296 ゴールイン・フライデー
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[休日なんて、曜日で決まってるわけでも無いので、件の店に二週連続で同じ曜日の同じ時間訪れたのは、なんというかもう、偶然だった。 そんでたまたま同じ顔を見つけて、その横顔からなんだか目が離せなくなったのは、多分偶然のフリした必然で。
要するに俺は、その男に一目惚れしたのだった。 年甲斐もなく。
自覚した夜俺は、休前日をいいことに多めに喉に流し込んだ酒も手伝って、腹ァ抱えて笑ったね。 ただ、そんだけ。
惚れたからって、どうこうなる気なんか、毛頭なかった。]
(3) 2019/05/17(Fri) 19時頃
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[アニキ、恋人作らねんすか。
言った新人に、苦笑いしたのは俺だけじゃねぇだろう。 そういうのが、向かない人種ってのが、そもそもいるってこと。 あの坊主はまだ、知らない。
確かに恋人の存在が、いざって時の魂のカスガイになる奴もいるが、俺にとっちゃァ足枷でしかなかった。 じょろりん重てぇ鎖を足首に巻いて、お前は崖から飛べるかって話だ。 だから俺は、ガキくせぇ面の抜けねぇ坊主の首っ玉小脇に抱えて、言ってやる。]
俺の恋人ァ、 この街の連中全員だ。
[格好いいだろ、俺。 格好つけさせろよ。 格好だけで、生きてんだからさ。
さぁ、笑えよ!]
(4) 2019/05/17(Fri) 19時頃
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[実際のところ、この街の人間全員が恋人ってのは、あながちまるきり嘘でもなくて。
何かがありゃぁ、命張って助けるんだ、 そんくらいの、心算でいた。
そんな俺が、惚れた腫れただぁ、片腹いてェ、ってヤツで。 笑い疲れて寝落ちた俺は、ショットグラス越しに盗み見た、こちらへ向く筈のない眼差しを夢に見た。 あの目元が、熱にどんな風に潤むのか、見てみてぇなぁなんて、どろんとした欲を飲み込んで。
綺麗な恋を語るにゃちぃとばっかし擦れすぎてんのは、自覚済みだから、別段どうとも思わなかった。]
(5) 2019/05/17(Fri) 19時頃
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[目を覚ましたら太陽はとっくに天辺を超えていたが、休日としては別段珍しい事でもない。 冷蔵庫から牛乳を取り出して煽りながら、ざっと中身を確認した。
一人暮らしも20年を超えれば難しいこと考えなくても大体の家事はこなせる。 ある程度のルーティンにはまってしまった生活は、からからからから、子ネズミの回す車のように軽快に回転していく。
あー、でも。 来週も、金曜日。同じ時間に、あの店に行きてぇなぁ、なんて。 ぼんやり思ったりなんかして。
己の思考に気付いて、くはっと笑った。]
まー、いっぺん寝れりゃ、上等なんだがな、
[一度抱いた相手には急速に興味を無くすのは、経験上知っているので。 抱けちゃう相手は、まぁその程度のモンなのだ。 薄い唇をぺろりと舐めて、どんよりとした眦で笑う。
あーー。 喰いてぇ。]
(69) 2019/05/18(Sat) 20時半頃
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[ひとまずの空腹をいなす為、近所のマーケットに買い物にでも出ることにする。 昨日店で食った飯は、うまかった。 時期の野菜はどう料理しても旨いもんだが、それはそれ。 素材の味をうまーく使うのには、やはり技術がいるモンだ。
さすがに店のレベルにゃ届かねぇが、似たモンを作ってみることは、できるわけで。]
トマト、ズッキーニ、バジル…
[買い物リストなんてしゃれたモンは作りゃしないが、そこは臨機応変と言うことがでごまかそう。
そんな風にして出かけた先で、木の上から降りられなくなった仔猫を掬い上げて飼い主のガキに託すなんて、ありがちなハプニングと出会った。 嗚呼、日常。
当たり前の日は、当たり前に暮れて、当たり前のように夕飯はちょっと思い通りの出来では無かった。 当たり前の翌朝が来て、日々が過ぎて、当たり前に出勤して。 ちょっと非日常に、出動した。]
(70) 2019/05/18(Sat) 20時半頃
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下がれ!
[木造部を多く残したビルは、焔の舐めた場所から崩れてくる。 首輪を押さえられた闘犬みたいに目をギラギラさせた新人は、気を抜いたら走り出すだろう。 建物にはまだ、親子が取り残されている。 がら、と外壁の一部が崩れて、勢い走り出そうとした小僧の首っ玉を、文字通りとっ捕まえた。]
馬鹿野郎、要救助者増やす気か、
[ミイラ取りがミイラなんて、冗談にもならない。 確実なルートが確保されるまでの短い時間を、腹の底から焼けるようなじれったさと共に待ちわびる。]
いいか、間違っても一人で突っ走るな。 必ずツーマンセルだ。 ぜってぇ崩すなよ!
[GO!の号令を貰った犬っころは即座に飛び出す。 俺もその背中を見失わないように追いかける。 過ぎた若さの代わりに手に取るのは、鍛え上げた根性って鋼と、単純に経験値だ。 けれどそんなもんでカバーしきれるなら、多分俺たちなんて、必要ない。]
(71) 2019/05/18(Sat) 20時半頃
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母親の方には軽症あるが、 子供は無傷だ。
[頑張ったな、って、小僧の頭をかき回す。 きったねぇ顔で泣き噦るでかい図体した子供は、青くて可愛いモンだ。]
初めての現場でも、ねぇだろうよ。
[でもだってアニキ、っていうガキの、本当に言いたいことはわかってるだけに、苦笑いを押し隠す。 もう3年、いや2年若ければ、こんな怪我はしなかったんだがなぁ、と。 寄る年波を思ってしまう。
ガキ一人抱えて、要救助者拾って、無傷で帰るくらい、朝飯前だったんだが。 ちぃっとばかり無理をした。]
泣くな泣くな。 すぐ、復帰すっからよぉ。
[松葉杖が外れるまで、最低でも一ヶ月。 この歳で復帰できるかは、正直自信はなかった。]
(72) 2019/05/18(Sat) 20時半頃
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[人肌を求めて、夜の街に出る。 大体杖なんて、大げさなんだ。 大方、持たしとかなきゃ現場に飛び出してくって、思われたんだろう。 否定はしない。
だからまぁ、日常生活には、支障ない程度で。 ベッドの中のあれそれにも、概ね支障はないモンだ。
死を身近に感じたら、生に近いことをしたくなるのは男の本能だ。 熱を欲にして吐き出して。 ゴムにつ詰まったソレをゴミ箱に放り込んだら、珍しく虚しさを覚えた。
金曜日まで、あと3日。 気づけば心待ちに数えている己が、滑稽で俺はまた嗤う。]
(73) 2019/05/18(Sat) 20時半頃
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