人狼議事


299 さよならバイバイ、じゃあ明日。

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視点: 人


【人】 宝珠 コーラ


[死とは何か。]
 
   [無力であること。]
 

(59) taru 2019/10/20(Sun) 20時半頃

【人】 宝珠 コーラ


[成程それは道理だろう。
 "生まれ変わり"が起こるまで、
 何もできなくなってしまう。]


   [では、
    一時の眠りであるだろうか?]
 

(60) taru 2019/10/20(Sun) 20時半頃

【人】 宝珠 コーラ


[それは正しくて、
 たぶん間違いだ。

 たとえ死を迎えた後、
 再び生まれる生き物だとしても。
 コーラにとってはたぶん、…]
 

(61) taru 2019/10/20(Sun) 20時半頃

【人】 宝珠 コーラ



 ―――― 、…
 

(62) taru 2019/10/20(Sun) 20時半頃

【人】 宝珠 コーラ


[日々響いていた鳴き声はもう響かず、
 その店に訪れる者の目的も変わった。

 いつもいた店主は会話も出来ず、
 でもそこに一部が横たわったまま。

 静かに増える店主から生える草々は、
 やがて花を咲かせ実を付けて種を作り、
 この場に残るか風にのり遠くへと往く。]
 

(63) taru 2019/10/20(Sun) 20時半頃

【人】 宝珠 コーラ


    ―――…
 

(64) taru 2019/10/20(Sun) 20時半頃

【人】 宝珠 コーラ


[さわさわと風が草木を揺らす音がする。
 前はなかった大きな木は
 日当たりのよかった場所に木陰を作り、
 その足元にいる草たちと養分を奪い合っている。

 生態系が少し狂ってはいるが、
 ささやかな問題である。

 暫くは店主の亡骸で賄われるだろうそれらも、
 そのうち足りなくなり、生存競争が行われ、
 この草屋だった場所も、静かに"死んで"行くのだろう。

 何を以って"死"とするのかは、
 きっと誰にも分らないだろうけれど。]
 

(65) taru 2019/10/20(Sun) 20時半頃

【人】 宝珠 コーラ


[店主の下には様々なものが埋まっている。
 それは草屋の対価としてもらった様々なものだ。

 種だったりぼんやり光る実だったり、
 匂い袋だったり、小瓶だったり。

 それらが何になるかは解らない。
 きっとこのまま宝物のように埋められたまま、
 店主やこの店と運命を共にするのだろう。

 価値があるものも、ないものも、
 全て等しく、共に。]
 

(66) taru 2019/10/20(Sun) 20時半頃

【人】 宝珠 コーラ


[―――死とは何か。]
 

(67) taru 2019/10/20(Sun) 20時半頃

【人】 宝珠 コーラ



[―――死が恐くないのか?>>4:32
 

(68) taru 2019/10/20(Sun) 20時半頃

【人】 宝珠 コーラ


[この街は毎日人が死んでいる。
 ボーッ、ボーッ、ボーッ
 汽笛はまるで送り出すようだ。

 煙がかかり空の色を変える。
 少しの燻りを残し、
 でもそれもすぐに消えていく。

 コーラにとって、
 死とはそんなものだった。

 居なくなるのは寂しい。
 話せなくなるのは寂しい。
 会えなくなるのは寂しい。

 でも悲しむような事ではきっとない。
 恐れるような事でも、きっとない。]
 

(69) taru 2019/10/20(Sun) 20時半頃

【人】 宝珠 コーラ


[ただやっぱり、
 ひとりきりで死ぬのは寂しいだろうなと思う。]
 

(70) taru 2019/10/20(Sun) 20時半頃

【人】 宝珠 コーラ


[草木が枯れるように生き物は死ぬ。
 生き物が死ぬように草木は枯れる。

 それは同一の事象だ。

 だから自らを食べられる事は肯定するし、
 草木の養分になる事も肯定する。

 自分も草を食べているのだから。
 寧ろ育てて殺しての大量虐殺だ。

 死ぬ誰か、が、
 草屋の草だったらいいのに。と思った事がある。
 でも、そうなった事はなかったのに、
 なぜ?と思って、その後に、それもそうかと思い至る。

 草花は確かにここに生まれたけれど、
 ここに住む予定はなかったからだ。]
 

(71) taru 2019/10/20(Sun) 20時半頃

【人】 宝珠 コーラ


[そんなめちゃくちゃな理屈に納得しながら、
 死んだ誰かに草花を贈る日々を続けていた。

 草や花を贈る理由は、
 一人で死なせないためだ。

 既に摘み終え死んだ花を添える。
 傍に咲きいつかは果てるだろう花を贈る。

 ただそう言った理由だった。]
 

(72) taru 2019/10/20(Sun) 20時半頃

【人】 宝珠 コーラ


[コーラは死んだ。
 新たに生き、これから死ぬだろう草花を沢山生んで。

 誰かがこの草屋から草を食むと、
 その分だけコーラと共に死ぬ命が増える。

 この草花はこの街の皆に贈ったものであるとともに、
 自分自身に贈るものでもあり、

 ―――――― きっと。

 コーラの死にざまが寂しいものだった、と、
 コーラを失った事で寂しい気持ちになったとしても、
 そう思う人はいないだろうと思う。]
 

(73) taru 2019/10/20(Sun) 20時半頃

【人】 宝珠 コーラ


[死とは何か。]
 

   [ちょっと寂しいけれど、
    たくさんのありふれたもの―――と、
    今は亡き草屋の店主はそう答えるのだろう。]
 

(74) taru 2019/10/20(Sun) 20時半頃

【人】 宝珠 コーラ


―――…、…
 

(75) taru 2019/10/20(Sun) 20時半頃

【人】 宝珠 コーラ


[こえがきこえる。>>45
 滴が揺れる。


  もしやあなたも
  たびじのあんぜんきがんができれば
  けれど
  きっとここで

 靄がかかっているようにくぐもってそれは聞こえた。
 言葉の理解はできている。]
 

(76) taru 2019/10/20(Sun) 20時半頃

【人】 宝珠 コーラ


 ―――…


[枝にくっついていた滴がしたたり、
 落ちて行き、それは葉の先へと到達する。


  めぐりてんじて
  ならば
  また

 ―――また。>>46
 ぽたりと落ちそうになった滴と、
 恐らくその微笑みはかちあったのだと思う。]
 

(77) taru 2019/10/20(Sun) 20時半頃

【人】 宝珠 コーラ


[ぱたり、
 ぽたり、

 恐らく同じタイミングで、]
 

(78) taru 2019/10/20(Sun) 20時半頃

【人】 宝珠 コーラ


[地に落ちた滴の水たまりから顔を出したのは、
 小さな小さな竜の幼体だった。]


きゅー

[くるるるると鳴く音は、
 風にも乗らずその場にとどまる。

 ふわふわした毛玉が、
 風に乗って転がって、転がって、
 途中でふっといなくなってしまった事を、
 できたて生まれたての目で見送った。>>47
 

(79) taru 2019/10/20(Sun) 20時半頃

【人】 宝珠 コーラ



          きゅー

[もう一度鳴く。
 見上げると安らかに眠る狐が見える。

 新しい竜は狐の事を知らない。
 ただ刷り込みのようにもぞもぞごそごそとのぼり、
 ぺたりと鼻先にのっかってみる。

 途中で毛にうもれて苦戦したのはここだけの話だ。]

(80) taru 2019/10/20(Sun) 20時半頃

【人】 宝珠 コーラ

―――― ぅるるるるる…

(81) taru 2019/10/20(Sun) 20時半頃

【人】 宝珠 コーラ


[髭がゆれる。水面もゆれていた。
 まるで生と死の境目のようだ。

 小さな声は変わらず誰にも届かなかったけれど、
 今見える景色全ては生まれたばかりの竜の中にあり、

 ころんと風に地へと落とされると、
 ぷふーっと息吹をかけて、
 狐の周りに宝鐸草を芽吹かせた。]*
 

(82) taru 2019/10/20(Sun) 20時半頃

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