしてこうなるかなぁ!!
[女医はどうしただろうか。尤も、また怪我人が出るのは本望じゃないし、いくら嫌いな相手だからと言って怪我して「やったぜ!!」と喜ぶほど性悪でも無い 白衣の下から取り出したのは自衛用の拳銃で。尤も、“知能のある”獣人用で弾はゴムだから死にも怪我もしないがかなり痛い程度なはずだ]
本当俺の責任になるのは勘弁だぞ…と!! ただでさえ色んな所から言われてんのに……!!
[お化けみたいな管理人やら、目の前の女医やら、監視している亀やら 大丈夫だと判断した自分の早計さを恨むべきなのだろうか。銃口をジリヤに突きつけてから、落ち着いて、静かに会話を試みて]
(89) 2015/07/10(Fri) 22時半頃
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死にはしないけどいったーいってハナシ 落ち着いてくれりゃ撃ちゃしないぞ…と
[果たして彼女は落ち着いてくれただろうか。そうで無いとしても“コレ”を無闇矢鱈に使う気は無いが**]
(90) 2015/07/10(Fri) 22時半頃
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そんなもンで止まると思うのか?止めれると思うのか?止まれると思うのかッ!こいつが何やってるか、知らないわけじゃねぇだろッ!死ぬようなモンでも止まらねーぞッ!
[銃を見せられても>>89、その腕は止まらない。止められない。止めれない。死んでも生きることは止められない]
(91) 2015/07/10(Fri) 23時頃
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私は自分の仕事をこなしているだけよ。 それをあなたに批判される覚えはないわ。
[お前のやってる事振り返れ>>86。 ジリヤの言葉に、罪悪感と共に小さな憤慨を覚えた。 彼女には、彼女なりの正義があるのだ。 それを否定されるのは、やはり気分がよくない]
……痛いじゃない。
[咄嗟にジリヤの攻撃を避けようとしたが。 頬に一筋、朱が走った。たらり、と血が一滴流れる。 ジリヤの髪が掠めたのだ。大丈夫。傷は深くない]
(92) 2015/07/10(Fri) 23時頃
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助かるわ、ノア。
[自衛用の拳銃を取り出すノア>>89を見て、安堵する。 それでも表情は引き締めたまま。 自分ひとりでは、やはり手に負えない。 同僚が一緒にいてくれたことを、珍しく感謝した]
……っ。
[再び迫るジリヤの攻撃>>91に、軽く舌打ちする。 ああ、だから荒事は苦手なのだ。 その攻撃を避けようと、ヒールで地を蹴った*]
(93) 2015/07/10(Fri) 23時頃
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[ 思い出に踏み込むような僕の問いは それだけでも少し気が引けるものだったけれど 視線を吸い込むような石に 言葉は引き出される。
落ちてきた呼吸ひとつ、僕は瞳で受け止めて
けれど、兄の酷い揶揄には への字に口を曲げ 失笑に重ねて、コツリと頭をはたいておいた。
まるで幼子へ昔噺を説くように、 彼>>79は膝を折り 目線を下げる。 夜色の目は暖かさを帯びていて、遠い昔に見上げた 満月の温もりが重なるようで
僕はその中に、共にそれを見た兄の背を探し ――月に惑う。]
(94) 2015/07/10(Fri) 23時頃
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[ そらのむこうに、の意味が分からぬほど幼くもなく 僕は下唇を噛みながら、迷うように逃げた目を追う。
僕もいっそ。兄が”飛び立つ”のが見えたなら 共に飛ぶ事もできただろうに 中途半端に しかし絶対的に 絶たれた再会の希望は 僕から命を終わらす翼も奪い、 此処を根城とする”誰か”に 捕まってしまった。
彼の話す”彼女”のような 夢の様な話が外に無い事は 誰よりもよく知っているつもりで そしてそれがどれだけ敵を作るだろう事か、も。
( そんな日が来たら、ぼくらはヒトに捕まらずに 幸せに 兄と森に居られたのだろうか )
目の前にある彼の膝に 手を伸ばして 長らく忘れていた 昔々をたぐり寄せる。 ”あの頃”の月夜を溜めた瑠璃の目には、薄い膜が張って]
(95) 2015/07/10(Fri) 23時頃
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[ 腹はどうした、と>>80 嘘を言い当てるような声に 「ごめんなさい」と詫びることもできず
僕の目は、見上げる漆黒に映る 自分を視る。
どうしようもなく歪んで どうしようもなく泣きそうな]
実はさほど痛まない……から、へいき。
ねえ、そのひとはどうして飛んでしまったの、 ……翼がないのに……… そんなに強いひとですら 「外」は獣を殺すの?
[ いちど言葉を切ったら 告げられなくなってしまうから 僕は喉を詰まらせ 彼の衣服に小さな黒点を描きながら 問い続けた。*]
(96) 2015/07/10(Fri) 23時頃
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[ → 第一棟 廊下 ]
―――ああ。…やはり
[ 鮫の子と話し終わって、どの位過ぎた頃だろうか。
静かな廊下に響く声声に、男は眉を寄せた。 大方察しは付く。 喚く声の主>>91と、女医とのワード。 恨みだか何だか、深く根付いているなと他人事に思いながら、男は素早く歩を進めた。
かつりと僅かにあるヒールは、普段のそれより大きく響いている。 ―――そしてその音に、騒ぎの渦中の三人が気付くかは兎も角として。 ]
―――発砲したら、それこそ責任が来そうですけど、ねえ…。
[ 見えた同僚の姿>>90と、手に持つ武器には、溜息にも似た声を吐き出して。 ]
(97) 2015/07/10(Fri) 23時頃
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[ 奥で眠るは、梟の子だろうか。 男は片隅にそれを思いながら、振りかざされた拳>>91をぱしりと止めた。 風呂か何かに入ったばかりだろうか、光に反射する髪ももしかしたら、衣服を突き抜けて自らを刺すこともあったかもしれない。
しかし男は何処か愉快気に、 管理人二人の間から抜き出ては、騒ぐハリネズミの手を捕まえる。
地を蹴る女医>>93は、如何しただろうか。 変に転けていなければ、それで良い。 そのまま、男はじとりとハリネズミの彼女を見つめた。 ]
(98) 2015/07/10(Fri) 23時頃
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…こんにちは、ジリヤさん。
[ そうして相も変わらず、呑気に挨拶を投げ掛ける 。]**
(99) 2015/07/10(Fri) 23時頃
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クソッ! [2発目は下がられた>>93ことで避けられた。身体が小さいので、手足も言うほど長くはない。つづけてもう一発殴りかかる。自分の着ている白衣が針で早速ボロボロになっていく。拳銃は先程一瞥しただけで、あとは気にしてすらいない。撃たれたって、構うものか]
(100) 2015/07/10(Fri) 23時頃
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――ッ!? お化け…じゃなかった、アーロンさん!?
[咄嗟の出来事に思わず引き金を引く手を止める。撃って、気絶させて、それから秘密棟に運ぶ事も考えたのだが]
あー、出来れば手伝ってほしいぞ…と 管理人、ピンチ。最悪、殺処分。おーけぃ?
[銃口はハリネズミへと向けたまま、アーロンへと説得を試みて 話しかけて居るようだが、もしも会話が成立せず“管理人”に害が及ぶようならば、今度こそ引き金を引くつもりで**]
(101) 2015/07/10(Fri) 23時半頃
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[すぐ側の喧騒にも気づかずに、私は眠っていた。 夢を、見ていた]
「ごめんね、マユミ。―――は、亡くなったの」
「―――一人じゃ、あなたを隠し通すことが、できないのよ」
「ごめんね、ごめんなさい、マユミ……」
[誰かの声がする。私の知らない温もりがする。 誰かの落とす温かな雫が、私の肩を濡らす。 これは、なんだろう。ただの夢? それとも……?]
(102) 2015/07/10(Fri) 23時半頃
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あ、う。
[ジリヤの拳を避けようとして、思わず尻餅をつく。 今まで勉強ばかりやってきた彼女は、その御多分に漏れずあまり運動神経が宜しくなかった。 体勢を崩しては、今度こそ次の攻撃は避けられないだろう。 思わず眉を顰めたところで]
……ヴェスパタイン、助かったわ。
[騒ぐジリヤの腕を掴んだヴェスパタイン>>98を、安堵の表情で見上げた。油断なくジリヤに銃口を向けるノア>>101を見遣って、当面の危機は去ったと感じる]
また恥ずかしいところを見せたわ。
[立ち上がり、スカートの埃を払った。 白衣に隠した鎮静剤は、まだいくつか余裕がある。 必要ならば、また使うつもりで*]
(103) 2015/07/10(Fri) 23時半頃
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クソッ!離せッ! [3発目は止められて、>>98腕を掴まれる。ジタバタと暴れるも、体格差ゆえに抜け出すことはできずに。]
離せっつってんだろうがッ!クソッ!
(104) 2015/07/10(Fri) 23時半頃
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こンにちはじゃねーよッ!クソッタレ!
[髪をふり乱す。腕を振り回す。足を蹴ろうとする。全力でジタバタと抵抗する。もう少しを2度も逃して、イライラは最高潮だ]
(105) 2015/07/10(Fri) 23時半頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2015/07/10(Fri) 23時半頃
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いまお化けと言いませんでした?
[ 男はゆらりと髪を揺らしながら、横目に同じ管理人の彼を見た。 よもや日頃からそう思われていたのだろうか…。疑心の目は、彼に降り注ぐ。隙があればべしりと長髪を凪ぎ当てていたところである。それはもう、素晴らしいスイングで。]
―――然し、まあ。…穏やかではありませんね。
[ 男はまた、愉快そうに笑った。にたりと口角が上がる。 捕まえた手のひらは男のそれより小さく、悠々と包むことさえ出来れば。……仮にも良い歳の女の子だろう、と。 触れ続けることの憚りが手の力を緩め、離しては前髪をぐしゃりと撫ぜた。
――――否、ぐしゃりと言うよりは、彼女の髪の性質的に、グサリの方が正しいだろうか。硬め、以上の感触に一瞬、男の口端がヒクりと揺れた。 ]
(106) 2015/07/10(Fri) 23時半頃
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……落ち着くまで私とお話ししますか?
[ 視界の端、許されたならば、同僚が彼女に向けた銃口に手を当て下げさせることもしただろうか。
その反対、立ち上がる女医>>103の安否は如何に。「足など挫いてはいないですか」と、柔に声を掛けつつ。
―――まま、未だ暴れる彼女>>104>>105を面白そうに眺めながら、一気に寄りその体を担ぐことも、出来たなら。管理人二人の顔を眺め、寸分の間彼女を借りることも願い出ただろうか。
無論、きちんと元の場所へ返すことも約束して。
刺さる針とぶつけられる拳のダメージは蓄積するけれども。 男は彼女の抵抗を片手間に、落ちた長髪を耳に掛ける。
―――そうして許しが出たならば、彼女を連れて食堂へ。 駄目だったならば、大人しく二人に彼女を差し出したことだろう。 ]**
(107) 2015/07/11(Sat) 00時頃
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――回想/第1棟・広間――
……さみしいって顔じゃないな。
[ 形容する言葉とはほど遠く、見据えられる表情に短く落とした。 隙、狭められる距離には体を硬くしたまま。――屈みこまれる首もと、薄い皮膚をマスクごしに映せば喉奥がひく、と鳴る。ひとのにおい。
覗き込まれる視線に、反射材入りのレンズ越し目を合わせては。間近であれば、融合した獣――鮫らしい黒目がちの瞳が、寸暇男のそれとかち合ったかもしれない。食欲に滲むそこを隠す気もなかったが、挑発するような仕草にはただ、耐えるように眇め見つつ。]
ヴェス、……パタイン。そこ危ない、
[ “センセイ”は先ほどの名残と、また気まずさから距離を取るように付けていたものの。慣れない、といわれれば素直に呼び捨てに切換え、警告じみて余裕なく声を落とす。
長い施設暮らしの間――といっても、自分にとってはココが”せかいのぜんぶ”だったが――良く言葉を交わした男とは、多少気を許す仲だったろうか。 ただその体に幾度と、錯乱した己がしたことを忘れたわけでもなく。分かってるだろう、とわざと手袋をズラし脱いで、生身の掌を晒した。]
(108) 2015/07/11(Sat) 00時頃
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……ひとおよぎ。
[ 勿論単に脅しであれば、目の前に翳すのみに留め下し、手袋を嵌め直した。あごをプールの方向へく、と向け、不親切ともとれる端的な語を投げる。]
――、…どうして、そんなカッコしてる。ここで、
[ ひとつ、緩く視線を見上げる顔へと擡げては、伸ばされる十字架模様に小さくくぐもって落とす。生まれてこのかた施設で生きていれば、“神”なんて概念すら持つ事もなく。当然いのりすらささげたこともなかった。また、スータンの似合う教会も、施設内には知る限り見当たらない。
――天すらマトモに見えないつくりもののココで、ひとの信仰の象徴を身につける事に、奇妙さすら感じえながら。]
……、
[ 誇らしげな顔に鼻を鳴らし、泳げないんじゃないのかと薄い笑声すら漏らした。]
(109) 2015/07/11(Sat) 00時頃
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………わかってるってハナシ
[銃を下げるよう言われればそれを懐にしまって。それから大人数で囲むだけ興奮させるだけだと判断して、女医の方へとゆっくり歩み寄る]
だってよ。足は大丈夫? 別に僕が心配してるわけじゃないぞ、と…
[お化けについて問われていれば「あーあー、聞こえない」だなんてふざけて返す 自分より低いとは言え、180オーバーの身長でそんなに髪が長く、更に口数が少ないと来たもんだ。こっそりお化けだなんて言っている事がバレたらとんでもない]
任せて良いのかってハナシ 僕が言うのも何だけど、“そいつ”を出したのは“失敗”かも
[出した事を認める供述だが、今更気にしている場合でも無い 誰が決めるかも、誰が下すかもわからない判決に委ねるとして。少なくとも、管理人に害を被るような事があるならば良くて秘密棟、悪くて――]
(110) 2015/07/11(Sat) 00時頃
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ま、連れてくなら文句は無いぞ…と 奥の子も気になるし
[眠っているのだろうか、フクロウの彼女をチラリと見て それから女医に手でも差し伸べてみようか。一人で立てるのならばいつも通り嫌味の一つ吐いて放置するが**]
(111) 2015/07/11(Sat) 00時頃
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――第1棟広間→プール――
[ 間を置いて、あるく、と反芻しては、“そとを?”と興味じみた色を漏らす。管理下に置かれたココでは、禁止されている話題だろうとは咄嗟に考えも及ばないまま。
ほんもののひかりを、うみを、彼の目の奥に覗き込むように、今度は自らと顔を寄せる。 ……やがてはたと気付き体を離しては、ごまかすようにプール方向へと足を滑らせつつ。
――ふら、とその背が廊下の喧噪に消えるのを見れば、ひと気とついでに血の気の多そうなそこに、自らは足を背けただろう。まざって錯乱でも起こせば、余計事を荒立てるのは分かり切っている。
長い髪の揺れる背姿に、気をつけて、と決まりじみた言葉を投げつつ。*]
(112) 2015/07/11(Sat) 00時頃
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[図書館を出ると、先生を探してあてもなく廊下を歩く。ふらふらと歩き続けていると、廊下で誰か――
いや、この施設に今いる者で、管理人相手にあれほど大っぴらに暴れるのなんてあの子しかいない。ジリヤだ。傍らではマユミが壁にもたれかかるようにして倒れている。やはり、夜行性の彼女は限界だったのかもしれない]
また、か。
[私には理解できなかった。どうして、そんなにまでして自分の待遇を悪くしようとするのか。今も、あの"にやり"の方につかまれているようだ]
何やってるの、ジリヤ。
[そう、声をかけながら近づいた]
(113) 2015/07/11(Sat) 00時頃
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…っ!
[グサリ、と撫でられると、>>106身を竦める。顔に現れるのは、恐れ、困惑。普段彼女の顔に決して現れることのない、感情]
…な、なンで、お前、撫で…
[怪我、するのに、という言葉は、飲み込んで。こいつがわかっていなかったはずもない。ではなぜ?どんなに脅しても痛めつけても止まらなかったハリネズミは、撫でられて動きを止める]
おか、しいだろ。わかるだろうが、みりゃ、よ…
[少し、後ずさる。それは、髪が当たらないように。]
なン、で… [混乱と恐怖で、一筋、涙が落ちる。ほとんどの者が、痛くもないのに彼女が涙を流すなど、初めて見るだろう]
(114) 2015/07/11(Sat) 00時頃
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マユミは、ノアが拳銃を持っていることなど知らない。
2015/07/11(Sat) 00時頃
マユミは、ヴェスパタインはつかみどころのない人間だと思っている。
2015/07/11(Sat) 00時頃
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――→プール入り口――
[ およぐ必要がない。――歩けるから。
とりはやまへとんで、さかなはうみへおよいで。 ひとは歩くなら。
――それなら結局、やはりどうしても、隔たってしまうままなんだろうか、と硬い靴先へ視線を落としながら。その方がいいのかもしれない、と“困った事”を思い返し、先ほど覗いた薄い皮膚を思う。
男の消えた廊下の喧噪、さけびごえ。えものが暴れるのににた不規則な音。――ちらと見えたなか、確か昼間に出会った管理者の姿もあったろうか。……怪我にきをつけて、と掛けられた最後を、今度は心中で返しつつ。
やがて喧噪に、行く先につん、とかおるにおい>>84に。 ひくりと硬い面体の下で動物めいて鼻を動かしつつ。
――領分を弁えてしまえば、きっと自分もニンゲンも楽になるんじゃないか。“うみ”にいて罰せられるさかなは文字の中に見た事もない。それに、とあまいにおいの届き切らない頭の隅で声がする。おれには、ひとも、…ほかすら、
――だってどうしても、おいしそうなんだ。]
(115) 2015/07/11(Sat) 00時頃
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……ノア。あなた素直じゃないのね。 足は大丈夫よ。心配いらないわ。
[別に心配しているわけではない>>110。 そんな不遜なノアの物言いに、くすりと笑って。 ヴェスパタインの提案>>107には、思わず目を細める]
任せていいのかしら。 私がいると彼女の興奮が収まらないのは、分かるけれど。
[ジリヤを一瞥したのち、やれやれと肩を竦めた。 ヴェスパタインがジリヤを連れていくと言うのならば、 特に反対はしない]
あら、やっと反省の色が見えたわね。
[ノアの発した「失敗」>>110という単語に目を丸くして。 どうもこの同僚には口を開くと嫌味を言ってしまう。不思議だ]
(116) 2015/07/11(Sat) 00時頃
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やっぱりフェミニストじゃない。
[ノアに差し伸べられた手>>111を、しっかりと握って]
ありがとう。
[ノアと、ヴェスパタインに。頭を下げた。 素直に礼ができぬほど、彼女も捻くれてはいない 実際、ひとりでは危なかっただろう]
(117) 2015/07/11(Sat) 00時頃
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ボカァ超素直ですよ?そりゃ、真っ直ぐに あーあー、おば……アーロンさん。心配無いってハナシ
[わざとらしくアーロンの方を向いて、そう合図すれば彼も安心するだろうか 尤も、手の傷に関しては色々と反応すべき事があるのだろうが、“管理人”である彼が“監視下”の獣を責任持って処理すると言うのだから無粋な事をするほどでもない]
大体アマル先生が居るから興奮状態になるんだぞ…と ほら、とっとと移動移動
[手を引いて立たせれば、再度言われるフェミニストだなんて言葉 流石に引きつった笑いをしてから懐に手をやって]
対人ならかーなーり痛い仕様だけど、一発試し撃ちされてみるか?ってハナシ 人の親切を……
(118) 2015/07/11(Sat) 00時半頃
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[ブツブツと文句を言って。流石に撃つのは冗談だけれども、命の危険があるような仕事上、やはりこういう非殺傷武器は欠かせない。尤も使わないのが一番なのだが お礼を言われればそっぽを向いて。どうせ解決したのは自分では無くアーロンだと言わんばかりに、傍で寝ているフクロウの元へと歩き出す]
こんな所で寝てたら風邪引くぞ、と なんなら部屋まで案内するか?それとも、別の場所で寝るか?
[取り敢えず声だけでも掛けてみようかと、マユミへ話しかけてみる**]
(119) 2015/07/11(Sat) 00時半頃
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[この目の奥に、目の前の獣人は、何を見るのか。 彼にはわからなかったけれど ( 知らぬは罪だと、どこかの誰かの声が脳内で響く。) 問われるならば応えようと口を開いた。
フィリップの記憶の扉を叩く手は 此方が知らぬ間に無遠慮になっていたようで、 瑠璃色の目に張った薄幕を 少し、ぎょっとしながら見る。
伸びてくる掌を阻むことなく、 膝に触れるならばさせるがまま。]
…………。はっは。うっかり騙された。 ……君ね、
[あっけなく「実は」といわれてしまえば、 溜息をついて呆れる他無く、]
(120) 2015/07/11(Sat) 00時半頃
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ジリヤは、クラリッサの声には反応できない。相当に混乱しているようだ…
2015/07/11(Sat) 00時半頃
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[「からかうようなまねはあんまりしないで」と 言いかけた言葉を、彼は飲み込んだ。
夜の濃紺の湖に浮かんだ月は、ゆらりゆらり形が定まらず そこから光が零れるように ぽたり、ぽたりと 涙が落ちて、
それが彼の衣服に滲んだのだろうか。 いくつか、黒点を描く。]
どうして……。どうしてだろうなア。
[ふと彼は遠いところを見る。 目を閉じて、ゆるく首を振った。]
獣だから、殺されたんじゃあ、ないと思いたいけどね。 何しろ、私が彼女の訃報を聞いたのは ――……飛んでいってしまった夜の、翌朝だから。
[詳しい事はわからないのだ、と云う。]
(121) 2015/07/11(Sat) 00時半頃
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……………………。
[声を、掛けられた>>119ような気がした。 口の中で小さく何かを呟いて、私は目を開ける。 私は何を言ったのか。目を開けた途端、忘れてしまった。 夢なんて、そんなものだ]
……すみません。
[目をこすって、私は我慢できなかったあくびをひとつした。こんなところで眠ってしまうなんて、なんという失態]
部屋に、戻ります。
[別の場所。それは多分良くない。 きっと一番誰にも煩わされることなく眠れる場所は、自分の部屋だ。 眠気を誤魔化すように何度も瞬きをしながら、私はゆっくり立ち上がった]
(122) 2015/07/11(Sat) 00時半頃
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すべてのひとに平等を、と呼びかける行進の最中、 警察に止められる騒ぎになってね。
その時、振り上げられた警棒の当たり所が、 悪かっただけ 喧騒に紛れて ……助けられるのが遅れただけ。
どんなに偉大な思想を掲げたところで、 命というのは、あっけなく散ってしまうのだよ。 人も、獣も、ね。
[彼女が亡くなった時の事を軽く説明して]
……獣人だから殺されたわけじゃないよ。
[半ば自分に言い聞かせるように言う。]
(123) 2015/07/11(Sat) 00時半頃
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( …… 「外」でも、 きみたちがいきていく術はあるだろうよ
なんて、口にしたところで、 どうする)
[それは屹度気休め以下の酷い言葉にしかなるまい。 そう思ったから、それ以上は応えることができない。]
君は、……「外」がこわいのか? どうしてそんな顔をしているのかな……。
[潤む瞳を見かねて そっと、その目元を袖の先で拭おうとしながら 小さな穏やかな声で問いかけた。
「泣かないで」と云うことはできなかった。 涙を止められるほどの理由をもたぬゆえ。 ただ、悲しむならそれに静かに寄り添うくらいしか、*]
(124) 2015/07/11(Sat) 00時半頃
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うんにゃ、ボカァ別に迷惑かけられてないよ
[すいません、なんて謝られればむしろこっちが悪者になった気分だ。なんて冗談めいた事を考えて 確かにフクロウは夜型で、今は活動範囲外かもしれない。そう考えると一人歩かせて良いものか]
もし良ければ送ろうか? 嗚呼 別にうるさくしたりはしないってハナシ
[お喋りは好きだけど。なんてお得意の冗句を口にして、彼女の返答を待ってみる 尤も、要らないならば要らないで背が見えなくなるまでは後ろから見守るつもりだ**]
(125) 2015/07/11(Sat) 00時半頃
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……クラリッサ。 いま、ジリヤはかなり興奮しているみたいだから。
[激昂して暴れたのち、泣き出したジリヤ>>114。 そんな彼女に不用心に近づくクラリッサ>>113に対して、 管理人として一応注意を促しておく]
私って、そんなに憎たらしいのかしら。
[「アマル先生が居るから興奮状態になるんだぞ」>>118というノアの非難めいた口調。自由になるや否や、死も厭わず何度も自分に襲い掛かってくるジリヤ。 先程の出来事を思い出し、思わずそんな声が漏れた。 クラリッサのように扱いやすい“被験体”ばかりなら、どんなにいいかと考えを巡らせて*]
(126) 2015/07/11(Sat) 00時半頃
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[今の私は、眠いことを隠す余裕もなくて。目をこすりながら私はマーティンに顔を向ける]
部屋……すぐそこですし。 送っていただくほどのことは……、
[部屋も大浴場も同じ第一棟。大した距離ではない。 大丈夫だと言おうとして、送ろうかと申し出られた>>125ということは、今の私はよっぽど危なっかしく見えるのかもしれない、ということに思い至る]
私、部屋に戻る途中で、また寝落ちしそうに見えますか。
[そんなに危なっかしく見えるのなら、送ってもらう方がいいのかもしれない。 大丈夫です、なんて大見得切って、どこかでまた寝落ちてしまったら、そっちの方がよっぽど恥だ]
(127) 2015/07/11(Sat) 01時頃
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[呼びかけた声に対する反応が無い。珍しく落ち込んででもいるのだろうか、と思いながら近づくと、どうやら彼女は何かに困惑しているようで、呼びかけても上の空の様子だ]
あ....はい。そうみたいですね。
[先生に声をかけられれば、従順に返事をする。興奮しているというよりは、困惑しているように見えますが――という返事は自分の胸の中に留めておいて]
先生、あの、また爪が伸びてきてしまったみたいなので。
お薬を、また貰いたいのですが。
[そう、控え目に頼み事をする。
最も、利害の一致したこれが、頼み事、であるかはわからないけれど]**
(128) 2015/07/11(Sat) 01時頃
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大丈夫?本当にぃ?
[しつこいナンパのように聞いてみる。別段この施設内で今更心配する事と言えば暴走するハリネズミが居るくらいで、それ以外なら基本は平和だ 故に寝落ちても全く問題無いのだけれども]
…………見えるってハナシ
[あの騒動の中寝ているのだから、歩きながら寝るのもおかしくは無い どうやら自分が危なっかしいと判断した以上抵抗する気もないらしく、言葉に甘える状態で同行する事にして]
キミはいつも第二図書館に居るのを見るぞ、と あそこは楽しいかい?あんまり行かないからわかんないんだよね
[うるさくしないから、なんて言った直後にお喋りを始めて。彼女の部屋につくほんの少しの間くらい、コミュニケーションを取ろうとする事は許されただろうか**]
(129) 2015/07/11(Sat) 01時頃
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[やっぱり私はわずかな道中で寝落ちしそうなほど、危なっかしく見えるらしい>>129]
……でしたら、お願いします。
[うるさくしたりはしないということだし>>125、なにしろわずかな距離だ。意固地になるほどのことでもない。 マーティンの同行を甘んじて受け入れることにしたのだけれど]
そうですね。興味深い本がたくさんで、飽きることがありません。 ……あそこなら、誰かに煩わされることも、滅多にありませんし。
[うるさくしないと言いつつ、さっそくお喋りを始めるマーティンに、ちくりとそんな嫌味を言いつつ、実のところ既に頭は半分くらいしか回っていなかった**]
(130) 2015/07/11(Sat) 01時頃
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――プール――
……、あ、
[ >>84プールの入り口に立つ背を見つければ、ひたりと靴底で床を踏み進む。見覚えがあると思ったら、昼間に見た“口仲間”のようだった。 ――何か頼み事を考えていた気がする、なんだったか。 こつ、とパーカーの中で吸収缶のかち当たる音がして、一瞬だけマトモな頭があまいにおいを吸い込む。そうだ吸収缶の替えだった。ひとの、ほかのにおいがするから。こまることになるから、
――……なんでにおいがしたら、ダメなんだったっけ?
面体の下で鼻をくんとする。僅かに薄まってはいるものの、足を進めるたび強くなるそれに、緩く身震いしながら。歩幅を大きくし、においのもとへと歩み寄る。
ぼうと滲む思考のまま歩んでいれば、姿はプール内部へ入り込んだのだったか。足が届けば、ゆるゆると壁辺りにくるのを見計らい、追いつめるよう身を迫らせるつもりでいた。もし尾っぽが触れる位置にあれば、緩く手袋越しの手を掠らせようとすら。
はたまた自分の姿に気付けば、事前に離れられることもあったかもしれない。そうして歩が届かず、また施設の影に見失ったなら。それ以上を諦め、プールへと入り込んだだろう。]
(131) 2015/07/11(Sat) 01時頃
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ま、お部屋ならのんびり寝れるってハナシ 風邪も引かずに済むだろうしさ
[第二図書室の話を持ち出せば嫌味のような言葉も出されて>>130 それが自分を指す事とわかっても尚、喋る事は止めずに。もしこのまま黙って着いていこうものならば本当に寝てしまいそうだから]
…確か、禁止されてるハズの本もあるってハナシ ま、ボカァ悪くないと思うよ? あそこにゃ懐かしい本もきっとあるだろうさ。読まないケド
[煩わしいと言われる自覚はあったため、別段文句を言うつもりも無いし反省はしていない それから適当に会話をいくらか続けて、部屋まで送れたのならば頭でも撫でてベッドに寝かせるだろう**]
(132) 2015/07/11(Sat) 01時半頃
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庭師 ノアは、メモを貼った。
2015/07/11(Sat) 01時半頃
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―― 回想・第一棟 廊下 ――
[ ―――その皮膚が再び隠れてしまうのを男は酷く、もの惜し気に眺めた>>109。
「危ない」と告げられたものを態とらしく、否態と知らぬふりをして、レンズの奥。かちり合ったような気のする黒目を真直ぐに見つめ返しつつ。 生物の瞳は存外、愛らしいものをしている。と、男は此処へ来て学んでいた。 真黒な瞳に泳ぐ、とある欲には目を逸らしたまま。 ……かち合わせたその姿勢で、無ず痒くなるような敬称を除き名を呼ばれたなら。―――衣服の上、彼の頭を褒めるように撫でてみせたことだろう。 無論、此れもまた彼に避けられなければ、であるが。 ]
(133) 2015/07/11(Sat) 01時半頃
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―――この格好は、……さあ。何故でしょう?
宿題にしますか?モスキート君。
[ 男は長い前髪を垂らし、また笑った。寸分、いつもと変わらない笑みである。不気味なそれに、本人は気付く筈も無く。 ひとおよぎ、と無愛想に掛けられたそれには、遠くの喧騒を耳端に収めては「また今度、」と。 ……まあ恐らくは、何時にしても泳ぐ彼の姿を眺めるだけになりそうだが。
―――イエスも、マリアも無く。 ただ白亜の空間に、似合わない格好をするのは。 いつだって救いを求められる側の姿を見せ付けるように、神父でなくなった後も、衣を身に纏うのは。―――救いの無いこの地下では、歯向かっているとさえ思われることだって、あるかもしれない。異端だと言われても。 それでも。 ]
エゴ、なんでしょう。……――ああ、外。
[ …軈て近付けられたその姿>>112に、男は数度瞬きをしながら。 好奇心か、羨望か。はたまた憧れか 。 禁止事項である、外の情報を求むるのには、口元に指をあてがってsi、と声を落とした。
そしてまた、先のてのひらのように、離される体には僅少声を出し笑い。 ]
(134) 2015/07/11(Sat) 01時半頃
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―――外”も”歩くんです。 モスキート君。
君も歩けますよ。 ……「鮫」ならば、私の行けない所も、深くまで。
[ ―――此処に居るならば十中八九、出られないことを知りながら、敢えて光を分け与えるこの行為は。……もしかしたら、憎まれることもあるかもしれないけれども。
エゴの奥、傲慢ささえ垣間見せつつ。 それでも男は「善」であろうと、偽善を振りかざす。 ]
―――ひと泳ぎ、いずれ誘ってくださいね。
まあ私は泳ぎませんが。 ……遠くで何かあるようなので、また。
[ 男はひらりと手を振った。 去り際投げられた言葉には、ありがとうと小さく返しては。 ……そのまま、足早に其処を立ち去った。]*
(135) 2015/07/11(Sat) 01時半頃
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[ 伸ばした手は、彼の膝を覆う衣服を握りしめて 濃色の布に赤黒く見える爪が埋まってゆく。
はたり、はたり、堕ちる雫は 無情な外を嘆き きっといまも何処かの「外」で 唄い続けているはずの兄を、想う。
――会いたい。
今まだ生きていてくれるかすら、知らぬけれど。]
(136) 2015/07/11(Sat) 02時頃
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[ 獣だから 死んだのではないと彼は言うが>>123 僕にとっては「獣だから」そのもので 声にならぬ叫びを上げながら、垂れた頭を振る。
獣だから、平等を得るために声を上げねばならず 獣だから、警察は軽率に力を振りかざす 獣だから、倒れても 良くて後回し、最悪放置。
どうしてだろう、と 遠くを見る目>>121は 僕の知る事実から目を逸らしているように見えた。
獣だから、ぼくら兄弟は不条理にヒトに攫われ 僕だけ 棄てられた。
僕からしたら、平等思想を掲げる必要がある時点で 「外」は獣を ”彼女”を、殺しているのだ。]
(137) 2015/07/11(Sat) 02時頃
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[ 「外が怖いのか」と 目元に衣服が伸ばされる。 ぼろ、と零れた雫が吸い込まれ 僕はそれを隠しもせずに顔を歪めた。
伸ばされた手>>124は 僕が嫌いなヒトのだというのに 首から下がった青いものが 僕のなかで 彼がまるで獣のように誤解をさせる。
僕がこんなにもヒトに触れるのはいつぶりだろう。 気付けば 伸ばされた袖を通り抜け 低い位置にある彼の首へ 両の翆の腕を巻き付けて]
「外」がこわい 「外」がこわい どうしてそんな、 「外」は綺麗。 でも、そとは兄さんを奪った。
…こわい。森へ還りたい……にいさんを かえして
[ 譫言のように 繰り返す。 ]
(138) 2015/07/11(Sat) 02時頃
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[ 兄を奪われ出来た心の穴を 赤い鸚哥で埋めた僕は 兄が”連れて行かれた”理由の 唄 を 自分にも求めるように 無意識の内に、歌って唄って謡って 日々を送った。
獣なぞを慰めるはずもない 人間は 何故か優しげに見える色を僕に向けているようで
獣が大切だったと云うこのひとは 僕の知るヒトとは違うのだろうか
獣に ”優しい”人間なんてものが まさか。]
どうしてそんな顔をしているのかな……。
[ ヒトが獣を気にかける理由を 僕は理解できずにいた。*]
(139) 2015/07/11(Sat) 02時頃
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庭師 ノアは、メモを貼った。
2015/07/11(Sat) 02時頃
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―― 第一棟・廊下 ――
失敗、ね………。
[ 男はぼうやり、彼の言葉>>110を反芻した。 反芻して、そして目を逸らした。 彼が彼女を出した犯人と言うことは解った。…それだけである。失敗と言われる張本人と、彼の心中を測り、男はそれ以上を追求することは無かった。 ]
何、大方、お腹が空いて暴れてしまったんでしょう。 秘密棟に居続けるのも、飽きますしね。
[ ゆらり、揺らめく影をそのまま、男は唐突に泣く彼女>>111にまた足を寄せる。
―――気性が荒いとは思っていたけれども、まさか、泣くまでとは。 あまり秘密棟へ足を運ばせたことが無い分、彼女に他の管理人よりかは触れ合う機会も少ない( ように思う )。 故に生の彼女の反応は、ただただ驚愕やら、なにやら。……あまり良い気分で無いことは確かであった。
―――そう。流れた涙の意味さえ、察せないまま。 ]
(140) 2015/07/11(Sat) 02時頃
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「なんで」も何も。 こうすれば落ち着くと思ったのですが……矢張り刺さりますねえ。 しかしこれだと―――まるで私が泣かしているみたいだ。
[ じくじくと刺された痛みに悲鳴を上げるてのひらを衣服に拭って、男はちょいちょいと彼女に手招きした。 ……手招きして、その姿も寄って来なければ。ムリにでもその手首に触れて、食堂へと歩き出したことだろう。
彼女のそれは、「触れられた」ことへの動揺か、なにか。 勿論、傷付くことは知っていた。其処まで男は愚かでは無かった。――ただどうせ、あのままでも、誰かしらの怪我人は出ていたのだろう。 プラマイゼロ、良い落とし所だと、思ったのみ。]
……どう致しまして。
では彼女は暫く、私が。
[ ――そうしているうちに出された許可に、男はにんまりと笑みを深め返した。 その差中、頭を下げられたのには軽く此方も会釈を返し。
ハリネズミの彼女は、未だ涙をこぼしているだろうか? 随分と真直ぐに、素直に。素直過ぎるまでに動く彼女の手を引きながら。 …しかしこの仕草に抵抗があるなら、彼女に着いて来るよう申し付けつつ。 ]
(141) 2015/07/11(Sat) 02時頃
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マーティンさんの枕元に今晩………”出”ますように。
[ 去り際、恨み言のような、戯れのような。 一つの「ねがい」を呟いた。 ]**
(142) 2015/07/11(Sat) 02時頃
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あら、薬ならお安い御用よ。
[クラリッサに向かって、ふんわりと微笑んでみせた。 先程ノアやジリヤに向けたような言葉の刺は、もうそこにはない]
クラリッサ。一緒に、医療室へ来てもらえるかしら。 薬もそこにあるし。爪の具合も見ておきたいの。
[優しい口調で言葉を紡ぐ。 ここで働いているうちに、本当の自分が分からなくなってくる。 気の利く女医か。はたまた気の狂った研究者か。 どちらが、自分の本当の姿なのだろう]
(143) 2015/07/11(Sat) 02時頃
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[自分が“被験体”にしていることは、 傍から見れば非人道的なことなのだろう。 それをある意味、楽しんでやっていることも。否定しない。 でも、彼らはヒトではないのだ。 ―――だから、私が彼らを“幸せ”にしてあげなければならない]
痛いわね。
[先程ジリヤに傷つけられた頬が痛んだ。 彼女は独善的な自身の考えに気付かない。気付こうとしない]
医療室、へ。
[どちらにせよ、自分の頬も消毒したい。 クラリッサが着いてきてくれるのなら、連れ立って医療室へ向かうだろう。もしも断られたのなら、「後で医療室へいらっしゃい」とでも微笑むだろうか**]
(144) 2015/07/11(Sat) 02時頃
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落ち着くと、思った? それだけで、針山に手ぇ突っ込ンだのか?
[理由を言われても>>141納得出来ない。困惑は、恐れは、消えない。涙は止まらない。なぜだ。なぜ彼は、それでもなお、招こうとするのだ?逆に一歩後ずさると、手を取られてしまう。]
ぅ、ぁ… [身体は硬直して、抵抗出来なかった。引っ張られるままに、相手についていく。反抗の塊のようなハリネズミは、見る影もない]
(145) 2015/07/11(Sat) 02時半頃
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[ プール ]
[ ―――ぞわりと、 粟肌が立った。
まるで敵意を向けられているような、 「悪い」視線が僕に絡んでいるような。 この感覚は、 何百年もの間に、何度だって。 僕は鈍い。亀だから仕方が無いと、馬鹿にされることもある。 ―――この鈍さが、命取りになることだって。 ]
モ、スキー ト 、
[ 壁際、ひやりとして、陰りのあるそこに凭れようとしたところで、>>131落とされた影。背後から聞こえた音。 振り返ったときにはまた遅く、 ―――どんな嗅覚してるんだよ、とさえ、思ってしまった。
被せられた面体。 きらりと輝くレンズの奥、目を細めてわずかに見えた「色」。 星の流れる、綺麗な空。 深い、宙のいろ。……とは、全く違う。獰猛な、いろ。 ―――その焦点が僕のものと重なり合うのは、あっただろうか?
背中の付け根から飛び出る尾に触れる指先は、何のため?――なあんて、そんなの、 ]
(146) 2015/07/11(Sat) 02時半頃
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僕を、食べる気?
[ レンズ越し。 僕は唇を開いて、彼に声を投げた。 届くかどうかすら不安な声を。―――ヒトの言葉を。 ]**
(147) 2015/07/11(Sat) 02時半頃
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[そう、本当は勘付いていた。 彼女が何故死ぬまで放置されなければならなかったのか。 原罪を唆したといわれる蛇の鱗は、 彼女に「異端」という罪を押し着せたことを。
彼と我とが同じものであったなら、 屹度「外」はもっと優しかったのだろうが。]
[事実から目をそらしながら、誰かの涙を拭う。 他人の涙で袖を濡らし、 彼はただ悲しみを湛えた湖を眺める。
外が怖いのかと問いかければ、 フィリップは 悲しみに、くしゅりと顔をゆがめた後
ふ、と翠の腕をこちらに伸ばしてきた。
背筋が一瞬強張った。拒む事はしなかった。 彼は目を見開いては、すぐに睫を下げて、 聞こえるうわ言のような嘆きに眉尻を下げる。]
(148) 2015/07/11(Sat) 03時頃
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( どうしてそんな「ことをする」? ……でも、そとは兄さんを「奪った」)
[彼はちらり、赤い鸚哥に視線をやる。 あれは本当の「兄」ではないのだろう。恐らくは。 それでも、フィリップは あの生き物に縋らざるをえなかったのか。]
――、 あゝ、…………
[小さなうわ言は、彼の心を大きく抉る。 それは目の前の獣人の腕が 子供のように伸ばされているからかもしれない。]
(『……おれは卵をやぶつた。 愛と悦びとを殺して悲しみと呪ひとにみちた仕事をした。 くらい不愉快なおこなひをした。……』)
[脳裏に過ぎるは一片の詩]
(149) 2015/07/11(Sat) 03時頃
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……すまないな …………ごめんなあ、
[口をついて出たのは謝罪の言葉だった。
こんな場所に閉じ込めたのは他ならぬ人で 彼自身、獣人に自分を許して欲しいとは思っていない。 (それはあまりにもおこがましい願いだ) それなのに、謝罪の言葉しか出ないのは。 こんなにも「外」に怯え、「外」に焦がれる仔の手をとり 「外」に連れ出すことは”ならぬ”としっているから。
( ――檻の中に手を差し伸べすぎてはいけない ) ( 壊れてしまうから ) ( お互いが苦しいだけだから )
冷静に警鐘を鳴らす脳を無視して、 彼は、縋るフィリップの背を片腕で抱くと、 もう片方の掌で、そっとその髪を撫でた。]
(150) 2015/07/11(Sat) 03時頃
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[ 熱が篭れば人と獣の境は曖昧になる。]
『 どうしてそんな顔をしているのかな 』
[問いは鏡のように返る。] [答えは水面のように震える。]
私は、
([平等を掲げた彼女の事を知りながら、 獣人を管理し彼らから平等を奪う施設に勤める。 その矛盾を選んだのは、ただ己が狂っているからだ])
……くるっているから
[ごくごく簡単な理由をこじつけて、唇をゆがめ笑うと、 彼は、ようやく、心の平静を取り戻して]
(151) 2015/07/11(Sat) 03時頃
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そして、なにも、できないから。 君らや他の人が哀しんでいても、 こうしていることしかできないから。
[だから笑っているのだと、 自嘲をひとつ、零した。]
……こんな卑怯な人間に、 泣き顔を曝すのはおやめなさい。 私は君の兄の居場所を知らない。 ――森に帰してやることもまた、できないのだから。
[そう言葉だけで突き放して、 ひとつ、その背を撫でた。*]
(152) 2015/07/11(Sat) 03時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2015/07/11(Sat) 03時頃
落胤 明之進は、メモを貼った。
2015/07/11(Sat) 03時頃
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[ 伸ばした2つの翆の手は 彼の黒い髪の向こうに隠れて 落とした熱い雫のかわりに いつぶりだかわからぬ「誰かの体温」を拾い上げる。
抱き寄せた「ひと」は 陰鬱な顔をして地面を眺め 彼が見るそこに 輝く小石や硝子はあっただろうか。
それとも、僕がその小石のひとつだろうか。
”ごめんな” と詫びる声>>150は 僕にある種の絶望をくれる。
彼が他でもないヒトであること 森へも還れないこと 兄にも会えぬこと。 すでに痛いほど知っていた筈なのに、 奪われるよりも詫びられるほうが 余程 辛くて。
首元で ひっく、と ひとつ 喉を鳴らした。]
(153) 2015/07/11(Sat) 05時頃
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[ 兄のものではない手が 背中を抱いて 兄のものではない指が 髪を梳いてゆく。>>150
『どうしてそんな顔をしているのか』
居なくなってしまった「兄」に蓋をし続け 姿も記憶も見えなくして、ようやく 穏やかに この白い世界の中で死んだように生きていたのに。
人工の庭で僕に触れた ひんやりとした手が>>75 闇夜に浮かぶ月のような優しい彼の瞳が 僕に 外 と 兄 を 思い出させるから
多分。 ぼくはずっと、 ―――どうかやめてくれと 嘆願していたんだ。]
(154) 2015/07/11(Sat) 05時頃
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[ ヒトよりも高い僕の体温が 境界を埋めて 彼の抱える自戒>>150など想像だにせぬまま 腕のなかの「ひと」に縋りつく。
「ひと」が獣如きに手を差し伸べる理由を問えば 自分は狂っているのだと 歪んだ笑いと共に吐く姿に どこか僕とおなじ「諦め」を感じ取る。
( ……そうでもしなければ 生きてゆけない? )
獣を管理する側のくせ 手を差し伸べて けれど連れてはゆけぬと 手を離す。 それなのに、背中を伝う温度は>>152
――噫、確かに。与えられる優しさは、ひどく狡い。]
(155) 2015/07/11(Sat) 05時頃
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[ ずるり、と 力の入らない両腕を滑らせて 重い音と共に なにもないベッドの上へ落とす。
僕はすっかり腫れてしまった目を向けて ]
……できないから。 できないのだから。
じゃあアキラは なにができるの。 アキラは、何をするために此処に居るの。
……卑怯なのは、ぼくもおなじだ。
[ 兄の記憶と向き合わずに 逃げているんだから。
おやめなさい、と言われてしまったから 今度は 彼と鸚哥から隠れるように、ベッドへ倒れ込み
赤い爪が 白いシーツへ食い込んだ。*]
(156) 2015/07/11(Sat) 05時頃
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センセ! フィル ドウシテ ココニイル? ニイサン! ツレテキテ! ツレテキテ!
[ ベッドの無機質なパイプの上 ] [ 赤い鸚哥は なおも 僕の本心を吐き続ける。**]
(157) 2015/07/11(Sat) 05時頃
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[ひく、としゃくりあげる音がする。 それをなだめるように彼は熱を与え、頭を撫でる。
即席の優しさで取り繕い、 握り締めた拳の指を一本一本を解いて 殴れなくするような卑劣なやり口に、 彼自身反吐が出そうになりながら、 それでも、優しさを与え続ける。>>155]
[赤い鸚哥>>157の言葉が彼の心を抉っていく。 くりかえし、くりかえし、くりかえし。抉っていく。
即席で設置した心のバリケードは今や見るも無残な様子。 内心の汚いものを流さぬよう押し留めるので精一杯]
(158) 2015/07/11(Sat) 08時半頃
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『じゃあアキラは なにができるの。 アキラは、何をするために此処に居るの。 ……卑怯なのは、ぼくもおなじだ。』
[その言葉を皮切りに ベッドへと丸くなるフィリップを見て (離れる己より熱い体温に小さく息をつき)
彼は部屋の床に座り込むと、ベッドの側面に背を預け 立てた片膝に片腕をぞんざいにおいた。 シーツが擦れる音がした。
ふと わらう。]
何をするために、か …………未練だよ。 それも酷く個人的で、自分勝手な未練の為だ。
(159) 2015/07/11(Sat) 08時半頃
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[兄さんをつれてきて、といわれても、 この施設内でフィリップの兄はあの赤い鸚哥しかいない。 ならば、どうしようもない。 彼は息を吐いて、]
君はどうして自分を卑怯だと思う……。
[高らかに唄を歌う姿を思い出しては、 卑怯と云う言葉の似合わぬ男に向けて、 問いをぽつりと落とした。*]
(160) 2015/07/11(Sat) 08時半頃
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― ― [(「わたしはみんなが等しく幸せであれる世界がいい」 )
( ―― 私は、君を人でも獣でもなく、 ただ君としてみていた。 それでは足りないのか。) (私は君を視ているのに) ……浅ましい疑問は、口にすることができなかった。 (彼女に軽蔑されるのが怖かった) だからできるだけそばにいたのだけれど。]
[あの時彼女を引き止められなかった私は、 今ここで獣人達を施設内から逃がさぬよう、 管理人をしている。 けれども、ここの獣人達はあのひとではなく 私自身、これで何が満たされるわけでもない事を よく、知っていた。」
(161) 2015/07/11(Sat) 08時半頃
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[何か高邁な理想ゆえに心を鬼にするでもなく、 偽善ですらなく、未練を引きずる 浅ましき愚劣漢。 その癖獣人達が「外」に焦がれるのを見れば、 その悲痛さに心を揺さぶられる。 ――それでも、彼らを解き放つ事は無い。
( だって、ひきとめなければいってしまうのだろう?)
……。気狂いの所業だ。**]
(162) 2015/07/11(Sat) 08時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2015/07/11(Sat) 08時半頃
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そうですね。 風邪でお世話になるのは……不本意です。
[ごめんです、と毒舌を吐きかけて、飲み込んだ。 今現在面倒をかけている私の言うことではないだろう。 いけない。眠気で頭が緩んでいるようだ]
懐かしい、という感覚は私にはわかりませんが。
[懐かしむような思い出が、私にはないから。 しかし、どうやら禁止されている本もあるらしい>>132。随分ずさんなことだと思う。 今私が読んでいる百科事典は、どうなんだろう]
お手数をおかけしました。
[部屋に着くと、辛うじて残っていた理性でそんな謝罪をする。 感謝の言葉は言いたくなかった。 頭を撫でられると眉を寄せて、怪訝そうに一つ瞬き。 不快だった、訳ではない。慣れない感覚だと思っただけだ。それなのに、同時に、目が覚めた時消えてしまったはずの夢の欠片がよぎったような気がしたのだ。 それも、扉を閉めてベッドに倒れこめば、今度こそ跡形もなく消えてしまうのだけれど**]
(163) 2015/07/11(Sat) 10時半頃
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[先生は優しいかおでこちらに語りかける。そこには、ジリヤの言うような"イカレ女医"の姿は無い]
はい。わかりました。
[私にとって、従順である、ということはそれ自体が既に日常だ。
....いや、それ以外のやり方を知らないと言った方が正しいか。それが当たり前の物として育ってきた私には、もうそれ以外の方法は取れない。
だからこそ。マユミや、ジリヤのように、人間に怒りを覚えるようなこともない。私にとって管理されることは、決して負の感情を与えるものではないのだから]
行きましょう。
[そう答えると、先生と並んで歩き出した]
(164) 2015/07/11(Sat) 12時半頃
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――プール――
[ 乱れた調子で聞こえた声>>146に、小さく首を傾げつつ。おれのなまえ。どうしてしってるのか、つまりは、なんてことも。水気の滲む室内に掻き消える。
――ひたりと壁へと寄せる体ははり付けたまま。 “ほんもの”の血のにおいを探るよう、硬い面体ごと顔を近づければ、地上の獣のように嗅ぎこする。]
た…?、――
[ 間。 たべると怪我をする。するのも、させるのも。気をつけなくてはならない。わずかに“マトモ”な頭が、ふらりとその体を後退らせる。我慢、我慢しないと。
――文字のさめはえさを食べても、罰せられたりしないのに。
シャワーヘッドから、はたりと水滴の落ちる音は届いたか。おれの“領分”だ、と、深い宙なんて1度も知らない動物めいた瞳が、面体の下焦点を暈す。
空腹のひとが、湯気のたつご飯をのぞきこむように。*]
おなか、へってて、
(165) 2015/07/11(Sat) 13時半頃
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…たべたら、ダメ?
[ 心底から疑問というように。“きみもいっしょなら、”わかるだろ、と尾の先に触れかかる。
留め具の緩んだ面体がずり、と動いた。この前も「くつわ」を壊し剥がして、ひとにかみついてしまったのだったか。
――しかられる。あのときは弱いところを捻られて、怯んで。“マトモ”にさせられて、
今度しかられたら処分されるだろうか、とパーカーのフードをぱさりと下ろす。空腹はあまいにおいを閉ざしていく。手袋を外しつつ、短く、目と同じに黒いひとの髪を掻き分けて、マスクのベルトを弄った。]
…、はずしてくれる?
[ 手間取れば、面体の下で人と同じに、幼く困ったような顔で問いかける。 過敏すぎる意識は音や作業に散りやすく、管理者であるなら連絡端末の類いは持っていたかもしれないし、使う隙すらあったかもしれない。
――また外されなかったとして、暫くして自分で外し壊せば。まずは、と鋭利な歯先で衣服を噛み剥がし、一息に胴体へかみつこうと。マスクを取り去り、ひとと似た――それでも獣の特徴として、“弱点”の鼻先を無防備に晒したまま。]
(166) 2015/07/11(Sat) 13時半頃
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―→ 第一棟 医療室 ―
[医療室に到着すると、 手早くアマルテアは“薬”の準備を始めた。 毎回サンプルの配合を変えてクラリッサに投与、記録している。 今のところ、彼女で過剰反応が起きたことはない。 クラリッサはアマルテアにとって、優秀な“被験体”だった]
……クラリッサ。 あなた、ここから外に出たいって思わない?
[先程の喧騒とは打って変わって、静謐な時が流れる医療室に。 アマルテアの声は穏やかに響き渡った。 白いカーテン。白い壁。窓から差し込む柔らかな人口光。 ここは、すべてがニセモノめいていて。 でも。クラリッサはここしか知らないのだ、と。 独善的なアマルテアは。それを、ただ不憫に思う]
(167) 2015/07/11(Sat) 14時頃
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[この問いを、“被験体”にするのは何度目だろうか。 あるいは、クラリッサには初めてだったかもしれない]
外には自由があるわ。
[棚から注射器と、遮光性の薬瓶を取り出しながら。 アマルテアは思いを巡らせる。 自分が仕事に行き詰った時。悩んだ時。困った時。 つい口から零れ落ちる、懇願にも似た問い。 自分の信念は間違っていないと、確認したいがための問い]
興味は、ない?
[もしも、“実験”が成功をして。 あなたがヒトになることができれば。あるいは、と**]
(168) 2015/07/11(Sat) 14時頃
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[ひたすらに白い医療室に入れば、先生はすぐに作業を始める。それが私の為なのか、彼女自身の為なのかは分からない。おそらくは彼女自身も分かっていないのだろう。
人工の光も、白いカーテンも、白い壁も。 例えニセモノのようなそれらも、真を知らない者にとっては真実となんら変わりない。
それでも、投げられた問いに私はこう答える]
興味は、あります。
[知らない世界に、興味など無い。
それでも、"先生"が。私に、興味を持っていて欲しいと願うなら。
私の中でそれは、興味を持っていることと同義。私の意思など、所詮その程度のものだ]
私を....ヒトにしてください。
(169) 2015/07/11(Sat) 14時半頃
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……そう、ヒトに。 させてあげる。私が。絶対に。
[クラリッサの口から零れ落ちた言葉>>169は。 アマルテアが最も望んでいた答え。 にっこりと満足げに微笑むと、注射器を手に取った。 彼女は気付けない。クラリッサの真意に。気付こうとしない]
外の世界を。見させてあげる。
[いつか。必ず。 注射器の中で、禍々しい色の液体が煌めいた]
(170) 2015/07/11(Sat) 15時頃
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痛くないわ。大丈夫。
[穏やかな声音の中に、微かな狂気が混じっていた。 この“薬”を投与したとき、 果たしてクラリッサはどういう反応を示すだろう。 成功するだろうか。それとも]
少し我慢してね。
[クラリッサの腕を取り、注射器を刺した。 知的好奇心と、興奮が。自身の中に渦巻いているのが分かる。 薬を投与しを得ると、じっとクラリッサの様子を伺った。 アマルテアにとって“実験”の結果を待つこのときは、 何にも代えがたい瞬間だった**]
(171) 2015/07/11(Sat) 15時頃
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―昔の話―
[10年前、私がここにやってきた時、私は泣き喚き、大暴れし、それはそれは手がつけられない有様だったらしい。そう教えてくれたのは、誰だったか。 過去の自分の中に、そんな激情があったなんて信じられなくて、私にとってどこかその話は他人事めいていた。 薬を打たれて昏倒した私は、その後高熱を出して数日の間寝込み、そして目を覚ました時にはそれまでのことを全く覚えていなかったらしい。 それほどの衝撃を受けたのか、それとも自己防衛本能が働いてそれまでの記憶を自分で封印してしまったのか、それはわからない。 どちらにしても、それは幸せなことだ、と言われた。懐かしみたくなるような幸せな思い出は、覚えていた方がきっと辛いと。だっていくら懐かしんでも、もう帰ることは出来ないから。 そう言われたということは、ここに来る前、きっと私は幸せだったのだろう。 寝込んでいた数日間、うなされた私は何かを口走っていたようだったけれど、そのことについては教えてもらえなかった。きっと、失った記憶に関することなのだと思う。
覚えていないのは幸せなことなのか、それとも不幸せなことなのか、私にはわからない]
(172) 2015/07/11(Sat) 15時半頃
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[差し出した腕に、針が射し込まれる感触。ピストンを押す指の動きに呼応して、体内に薬液が入り込む。
侵入した液体は心臓の鼓動に合わせて全身に拡散し、その効果を発揮し始めた]
く、ぅうう!
[まず私を襲ったのは、猛烈な痛み。薬液が、血管の中で針になったかのように全身を苛む。液が身体に広がるのに合わせて、痛みを感じる範囲も増していった]
あ、あああ....!
[堪え切れず、座っていた椅子から転げ落ちて床を這う私に、頭までもが痛みに侵される。全身が内側から割れてしまいそうな感覚。こちらを見ていたであろう先生の姿が、三重にも四重にも重なって映る。
それでも。もし、彼女が私を心配して、声をかけるようなことがあれば。 痛みの中ででも笑顔を浮かべ、"大丈夫です"と。そう告げるだろう]**
(173) 2015/07/11(Sat) 15時半頃
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いつかどこかのおはなし
あるところに丘がありました。 その丘には一匹のメスのハリネズミが住んでいました。 ハリネズミは愛を求め、他の動物と関わりを持とうとしました。 そして、ハリネズミは自分の丘をおり、谷にやってくるようになりました。 そして、ある晩ハリネズミはつよ〜〜くつよ〜〜く他の動物と抱き合おうとするのですが、彼女のハリが体に刺さってとても痛がったのです。 仕方がないので、二匹の間に距離を置くのですが、愛が欲しいハリネズミは少しでも近くにいたいという思いから近寄ります。 でも近寄るとやっぱりハリが体にささっていたいのです。 そんなこんなを繰り替えしてようやくハリネズミは愛をあきらめる事が出来たのです
(174) 2015/07/11(Sat) 16時半頃
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―第一棟・自室―
[目が覚めたのは、空腹のせいだった。 うつぶせで眠っていた私は、ころりと横向けに転がると、ポケットから懐中時計を取り出して、時間を確認する。 眠った時間が遅かったから、目を覚ました時間も、いつもより遅い。けれど、まだ夕食にはだいぶ早い時間だ。この時間なら、食堂に行く人も少ないだろう]
今のうち、ね。
[呟いて、私はゆっくり立ち上がる。 自分の姿を見下ろして、そういえば寝間着に着替えていなかったことに気づいた。当然、皺になっている。 まあ、それ以前に、床に座り込んで眠ってしまったりもしたのだし。着替えるべきだろう]
……あ、ふ。
[あくびを漏らしながら着替えを済ませて、私は部屋を後にした**]
(175) 2015/07/11(Sat) 17時頃
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[ 久しく見ていなかった兄の影は なかなか瞼の裏から消えてくれなくて 涙を仕舞えと言われたって 自分勝手に溢れてくる。
きっと 彼は僕に呆れて 立ち上がる衣擦れの音と 戸が閉まる音が頭の後ろからするのだろうと、 白いシーツに埋まって待っていたのに
僕の耳を撫でたのは 直ぐ隣でシーツが擦れる音>>159
くる、と首を回す。 束ねられた黒髪の背中は ふと、わらっていた。
自嘲しながらも 彼が抱える「未練」とは何だろう。
飛んでいってしまった彼女のまぼろしを 今なお 此処で探しているのだろうか。]
(176) 2015/07/11(Sat) 17時半頃
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自分勝手じゃない未練なんて ないよ。
[ がらんとした部屋にこぼれるそれぞれの独白と 乾いた未練が、シーツの上に転がっている。
僕は気怠い体を肘で押して 見たこともないほどに 重そうな影を背負った背中へ 蒼玉の手をのばし、黒い絹糸に指を絡める。
彼をプリムラに絡め取って離さない 未練のように。 ―――でも。 唄う以外に価値という価値もない飛べない僕じゃぁ 彼の未練には 足りぬだろうか。
( へんなひと。)
指の間で踊る髪は 喪った彼女の代わりを探すように 獣がソトで死ぬことを恐れるように 鈍い光を反射していた。]
(177) 2015/07/11(Sat) 17時半頃
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……つれてきて つれてきて 兄さんを、
[ 僕の何が卑怯なのだと 零した彼>>160に、 僕は 鸚哥の言葉を反芻する。]
おいで、”兄さん”
[ 寝転がったまま 黒髪に指を絡める僕の傍にだって いつだって”兄さん”は 喚べば来てくれる。 ふるる、と尻尾を揺らした鸚哥は 黙って僕を見つめ
鸚哥は鸚哥で、兄ではないのに 僕は彼を兄と呼ぶのをやめられない。 僕が勝手にかぶせた兄の皮を脱がせない。
赤い鳥はこんなにも慈悲深く傍にいてくれるのに 僕は、彼を彼のままに視ていないんだ。]
――ごめんね。
(178) 2015/07/11(Sat) 17時半頃
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[ もう手に入らないだろう兄を諦めることも、 針鼠のように外へ手を伸ばすこともできず 未練ばかりを抱えて うたを唄っているだけ。
兄を見つけたいけれど、ソトは怖い。 外は綺麗だけれど、ヒトは怖い。
嗚呼、それならば。兄も此処へ来れば良いのにと 鸚哥が唄った僕の本心>>157は 他力本願に、兄を希うこころは
卑怯以外に 一体何と呼べば良いのだろう。]
連れてきて、連れてきて。 何にもせずに願っているだけだから、 ………僕は卑怯なんだ。
[ 亀に「鍵」をちらつかされても手を伸ばせず 目の前の背中に熱の篭った額を押し付けるだけの どうしようもない 子供。]
(179) 2015/07/11(Sat) 17時半頃
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『 ソト! イキタイ! イキタクナイ! アキラ! ミレンハ イツカハレル? アキラ! ミレンハ ココデハレル? 』
[ 覚束ぬ足で揺れるベッドを歩く鸚哥。
羽ばたきひとつ、 たてかけられた腕>>159へ丁度良いとばかりに留って くるりと首を傾けた。**]
(180) 2015/07/11(Sat) 17時半頃
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……あら、大変だわ。
[アマルテアの声は、あくまで落ち着いたものだった。 突如として苦しみ始めたクラリッサ>>173を、冷静に観察する。 薬への過剰な反応だ。効果が強すぎたのかもしれない。 とはいえ、想定の範囲内の反応ではある。 “実験”にはままあることだ]
クラリッサ、大丈夫かしら。 私の声が聞こえる?
[「大丈夫です>>173」と弱々しい声が返ってくれば。 とりあえず意識レベルはしっかりしているようだ。 医者として冷静に判断を下す。 クラリッサの手を、そっと握りしめた。“患者”を安心させるように。 ヒトのものではないそれは、ひどく歪なものに思えた]
(181) 2015/07/11(Sat) 17時半頃
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どこが痛むのかしら。
[苦しげに床を這うクラリッサに、穏やかな声をかけた。 “彼ら”はなんて弱い生き物なのだろう、と思う。 自分たちに管理されなければ生きられない存在。 ヒトにも動物にもなれない、中途半端なイキモノ。 だからこそ、自分が“なおして”あげなくてはならない]
痛みが治まらないようなら、いま鎮痛薬を―――。
[独善的な考えに身を委ねながら。 あくまで、女医として優しく振る舞う。 事実、ある種の嫌悪感と同時に愛おしささえ感じているのだ。 “彼ら”の存在に。 それは兄に抱いていた感情と同じであった**]
(182) 2015/07/11(Sat) 17時半頃
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――回想・第1棟廊下――
[ エゴ。 先ほど、十字架を胸にのせた男が零したそれを反芻しつつ。さり際落とされた>>135“そとのひかり”に白亜の視界を一間、細めた。彼すら行けないとおく。そこがそとのどこにあるのか、果たして知りもしなければ。
水槽のさかなもそとを、深くを歩けるなんて、そうしてそれを己にただ「与える」なんて、――成る程エゴじみて、残酷な“教え”だった。
そんなのどうしても――欲しくなってしまう。例えその報いが、2度と人工のひかりすら望めない事を意味するのだとしても。]
……、――
[ 渇望と、拗ねじみた思いこそあれ、男の、ひとの奥に潜む傲慢さを恨むこともなかった。 スータンの似合わない白壁の中で、「善」を信じるように十字架を身につける姿を思い返しては。 ――本当に救いをもとめているのは、果たしてこの地下で、誰なのだろう。
宿題、と。“センセイ”じみた言葉を思い返しては、正答できたらご褒美は昼食にしてもらおうと巡らせつつ。 定時どおりに食事をとっていなければ、服下でくうと腹が鳴る。]
(183) 2015/07/11(Sat) 18時頃
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“うみ”、
[ いずれ、>>135と投げられた最後に、ただ文字でしか知りえない場所を思いながら。
誘ったところで泳がない、といわれれば何をするつもりなのかと思いつつ。見かけたら声をかける、と1つ置き。「しおき」されてなければ大抵いる、とだけ返した。
――鱗の薄くのる掌に一間、のぞいた男の目を巡らせる。いずれ奇特な事だ、と衣服越しに頭を撫ぜた感触すら思い出しては。
きっと、けものとひととは相容れないのに。と、 幾度と擦らせ滲ませた、皮膚に垂れる液を思いかえし、喉を鳴らす。
いっそ生身の己と、”ホーム”とで、再度またああいった煽りじみた仕草を見せるようなら。
今度こそきちんと、それこそ“昼食”にしてしまおうかと、 喧噪に空腹に、ぐらと平衡を失う頭の隅、過らせた。*]
(184) 2015/07/11(Sat) 18時頃
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―― → 食堂 ――
……針山? ……あなたのそれは、「髪」ですよ。ジリヤさん。
[ 男は足を前に向けたまま、平生通り、低い声を落とした。 雫を零す彼女>>145に向けた視線には、まるで――そう、まるで教会で誰か彼かと接した頃のような、…まるで温い色を浮かばせながら。 後退りなど気にせずに、刺さらなかった方、無事な方で彼女の手を取っては廊下を歩み。
その体躯自体を今度は、針に及ばすとも硬直させてしまうのには、少しの笑みが零れた。 ]
(185) 2015/07/11(Sat) 19時頃
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私と同じ、長い髪。 ……また撫でましょうか。
[ 言いながら食堂へ着いたならば、人気の無いそこに視線を巡らせつつ。 先程同僚へやったように、扉を開け彼女を先に通したことだろう。
差中、彼女が何か立ち止まることなどがあれば、その仕草に合わせながら。 ―――じくじくと鈍痛を訴えるそこを、二三衣服に撫で擦る。 誰かの「昔話>>174」など詳しく知ることもなければ、男は未だ、彼女が泣く理由など解らずに。 ただ管理人として彼女が鎮まる方法を見つけ得て、先の事を見据えるのみ。
―――そう、ただ「誰か」に求められる事柄を、ひとつひとつ。忠実に拾って行く。 ]
……お腹は空きませんか。
[ はたりと、男は食堂に飾られた数多のたべものの文字を指差した。 ]**
(186) 2015/07/11(Sat) 19時頃
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ー→食堂ー
髪、だけど、よ、針山でも、あるだろ…!
[声は震える。否応無く。怖い。その暖かい色が。たまらなく恐ろしい。いやだ、その微笑みが。たまらなく。なんで、どうして、やっと、あきらめ]
何でだよ、こンど、こそ、無駄に怪我する、だけだ、ろうが…
[また撫でようか、なんて言われれば>>186、それだけで身を竦めて。まるで小動物のような…そう、ネズミのような。そんな印象を体躯の小ささとともに与える]
…減ってる
[正直、秘密棟の食事は量も質も十分とは言えない。いつも腹を空かせてると言って差し支えなかった]
(187) 2015/07/11(Sat) 19時半頃
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[ プール ]
……悪い子だなあ。
[ 僕は言った。 理性なんて覗けない、いやもしかしたら寸分、残っているかもしれないけれど――>>166本能に呑まれたくろを見据えながら、目を細めた。
『 食べたら、だめだよ 』――と。
遠い昔。施設で育って、また幼少の頃から知る彼に、今日とて変わらぬ姿で伝えたならば、その欲を止めることもできただろうか?
『 ここは海じゃないから、 』 『 ヒトで居たいなら、食べてはだめだよ。 』
雑音に染まって、ぼやけた脳裏に浮かぶ過去の窓が、……きばをのぞかせた彼を、映す。 ―――妄想じみて、…いやもしかしたら、妄想かもしれない。 だって僕は、むかしむかしなんて。 ]
(188) 2015/07/11(Sat) 20時頃
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ここは海じゃあ、ないから。
[ まるで無垢に、純粋に問われた声に、僕は恐怖なんて抱かない。 だって「仕方が無い」んだもの。 彼の本能は、食欲は。
―――僕が冬に、長いねむりに就くように。
乾きやすい僕の尻尾に手が触れかかるのを、横にずれて避けた。へたに千切られたりしたら、たまらない。 鮫に喰われる亀は海亀だけで十分だ。 亀は亀でも、僕は海亀じゃあない。
ぱさりと落とされたフードのした、ヒトのように、またその瞳と同じくろい髪には―――宙に似た感覚を思い起こさせながら。 ふるり、首を揺らした。 また、彼の「おねがい」にも、鼻を鳴らして背いた 。]
君の黒は、深海のそらだなあ。
[ ―――言いながら、僕は彼に手を伸ばした。
彼の持つそらに手を掠めさせながら、おねがいしてまで欲に従うその姿と、間抜けにも手間取る姿に腹が擽られる感覚を持ち。 ぱこんとそのマスクが外れた矢先、覗けたきばには感嘆さえ思いながら――― ]
(189) 2015/07/11(Sat) 20時頃
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[ ―――やがて、僕はその鼻先を、摘み引っ張った。 ]
食べられたら、死んじゃうだろ? 僕、しにたくないから。
[ そのまま前へ引っ張り倒して、逆に壁へと押し付ける。
―――ただ彼がひどく抵抗を起こせば、押し付けることは愚か、鼻先に触れることさえ難しかっただろうけれど。
記憶に貼り付いた、いつかの景色が。 僕の生存欲を掻き立てる 。 ]
(190) 2015/07/11(Sat) 20時頃
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[握りしめてくる手を握り返すことすら出来ない、その手を見ると。伸びていた爪は確かに、その存在感を薄めている。
薬、自体は正しい効能を発揮している。副作用など、その事実に比べればどうでもいいことだ]
い、え。大丈夫、です。
少し、あたま、が、痛んだだけ....なので。
[今尚続く痛みは理性で抑え込み、重なる視界からは意識を遠ざけて、立ち上がる。
初めて薬を投与された時から、このような症状はあって。そのたびにそれを理性で抑えつけてきたのだ。
錯覚かもしれないけれど、薬の失敗した先生は、ほんの少し残念そうな顔をするから]
爪、良くなりました。 ありがとう....ございます。
[これほどの症状が出たのは初めてだけれど。少しでも、軽く見せることが出来たのなら。
それ自体が、もう私の幸せだ]
(191) 2015/07/11(Sat) 20時頃
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[足を止めた理由は、彼自身わからなかった。 ただぼんやりと、薄暗い部屋の中浮く己の手足を見つめ 後ろで泣く獣人の息遣いを聞いている。]
そう……
[投げかけられた否定の言葉を小さな相槌で受け流す。 それ以上に、己の汚い面を露呈するのは憚られた。 すり、と衣擦れの音がする。 やがては背中に触れるものがある。 影を負った背はひくりと身じろぐものの、拒む事はなく ぬばたまの黒髪は未練のように指に絡まる。]
( ……おかしな仔だ )
[離れたかと思えば、 飼い主の顔を覗きこみにおいを嗅ぐ 子犬のような仕草をする奴だと思った。]
(192) 2015/07/11(Sat) 20時半頃
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[何が卑怯なのだと問えば、 また言葉>>178は繰り返される。 さりながら二度目の「兄さん」は少し違った響きで
彼は、振り向けないながらも僅かに、 首をベッドの方へ向ける。
――おいで、と呼び ――ごめんね、と謝る声が聞こえた。
あの鸚哥に謝っているのか。
己も相手も 自分の思いを押し付けて 真っ直ぐにそのままに 相手を見られていないならば ]
( ――……同じじゃないか )
[そう思う。 十は下の相手と同じというのも、 些か大人気ないと彼自身思うが。]
(193) 2015/07/11(Sat) 20時半頃
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[とん、と背中に何かが押し当てられる。>>179 衣服を通して、先程よりは控えめな熱が、 体温の低い体に滲む。
微かに心拍の音を聴いた。]
……なるほど。
[ここに「連れてきて」。 「探す」とはいわないから、立ち止まったままだから。 己は卑怯だと。――そういうことか。]
それはほんの少しだけ「卑怯」だね。
[私の卑劣ぶりと比べたなら、 きっと私の方が勝つだろうけどさ。
茶化すようにそう云って、笑ったところ、 とん、と鸚哥が腕に乗ってきたから、 その頭をもう片方の指先でとんとんと撫でた。]
(194) 2015/07/11(Sat) 20時半頃
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[先ほどからこの鸚哥は、ヒトよりよほど 誰かの心情を読み取るのが上手いと見える。 外に「行きたい」が「行きたくない」――。>>180]
はっはっは。 ……晴れずとも、いつかは切れる日がくるだろうさ。 いやあ、十年ばかり引きずってきたものだから、 わからないが……ね。
[滲む熱に息を吐く。額を預けられたままだったならば、 離れるように、よっとベッドの脇から背を起した。
腕に留まった鸚哥をフィリップのもとに返しながら、 数瞬、瑠璃色の瞳を見下ろす。
――湖の、もしくは、海の深淵に似たそれを見て 先ほどの意趣返しと、こつんと白い額に額を寄せた。 それは子の熱を測る大人のように。]
(195) 2015/07/11(Sat) 20時半頃
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[そうして、瞼を下ろせば 見えるのは、 ]
( ――……荒津の海潮干潮満ち時はあれど…… ) [内心で呪文めいた言葉を吐いて、 それから、何も言わずに額を離した。
ここに居ない誰かを想い哀しむ「孤悲(こい)」の道を、 いつか外れられたならば―――― 。
彼はゆるりと立ち上がる。]
「また」具合が悪くなったら言いなさい。
[そう云って 黒髪揺らし、 白に塗り潰された部屋を後にしようとする。*]
(196) 2015/07/11(Sat) 20時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2015/07/11(Sat) 20時半頃
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―― 食堂 ――
……はあ。では、あなたは「それ」を何と呼んで欲しいのです?
[ かたり、と。男に引かれた椅子が鳴いた。 自分は先程食べたばかりなのだ。―――と言えど、既に夕刻間近な頃までには、なっているだろうか? 時計など持っていない。 男は適当に生きている。 そして腹は空いていない。 男はカウンターから珈琲のみを受け取り、その縁に口付けた。
腹が空いている>>187と言った彼女もまた、何か食事を受け取ることもあっただろうか。 秘密棟の食事はあまりよろしく無いと聞く。聞くだけで、食事そのものを見たことは無いが。 ――兎も角、端の席に腰掛けて、男は彼女に問い掛けた。 ]
(197) 2015/07/11(Sat) 20時半頃
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私は貴女のそれを、髪だと云う。 貴女はこれは、針山でもあると云う。
―――貴女の本心は、どちらに?
[ 意地の悪い質問だったかもしれない。 男はソーサーにカップを置いて、苦味の残る喉を撫でた。 苦い。 少しだけ、甘くしようとミルクを垂らす。
然し質問の意図は特に無く、堂々巡りになる前に、と面倒臭さの手前、適当に言葉を投げたのみ。 ――また、彼女をちらと見遣り、その髪だか針山だかに、撫でた”痕”が残っていれば。ゆるりと手伸ばし、拭うこともしただろう。 …無論、先程再度撫でると言ったその時に、男よりちいさな体躯を更に縮めてしまったことを忘れたわけでは無かった。 ]**
(198) 2015/07/11(Sat) 20時半頃
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少し、痛んだ……?
[クラリッサの苦悶の表情からは。 とても“少し”の痛みとは思えなかった。 震える声で「ありがとうございます」という彼女を、 アマルテアはじっと見つめた]
大丈夫だったら、いいのだけれど。
[ふらふらと立ち上がるクラリッサの姿は。 健気で。必死で。ひどく愚かだ。 まるで飼い主に嫌われまいとする愛玩動物のようだ、とすら思う。 アマルテアは、やはり“彼ら”をヒトとしては見ていない]
(199) 2015/07/11(Sat) 21時頃
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よく我慢したわ、クラリッサ。
[まるでペットを可愛がるような手つきで、 クラリッサの頭をそっと撫でた。 先程のジリヤのように、“飼い主”の手を噛むような輩もいるが。 クラリッサのように従順な者には、アマルテアは優しく振る舞う]
落ち着くまで、ベッドに休んでいてもいいのよ。 無理にとは言わないけれど。
[その口調は、あくまで穏やかで。 爪の様子を観察して、薬が確かに効いていることを確認する。 カルテにその結果を細かに書き込むと、万年筆を机に置いた**]
(200) 2015/07/11(Sat) 21時頃
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―第一棟・自室→食堂へ―
[私の部屋は、物が少ない。もっとも、他の人の部屋がどんな風なのか、私は知らないのだけれど。 小さなクローゼット、姿見、そしてベッド。あるものといえばそれだけだ。 この部屋には寝に戻るだけで、私は一日の大半を第二図書室で過ごしているから、特に不便は感じていない。 不便は感じていないけれど、親しみも感じていない。10年経ってもどこかよそよそしい部屋の扉を閉めて、私は食堂へと向かう。 廊下に並ぶ各人の部屋の扉。その向こうで零された、誰かの涙も知らぬまま、私はゆっくりと食堂へと歩いていく]
…………ああ。
[思わず溜息が漏れた。 この時間なら人気がないと思ったのに、食堂には人影があったから>>197]
(201) 2015/07/11(Sat) 21時半頃
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………
[黙ってしまう。本心は針山だが、それは、口に出せない。作り置きしてあるサンドイッチを手に取ると、黙って食べ始める]
ぅ… [拭われると、身を縮こまらせながらも、おとなしくして。]
…なンだよ。怪我までしながら、アタシみたいな跳ねっ返り構って、なンの得があるんだよ…仕事、明らかに越えてンだろ…
[仕事なら鎮痛剤でもなんでも打って、独房に放り込めばいい。それなのに、こいつは自分と話そうとしている。なぜ、そんな事を]
(202) 2015/07/11(Sat) 21時半頃
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[引き返そうかと思った。 それでも結局、食堂へと足を踏み入れたのは、空腹に耐えられそうになかったことに加えて、とても珍しい光景が目に入ったからだ。 人間相手に、あのジリヤがしおらしくしている>>202。青天の霹靂とはこういう事象を指すんじゃないだろうか。私は青い空も雷も見たことはないけれど。
カウンターで食事を受け取り、二人から離れた席に腰掛けた。驚きはしたけれど、それは積極的に関わる理由にはならない。
やせぎすの私の食べる食事は、実は動物性たんぱく質が多い。私の中の梟がそれを求めるのかもしれない。 今日もハンバーグとサラダ、そしてパンと水を受け取った。梟だからといって、鼠を食べるわけじゃない。 ひっそりと食事をしながら、私は耳を傾ける。別に、盗み聞きするつもりはないけれど]
(203) 2015/07/11(Sat) 21時半頃
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[ この部屋で 自分と兄以外の存在を確かめるように 押し付けた額>>179から伝わる温度と鼓動は やっぱり影が差したままのように思う。 獣の中に彼女を見る彼と 鸚哥に兄を重ねる僕は
( …どこか、似ているのかもしれない。)
空気と 背中を伝ってきた笑うような声>>194は 高いトーンを保っているのに どこか……
( でもこのひとのほうが、大人なんだろう。)
卑怯だ卑劣だと、競うようなものではないものを 笑い飛ばしながら自分を卑下する声に これが彼の 見の守り方なのだろうかと。
背中の向こう側の腕に 兄が向かうのを見ていた。]
(204) 2015/07/11(Sat) 22時頃
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[ いつもなら、不躾な兄を途中で窘めるのだけれど 今日はそんな元気が僕に無い。 人の領分に土足で…いや 鳥脚で踏み込む兄にも 一笑して応えるだけの人>>195で良かった。
( 本気で怒らせちゃうこと、あるからなあ ) 自分の耳に痛いだけなら、良いのに。
僕は見下された夜の瞳に (ごめんなさい)と 済まなそうに眉尻を下げた。
僕が”兄さん”を大切にしているように 彼が未練を大切にしているようにも、思えたから。]
(205) 2015/07/11(Sat) 22時頃
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[ ゆら、 目の前の夜が揺れて 長い彼の前髪がその前を通り過ぎる。
白い部屋でひときわ艶めく黒が 僕の目の前を覆って ( こつり ) 額の中心に感じる「ひと」の温度 ]
………………。
[ 僕に母の記憶があったならよかったのに 伏せられた瞼を彩る睫毛が 波のように 揺れた、きがした。
僕は瑠璃を瞑ることもなく 寄せられる額 離れてゆく瞳を見送って その目が瑠璃から逸らされる前 ぼくは ]
(206) 2015/07/11(Sat) 22時頃
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…優しくすることは、卑怯じゃないとおもう。
[ 繰り返しでない言葉を、夜の海の中に投げ込んだ。]
(207) 2015/07/11(Sat) 22時頃
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[私の頭を撫でる先生は、少し満足げな様子で。
その顔を見ることが出来ただけでも私は幸せだと、撫でられるたびに頭を襲う激痛に耐えながらも感じた]
じゃあ、お言葉に甘えて。
[全身を苛む痛みは未だ収まることを知らず、流石にこのまま平気な顔で歩きだすことはできそうに無い。
それならば痛みが引くまでベッドで休ませて貰おうと、身体を投げ出した、そのとき]
――っつう!
[ベッドと触れた部分に鋭い痛みが走り、一瞬にして玉汗が顔全体を覆う。
精一杯抑えたつもりだけれど、もしかしたら声も聞かれたかもしれない]
(208) 2015/07/11(Sat) 22時頃
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[ 彼が返す言葉はあっただろうか。
仮病を促すようなその物言い>>196に、僕はどこか 「また」彼と話ができる日がくるのかと
詰まる喉をゲンコツで開いて絞りだす言葉は 僕にとってはひどく息が切れるものだったけれど それでも また、ひとと話したいと思ったのは 初めてだったから。
こくこく、と数度素早く頷いて ベッドの上から、背を向け揺れる髪を見送った。]
(209) 2015/07/11(Sat) 22時頃
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『 センセ! マタネ! マタネ!』
[ 相変わらずの兄は 部屋の扉まで彼を見送り 羽ばたきの中で、ふわりとひとつ 真っ赤な羽毛を 彼の頭の上に落とした。*]
(210) 2015/07/11(Sat) 22時頃
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フィリップは、明之進の揺れる後ろ髪が綺麗だなと思う。
2015/07/11(Sat) 22時頃
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[ ひとつ。男は軽く息を吐いた。 「問い」に黙りと音を閉ざしたその姿>>202を、頬杖を付き見遣る。 拭ったことに反抗も無いまま、されるまま為すがままのそれを、―――温もりのした、冷えた心、…神父に成れなかった所以の傲慢さが足を伸ばす 。 ]
何故でしょうねえ………
[ 己の事を聞かれるのは、今日二度目だったか。 一人は鮫君。一人は針鼠に。 自分は若しかして、獣人にとってはまるで奇異なひとなのかもしれない。――と、ひとりごちる。
そう、それは先から、離れた場所へ身を寄せた梟も、もしかしたら>>203
男は「崇拝」ではないその視線や思考に、まるで試されているような気持がした。 …まあ、今更気にすることでも無かろうが。
男は針鼠に答えるより先に、梟の彼女へ手を振った 。来た時>>201に見えたのは、溜息を吐いたような姿 。それに嫌がらせじみて、男は手を振る。笑みを張り付け、ゆらゆらと。 ……最も、無視を食らったならばそれまでである。 ]
(211) 2015/07/11(Sat) 22時半頃
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マユミは、フィリップの歌声は嫌いではなかった。音楽は、煩わしいものではないから。
2015/07/11(Sat) 22時半頃
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―――大きな怪我人が出る前に落とし所として、示したものでもありますが。
その他を言うなら………おもしろかったから。
[ 喉が鳴る。 愉快気に、くつくつと男は喉を鳴らした。 不気味にさえ思われるかもしれない。 しかし笑声止まずに、凛として瞳に病んだ光が灯る 。]
何故、貴女はそこまで反抗するのですか。 まるで泉の水を求める鹿のように。 ――鳥のように山へ逃げる方法も、あったでしょうに。
[ カップを持ち上げると、黒い水面がゆうらり揺らいだ。 混ざり切らないミルクの白が、 時折見えては沈んで行く。
―――そう。白亜の色に、染まってしまえば良かった。 そうすれば、傷付くことは無いのだから。 ]
(212) 2015/07/11(Sat) 22時半頃
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抵抗を重ねるお前に触れたら、その顔がどう、” ゆがむ ”のか。
―――知りたくなった。
[ 掠れ、地を這う声色は、音は。はたして彼女まで届いたか。 ……男の知る所では無い。 ]**
(213) 2015/07/11(Sat) 22時半頃
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[こちらに手を振るアーロン>>211には、黙って会釈を返した。 最低限の礼儀はあるつもりだ。慇懃無礼という意味では、それは無礼なのかもしれないけれど。
ハンバーグを食べながら、私は肉食の獣のことを考える。 私の中の梟は、動物性たんぱく質を求めるけれど、同時に私の中には人間としての要素も確かにあって、人間と同じ調理された食べ物を食べるし、野菜だって求める。 けれど、全ての獣がそういうわけではない。獣としての要素を、私より色濃く持つ者もいる。 きっとこの世界は、そんな者にとって私よりももっと、生きにくいところだろう。 そんなことを考えていた時]
………………。
[静かな食堂に、低い声がした>>212>>213。 それは、本当に微かな声だったけれど、幸か不幸か私は梟ゆえの聴力がある。 聞こえてしまった。そう感じたということは、それはやっぱり不幸なことだったのかもしれない]
(214) 2015/07/11(Sat) 22時半頃
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あン時はそうだったかも知ンねー、けどよ…もぅ、違うだろ。ここに来て、話すンはよ…
…面白い…なンだよ、それ…反抗的で、暴力的で…髪だって、タップリ刺さっただろ…それで、まだ関わろうと出来るのかよ…
[視線を落として、サンドイッチを食べきる。簡単なものだが、秘密棟の物よりよほどいい]
何でって、そりゃ…
[底にしまっていた感情を吐き出そうとした時、地を這うような声が聞こえる>>213]
…やっぱそーかよ。クソッタレッ!猿らしい理由だな、オイッ!
[その声を聞くと、恐怖も困惑も一気になくなった。代わりに湧いてくるのは、いつもの苛立ち。机を叩くと、サンドイッチの残りが乗った皿が吹っ飛び、割れる。髪を結んでいるゴムを解くと、バラけさせる。羽織った白衣はすでにボロボロになっている。]**
(215) 2015/07/11(Sat) 22時半頃
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……クラリッサ。
[漏れ聞こえた苦痛の声>>208に、ベッドを覗き込む。 小さく震えるその背中を、そっとさすってやろうとするだろう]
無理をするのは、良くないわ。
[可愛い子。そして、とても哀れな子。 ここで生きることしか知らないから、 自分みたいな人間にも縋ってしまうのだろう。 ヒトとして扱われないことに不満を抱かず、 歪んだ優しさを、何の抵抗もなく愛情として受け入れてくれる] 私が、しばらく傍にいるから。大丈夫。
[クラリッサという“被験体”は、アマルテアにとって。 これ以上ないほどに都合がよく、 それ故に可愛らしい存在であった**]
(216) 2015/07/11(Sat) 22時半頃
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[ ――――乱暴に置かれた手のひらに、皿が浮かぶのが目に入った。ぱりんと高い音を出して割れるのには、皿はいつもこう云う割れ方をすると思う。
して。 何故また彼女は激昂したのか。――ああ、言い方が悪かったのだろうなと、男はまた喉を鳴らした 。確信犯的であったかもしれない。]
そう、そういう―――貴女は。
[ ばらけた髪――針か? 未だ余裕を持った面持ちで、男は考えた。 いや、どう見ても髪だろう 。結うことは出来るのかと、また疑問を浮かばせつつ。 されど鋭利にも煌めいた毛先は白衣をよりぼろ切れにするのだろう。 こくりと、 喉に通した珈琲が腹に渡る 。]
(217) 2015/07/11(Sat) 23時頃
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―――「 怒った 」顔は、可愛くない。
私は貴女の、その表情しか見て来なかったものですから。
[ 「 座ったらどうですか。」と、着席を促す声を続けることは、出来ただろうか。 例えその髪が振り翳されようが、血が滲むことは怖く無い。 …そう、先程肉食の彼の、特殊な肌に焦がれるように。
……カップを傾げると、真白な底が見えていた 。男は残念そうにそれを見て、軈て小さな音を立て、ソーサーにカップを立たせた。
彼女の「 別の顔 」が見たいと、素直に伝えたら良かったろうか。 生憎、男にそんな真直ぐな思考と口先は持ち得ていない 。……いなかったが、 男は少し、考えた。 ] **
(218) 2015/07/11(Sat) 23時頃
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―第二図書館―
あっは、なんだこれ。珍しいなぁ
[フクロウを送った後、急に知りたくなったというか。知識欲のような、学者としての悪い癖が出たように第二図書館へやってきて 掃除されていない故に保存の悪い本、その中には外に関する事や、地図。それに、誰が持ち込んだのかこの施設の地図まであったかもしれない]
うっわ、これなんかもう潰れたのに 今は更地だってハナシ
[懐かしさに思い馳せて。とある地図の一部にたどり着けばそっと目を細める 自分が研究室で住む前に、よく遊んだ空き地。そこで出会った思い出をふと考えて]
(219) 2015/07/11(Sat) 23時頃
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なーんで、あんな女医に話したかな… 結局なんでアイツがここに居るか聞いてないぞ、と
[今度会ったら聞いてみようか。なんて考えてから、寝不足が祟ったのか、ふとまぶたが重くなって 自室に戻るのも面倒だからと椅子を並べて横になれば眠りについただろう**]
(220) 2015/07/11(Sat) 23時頃
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庭師 ノアは、メモを貼った。
2015/07/11(Sat) 23時頃
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悪趣味だわ。
[私の小さな呟きは、きっとジリヤの上げた声>>215にかき消されて、誰にも届かなかっただろう。 悪趣味で……そう、その発想はとても、とても、獣の私たちよりも動物的だと思えた。 私に、人間の真意>>218なんてわからない。わかろうともしていなかったけれど。 だから私はジリヤの怒りを正当なものとして受け止め、静けさが失われた食堂で、部外者として食事を続ける]
(221) 2015/07/11(Sat) 23時頃
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[今にも殴りかかろうとしているのに、相手は気にもとめていない。それどころか、怒った顔は可愛くないだの、座ったらどうだだのと言いながら、コーヒーを呑気に飲んでいる。それに困惑が出てくると、また苛立ちは顔をひそめる]
…なンだよ。言うことがコロコロ変わりやがる。おめーといると調子が狂う…
[拳を止めて座り直す。理解した言動と、その次の言動が一致しない、とハリネズミは思った。もっともその言動が、違った顔が見たい、という一つのことで説明できるなんて知ったら、彼女の混乱と恐怖は、より、大きくなるだろう。机の上に奇跡的に形を保って残った卵サンドを食べる。]
(222) 2015/07/11(Sat) 23時半頃
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[押し殺した筈の声は、やはり聞かれていたようで。先生はベッドの方に来ると、私の背中をさすってくれた。
最もそれは、私にとっては痛みが増すだけだったけれど]
無理、なんて、してません。大丈夫、です。
[先生の方に向ける、笑顔。汗を拭くだけの行為すらままならない状態でも、笑顔だけは崩さない]
そうだ、前から、一つ気になっていたことがあるんです。
[声を出すだけでも、声帯を震わせる空気の振動が痛みとなって身体に伝わる。 それでも、何か喋っていなければ。痛みで、不意に叫びだしてしまいそうで]
先生は、どうして私達の研究をしているんですか。
(223) 2015/07/11(Sat) 23時半頃
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[アーロンの言葉は、ジリヤの怒りを止めるものとなったようだ>>222。静けさが戻ったのは結構なことだと思う。 ジリヤがどうしようと、私は彼女を止めるつもりはないけれど、食べ物を粗末にしたこと>>215だけはいただけない。 小さく息を吐いて、私はちぎったパンを口に運ぶ。
他の人が何を考えているかなんて、わからない。その相手が人間なら、尚更のこと。だってわかりたいとも思っていないのだし。 けれど、わからないなりに「きっとこうなのだろう」と思っている。それが正しいか、間違っているかは別として。 大抵の場合、その判断の想定内の行動を相手は取るから。それで不自由しないのだけれど。 だからこそ、その判断の想定を超える反応を示された時、人は戸惑うのだろう。今の、ジリヤのように。 私はそんな風に考える。 そんな私の考えこそが勝手な判断なのだろうけれど]
(224) 2015/07/11(Sat) 23時半頃
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― 彼が去った後の部屋 ―
[ いつもの様子を取り戻した部屋は、 それでもまだ微かな熱が篭っていて 僕はなんだか、持て余すように身を捩る。
白いベッドの上から、白い天井へ 碧海の腕で橋を投げ架け 見えぬ空へ爪先の焔を伸ばし
慣れぬ言葉を紡ぎすぎた喉を震わせた ]
月なきみ空に、きらめく光、 嗚呼 その星影、希望のすがた。 人智は果てなし、 無窮の遠に、
いざ其の星影、きわめも行かん。
(225) 2015/07/12(Sun) 00時頃
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[ 針鼠は無事に風呂に行けただろうか、 服の都合はついただろうか。
猫の爪はだいぶ伸びていたようだったけれど、 薬のせいで何処かでふらついてやしないだろうか。
朝更しが過ぎた梟の見る夢は、穏やかなものだろうか。
(もうさすがに、寝ているだろう)
頑丈に作られた部屋の壁。 この壁の向こう側で、きっと寝ているだろう彼女を想う。
ちら、と瑠璃を横に流せば、 兄は静かにベッドのふちで 目を伏せていた。]
(226) 2015/07/12(Sun) 00時頃
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雲なきみ空に、横とう光、 ああ洋々たる、銀河の流れ。 仰ぎて眺むる、万里のあなた、
いざ棹させよや、窮理の船に。
[ 僕が手放しさえすれば、星の界を飛べる筈の赤い鸚哥と 共に夜空を飛ぶ日を「楽しみだ」と言ってくれた梟へ
翼あるものよ、どうか、どうか。
僕が兄を手放せる日は、彼女が此処から出られる日は 同じくらい「ありえ無い」ものだろうか。
白い部屋に唄声が染みてゆく。 それは、壁に 此処に居た男の瞳のような夜を描き 僕はその夜に 赤い爪で星を灯す。
彼女の翼が 闇夜の中で映えるようにと。*]
(227) 2015/07/12(Sun) 00時頃
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……どうして、って。
[突然のクラリッサの問い>>223に、言葉を詰まらせた。 言うなれば、今まで忠実に言う事を聞いていた飼い犬が、 急に唸り声を上げてこちらを威嚇したときのような。 そんな、不意打ちの問いであった]
私、は。
[聡明なアマルテアにしては珍しく。 上手く言葉が出てこない]
(228) 2015/07/12(Sun) 00時頃
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……ヒトに戻りたい、って言われたの。 こんなのは、いやだ。 俺はバケモノなんだろって。だから。
[気付いた時には、とんでもないことを口走っていた。 すぐに、しまったと口を塞いだけれど。もう遅い。 少なくとも、“被験体”に話していい事柄ではなかった。 言うに事を欠いて、“バケモノ”だなんて]
気を悪くしないでちょうだいね。
[取り繕うように言ってから、じっとクラリッサを見つめた]
ただ、私は。あなた達をここから出してあげたいだけなの。
[なんて偽善的で。なんて身勝手な言葉だろうか*]
(229) 2015/07/12(Sun) 00時頃
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[ 泣きすぎた。 頭がぽうっとするし、何より目元がぱんぱんに腫れていて
( 誰にも会いたくない なぁ )
お腹はすいたけれど、 誰かに泣き腫らした姿を問われでもしたら 兄さんが何を言ったものか 想像しただけで怖い。
ごろ、と転がって シーツを抱きしめ あの「ひと」が額を押し当てていった中心をなぞる。 …まるで、人間のように扱われた気がした。
少し寝てしまおう。寝ちゃえば、空腹も気にならない。 こういうとき鳥は少し便利だ 暗くすれば それなりに眠気が来るのだから。 *]
(230) 2015/07/12(Sun) 00時頃
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[額に額を寄せて、伝わる温度に何の意味があるのか 彼は知らない。
ひたり、と合った視線に、彼は唇を閉ざしたまま。 ついと目線をそらそうとすれば ふと投げかけられた言葉に ざあ、と宵の海は音も無くざわめいた。
フィリップに対し 一度も”兄はどこにいる”と聞かなかった事。 ”どうして君達は別れてしまったのか”と聞かなかった事。 ――それらの意味は、]
……いいや、卑怯だよ。
[彼はそう云って、ゆるりと首を振った。 フィリップは――この繊細な心の獣人は、 とても優しいと思った。]
(231) 2015/07/12(Sun) 00時頃
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良く言われます、…ええ。
[ もう落ち着けたのだろうか。先よりか穏やかな声色>>222が鼓膜を叩いた。 おとに引き摺られるまま、彼女を見れば少なくとも「 憤怒 」では無い。 困惑、に近しいそれに、得たのは少しの満足感。
――また、そのまま続けられた文句にも聞こえる声に、男は昔を思い言葉を吐いた 。 まるで色の違う数多の花弁を一枚一枚剥くようにして露わにする本音は、実に、心底、不気味で信用ならないと。 ――悪魔の誘惑を糾弾されたことも、あったろうか 。
男に” 邪気 ” など、毛頭無かったのであるが。 ]
(232) 2015/07/12(Sun) 00時頃
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[どうして「また」と言ったのか、 その深い理由もわからぬまま 彼は、こくこくと頷くフィリップに柔らかく微笑む。
それから着物の裾を翻して、 白い無機質な部屋を歩き去る。
『マタネ!』と叫ぶ鳥の声に、上をみあげて「ああ」と答えた。 ふわり落ちてきた赤い羽根を掌で受け止めて、
がちゃん、ぱたり。 ――フィリップの部屋の前で、 白い掌に落ちたそれを、一度、
柔く握った。]
……卑怯なのさ。
[もう一度、呟いて 彼は白い施設内を、歩きだした。*]
(233) 2015/07/12(Sun) 00時頃
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「意味」こそ、…そのうち貴女にも解るでしょう。 ……きっとね。
ああ、それと私は「猿」ではありません。 「 ヴェスパタイン 」です。
[ 目蓋を伏せた後、男はぴしりとひとつ指を立てて、言葉を紡いだ。 他の管理人への呼び方を直そうとは、考えることさえ無かった。一先ず己のみ。 常々そうである。
あの荒れ模様の中、残った卵サンドには拍手さえ送る気を持ちつつ。いやはや、良く串刺しにならなかったものだと、僅少笑えた。無論、先とは別の笑みで。
よもや己が梟に、悪趣味>>221だと突つかれているとは知らずに。 また、喧騒の中呟かれた音色も拾えずに。 割と人間味に寄った食事>>203を前にする彼女に、破片が及ぶことは無かったろうかと顔を向ける 。……破片が及ぶ範囲には、座って居なかったかもしれないが 。]
大丈夫でしたか。
[ ―――掛けた声に、彼女は何と返して来ただろうか。 もしかしたら、声が聞こえることも、返されることもなかったかもしれない。 それはそれとして、 男はまた目前の彼女に顔を向け直すのみ。 ……ただ返事が返されたら、二三交わすこともあっただろうか 。]
(234) 2015/07/12(Sun) 00時頃
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―――そう言えば、ジリヤさん。 貴女を部屋まで送る約束をしたのですが、ご予定は?
[ ―――と云うよりは、何故そもそも彼女は逃げ出したのだろうか。 逃げ出したにしては、脱走の気も見えないが。 犯人が飄々としているあの男とは知っている 。その別、男は彼女の思考を汲み兼ねて首を傾げた 。よもやその理由が、憂さ晴らし>>0:48とは到底思わずに、ゆうらりと長い髪を揺らす 。
そうして彼女が戻ると言うならば、そのまま秘密棟まで足を向けたことだろう 。また、別所へ行くようなら、両者共々へ処罰を下されることだけは避けようと相応の手段を探りつつ。 ]**
(235) 2015/07/12(Sun) 00時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2015/07/12(Sun) 00時頃
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アタシにもわかるって…胡散くせぇ…
[無事だった卵サンドを飲み込む。惨状は片付ける気はない。考えのとっかかりすら掴めないから、聞いているのだが。のらりくらりとかわされてなんとも調子が狂う>>234]
あー、あー、わーったよ。ヴェスパタイン。これでいいだろ
[困惑は止まない。反抗する気すら起きない。それよりは、こいつの真意を知りたい。なぜ、アタシにもここまで関わるのか。相手がマユミに話しかけ、その存在に気づけば、嫌なところを見られたとバツの悪そうな顔をする]
予定?気の向くままって予定が死ぬまで入ってる。
[要するに、帰るつもりはない、という宣言。まだ、イカ女医の顔と手に針を刺したくらいで、満足できない]
(236) 2015/07/12(Sun) 00時半頃
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――プール――
[ わるいこ。 “ いただかれます ”の挨拶だったろうか。かすかに聞き覚えのあるそれ>>188に、ちかりと意識が点滅する。
赤みがかった茶色、自分とにた機械ごしの声。ふれかけてそらされる背後からのびる尾っぽ。
『だめだよ。』
ひた と、ベルトの留め具を弄る手が止まる。くせじみた、反射的な静止であれば、自分でもぐいと首をひねった。―――だめ。たべたら、どうしてだめなんだっけ?
“はは”も“ちち”も知らないまま、施設で育った己に、さとす声を思い出す。――いついつも、おなじすがたのこわいろの、そう彼は。ここは。
うみじゃないから。
ああ、と。水滴の音にかき乱される頭の奥、あまいにおいの混じった嘆息が漏れる。幼いころ、本にならぶ“うみ”の綴り。その発音をしったのは、そう――この声だったろうか。
告げられる「ほんとう」を、どこか凪いだ意識で聞きながら。]
(237) 2015/07/12(Sun) 00時半頃
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チェビィ、
[ いついつも――朝も夜も人工的につくられるここで、年月や“きせつ”のそれは、鈍い頭に殆どすり切れていたが――記憶のうち、 かわらないままだった気のする彼のなまえは、いつかどこかできいたのだったか。 わずかに“マトモ”な低い声で、ふると揺れる頭へ落とす。 それでも髪に触れる湿めった空気が。空腹が。じわとその身からたつにおいが、どうあっても。――ヒトにはなりきれない、と叫んでいる。]
しんかい、
[ きみの、と覗き込まれる瞳>>189に一瞬、獣ともひととも付かない、“乞い”を滲ませながら。 それはそとの? おれにもあるける?と、 おれはいつになったら、と。 綯い交ぜになった意識がおおきく平均台上で傾いていく。
――それもぐう、と服下、再度本能が鳴けば、ひたと乾く喉奥側へと雪崩こみ。パコン、と存外軽い音をたてマスクが外れたなら、 まるでにげだすように、鮫は亀に歯を立てかけた。 ものの、*]
(238) 2015/07/12(Sun) 00時半頃
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いッ……、っ
[ 無防備に晒した感覚器官の、――ひと際過敏なそこを摘まれたなら。それだけでヒトらしい仕草で眉間をぐ、と顰めさせ、苦悶を訴える。
まま壁に押し付けられるのにも、怯んだ身におよそ反応し切れる筈もなく。 痛みにひゅうと吸う喉奥、あまいにおいが水気を含んで滑り込み、欲に暈された視界が整っていく。]
――、ッ…あ、………俺、
[ 鼻を捕まえる正体の奥と焦点を合わせながら。苦痛に浅く息を吐いては、軽くその腕へ手を叩き解放をアピールする。]
――…、ま、た。
[ 見知る姿に気まずげに、面体で覆われていない瞳を逸らしかけ。 じわとのぼる血のにおいに耐えては、相手を確認する。生存欲。当然のごとく映る瞳のいろ。あまいにおいのしみ込んだ体に、じりと腹の虫を抑え込みつつ。 やがて状況を理解すれば、“ばつか”、と。諦観じみる声で尋ねかけながら。 これで何回目だったろう、ひとをほかを、襲うのは。秘密棟のすすけたにおいは鼻腔の奥染み付いている。 ――いい加減、『処分』かもしれない、と。転がるくつわを一瞥しては、目の前の相手へ視線を戻し。言い渡されるだろう処遇を待った。]
(239) 2015/07/12(Sun) 00時半頃
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[何か――聞いてはいけない事を、聞いてしまった。
普段ならまず言い淀んだりしない先生が、言葉の次を口に出すのに時間を掛けたとき。すぐにそれは分かった]
先生は、優しいんですね。その人の願いを叶える為に、こんな"バケモノの巣"、みたいな所まで来るなんて。
[いくら私でも、取り繕うように付け足された言葉が真意でないことくらいは分かる。
でも、それが。それが先生の願いならば。それを叶えることで、先生が喜ぶのなら]
私に出来ることなら、なんでも言って下さい。 その人がヒトになるまで、"バケモノ"の私でよければ。
["幸せ"がどんなものなのか、知らない私には。周りの人が幸せである時にしか、それを実感することは出来ないのだから。
私がどうなろうが、周りの人が――先生が、幸せになってくれればいいと。そう思う]
(240) 2015/07/12(Sun) 00時半頃
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[『衣がなくては天に帰れません』 『どうかお返しください』
そう嘆願する天女を宥め賺し、騙して、 地上に留め 夫婦となりし男を題材に 話を書いたことがある。
天女に置いていかれる者の気持ちは、 とてもよくわかる気がしたからだろうか、 いつもよりは早く筆が進み、 出来も悪くなかったように思う。]
『この羽衣がお前に天を思い出させるならば 迦具夜が着た天の羽衣のように おれと通わせた情まで喪わせるならば――』
(241) 2015/07/12(Sun) 01時頃
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[男の妄執は狂気の沙汰にまで至る。 けれども結局、衣を見つけ、 天に還る彼女を留めることはできない。
彼女が行ってしまった後は、 空しき朝が地上を照らし出す。 男は取り残されるばかりだ。]
[握り締めた掌を開く。 赤い羽根がそこにはある。 鳥の獣人はこの施設内に何人いただろうか。
( ……願わくば…… )
彼らが逃げ出せればいいのに、と、 ――彼は只、静かに思う だけ。*]
(242) 2015/07/12(Sun) 01時頃
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はい。
[大丈夫か、との問い>>234には短くそう返した。最低限の、礼節。 ジリヤから向けられたバツの悪そうな顔>>236に、また珍しいものを見た、と思う。 けれど、私は無表情なのだ。白目の見えない猛禽の瞳は、わずかばかりの感情の変化など伝えはしない。 そっと首を傾げてみせるにとどめ、私は静かに食事を続ける。 調子を狂わされっぱなしのジリヤの様子に、私はアーロンへの評価を改める。 よくわからない人間、から、食えない人間、へと。 その評価が、株が上がったことになるのか下がったことになるのか、私にも良くわからない]
(243) 2015/07/12(Sun) 01時頃
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― 第二図書室 ―
[廊下を抜け、においのしない花々を視界に収め 庭園を抜けてその部屋へ。 彼は、扉を開けたとたんに、ぱちりと瞬きをして それからそこで眠る人の姿に 少し肩の力を抜いた。>>220]
ノア君。 ……こんな所で寝ては、風邪を引くよ。
[第一、鼻がつまったりしないのだろうか。 呼吸器が丈夫なのだろうか。 薄く埃の積もった本の数々を見渡せば、 禁止されているはずの本もそこにはある。
彼はそれらを「見ないふり」をして、 一旦は踵を返すと、 施設の備品入れからタオルケットをとってきて そっとその男の体にかけておいた。]
(244) 2015/07/12(Sun) 01時頃
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[ノアが起きるころには、ずり落ちて 見えないところにいっているかもしれないが、 ……まあ、ないよりはマシだろう。
きっと疲れているのだな、と同僚を思ってから、 ふと部屋の中の地図に視線を転じた。 施設内の地図。
……一瞬、隠してしまおうかとも思ったが ふるり、首を振って、その妄執を取り払うと 一冊の本に手を伸ばし、抜き取り、 そのまま図書室の外へと静かに出て行った。*]
(245) 2015/07/12(Sun) 01時頃
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[食事を終え、席を立った時、ジリヤたちはまだ食堂にいただろうか。 翼のせいで、背もたれのある椅子は横向きにしなければ座れない私は、立ち上がると椅子を元に戻した。 カウンターにトレイを返却し、ジリヤたちがまだいたなら、小さく一礼して、私は食堂を後にする。 夕食時になる前に、離れておくべきだ。
そうして、向かうのはいつもと同じ、第二図書室。 誰にも煩わされることのない、私の居場所]
(246) 2015/07/12(Sun) 01時頃
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[――――……その、はずだったのに]
どうして。
[第二図書室には、先客>>220がいた。埃っぽい、およそ眠るのに適していないこの場所で、ご丁寧にタオルケットまで掛けて>>244眠っているのは、よりにもよって人間のマーティンだ。 溜息が零れる。眉間に皺が寄る。 どうして、人間が、こんなところに]
どこに行けば、私は、放っておいてもらえるのかしら。
[それとも、嫌がらせだろうか。私が、ここなら誰に煩わされることもないと言った>>130から。 読みかけだった百科事典を持ち出そうかと考えて、躊躇った。ここには禁止されている本もあるという。もしもその禁止されている本の中に、百科事典が含まれるとしたら、誰かに見咎められれば厄介なことになる。 溜息をもう一つ吐いて、結局私は何も持たず、踵を返した]
(247) 2015/07/12(Sun) 01時半頃
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[仕方ない。今日は第一棟の図書室の本を借りて、自室で読もう。あそこの本なら、持ち出しても見咎められることもないだろう]
……ああ、もう。
[思わず声が漏れる。 こんなことになるとわかっていたら、こちらには来なかったのに。第一棟の図書室なら、食堂からすぐだったのに。 無駄足にまた溜息を零しながら、私は来たばかりの廊下を戻り始める]
(248) 2015/07/12(Sun) 01時半頃
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[ ぱちりと、浮かんだ ” 理性 ”に、僕はほぅと息を吐いた。 獣同士の力比べも、 また若い頃より衰えた人としての力比べも、彼に到底勝てないから。 だから、壁に押し付けた、彼が。 …その唇から漏れる、苦悶の色。歪む人の顔。―――「 抑制 」と「 躾 」の狭間で、その限界を測って、――きっと、長くは続かないだろうと思った。 ]
…わるいこだなあ。モスキート。
[ 叩かれる腕に、僕はいつもと変わらない顔で、声で、返した。 逸らされかける瞳は、頬をぺちんと叩いて咎め。諦念の色を滲ませたのには、こてりと首を傾げた。 僕の濡れ髪から、雫が零れる。ぱたぱたと落ちる。音。
「処罰。ほしい?」
からかいに染まって投げたそれに、彼はどう返しただろう。 秘密棟に閉じ込める。 実験される。 痛みに悩まされて、また出てくる。 ―――そして、 ]
(249) 2015/07/12(Sun) 01時半頃
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――→第一棟 第一図書室 ―
[もう陽は落ちた頃だろうか。 時間がわからないこの地下では いつ夜がくるかもまた、わからないのだけれど。
彼はそのまま管理室に戻る気にもなれず その手前、暖炉がある図書室で足を止める。 見回りはした……といえるのかどうか。
椅子をけだるげにひくと、 静かに腰掛け、手にした本を開いて、 ――そうして、しばらく活字の海に溺れる。]
(250) 2015/07/12(Sun) 01時半頃
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あのね。モスキート。 君に好きに生きて、食べてもらうこと。僕は願うよ。
でも、僕は…僕”も”、いちどでしんでしまうから。
[ 一度で死んでしまうから。 そしたら、鶴に怒られてしまう。恨まれてしまう。 一度で死んでしまうから。 そうなったら、今みたいに、処罰を軽くできないから。
―――死んでしまったら、 夢は泡沫に、弾けてしまうから。 ]
(251) 2015/07/12(Sun) 01時半頃
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[内容自体にあまり興味を惹かれないのは、 彼自身が元々「外」の人間だからだろうか。 そんな事を、その本を読みながら思い、
何の異変もなければ、 暫くした後、暖炉を潜り梯子を昇って、 管理人の部屋に向かおうとしただろう。]
(252) 2015/07/12(Sun) 01時半頃
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……君はどうしたら、” ここ ”で、誰かを食べないでいてくれる?
[ ――無期限に。
……そんなこと、言えなかった。僕は続けようとした声を唇に閉じて隠した。 僕の血濡れた腕を食べたら、君は止まるの? 僕を全部食べたら、君は止まるの? 海には到底及ばない、プールに放して、何もかも自由にさせたら 、君は。
――止まらない、だろ。
「 本能 」は。
………人間だって、そうじゃないか。
虚しさが胸をせり上がる。無期懲役的に閉じ込められて、そのまま。 寿命で散った命も、殺傷分も、実験ミスも、いろんな死に様を見た。
では、長く生きてしんでしまうのと、 そとに生きてしんでしまうのでは、どちらが良いのだろう? ( ほしぞらも、 見えないまま、僕もいずれ )。 ]
(253) 2015/07/12(Sun) 01時半頃
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……“バケモノの巣”って。あなた。
[アマルテアはクラリッサの言葉>>240に絶句してしまう。 自分の生まれ育った場所を、“バケモノの巣”と表現することを厭わない少女。彼女をそうさせてしまった一端は、間違いなく自分にあるのだ]
クラリッサ。
[彼女の頬に、そっと手を当てた。 上手く言葉が見つからない。 ただ、なんて憐れな子なのだろうと思う]
あなたは、本当に良い子ね。
[結局、口から飛び出したのはそんな言葉で。 穏やかに微笑む女医は、間違いなくどこかが狂っていた。 ふたりの関係は、ひどく歪だった]
(254) 2015/07/12(Sun) 01時半頃
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ねえ、モスキート。お腹が空いたなら、ご飯たべようよ。
[ 僕はこてりと首を傾げた。 濡れてずり落ちる機械を直しながら、床へ落ちた彼のくつわを拾い上げて、また彼の背からも手を離した。 他に何か用事があるなら、とプールを尻目に見ながら、彼にくつわを手渡して。 ]
君の知りたいお話をひとつ、してあげるから。
[ ―――ああ、だから彼は余計、外を焦がれてしまうのかなあ。なんて。
でも、僕はそれ以外に、正しく欲を止める方法を知らなかった。 ]**
(255) 2015/07/12(Sun) 01時半頃
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次は、もっと良い薬を作るわ。
[もっと強い薬を。 クラリッサの身体にある“ヒトではない証”をすべて消し去ってしまえるくらいに、強い薬を。 彼女は「私に出来ることなら何でも」>>240と言ってくれたのだ。 だったら、この“実験”への協力も。彼女の望みなのでしょう?]
また、ここへ来てくれるわね?
[その結果、クラリッサがどれだけ苦しむことになろうと。 例え運悪く×××しまったとしても。 それが彼女の望みならば。 自分は、それを利用するだけだ。 アマルテアは自身の倫理観と罪悪感に、そっと蓋をした]
(256) 2015/07/12(Sun) 01時半頃
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― 部屋の前:廊下 ―
[ ぷあ、としまらない欠伸をひとつ。 どのくらい経ったのか、気にする必要がないから 時計もないし、空も無い。
僕は自分の腹時計だけを頼りに起き上がる。
( あー、むり げんかい。喉乾いた……)
ばっさ、と飛んできた兄さんも腹が減ったと喚いているし まだ目元に違和感が残るけれど 流した泪のぶんくらいは水を入れねば乾いてしまう。
ぎいいい、と開いた扉、半分のぞかせた顔。 ちら、ちら、と薄暗い廊下を左右に見て ( 誰にも見つからないと、いいんだけどなぁ。)
足音など消せない足は、食堂まで密かに着けるだろうか。 ひんやりとした廊下の空気が 頬を撫でていった。]
(257) 2015/07/12(Sun) 01時半頃
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[それからクラリッサと何かを話しただろうか。 いつの間にか医療室の時計は、夜の時間を示していた]
まだ顔色が悪く見えるけれど。 今日は自室に戻れるかしら。 それとも、無理をせずこのまま医療室で休んでいく?
[クラリッサに優しげに問いかけて]
私は、まだここで。 しばらく、仕事をしていくから。
[今回の“実験結果”を、まとめなければならない**]
(258) 2015/07/12(Sun) 01時半頃
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―第一棟・図書室―
[道中で、誰かに会うことはあっただろうか。 図書室にたどり着くと、本を選ぼうとして。また零れそうになった溜息を飲み込んだ。 図書室は、無人ではなかった>>250。もっとも、それは当然予測できたことだ。 ここだと誰かに煩わされるから。だからこそ、私は第二図書室の方を気に入っているのだから。 できるだけ気配を消して、私は並ぶ本の背表紙を眺める。 最低限の礼儀は示すけれど、気づかれなければわざわざこちらから声を掛けることはない]
(259) 2015/07/12(Sun) 02時頃
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