人狼議事


296 ゴールイン・フライデー

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視点:


きみは自らの正体を知った。さあ、村人なら敵である人狼を退治しよう。人狼なら……狡猾に振る舞って人間たちを確実に仕留めていくのだ。


どうやらこの中には、村人が1人、王子様が1人、黙狼が1人、片想いが8人いるようだ。


【人】 病人 キャサリン

大変、人狼が出たよ! いつもは嘘だけど、今度は本当の本当に本当!

(0) 2019/05/17(Fri) 07時半頃

【人】 竜騎兵 アーサー


にゃにゃーん!

[賄いを狙う鋭い目つきは狼にゃんこ。>>0
閉店後の攻防は何時もの光景。
ぺろりと舐めたいオランデーズソース。]

(1) 2019/05/17(Fri) 07時半頃

【人】 食いしん坊 マリアンヌ

やっぱりこの時期は茹でシュパーゲル出るわよねぇ。
賄いにジャガイモも茹でましょ、ソーセージも。
ほら、あの常連さんも褒めてくれたバジルとパセリが入ったやつよ。

[金曜の終わりに猫と娘の大立ち回り。
女主人はころころ笑って鍋を火にかけた。]

(2) 2019/05/17(Fri) 07時半頃

天のお告げ (村建て人)は、メモを貼った。

2019/05/17(Fri) 08時頃


【人】 放蕩者 ホレーショー

[休日なんて、曜日で決まってるわけでも無いので、件の店に二週連続で同じ曜日の同じ時間訪れたのは、なんというかもう、偶然だった。
そんでたまたま同じ顔を見つけて、その横顔からなんだか目が離せなくなったのは、多分偶然のフリした必然で。

要するに俺は、その男に一目惚れしたのだった。
年甲斐もなく。

自覚した夜俺は、休前日をいいことに多めに喉に流し込んだ酒も手伝って、腹ァ抱えて笑ったね。
ただ、そんだけ。

惚れたからって、どうこうなる気なんか、毛頭なかった。]

(3) 2019/05/17(Fri) 19時頃

【人】 放蕩者 ホレーショー

[アニキ、恋人作らねんすか。

言った新人に、苦笑いしたのは俺だけじゃねぇだろう。
そういうのが、向かない人種ってのが、そもそもいるってこと。
あの坊主はまだ、知らない。

確かに恋人の存在が、いざって時の魂のカスガイになる奴もいるが、俺にとっちゃァ足枷でしかなかった。
じょろりん重てぇ鎖を足首に巻いて、お前は崖から飛べるかって話だ。
だから俺は、ガキくせぇ面の抜けねぇ坊主の首っ玉小脇に抱えて、言ってやる。]

 俺の恋人ァ、
 この街の連中全員だ。

[格好いいだろ、俺。
格好つけさせろよ。
格好だけで、生きてんだからさ。

さぁ、笑えよ!]

(4) 2019/05/17(Fri) 19時頃

【人】 放蕩者 ホレーショー

[実際のところ、この街の人間全員が恋人ってのは、あながちまるきり嘘でもなくて。

何かがありゃぁ、命張って助けるんだ、
そんくらいの、心算でいた。

そんな俺が、惚れた腫れただぁ、片腹いてェ、ってヤツで。
笑い疲れて寝落ちた俺は、ショットグラス越しに盗み見た、こちらへ向く筈のない眼差しを夢に見た。
あの目元が、熱にどんな風に潤むのか、見てみてぇなぁなんて、どろんとした欲を飲み込んで。

綺麗な恋を語るにゃちぃとばっかし擦れすぎてんのは、自覚済みだから、別段どうとも思わなかった。]

(5) 2019/05/17(Fri) 19時頃

【人】 奴隷運び ヌヴィル

[金曜日の夜。
カウンターの隅にて堪能するのは、一杯のグラスワインと、その時々で変わる一品料理と、それから──シュパーゲル。

春の歓びを教えてくれる野菜の王様が出回るこの時期だけ、週に一度の特別な食事はより、贅沢なものとなる。
タヴェルナのそれは、皿もシュパーゲルも熱々で、バターの脂がもったりすることもなく、茹で加減も絶妙だった。

根元からはたっぷりとした水分と甘味が、先端はほろ、とした食感と仄かなえぐみが咥内に広がったところでよく冷えた辛口の白ワインを流し込む。]

 はあ──…うめえ

[熱いうちに、が鉄則であれ、一気に食べてしまうのは勿体無い。グラス片手に周囲を見渡すことで、フォークに休憩を与えよう。

賑わう店内、同じように食事を楽しむ様子を羨むようにも、肴にするようにも見えるか。
愛想のない一重が探す姿はいつだって同じで、視線が止まるのはほんの数秒。]

(6) 2019/05/17(Fri) 21時半頃

【人】 宇宙原理衆 ウツギ

[土曜日は憂鬱だ。金曜の余韻に浸れない。
 土曜日は憂鬱だ。平時よりも仕事が忙しい。

 新人のミスを尻拭いする形で、
 客に何度も頭を下げたせいか肩が痛む。
 昔より疲れが溜まりやすく、取れにくい体。
 顔に皺が刻まれ、脂気がなくなり、
 いずれは前髪の生え際を気にしだすのだろう。

 共に老いを重ねる誰かも作らずに。作れずに。]

(7) 2019/05/17(Fri) 21時半頃

【人】 宇宙原理衆 ウツギ

[ぷかりと浮かぶ煙草の煙も、
 昨夜と同じものなのに、どこか寂しげだ。
 吸い始めた煙草が煙と灰に変わるように、
 偶然を装って、彼に触れた手に残る感触すらも、
 煙を掴むごとく指からすり抜けていく。

 上手く振る舞えたはずだ。
 同じタヴェルナで滞在する者として、
 美味しいし沢山種類が食べたいから、など、
 理由を付けてその場にいた客を巻き込んだ。

 平穏を愛する人々には迷惑かもしれない。
 しかし、同じ空間で横顔を眺めるだけ、という
 細やかさでは腹も心も膨れやしないのだ。]

(8) 2019/05/17(Fri) 21時半頃

【人】 宇宙原理衆 ウツギ

[──このチーズが、貴方の口に入りたいらしい。
 どうかその願いを叶えてはくれないだろうか。

 職業柄、人受けする声のトーン、笑顔、振る舞いで、
 時には皿に乗った肉の一切れと
 時には他愛ない世間話の時間を対価に頂く。

 僅かな間でもいい。
 俺を見て。出来るなら俺を意識して。

 なんて、一介の酒場で、
 それも同性に望んでも叶わぬ願望は今日も胸を焼く。
 隠し通せと、自制させるかのように。]**

(9) 2019/05/17(Fri) 21時半頃

【人】 奴隷運び ヌヴィル

[週末のタヴェルナで、カウンターに腰を据える時間はそう、長くない。裾にオイルの沁み込んだ仕事着、無精髭、泥沼めく双眸の、柄の悪い大柄の猫背がいつまでも店の一角に鎮座していては、陽気な酒場の雰囲気が台無しだろう。

くしゃくしゃの紙幣を伸ばして渡し、釣りまできっちり受け取り店を出る。初めてマリアンヌの世話になってから何年経ったか、随分と立派になった店構え、看板を眺め、ポケットから白筒を取り出した。

火をつけるでもなく、ゆら、と唇に挟んで遊ばせながら、さりげなさを装って背後を窺う。ほどよく落ちた照明に浮かぶのは、心から食事を楽しむ笑顔の数々。

混ざることの叶わぬ輪の外で、祈るのは些細なこと。

どうか、来週もまたこの場所で会えますように。
会えない一週間の間、不幸か訪れませんように。]

(10) 2019/05/17(Fri) 22時半頃

【人】 奴隷運び ヌヴィル

[どうか、──どうか。
この歪な想いに、姿に、気付かないで。]**

(11) 2019/05/17(Fri) 22時半頃

【人】 山師 グスタフ

[シュパーゲルは……長く寒い冬を乗り越えて、ようやく春がきたことを実感できる大切でめでたい食べ物で、早くに亡くした母の記憶が寄り添う。
タヴェルナで味わえるそれは、まさに母の味とも重なるので、メニューからなくなるまでは毎回頼んでいた。

親不孝者でね、ずいぶん両親の顔は見てませんよ。なんて、ついつい過去を改ざんするのは、同情の視線を避けたかった幼いことからの癖だ。

ここしばらくは、金曜の夜はタヴェルナで、と決めていた。というのも、曜日ごとにどうやら固定客がいるようで……。
よく見る顔がいると、別に話しかけたりしなくとも、何かを共有しているようで妙な喜びがあるからだ。]

(12) 2019/05/17(Fri) 22時半頃

【人】 山師 グスタフ

[かわいい看板猫と看板娘、そして酒場といいつつ最高の飯を提供してくれる女主人がいる店に通うのは、大きな楽しみで大事な癒やしだった。
この間はついつい興が乗って、しばらくやっていなかった宴会芸を披露してしまったほどだ。

"あんまり気質に見えないけれど、どんなお仕事なんですか?"

ふだんはのらりくらりと回答を躱すものだけど……娘さんが、空いているワイングラスを手に持っていたものだから、つい。

"じゃあ、ちょっとした大道芸を一つ。うまく行かなかったら、その程度だと笑ってください。"]

(13) 2019/05/17(Fri) 22時半頃

【人】 山師 グスタフ

[自分の手元にあったワイングラスを飲み干して、卓においてある水のボトルをつかみ、これくらいか、というところまで入れて、濡らした指で軽くふちをなでた。

"そのワイングラス、借りても?"

娘さんから4つほど借りて、それらにも水を注いだ。もちろん、量はバラバラだ。
順番に並べて、それぞれのグラスのふちをなぞった。

"ド、レ、ミ、ファ、ソ……これが俺の仕事ですよ。"

即興グラスハープの出来上がり、である。]

(14) 2019/05/17(Fri) 23時頃

【人】 山師 グスタフ

["つまり、大道芸人さん?"

娘さんの答えに、酒の陽気も手伝って、ぶふっと噴き出してしまったけど……それで、そうですね、なんて、笑いながら結局にごしたけれど。
きっと女主人があとで補足してくれるんだろう、あの人は楽器の調律師さんだよ、ってね。

あまり大っぴらに言わないのは、じゃあ楽器演奏できるでしょ、と無茶難題を言われることが多分にあるからだ。気分が良ければ演奏するのだって嫌いではないが、それは気分が良い時の話であって……]

(15) 2019/05/17(Fri) 23時頃

【人】 山師 グスタフ

[……心に影がさそうとしたときに、また店の活気に救われる。
ふと店内を見渡せば、酒や飯に舌鼓をうって、顔をほころばせている人のなんと多いこと。こちらの心のトゲまで丸くなりそうだ。
客の質が良いのは女主人の人徳だろうか?料理を分け振る舞っている人もいるくらいなのだから。

目をとじるともっと分かることがある。それぞれの足音の違い、卓から伝わる振動、料理の出来上がる音、誰かが動く気配、煙草の匂い……。
めいめいが、己のため、あるいは一緒に語らう誰かのための動作であって、別にこちらに向けられたものではない、それはわかっているけれど、……じわりと救われたような気持ちになった。
俺はちゃんと生きていて、そういうものを感じ取れるだけのメンタルがなんとか保てている、という確認行為。]

(16) 2019/05/17(Fri) 23時頃

【人】 甲板員 デリクソン

[ 金曜日は休肝日――なんてこたぁない。
 酒のアテの度を越した美食で腹を満たすだけ
 酒足は普段より緩やかなだけだ。

 オンエアーの合間の休憩中。
 昨夜を思い出す。

 香ばしい薫りと、酒気に帯びた愛しき空間。 ]

(17) 2019/05/17(Fri) 23時頃

【人】 甲板員 デリクソン

[ スモーキーな風味とバルサミコ酢の絡み合いが
 絶妙なハーモニーを生み出す鴨ロースト。
 齧り付けば肉汁と旨みがじゅわりと舌を喜ばせ
 咀嚼するほど口の中が幸せになれてしまう。

 だが、このひと皿を肉だけで満足してしまうのは邪道だ
 メインディッシュの引き立て役である筈のシュパーゲルが
 小麦色の焼き目を目立たせて俺も食えと誘っている。
 ソースをひたひたにつけ回してから口に運べば
 繊細な甘みがじゅわりと広がって涙腺が弱くなりそうだ

 この皿は、主役がふたり居た――感動に喉を震わせる ]

(18) 2019/05/17(Fri) 23時頃

【人】 甲板員 デリクソン

[ わかったわかった、
 未だこれだけじゃないんだろう?お前のドレスは。
 ちょいと待ってろ
 クチイワシのコラトゥーラを頼んでやるからな

 シンプルに塩気を纏ったシュパーゲルは
 果実酢とも兼ね合うが
 酒飲みの血が騒ぎソース単品を頼む事にした。
 とろりと垂らすだけで余熱も相まってか
 醤油焼きを彷彿とさせる香りが鼻腔を擽る。
 ハーブで下ごしらえしてある為か
 魚醤特有の生臭さはちっとも感じさせない。

 思わずにんまりだ。
 こいつは、酒を飲ませたがる味だ。
 6瓶目のメッシーナビールを易々と空にした。

 そろそろワインに鞍替えをしようか 
 ……いや待てよ、トマトのジェラートが気になる。
 一度口直しにグラッパと氷菓と洒落こもうか… ]

(19) 2019/05/17(Fri) 23時頃

【人】 甲板員 デリクソン

[ その時、あの客のテーブルに新たな料理が運ばれた。
 キャサリンを呼び止めようと上げかけた掌は、
 吸い込まれるようにテーブルに付く。

 かぶりつく唇の動き、舐められたソース
 忙しなく動く喉、――なんだかゾクゾクする。 ]

(20) 2019/05/17(Fri) 23時頃

【人】 甲板員 デリクソン


[ 食事風景にエロスを感じるだとか、
 スパイシーなジョークだと思っていた時期はあった。
 それが正しいと、追いかける視線に篭る熱が物語る。 

 氷菓を頼むつもりだった心は打ち砕かれて
 あれ持ってきて、と同じメニューを頼んでしまう。
 
 デザートの気分がすっかり攫われた。
 名前も知らないあいつに。 ]

(21) 2019/05/17(Fri) 23時頃

【人】 甲板員 デリクソン

[ 別に夜の蝶たちと違って商売じゃないから
 無遠慮に話しかけにくい…なんてことは無い。
 旨そうだな、どんな味だと問いかけることが
 たわいない世間話>>0:33が喉を絞り出そうとしても
 ひとつも出てこない理由は
             ――やっぱり ]

(22) 2019/05/17(Fri) 23時頃

【人】 甲板員 デリクソン

[ ああ……、顔を覆いたくなる。

 慌ててビールの代わりを注文し、
 酔いのめぐりがいいのだと
 鼻まで赤い顔を誤魔化す。

 勘弁してくれ…、声を掛けるどころの騒ぎじゃない。
 今までずっとストレートだと自己認識してたのに
 なんで野郎相手にどきまぎしなきゃならないんだ。
 悪戯にテーブルの下を駆け抜けた猫の尾が
 足元にすれただけで内心、飛び上がりそうだった。 ]

(23) 2019/05/17(Fri) 23時頃

【人】 甲板員 デリクソン

[ 本番の30分前だと揺らされて毛布から這い出る。
 
 タヴェルナがL.Oを迎えた後は、
 朝までやっているパブで飲み直し
 気がついたら路上で目を覚ます低落だったものだから
 
――― 今日も、二日酔いだった。 


 なぜかゴミ捨て場で死んだように眠っていたせいで
 今日のシャツは少しばかり生ゴミ臭い。
 シャワーを浴びれば遅刻、着替えたら遅刻だ。
 何ひとつ身支度を気づかえないまま出勤してしまった。
  
 なんか変なにおいしますよと
 女ディレクターに鼻をつままれたが
 それも、まぁ、些細なことだ ]**

(24) 2019/05/17(Fri) 23時頃

【人】 山師 グスタフ

[……仕事の休憩時間が終わる。ぼんやりとした思考から目の前のことに意識を向ける。

ありがたいことに、楽団から指名をもらって、コンサートでの調律をまるごと任せてもらえることになったのだ。
実際のお客さんが楽しみにしているのは演奏家による音であって、そこに調律師がいることはほとんど忘れられているけれど、演奏家が気分良く音を奏でられるかどうかは自分にかかっている。

"どうしたの?"

"何がですか?"

"以前の君の仕事は、本当に無色透明で驚いたけど、今は逆に、ビターだったり穏やかだったりする音で、驚いた"]

(25) 2019/05/17(Fri) 23時頃

【人】 山師 グスタフ

[演奏家の耳の良さに、しまった、と内心呟いた。

"すみません、調律しなおします、指示を下さい"

"いや、このままがいいな!これでやらせてくれ。何があったか詳しく聞きたいところだけど、きっと君は濁すんだろうね?"

"……そうですね、悪いことも、……良いことも、あったもので。"]**

(26) 2019/05/17(Fri) 23時半頃

【人】 宿屋 ルパート

[朝に寝て、夕に目覚め、夜に仕事をする。
 昨日と同じ明日を願う己には相応しいルーチン。

 だが、金曜日は駄目だ。

 夕に目覚めて、身なりを整え、タヴェルナへ行く。
 そうしたらもう仕事なんて手につかない。
 家に帰ってもぼんやりと朝になるのを待つだけ。
 お蔭で土曜日は実質休日だ。靴作りに休みなど必要ないのに。]

(27) 2019/05/18(Sat) 00時半頃

【人】 宿屋 ルパート

[若い頃はともあれ、今はあまり酒も飲まない。
 身体が酒精に溺れやすくなってどれほど経つか、老いた証拠は三日越しの二日酔いに表れる。

 故に飲めや歌えやと賑やかなタヴェルナでも些か浮いている。否、世間から浮いているのは元からだから、単にあらゆるものに馴染めないだけだろう。

 食前酒のグラッパ。
 シュパーゲルはレモンと塩で。
 肉はハムみたいに平たいサラミを少し。

 経年劣化で縮んだ胃袋に一日分のカロリーを詰め込むと、あとはゆっくりとミードを傾ける。
 それが良くある金曜の過ごし方。]

(28) 2019/05/18(Sat) 00時半頃

【人】 宿屋 ルパート

[気の良い女主人は長居をしても嫌な顔ひとつしない。
 食事も飲酒も料理も好きだと聞いたことがあるが、食べさせること自体も好きなのだろう。その日も自分のような無精者を気にかけて、ドライフルーツの小皿を出してくれた。
 自身の長居は下心塗れなのに、此処には真心が溢れている。

 干したイチジクを渇いた指先で摘まめば、電光に照らして世界を透かす。ぼやけて見える世界との隔絶こそ、正しい距離感に思えた。卑屈との付き合いは長い。


 ―――― カラン、とドアベルが鳴った。]

(29) 2019/05/18(Sat) 00時半頃

【人】 宿屋 ルパート


 …………、

[視線を電灯から足元へ下げる。
 強張りそうになる口元をグラスで隠す。
 身体を目立たないように壁際へ寄せた。


 確かな緊張感を覚えながら、
   鼓膜に全神経を集めて足音を聞く。


 一週間、それだけで生きていける。

 粘ったのは自分なのに、逃げ出したくなった。
 不審で疚しい真似をして恥ずべきなのに、年を考えず泣きたくなったのも本当だ。]

(30) 2019/05/18(Sat) 00時半頃

【人】 宿屋 ルパート

[瞼の裏に溜めた涕涙は、その日の夢に降る。

 金曜を反芻するような夢の果て。
 昼過ぎに眼を覚ませば、いい年をして眦が濡れていた。]

(31) 2019/05/18(Sat) 00時半頃

【人】 奴隷運び ヌヴィル

[一昨日の食事を思い出しながら、のそりと起き上がる。
見の丈に合った胃袋は、もう長いこと満腹を知らない。]

 ……腹、減った

[残り僅かとなったパンの耳は、日が経ったことでやや乾いていた。すかすかの裡を投影したよな冷蔵庫を開け、ベーコンと卵、……と必要な材料を取り出す。

スキレットに並べるベーコンはやや幅広に、じっくりと脂を溶かし出す間に、塩コショウとにんにくで味付けした卵液へパンの耳を浸した。バターなんてものはないから、ベーコンから滲みた脂でパンを焼く。
野菜不足は……また週末、タヴェルナで補うとしよう。

煙草と酒を控えようとも、節制に務めようとも、味の拘りを捨てられなかったのが珈琲豆。
塒にある食材の中で一番の高級品だ。]

(32) 2019/05/18(Sat) 02時頃

【人】 奴隷運び ヌヴィル

[深入りの濃い珈琲は咽喉から胃へ重く流れて心地いい。
カリカリに焼けたベーコンとフレンチトーストをもそもそ咀嚼しながら、作り付けの棚へ茫洋とした視線を向ける。
工具や仕事に使うパーツなど、ごっちゃりとした部屋の中でこの一角だけが整然としていた。

其処に並ぶ幾つかを、彷徨う無骨な指が取ったのは、赤い印のついたカレンダー。

魔が差したとしか言いようのない、あの日から早、十年。
離婚した後も娘には会いたいからと、妻の要求はすべて呑んだ。身の丈に合わぬ慰謝料と養育費に顔色を失くしたのは事実だが、彼女の人生に、嘘と裏切りと形ばかりの誠意で疵をつけてしまったことを思えば足りぬとさえ思ったし。

月々の支払いが闇金に手を出したり、内臓を売らずに済む範囲だったのは、最後の優しさとやつだろう。
性的欲求を含む愛情は同性にしか抱けないが、妻も娘も、家族として大切に思っていたことは、理解してくれた。]

(33) 2019/05/18(Sat) 02時頃

【人】 公安部 カガ


[土曜の朝は惰眠を貪る。
 瞼を閉じたって夢の中で出会える訳でもないのに
 まだ特別な金曜日の余韻に浸っていたかった]
  

(34) 2019/05/18(Sat) 02時頃

【人】 公安部 カガ

[グラス越しに眺める横顔。
 息を潜めて気取られないように注意を。
 それも唇を湿らす果実酒と
 香辛料の効いた仔羊を楽しむ間に
 緊張は徐々に紐解けていった。
 
 耳を欹てれば声が聞こえる。
 声色から唇の形まで脳裏に浮かべて
 想像力を無駄遣いする自分に呆れた]

  あの人と同じものを一つ。
  ……美味しそうだから、欲しいんだ。

[我慢出来なくて注文する辺り堪え性がない。
 普段器用に舌が回っているならば
 もう少し上手に立ち回れるだろうか。
 同じものが並ぶまでの間すらも恋しくて
 先に選ばれ含まれる一口が羨ましい。
 そんな、浅ましい夢想に耽るなんて
 酒も飲めない子どものようだと思えた]

(35) 2019/05/18(Sat) 02時頃

【人】 公安部 カガ

[見てはいけない。
  ――夢中になって盲目になるから
 声をかけてはいけない。
  ――抑えが効かなくなってしまうから。

 もう二度と会いたくなくて
 会えない時間が恋しくて苦しくなる。

 そんな感情を自らが抱いてしまうなど
 少女よりも歳上の妹を持つ男として、
 あまりにも滑稽じゃあないか]

(36) 2019/05/18(Sat) 02時頃

【人】 公安部 カガ


[フォークとナイフを動かす。
 口を開けて肉を噛んで咀嚼して舌を鳴らす。
 甘美なフォルマッジを使ったチーズケーキも
 濃厚なコクを舌に乗せてくれる料理も
 生きる為の行動に甘美な理由づけをして
 広がる旨味に目許は喜ぶというのに。

 ふと気づくと探してしまう。
 視線を逸らしながらも願ってしまう ]
 

(37) 2019/05/18(Sat) 02時頃

【人】 公安部 カガ


  ( ただの一度だけでいいから俺≠見て 
    それから、……  それから )

  [今日もあなたに触れられる夢を見る]

(38) 2019/05/18(Sat) 02時頃

【人】 公安部 カガ

[愛を綴った文章の残骸。
 書きかけの小説の完成は今も遠いまま
 彼を想うだけの言葉はとても綴れず、

 堰き止めたばかりの想いだけが時折、
 痛みと共に胸に走っていく。

 それでもきっとまた次の金曜日は訪れて
 目許の赤を酔いを酒のせいだと誤魔化す未来が
 ありありと見えるような気がして瞼を閉じた。

 陽の光から今だけは流れるように
 どうしようもない苦さは特別な夜の名残だと
 何度も何度も言い聞かせながら唇を噛んだ]**

(39) 2019/05/18(Sat) 02時半頃

【人】 奴隷運び ヌヴィル

[漠然とした欲求不満から、ふらりと足を向けたバー。
なんとなく波長が合いそうな男と、軽い触れ合いを交え、近い距離で酒を飲んだだけだった。15の夏に覚えたようなときめきや劣情とはほど遠く、ただただ、気分が良くて、楽しくて──帰宅後にベッドの中でひとり震えた。

ああ、……やっぱり、と。
家族がいればそれでいい、満足だとうそぶいても、抑えきれない慾が今もあること。"二度目の恋"を知りたいと想う気持ちが、ずっと胸のどこかに巣食っていたこと。

気づいてしまったら、自覚したらもう、だめだった。
次は、ただ酒を飲むだけでは帰れないかもしれないと思えば怖くて堪らず、元より此処まで自身の性癖とも向き合い切れなかった臆病者がこの先、不貞と秘密の露見に怯えながら暮らせるわけがなかった。

すべてを打ち明け、激昂と罵倒、慟哭と家じゅうのものを投げつけられ、額と心に消えない瑕を負い、十数年に渡った穏やかな時間に終止符を打ったのは、告解から三か月後。]**

(40) 2019/05/18(Sat) 02時半頃

【人】 公安部 カガ

[もう少しお喋りが得意だったら?
 それとも見合うだけの何かがあれば?

 少し視線が合ってしまうようなら
 薄っすら笑う事しか出来ない男も
 靴を着飾った服を脱いでしまえば
 裸足を晒してシーツを蹴り丸った。

 原稿の締め切りは近づいている。
 だがまだ、続きが書けそうにない。

 この想いをそのまま吐き出してしまえれば、
 少しは楽になるのだろうか。
 誰にも打ち明けられない秘密。
 
 そんな時妹が結婚するのだと報せが届いて
 また一つ打ち明ける機会を失ってしまうなんて
 世界全体にとっては些細な出来事も味わいながら
 鼻を鳴らして笑ってしまった]

(41) 2019/05/18(Sat) 02時半頃

【人】 公安部 カガ


  本当に、……面倒臭いな。
  
[口が寂しくて仕方がない。心も疼いて落ち着かない。
 落ちたくない底に沈みながら飴を砕いた]**

(42) 2019/05/18(Sat) 02時半頃

【人】 公証人 セイルズ

[週一で通いつめれば自然と顔見知りも増えてくる。
調子はどうだい? なんて他愛のない挨拶をして話に混ざるもよし
と言っても、俺は一人でゆっくり食うほうが好きだったが。

「知ってるかい? ドイツじゃシュパーゲルを食べるのは聖ヨハネの日までなんだとさ。」
レモンバターを添えたそいつを突きながら常連の一人がそう言った。
採り過ぎちまうと翌年の収穫が減るから、って理由を聞いて、ドイツ人らしいと笑ったもんだ。
と言っても、その決まり事はドイツ産の物だけで、輸入物は食うんだと言うから
やっぱり美味いもんの魅力には勝てないモノらしい。

瓶詰めや缶詰もあるけれど、茹でたての美味は今だけの物。
旬の盛りが一番なのは、どんなものでも同じだろうが。]

(43) 2019/05/18(Sat) 02時半頃

【人】 公証人 セイルズ

[そう、旬の盛りが一番魅力的なのは人間も同じ。
そう考えるんなら、俺はその旬をとっくに過ぎちまってる自覚はある。
その俺が旬真っ盛りのガキみたいにただ一人を追いかけてるんだから笑えない。

一人でゆっくり、なんてのは口実だ。
あの人の姿が見えたとき、目が無意識に追っちまうのを誰にも気付かれないように
向こうに気付かれないように不自然に視線が彷徨っちまうのをつつかれないように
ああ、まったく面倒くさいと、わかっちゃいるのに止められない。
俺から見ればあの人は旬真っ盛りに見えるが俺はそうじゃない
釣り合わないと自覚している舌先に乗る酒はほんのりと苦い。

他の常連客のように気楽に声を掛けられたら、なんて考えて
無駄なことだと首を振る。
俺の事を知られたら、この想いに気付かれたら
このささやかな逢瀬さえなくしてしまう、それが怖かった。
こうして週に一度顔を見られる、それだけで俺は……――]

(44) 2019/05/18(Sat) 02時半頃

【人】 公証人 セイルズ

[――……満たされる、なんて、自分に嘘をついて]

(45) 2019/05/18(Sat) 02時半頃

【人】 公証人 セイルズ

[だから、どうか気付かないで欲しい
そんなささやかな願いと共に食後のエスプレッソを飲み干して席を立つ。

また、次も会えるようにと胸の中で祈りながら。**]

(46) 2019/05/18(Sat) 02時半頃

【人】 甲板員 デリクソン

 モーニング行ってQP サタデースペシャルのお時間です!
 今日もみなさんに元気な朝と愛をお届けします!

 土曜の行ってQPはコイバナ大好きおじさんこと
 MCデリクソンがゲストを交えて進行していきまーす

 今週のゲストは二人組ユニット、ベイビーシープさん!

[ ローカル局は売れっ子アイドルを呼べない。
 キャンペーンガールに毛が生えた程度の知名度だ。
 今日初めて知ったくらいだし。

 まだ大学に通っている駆け出しの彼女たちは
 エネルギッシュで若さに満ち溢れている。
 見るからに生意気そうだし世間知らずに鼻が尖ってるが
 軌道に乗れば、道はひとつでは無いだろう。
 
 羨ましくなんか、ないぞ。 ]

(47) 2019/05/18(Sat) 09時半頃

【人】 甲板員 デリクソン

[ 彼女らの繰り広げる話題は
 あっち行ってこっち行って脈略が無く
 流行を追う内容が殆どを占めていて
 雑誌付属のポーチが何処のデザイナーのものだとか
 聞いてもいない事で盛り上がり、内輪談義。 

 嫌いなタイプだ。
 酒が入ってたら、テンションが高かったら
 気にもしないかもしれないが――
 二日酔いの翌日だからなのか余計にブルーになる。
 進行無視してきゃっきゃきゃっきゃ始めるやりとりに
 苛々が蓄積されて、知らずうちに拳を握っていた。 ]

(48) 2019/05/18(Sat) 09時半頃

【人】 甲板員 デリクソン

 へえそうなんだあ、ミスコン上位なんてすごいじゃない?
 二人とも顔ちいさいし足細くて目立つもんねえ。

 えーっと、じゃあ次のレターね。
 
 ラジオネーム郵便屋さんから
 「おはようございますデリさん。
  三年付き合っていた恋人と先週別れて傷心中の僕には
  バーで知り合ったばかりの女友達がいるのですが
  その子のことが気になっているんです。
  別れて一週間で次の恋に踏み出すのは軽薄でしょうか
  
  ふとした時にその子が何をしてるか考えてしまって、
  仕事が手付かずになることもあって…悩んでいます。」

(49) 2019/05/18(Sat) 09時半頃

【人】 甲板員 デリクソン

 そっか、郵便屋さん――

[ いつものように共感コメントしようとして
 先んじて口を開いたのはロングヘアの方。
 「それは恋じゃない、恋だとおもってるだけ。
  寂しさを埋めてくれる人が欲しいって感じ」
 ボブヘアーの方が釣られて口を開く。
 「心が乾いてる時に好きになるのは恋じゃないよね
  満たされてる時に好き!ってなるのが本物の恋でしょ」
 「男ってそういうとこあるよね、デリカシーない。
  三年も付き合ってたのにすぐ忘れられる元カノさんも
  相談乗っただけで惚れられる女友達さんも可哀想」 ]

(50) 2019/05/18(Sat) 09時半頃

【人】 甲板員 デリクソン

[ 抑えろ、抑えろ。
 相手は若い女なんだから、狭い物差しで淘汰しようが
 珍しいことでも無いだろ。

 オンエア中だから、相手はゲストだから。
 言い聞かせたのに、なにかが頭の中で弾けてしまった ]

 ……は? 
 人を好きになるのに不謹慎扱いって何。
 いつ誰を好きになったって、そいつの自由だろ
 なんで悪者扱いされなきゃいけないの?

 本物だとか偽物だとか、お前らに関係ないじゃん
  
 たかだか二十年ぽっちしか生きてないくせに
 男の価値を語るほど、
 お前らたいした恋してないだろ

(51) 2019/05/18(Sat) 09時半頃

【人】 甲板員 デリクソン

[ 包み隠さない本音は、放送事故だ。

 ――そこで、直ぐにマイクが切られ、
 収録済のアナウンスに切り替わる。
 
 持ち上げられることに慣れきっていた
 女二人のヒステリーや
 憮然とした口から飛び出る言葉の刃は
 FM電波に乗ることは無い。 ]

(52) 2019/05/18(Sat) 09時半頃

【人】 甲板員 デリクソン

[ 自分より若いディレクターに説教されて
 今日という時間が過ぎていく
 
 リスナーを馬鹿にされた正義感からじゃない
 褒められたことじゃないけど

 想うことすら偽物だと無責任に言い切られて
 きっと、積み重なる恋情を否定された気になっていた。
 
 ダメ中年の烙印を押された俺に
 良い事なんてちっともない。
 酒を浴びるほど飲んだって、現実逃避は続かない。
 父親と娘くらいの年齢の女に腕を引かれて甘えられたって
 浮つくどころか、ストレスさえ感じてしまう。 ]

(53) 2019/05/18(Sat) 09時半頃

【人】 甲板員 デリクソン

[ だから、
 週末に居合わせるだけの素性を知らない相手の
 食事風景に熱をあげるくらいしか、
 枯れ切った心を潤すことはできない。
 それの、何がいけない、いけなかった。

 でも、そうだな。
 これもたいした恋じゃないんだろう。

 でもストレートだと言い聞かせて過去で
 食ってきた女に持たなかった閊えや痛みは、
 一時の気の迷いだと祓える軽傷どころか――― ]

(54) 2019/05/18(Sat) 09時半頃

【人】 甲板員 デリクソン



[ 深く深く、心の中で根を生やして
 記憶の中のあいつの姿を無意識に思い浮かべてる
 
   ああ……駄目かも。 ]

(55) 2019/05/18(Sat) 09時半頃

【人】 甲板員 デリクソン

[ 説教から解放されて帰宅途中。
 クールタイムに頭を抱えながら、空を見る。
 真っ赤なトマトをつぶしたような色の空に
 ジェラートを食いっぱぐれた後悔が押し寄せる。

 来週は、あいつも頼んでくれないだろうか。
 酸味がきいてて何処か青臭い――恋味ジェラートを。
 きっと、切なさも緩和されるだろうに
 
 数あるデザートは目移りを誘う。
 叶ってくれと願うほど、大それた夢でもない。
 涙腺が緩むのは歳だからだ。
 理由をつけられるのに、祈るのをやめられない。

 星も出ていないのに――…ばかなこと ]**

(56) 2019/05/18(Sat) 09時半頃

【人】 宿屋 ルパート

[金曜日の余韻に浸って土曜を自堕落に過ごし、日曜日から仕事を再開する。夢を見た後は自己嫌悪が酷くなるから、早々に頭を切り換えたい。

 もう今更、人生に伴侶が欲しいとは思わないけれど、自らの想いを自覚するたび、分不相応に浮かれてしまうのは恋愛そのものに劣等感があって、現実感がない所為。
 切なく苦しいのは確かだが、成就したことのない思慕に万能の夢想を抱く。

 現に彼が店を訪れると体力も精神力も削られるが活力だけは胸に残った。
 お蔭で土曜は酒と美食を消化するのに終始するが、日曜は四苦八苦しながらキッチンを使って三食食べる。水だけの木曜日と足して二で割りたい。]

(57) 2019/05/18(Sat) 16時頃

【人】 宿屋 ルパート

[日曜はサバのサンドイッチを寝起きで食べた。
 近所のパン屋で買ったバケットに、塩で揉んだ玉葱スライスとレタス。それに塩とオリーブオイルで漬けこんで焼いた青魚。たっぷりとレモンを振るとオリエンタルな味がして素朴な幸福感を覚えた。

 金曜日の彼は、見知らぬ中年の精神安定および生命維持に貢献しているなんて知らないだろう。―――― 知られたくもないが。

 知るのは恐いが、知られるのはもっと恐い。

 なにせ彼は見るからに昼の世界の住人だ。
 自身のように暗幕の裏側に逃げ込む輩とは違う。]

(58) 2019/05/18(Sat) 16時頃

【人】 宿屋 ルパート

[製作途中の靴を持ち上げ、一針を革に通す。
 工程の全ては手作業で、指皮は硬く、乾いて荒れている。
 
 金曜日の彼の靴も作ってみたいと思うが、思うだけだ。
 いつも俯きがちの己は彼の人柄を良くしらないから、滲む善性を信じ切れない。
 唯一の誇りを捨てられるのが恐い。

 いや、見知らぬ中年から靴を押しつけられれば、そもそも恐怖を抱いて仕方ない。年老いたゲイからの好意なんて迷惑なものだ。]


 ……今日も、良いことがあるといいな。
 あの人に。


[出来ることと言えば、無責任に彼の安寧を願うだけ。
 色々不器用そうだから。と言うのは願望への言い訳。]

(59) 2019/05/18(Sat) 16時半頃

【人】 宿屋 ルパート

[瞼をおろす。

 思い出すのは彼の足。
 日々の疲労が溜まる足を、眠るまで撫でてやりたい。]




 ………痛っ

[――― 惚けていたら針で指を刺した。きっと天罰だ。]

(60) 2019/05/18(Sat) 16時半頃

【人】 公安部 カガ


[日曜日。
 実家から逃げるように離れ疎遠になった筈の
 妹が自宅の前に立っては微笑んでいた。

 これが金曜の夜じゃあなくて良かった。
 土曜の朝じゃあなくて良かった。
 心底安堵しながらも昼食に誘った。

 トマトとバジルがたっぷり乗ったブルスケッタ、
 ズッキーニの花のフリッティに
 ムール貝とイカや海老の入ったペスカトーレ。

 デザートに芳醇な味わいのティラミスを提案し
 身なりはいつも通り整えてながら向き合った]

(61) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 公安部 カガ

  バレていないと思っていたんだけどな。

[とうもろこしとじゃがいもの冷製スープを
 口に含みながらも妹は愛らしい顔を緩ませた。
 彼女の手にあったのは一冊の本。
 表紙を見て顔を覆いたくなってしまった。
「これ、兄さんが書いた本でしょう?」
 問いかける妹に何を告げてた所でお見通しだろう。
 仕方なく頷きながらも新しく作った砦が
 また一つ足場から崩れるような気がした。

「呼んだけどとても素敵なお話ね。
 はじめて恋を知った男性が女性と結ばれるまでの
 葛藤や苦悩がとても共感できたもの」
 妹は楽しそうに笑って語る。
 愛しく可愛い俺のソレッラが微笑む。
 顔を覆いたくなってしまった。

「兄さん、恋をしているのね」
 聡い彼女に言い当てられてしまうから]

(62) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 公安部 カガ


[「どんな人?会いたいわ」

 薬指に銀色の指輪を煌めかせながら
 緩やかに微笑む妹は心配そうな顔をしながらも
 兄を純粋に慕っていると伝わってくる。
 今だって妹からすれば兄を想っての事なんだろう。

 だが、どうすればいいというのだろう。
 結婚を控えた妹に兄は異性愛者ではないと
 どのような顔をぶら下げて告げればいい]

(63) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 公安部 カガ


  俺の、片思いだからな。

[結果、はぐらかすような態度で返す。
 妹は数度の瞬きの後に口を開いた。

「兄さんは素敵だもの。
 想いをアプローチしたらきっと届く筈。
 怖がる必要なんてきっとないもの」

 どれもこれも綺麗な言葉だ。
 ステラのように美しい心だ。
 だが、同時に違うのだと叫びたくなる。
 君が思っているように単純な話ではないと]

(64) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 公安部 カガ


  ……見ているだけでも満足なんだ。
  少し話せただけでも舞い上がりそうになる。

  そんな、……関係で、繋がりがいいんだ。
  
[妹は兄の顔を見て黙ってしまう。
 見透かされている。
 だが、微笑めば妹は無理に踏み込んだりはしない。
 その優しさに安堵しながらも息を吐いた]

(65) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 公安部 カガ


  何処にいてもお前の幸せを願ってるよ。

[話の中心を自分から妹に戻してしまう。
 何か言いたげな様子に気づかないふりをした。

 心より愛しい妹の花嫁姿を描きながら
 自分では必ず手に入らないであろう幸福を
 その身に浴びることを祈る]

(66) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 公安部 カガ


[それでいてふとした時に紛れ込むのはあの人の横顔。
 ――ああ、本当に手に入らないんだな、など。
 甘ったるいティラミスが苦く感じられて
 兄の名前を呼ぶ妹に笑ってしまった。

 だから会いたくなかった。
 あの小説だって不純の塊なのだ。
 思いの丈を綴り続けた結果の産物。

 昇華されるかと思っていた想いは
 寧ろ膨れ上がって今も喉を圧迫する。

 息さえ上手く吸い込めないこの世界で
 どう生きれば正しいのか答えは得られないまま]

(67) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 公安部 カガ


[次の金曜日が待ち遠しくて恐ろしかった]**

(68) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 放蕩者 ホレーショー

[目を覚ましたら太陽はとっくに天辺を超えていたが、休日としては別段珍しい事でもない。
冷蔵庫から牛乳を取り出して煽りながら、ざっと中身を確認した。

一人暮らしも20年を超えれば難しいこと考えなくても大体の家事はこなせる。
ある程度のルーティンにはまってしまった生活は、からからからから、子ネズミの回す車のように軽快に回転していく。

あー、でも。
来週も、金曜日。同じ時間に、あの店に行きてぇなぁ、なんて。
ぼんやり思ったりなんかして。

己の思考に気付いて、くはっと笑った。]

 まー、いっぺん寝れりゃ、上等なんだがな、

[一度抱いた相手には急速に興味を無くすのは、経験上知っているので。
抱けちゃう相手は、まぁその程度のモンなのだ。
薄い唇をぺろりと舐めて、どんよりとした眦で笑う。

あーー。
喰いてぇ。]

(69) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 放蕩者 ホレーショー

[ひとまずの空腹をいなす為、近所のマーケットに買い物にでも出ることにする。
昨日店で食った飯は、うまかった。
時期の野菜はどう料理しても旨いもんだが、それはそれ。
素材の味をうまーく使うのには、やはり技術がいるモンだ。

さすがに店のレベルにゃ届かねぇが、似たモンを作ってみることは、できるわけで。]

 トマト、ズッキーニ、バジル…

[買い物リストなんてしゃれたモンは作りゃしないが、そこは臨機応変と言うことがでごまかそう。

そんな風にして出かけた先で、木の上から降りられなくなった仔猫を掬い上げて飼い主のガキに託すなんて、ありがちなハプニングと出会った。
嗚呼、日常。

当たり前の日は、当たり前に暮れて、当たり前のように夕飯はちょっと思い通りの出来では無かった。
当たり前の翌朝が来て、日々が過ぎて、当たり前に出勤して。
ちょっと非日常に、出動した。]

(70) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 放蕩者 ホレーショー

 下がれ!

[木造部を多く残したビルは、焔の舐めた場所から崩れてくる。
首輪を押さえられた闘犬みたいに目をギラギラさせた新人は、気を抜いたら走り出すだろう。
建物にはまだ、親子が取り残されている。
がら、と外壁の一部が崩れて、勢い走り出そうとした小僧の首っ玉を、文字通りとっ捕まえた。]

 馬鹿野郎、要救助者増やす気か、

[ミイラ取りがミイラなんて、冗談にもならない。
確実なルートが確保されるまでの短い時間を、腹の底から焼けるようなじれったさと共に待ちわびる。]

 いいか、間違っても一人で突っ走るな。
 必ずツーマンセルだ。
 ぜってぇ崩すなよ!

[GO!の号令を貰った犬っころは即座に飛び出す。
俺もその背中を見失わないように追いかける。
過ぎた若さの代わりに手に取るのは、鍛え上げた根性って鋼と、単純に経験値だ。
けれどそんなもんでカバーしきれるなら、多分俺たちなんて、必要ない。]

(71) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 放蕩者 ホレーショー

 母親の方には軽症あるが、
 子供は無傷だ。

[頑張ったな、って、小僧の頭をかき回す。
きったねぇ顔で泣き噦るでかい図体した子供は、青くて可愛いモンだ。]

 初めての現場でも、ねぇだろうよ。

[でもだってアニキ、っていうガキの、本当に言いたいことはわかってるだけに、苦笑いを押し隠す。
もう3年、いや2年若ければ、こんな怪我はしなかったんだがなぁ、と。
寄る年波を思ってしまう。

ガキ一人抱えて、要救助者拾って、無傷で帰るくらい、朝飯前だったんだが。
ちぃっとばかり無理をした。]

 泣くな泣くな。
 すぐ、復帰すっからよぉ。

[松葉杖が外れるまで、最低でも一ヶ月。
この歳で復帰できるかは、正直自信はなかった。]

(72) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 放蕩者 ホレーショー

[人肌を求めて、夜の街に出る。
大体杖なんて、大げさなんだ。
大方、持たしとかなきゃ現場に飛び出してくって、思われたんだろう。
否定はしない。

だからまぁ、日常生活には、支障ない程度で。
ベッドの中のあれそれにも、概ね支障はないモンだ。

死を身近に感じたら、生に近いことをしたくなるのは男の本能だ。
熱を欲にして吐き出して。
ゴムにつ詰まったソレをゴミ箱に放り込んだら、珍しく虚しさを覚えた。

金曜日まで、あと3日。
気づけば心待ちに数えている己が、滑稽で俺はまた嗤う。]

(73) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 宇宙原理衆 ウツギ

[タヴェルナの常連と一時的に相席することも、
 初めて出会った客と話を弾ませることも、
 息をするように、とまでは行かずとも容易い。

 しかし、あの人相手にはそうもいかない。
 一言喋るだけでも緊張で喉が焼け、
 笑顔咲かせる表情筋も引き攣れないか不安で、
 相手の目を見て話すという基礎も危うくなりがち。

 頼み過ぎた料理のシェアという名目に縋ろうと
 窓際で煙を闇夜に溶かす気楽さに敵わず、
 早々に退散して酒で唇を湿らせる負け犬一匹。
 いっそ彼の薬指に輝くリングか跡さえあれば、
 もしかしたら、を期待せずに済むというのに。]

(74) 2019/05/18(Sat) 21時半頃

【人】 宇宙原理衆 ウツギ

[そうして、口に運んだシュパーゲルが悪かった。
 オランデーズソースがたっぷりかかった
 丹念に味わうべき春の使者を前にして、


 ─── あの人の指は、

 などと、咥える瞬間に過ってしまう不埒な思考。
 茎を噛み切ろうとした歯は食い込むに至らず、
 頬の熱みは酔いでも先程の後悔でもない。

 どうにか噛み切り、口元を押さえての咀嚼。
 目は閉じて先程の失態を塗り潰そうと徒労。]

(75) 2019/05/18(Sat) 21時半頃

【人】 宇宙原理衆 ウツギ

[傍目には気分が優れないように見えたのか、
 声を掛けてきた店員に大丈夫だ、と手を振り。
 ついでに酒の追加をオーダーする。]


 ベリーニをひとつ。
 もしできるなら、ひどく甘くして欲しい。


[嫌になるほどの甘たるさで、自覚したい。
 くだらない夢を見るのも程々にしろ、と。
 注文の際にも、視線が彼の方に向かぬよう
 しっかりと店員の目と、去る背を追っていた。]

(76) 2019/05/18(Sat) 21時半頃

【人】 宇宙原理衆 ウツギ

[そして手元に届いたベリーニは
 グレナデンの赤を吸って桃色に輝き、
 オーダー以上の甘さで喉と胸の奥を焼いてくれた。

 悩みがある、と彼女にはお見通しなのだろう。
 小皿に乗って来たのは注文もしてないソーセージ。
 次に訪れる時、食べたいけど……と語っていた
 行列が出来る程に有名な焼き菓子を買ってこよう。


 言葉を介さぬ気遣いに感謝を抱き、
 歯切れの良いシュパーゲルをつまみに、
 脳を揺らす酒精で一夜の後悔を紛らわす。

 幼く見えがちな頬を撫で下ろし、
 彼の隣は似合わないという当たり前の現実を
 甘い煙と、酒、己の甘さで誤魔化して飲み干した。
 今宵もまた、一夜の泥濘に飲まれていく。]*

(77) 2019/05/18(Sat) 22時頃

【人】 奴隷運び ヌヴィル

[どんな人生を歩もうと、誰にだって否応なく平等に、夜と朝は来る。

くあ、と大口を開けて欠伸をかみ殺し、慣れた手順で取り外すのはべっこりと凹んだドア。廃車予定の車からまだ使えるパーツを抜き取り、修理や販売に使えるよう整備する。面倒だが嫌いじゃない作業。

人の心もこうして取り変えて、不要なものを捨ててしまえたらいいのに、なんて青臭い感傷に浸ることもあったが、そんな若さは残っちゃいない。]

 にしても、勿体ねえよなあ
 ちいと手を掛けりゃまだ全然乗れるってのに
 
 そりゃ最新式に比べりゃ燃費は落ちるけどよ…
 イマドキの餓鬼にゃわかんねえんだろうな、この良さが

[数年代前のやや古めかしいセダンは、依頼者が親から譲り受けたものらしい。維持費や諸々を考えれば、事故を機に買い替えを検討するのは妥当ではある。
理解していようとついぼやいてしまうのは、やや四角張ったフォルムが好む形であるのと、今はまだ手が出せぬ物であるから。

これで海岸線を走ったらさぞ気持ちがいいだろう。
遠巻きに盗み見るだけの顔が、助手席にあったら──。]

(78) 2019/05/18(Sat) 22時半頃

【人】 奴隷運び ヌヴィル

[──ガン!!
決して邪でない、それこそ思春期の餓鬼めいた妄想に気が抜けた瞬間、手元から外したばかりのドアが滑りおちた。]

 あ゛──…! やっべ、……あーあ…まじかよ…

[勢いよく傾き転がるそれがブーツの爪先を直撃したが、鉄板仕込みの安全仕様のお陰で然程、痛みはない。
自分の足指が折れずに済んだのは僥倖だが、繊細なドアの角が思いっきり内側に曲がっている。
これを直すのは少々、面倒だ。

オイルと煤に汚れた掌を額に宛がい天を仰ぐ。
待ちに待った金曜日、残業なんてしたくないのに。]

(79) 2019/05/18(Sat) 23時頃

【人】 公証人 セイルズ

[金曜の夜に贅沢をする分、土曜の食事は思いっきり簡単に済ませる。
金銭的な問題じゃない。
タヴェルナはあれだけの物を出していながら価格は良心的だ
上手くやりくりすれば週一で通える程度には。

つまりはといえば食い過ぎだ。
料理が美味いのはもちろんだが
あの人の姿が見えなければ現れるまでと小皿料理を並べ
姿が見えたなら、少しでも長く同じ空間に居たいとドルチェを追加する。
普段は暴飲暴食なんざしないが、金曜の夜だけは仕方がない。

となれば、他の日に調整するしかないだろう。
中年太りになんぞなっちまったら、あの人に会いに行くのも怖くなる。
隣に立つなんて、そんな事は望むべくもないけれど
それでも、なんて夢を見ちまうから、やっぱり恋は厄介だ。]

(80) 2019/05/18(Sat) 23時頃

【人】 公証人 セイルズ

[いつも一人でいるように見えるあの人には、もしかしたら家族がいるのかもしれないし
想いを寄せる相手がいるのかもしれない。
時折物思いにふけるように見えるのは、仕事疲れかもしれないし、悩みがあるのかもしれない。
金曜の夜の、タヴェルナでの姿しか俺は知らない。
何処で、どんな仕事をしていて、どんな暮らしをしているのかも。

それでいい、知ってどうする。
そう思いながらも考えちまうんだ
隣同士で言葉を交わしあい、同じ料理を摘む日を。
あの人の目が俺を見てくれるなんて事を。

そうして
いつか、なんて。
叶うはずのない想いは募るばかりで行き場がなくて
無意識についた溜め息に同僚が笑う。

「なんだ、年甲斐もなく恋でもしたか?」

まさか、と俺は笑い返して、いつもと同じ言葉を投げる。
動揺が面に出ていないといい。ああ、まったく。]

(81) 2019/05/18(Sat) 23時頃

【人】 公証人 セイルズ

[学生時代、やたら日本贔屓だった教授が教えてくれた短い詩歌を思い出す。
日本語なんかわからなかったが、その意味は

 『人に知られぬように隠してきたのに
     何かあったかと問われるほど面に出ていたのか
       この恋心と言う物は』*]

(82) 2019/05/18(Sat) 23時頃

【人】 宇宙原理衆 ウツギ

[翌日の仕事を考えて深酒は避けているが
 ベリーニの甘さは三日三晩続き、四日目に突入。

 常に靠れる胸は厄介ではあるものの
 今頃、と揺れる思考にストップをかけてくれる。
 忙しい土日を越えて得られた休日も、
 客の来店が少し落ち着く平日であっても。

 一人で、家族で、恋人同士で店に訪れる客も、
 客からすれば初めての、或いは何度目かの来店。
 にこやかな笑みで迎え入れ、案内をし、
 客の流れに合わせて休憩時間を変動させる。

 サービス業の良い所は時給が高い所と、
 客の入りが悪ければ休憩したり早く帰れる所か。]

(83) 2019/05/18(Sat) 23時半頃

【人】 宇宙原理衆 ウツギ

[今日の客入りは悪い部類には入らないが、
 店にいる店員の数を考慮し早めに切り上げた。

 制服を脱いでハンガーに掛け、靴を脱ぎ、
 ひっくり返して靴底の磨耗具合を確認する。
 転倒防止の溝は磨り減っているがまだ使えそうだ。
 座りながらいつもの革靴に踵まで押し込み、
 立ち上がった途端、足全体に広がる疲労に嘆息。
 回した腕は関節が鳴り、酷い異音に呻いた。]

  あーーーー、くそ。
  歳はとりたくないないもんだな、畜生。

[まだ若い、と言われる歳でもあるが、
 ティーンエイジャーからすれば立派なおじさん。
 パパきらい、なんて反抗期の娘がいても良い歳だ。

 ゲイという前提がある以上、前者は強く刺さるが
 後者は知るか、と一蹴してしまえる。
 踵を床に擦り付け、苛立ちを居残らせてやろうと。]

(84) 2019/05/18(Sat) 23時半頃

【人】 宇宙原理衆 ウツギ

[靴屋でミリ単位の採寸をして作られた靴は
 どれだけ歩いても疲れない、とは聞いている。
 男の価値は靴で決まる、という話も。

 だが、毎日出勤退勤の行き帰りに飯を食い、
 簡単な自炊の材料と小腹を膨らませる携帯食を買い、
 時々必要な生活必需品を買いに行き、
 金曜にタヴェルナに向かう以外、
 外に出ることを嫌っている節があった。

 仕事柄人と接する時間が長いせいなのか、
 人のいない空間、時間を酷く恋しがってしまう。
 珍しく煙草を吸わぬ気分の夜でも
 タヴェルナの窓際で外を眺めてしまうように。

 あとは、単純な話。]

(85) 2019/05/18(Sat) 23時半頃

【人】 宇宙原理衆 ウツギ



[立派な靴を履いて歩き回れるような、
 上等な人生を歩んでいない。

 ───…という、明確な自虐だ。]*

(86) 2019/05/18(Sat) 23時半頃

【人】 公証人 セイルズ

[そうしてまた金曜がやってくる。
取引先とのトラブルやクレームがないことを祈りながら
データをパソコンに打ち込み書類を片付け、壁の時計を確かめる。]


 おーい、その書類は俺じゃなくて総務に持ってけ。
 は? 一応上司のサイン貰って来いって?
 しゃーないな、ほら寄越せ。


[ぎりぎりになって渡された書類に目を通し、幾つかのやり取りをしてサインをする。
別部署と言っても同じフロアだ、そう時間もかからない、が。
終業のベルにやれやれと息をついて、残りの書類を手早く片付ける。]

(87) 2019/05/19(Sun) 00時半頃

【人】 公証人 セイルズ

 そっちの書類、突っ返してきても対応は月曜だから!


[などと、帰る!と言う意志を明白にすれば、総務からはOKのサインが返る。
業務が固い割りにこういうところは緩い。
順調だからこそで、日ごろの努力の賜物でもある。
もちろん、全ては週末のために。*]

(88) 2019/05/19(Sun) 00時半頃

【人】 公証人 セイルズ

[外に出る前に手洗いに寄り、ついでに鏡を見た。
身だしなみだの今更気にしても、くたびれかけた外見は変わらない。
それでも一応は髪を撫でつけ、ついでにしっかり眼鏡も拭いた。
ネクタイを直しかけて、もう一度鏡をじっと見る
そこに映るのは、何処にでもいるただの会社員だ。

もしあの人がこっちを見ても、印象に残らない程度に普通の

見て欲しいわけじゃない、覚えて欲しいわけじゃない
そんなのは高望みだってわかっちゃいるんだが]


 やっぱ、ちっとお堅い人間に見えちまうかなぁ……


[あの人の服装は、いかにも会社員然とした俺とは違うもの。
俺より多少は自由なのかもしれない
それも惹かれる一因ではあったけれど、同時に躊躇う理由でもあった。]

(89) 2019/05/19(Sun) 02時半頃

【人】 公証人 セイルズ

 ま、いいか


[今のまま
顔を見られて同じ空間で食事が出来る、金曜の夜が続けばいい。
その為には、これ以上は何もしない方がいいに決まってる。

それでも、やっぱり未練がましく思ってしまう。
声をもっと聞きたいと、もっと近くで顔を見たいと

そして、出来れば……触れて、その体温を……なんて。
絶対にあの人に知られたくない願望は、しっかりと胸の奥底に沈めておこう。]

(90) 2019/05/19(Sun) 02時半頃

【人】 公証人 セイルズ

[外に出て空を仰ぐ。
いつか、二人で空を見上げられたら、なんて過ぎったのを自嘲気味に追い出して
期待と不安を抱えながら、今週もタヴェルナのドアを開けるんだ。]


 やあ、席は空いてるかな?
 何処でもいいよ、何なら相席でも。


[あの人と一緒じゃなければいい、近すぎたら食事どころじゃなくなりそうだ。
そう思いながらも、結局視線はあの人を探す。

神様は、今夜も微笑んでくれるだろうか?**]

(91) 2019/05/19(Sun) 02時半頃

【人】 奴隷運び ヌヴィル

[──ある程度の作業を終え、今夜はこれで勘弁と怪我の悪化したドアに手を合わせ、いつも通り最低限の身支度だけ整え、ブーツの踵を鳴らしてタヴェルナへと駆け出したのは、普段より遅い時間。

膝に手を突き、軽く呼吸を整えてから、白筒を取り出し火をつける。食前の一服はカウンター席を陣取る前の、いわば心の準備。
"いつもの時間"に遅れようとも、これだけは外せない。

あの人は今日も来ているだろうか。まだ居るだろうか。
先週と変わりはないだろうか。

脳裏に残る表情を反芻し、落ち着け、と紫煙を吐き出す。
もし、いつものように空席を探す素振りで見渡す店内に希む姿が無かったとしても、落胆を見せないように。]

(92) 2019/05/19(Sun) 03時頃

【人】 奴隷運び ヌヴィル

[ゆっくり、もったいぶるように白筒一本を灰に変える間、店から出て来たのはカップルが一組、友人連れが一組。
あの人の姿は、なかった。なら、まだ居るか、それともこれからの来店となるか。

革の端切れで出来た携帯灰皿に吸い殻をねじ込む頃には呼吸も整い、汗も引いていたが、身体が火照って仕方なかった。
汗ばむ掌を腿で拭い、ゆっくりとドアベルを鳴らす。

出迎えてくれた看板娘に笑いかけ、繁盛ぶりや近況を投げかけながら、定位置は決まっている癖、まるで空席を探すように周囲に視線を巡らせて───。

小さく、小さく。
息を飲み、深く吐き出す。

酩酊に似た眩暈。思わずふらついた足は、野菜不足かも、なぞと笑って誤魔化し、いつものカウンター席へ。

さあ、今夜は何を食べようか。]**

(93) 2019/05/19(Sun) 03時頃

【人】 甲板員 デリクソン

[ 〜♪〜〜♪ ]

 明日からは嬉しい週末! 
 仕事を終えた貴方もこれから仕事に行く貴方も
 今日を乗り越えて張り切っていきまっしょう!

  ではではっ、また明日!

[ 降板とならなかったのは、いくつか理由がある。
 流れ流れて下落の一路を辿る男が哀れまれたのと
 ゲストに対する苦情の方がMCより多かった。
 
 翌日と翌々日の放送までは殊勝な態度を心がけたが
 数日の経過を経て音沙汰も冷めいつもの調子に戻り
 待ちに待った金曜日最後の収録であることから
 伸びやかな声でこの日最後の放送は幕を下ろす。

 リスナーのリクエスト曲である
 ゴールイン・フライデーと共に収録を締めくくり 
 女ディレクターにも笑顔を向けて退散しかけたが ]

(94) 2019/05/19(Sun) 03時頃

【人】 甲板員 デリクソン

 えっ……

[ 「デリクソンさん、金曜日はすごい元気ですよね。
 土曜日はため息ばっかりついてるのに。」
 別れ際不意に向けられた指摘に
 なにを装うことも無いのに挙動不審になる。 ]

 そう…?そうかあ? 週末――だから?

[ 土日も天気予報や渋滞情報の繋ぎとなる
 持ち番はあるから週末イコール休みではない。
 仕事のある週末はそんなに嬉しいものかと
 首を傾げられてしまった。 ]

 ヨーコちゃん俺のことよく見てるねえ。
 やっぱり俺に気があるんじゃ……

[ 話題をすり替えて、否定の声を背に受けながら
 早足で店までの道を行けば
 ――先週仲良くしたゴミ捨て場に出て。 ]

(95) 2019/05/19(Sun) 03時頃

【人】 甲板員 デリクソン



[ 出会ってしまった、そいつに。 ]

 

(96) 2019/05/19(Sun) 03時頃

【人】 甲板員 デリクソン

[ 猫といえば、目的地がタヴェルナである事から
 餌の気配に敏感な看板猫であったが>>1
 シュパーゲルの箱から顔を出したのは
 単色の毛色を持つやんちゃそうな子猫だった

 おそるおそると歩み寄れば、首輪の跡がある ]

 ……猫。

[ 収集車が訪れるような時分ではない。
 でも、こんな場所を寝床にしていたらと顔を顰めた。
 先週ここを塒にした男が言えた心配じゃないが

 いや、首輪の跡があるということは野良ではなく
 最後の収集以降に、此処に捨てられたのだろう

 自己評価を正確にするなら、男は慈善家ではない
 むしろ自分に甘く自分にだらしない。
 昔の話をするなら報道になった夫も子供もいる女優に
 侘びのひとつすら入れずに着信拒否したくらい ]

(97) 2019/05/19(Sun) 03時半頃

【人】 甲板員 デリクソン

 くそぉ……お前なんでそんな色してるんだ…。

[ 見て見ぬふりか、もっと拾われやすそうな場所に
 ダンボールごと移すくらいしかしないだろう。

 ただ、その猫の毛色と瞳の色が。
     あの客に、似ていて―――

 無心で猫詰めダンボールを掬い上げてしまった。
 軽い重量感と甘く鳴く声を聞いたら
 もう、戻すことも。 場所を移動させることも
 選べない選択肢になってしまった。 ]

(98) 2019/05/19(Sun) 03時半頃

【人】 甲板員 デリクソン

 ……………いやなんだよなあ
 生き物飼うと、一気に年食うみたいでさ。

[ せっかく、いつもの時間よりも
 早く店に行けると思っていたのに、

 なにを血迷ったのだか。
 その足でペットショップに走り、
 必要なものを店員の勧めに頷くまま
 買い漁るハメになった。 ]

 ……だから、お前が最初で最後だぞ。

[ 幸いにもペット禁止ではないマンションで
 飲食の世話をしてやりながら
 片手で持ち上げても重くない子猫を抱く。 ]

(99) 2019/05/19(Sun) 03時半頃

【人】 甲板員 デリクソン

 イデッ……
 俺で爪研ぐなって…!? 
 
[ やんちゃな子猫に顔を引っかかれながらも
 温かくて柔らかい存在に頬ずりをする。
 ふわっ…ではなくて、ぶにゅって感じだ。
 あと、生ゴミの臭いが気になる。
 風呂にも入れてやらなきゃ、ああ…やる事が多い。

 生き物なんて面倒くさい、
 世話だってしなきゃいけない
 別れは絶対に寂しくて
 らしくなく、涙脆くなってしまう

 でも、それは恋に似ている。
 面倒くさくて、憎らしくもあるのに
 ――――堪らなく、愛くるしい。 ]

(100) 2019/05/19(Sun) 03時半頃

【人】 甲板員 デリクソン

[ 愛着の理由は、あの客を重ねてしまうからなのは
 否定の効かない事実ではあったが
 重ねるには名前も何も知らないから名付けを迷う ]

 シュパーゲル
 アーサー2世
 タヴェルナ……
 
[ あの店を想起する
 (あの客を想像する)
 名前の候補をひとつずつ告ぐ。
 
 どれにも顔を上げなかった子猫は、
 最後に囁いた一言だけに
 腕を伸ばし、鼻筋に肉球スタンプをする。 ]

(101) 2019/05/19(Sun) 04時頃

【人】 甲板員 デリクソン

 フライデー?
 
 オーケイ、お前は今日からフライデーだ。

 よろしくな、フライデー。
 俺はデリックだ。
 お前は記念すべき俺の家族一号だよ。
 
 
[ ささやかな幸せをくれる金曜日。
 ささやかな苦しみをくれる金曜日。
 面倒くさくてけれど愛しい金曜日。 ]

(102) 2019/05/19(Sun) 04時頃

【人】 甲板員 デリクソン

[ 猫を風呂に入れて毛並みをなでてやったら
 いつの間にかL.Oの一時間前になっていた。
 ケージに入れてやり、自宅を後にして。
 早足に訪れた店のドアを開ける。
    ――― 自然と目で探すのは空席ではなく
        あの客の姿だ。 ]

 やぁ、最近猫を飼い始めたんだけど
 もう少し大きくなったら
 アーサーに会わせに来るよ。

 とりあえずビール。

[ 盛況の時間をいくらか過ぎたせいか
 賑わいが穏やかな店内で未来の報告を。
 だらしなく襟の伸びたシャツに
 猫の抜け毛がくっついているせいか
 看板猫と目が合って、笑顔で手を振る。
 
 素通りされてしまったけど ]**

(103) 2019/05/19(Sun) 04時頃

【人】 公安部 カガ


[紙面に書き綴る言葉はいつだって足りない。
 呼吸をするより容易く語る彼に向けた恋文は
 やはり形にならないまま千切れていった。

 自分が異端であると、気づいたのはいつからか。
 物心ついた頃より女性に対して可愛らしいと思えど
 愛しいと思うような強い感情は抱かなかった。
 ただ希薄で淡白なだけだと思っていた。

 そんな考えが打ち砕かれたのは
 脳髄に走るような衝撃のせい。
 何処が良かったのか。何が良かったのか。
 うまく言葉に言い表す事は出来ないけど。

 言うなれば、――そう]

(104) 2019/05/19(Sun) 04時頃

【人】 公安部 カガ


  誰かに恋したような目に見惚れた。

[理由なんて、本当アテにならなかった]

(105) 2019/05/19(Sun) 04時頃

【人】 公安部 カガ


[ずるずると引き摺り延長線に留めた想いは
 今日で最後にしよう。
 妹は年内に式を挙げると言っていた。
 ならば妹を迎える為の準備が必要だ。

 いつも通り髪を整える。
 今日は珍しく靴なんか磨いて向かった。

 道中若い女性二人とすれ違う。

 立ち止まり明け暮れる話の内容よりも
 彼女達の表情があまりにも眩かった]

(106) 2019/05/19(Sun) 04時頃

【人】 公安部 カガ

[金曜日。
 とうとう締め切りも近づいてきており
 担当に何とか謝罪を決め込みながら向かう。
 夕方の最終便の名残だろうか>>0:2
 街路を歩む度にバターの香りが漂ってきた。

 もう少し硬い格好で行けば良かったか。
 それともラフな服装の方が好ましいのか。

 何にも知らない。
 離れた場所で微かに聞こえる声と
 此処で盗み見る横顔以外詳しい事は何も。
 それだけで満足の筈だった。

 これが一体恋に恋しているのか
 それともあの人自身に恋をしているとか

 そんな事すら曖昧に溢れてしまいそうな
 狂った段取りの帳尻を合わせるよう扉を開く]

(107) 2019/05/19(Sun) 04時頃

【人】 公安部 カガ


  今日で最後。

[もう何度目か分からない決意を一つ置いて
 カランと扉が音を立てた]

  一人で窓の見える所がいいな。
  人が多ければ相席でも良いけど。

[普段から多人数で食事をする事は少ない。
 人を連れてきたのは妹くらいだろう。
 それも妹から強請られて仕方なく]

  ああ、今日はいないよ。
  でもまた来たいって言ってた。

[伝言を伝えれば視線は彷徨って一点を見据えた。
 目が見開かれてそれから唇を引き結ぶ。
 いけない。間抜けにも口許が緩みかけた]

(108) 2019/05/19(Sun) 04時頃

【人】 公安部 カガ

[どれだけ素直なんだと咳払い一つ。
 急いで視線を逸らせば案内されるまま席へ。

 ワイングラスが届くまでの数分間。
 酔ってもないのに耳が熱くて堪らない。

 そんな幸せで面倒くさくて拗れた夜が始まる。

 神様がもしこの場にいるのであれば
 一層この想いごと奪い去ってくれたらいい]

(109) 2019/05/19(Sun) 04時頃

【人】 公安部 カガ


[そうすればこの病は治るのだ]

  あの人と全部同じものがいい。

[あの人しかか映さない目と心の病が]**

(110) 2019/05/19(Sun) 04時頃

【人】 山師 グスタフ

[習慣のある生活をずいぶんと楽に感じるようになってしまった。昔は、いきあたりばったりのスケジュールを楽しんでいたのに。さもありなん。
金曜日はタヴェルナへ。
……だけど、対外的な理由で、それが叶わなくなることもあるだろうか。

今日の分の仕事を終わらせ、あるいは中断し(このピアノの納品はまだ先だからさ)、飯に行こうかというところで、突然の呼び出し。
タヴェルナからは離れている、この街のジャズバーの店長からだ。]

(111) 2019/05/19(Sun) 07時頃

【人】 山師 グスタフ

[……突然、ピアノから一部の音が鳴らない、と。
電話口でいくつか質問を投げて、十中八九スティックだろうな、とアタリをつけた。
もちろん、原因特定のみで終わるわけはなく、その先に続くのは修理の依頼なわけで……。

"ちょうど引っ越してきたって言ってただろう、助かるよ"

"暇してたのですぐ行きますよ"

なんて、言いはしたけれど。
……せめて、タヴェルナのラストオーダーには間に合いたい。
あの店で、別に誰かが自分の訪れを待っているわけではない、それは分かっているけど……金曜日の客たちに、妙な仲間意識のような親しみを抱いているから、その場に加われなくなるのが、無性に寂しいだけなのだ。]**

(112) 2019/05/19(Sun) 07時頃

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