3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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―音楽室―
[まだ、後、少し、足りない。
ただ、ノイズはほとんど静かに、なった。 まだ鳴り止まないけれど。
ノイズが弱まったことで、頭痛と吐き気も落ち着いてくる。 ゆっくり立ち上がると、ピアノの蓋を閉めた。 手が滑り、派手に音を立てる。
それを見て、嫌そうな顔をした]
(695) 2010/03/02(Tue) 12時半頃
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[何故ここにたどり着いたのかは分からない。ピアノを弾きたかったのか、なくしたものを見つけたかったのか。 なくしたものは、戻ってこない。
だから、納得した。
今の自分は、あの頃の自分だと。
荷物を手に音楽室を出る。足取りは、少しだけゆっくりと。ここにきたときよりは遥かにしっかりとした動き。
なくしたのなら、戻ってこないのなら、
いらない? それとも]
私の中から生まれたものなら、戻さずともまた生まれるでしょう。 今は、ケイトと、鬼を探すほうが、先です。
[意志は残った。その意志をどうしてもったのかの理由は分からない。けれど、自分が持っていたものなら、ちゃんとした理由があったはずで、今はそれだけで十分だと]
(700) 2010/03/02(Tue) 12時半頃
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―南棟東階段―
[階段を下りていく。上から見てみようとも思ったが、それで見つけられそうにないのは明らかだった。 何より一人を好むらしい今の状態は、逆に誰かに会った方がいいのだと、経験で憶えている]
こちらとあちらを繋いでいるのがこの場所なら、私はもう半分ほど、染まっているのでしょうね。
[鞄を持つ手は、気を抜けばそれを落としてしまう。 シャツの下は、時折透けて見えた。
手が滑ったのではない。 蓋は手をすり抜けただけ]
(709) 2010/03/02(Tue) 13時頃
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[まだ、平気だと言い聞かせる。 そうしなければ、すぐに飲み込まれてしまうから。
ゆっくりと階段を下りて、漸く1階へとたどり着いた]
……誰かいるのですか。
[保健室から、声が聞こえた。大丈夫といわれた場所。行くつもりはなかった。だから、ノックだけを響かせる]
(711) 2010/03/02(Tue) 13時頃
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ああ、ミッシェル・ヘルメス。あなたも保健室に用事ですか? 私は、声が聞こえたので。 どうぞお先に。
[そういって、先にどうぞと*身を引いた*]
(714) 2010/03/02(Tue) 13時頃
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[譲り合いは幾度か。そうしているうちにグロリアたちがやってくる。 怪我人がいると知れば道を譲った]
ええ。もちろん構いません。
[開いた扉。中から聞こえてくる声。何事かと扉を掴んだ]
(737) 2010/03/02(Tue) 14時半頃
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化学教師 スティーブンは、聞こえてくる嬌声に怪訝な表情で中へ足を踏み入れた{1}
2010/03/02(Tue) 15時頃
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な、にが起きているのですか。 その声は―…。
[何かが入り込んだ。聞こえてくる喘ぎと甘い匂い。先に入ったグロリアの姿が見えて、手を伸ばしそうになる]
私は何を。 アトラナート先生どうしたのですか。
[様子がおかしいと、止めようとして、沸き上がるのは情欲]
(745) 2010/03/02(Tue) 15時頃
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[ああ、欲しい欲しい欲しい欲しい―― 眩暈がしそうな上質の蜜の香り。 理性は、まだある。 相手は手を出してはならない人だと]
ここに入っては、なりま……。
[違う。違う。自分は、自分が欲しいのは――。 堕ちる、*音*]
(746) 2010/03/02(Tue) 15時半頃
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―保健室― [堕ちたのは、体。侵蝕されたのは心。 セシルへ視線を向けた後、何か言おうとして、その背後にやってきたドナルドへ視線を向けた。
くらいくらい眼。 ただの「いやな」物でしかなかった感情は、思いのない今はただの憎悪にしか感じられず。
ああ――。……に。
黒いものが、心を取り巻く。 皮肉にもそれは、雄猫の欲をかき消した]
いえ。 雄猫の霊が、とりついたようです。私と、それからアトラナート先生もでしょうか。 ……他は、別の霊のようですが。 雄猫ですから、男性を襲うことはないと思いますが。 ああ、でもアトラナート先生は。
[自身が女性だからだろうかと猫が思う]
(849) 2010/03/02(Tue) 20時頃
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それに、例え女性だったとしても、恋人のいる方を襲うほど理性は失っていない。
[まだ、暗い眼。正気を取り戻したらしいキャロライナや保ったままのラルフを見て笑みを浮かべた。 猫は潜む。黒の裡に]
"セシル・シェリー"、誰かを頼れるようになったのなら、それは、喜ばしいことです。 もう少し、素直さは必要だと、思いますけどね?
[告げた言葉は笑みと共に。 保健室から出ようとして、鞄を取り落とす。 透ける指。ああ、と呟いて拾い上げた]
(855) 2010/03/02(Tue) 20時頃
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[使い辛い体。猫が漏らした感想は、外には漏れず。 欲しい欲しいと思うのに、黒いものが邪魔をする。
なら、黒いものが弱まれば、もっと扱えるだろうか。
侵蝕の進んだ男の中で、猫は機会を待つ事にした。 今は、まだ]
――……。 私は、何を――。
[言っているのか。小さく呟いた。 猫が待てば、包む黒も落ち着いて眼に光が戻る。 少しだけぼやけたような、生気を失いつつある光]
(862) 2010/03/02(Tue) 20時頃
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化学教師 スティーブンは、風紀委員 ディーンの頭を撫でた。手は、透けない。
2010/03/02(Tue) 20時頃
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ああ、いや。 セシル、入らない方が良いでしょう。 ここは今危険です。
[身を乗り出したセシルを制するように腕を出す]
貴方が猫だのなんだのに取り付かれても、大変な事になりそうですから。
(865) 2010/03/02(Tue) 20時頃
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でますよ。
[探しに]
行かなければなりませんから。 皆さんは、校長室ですか?
[視線に答えて、保健室を出る。理性を失ったままのディーンを振り返り]
あちらは、雌猫のようですね。匂いが。 ラルフ・アーチャー、欲しくても我慢した方がよろしいですよ。
[ラルフにそう声を投げて。啼く声にはぞわりとした]
……そうですね。もう、取り憑かれないようにして下さい。今の私の体では、何も差し上げることが出来ませんから。
[襟元のボタンは外れている。その内に見える肌は、透けて見えた]
(873) 2010/03/02(Tue) 20時半頃
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[ディーンに問われると、子どもに見せるような笑みを見せた]
消えませんよ。まだ。 まだ、やることが残っていますから。 ケイトは、まだいるでしょう?
[もう一度、頭を撫でた。 匂いが、肌に纏わりつく。抗うように、部屋の外へ]
(882) 2010/03/02(Tue) 20時半頃
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……どこへでしょうか。 私にもわかりませんが、……ああ。 あのこを探しに。
[ピアノと聞くと一瞬宙を見て、それから頷いた]
なくしたものが、戻ってくるかと思ったのですけどね。 無理でした。 ただ、弾いただけです。あの頃より、ひどい。 今の私は、貴方より。
[息を呑む音。透けた肌。まだ、大丈夫]
こちらとあちらの、境界にいるようです。 心配しないでください、まだ、消えませんよ。 気を抜くと、物がもてませんけどね。
[苦笑を浮かべた]
(884) 2010/03/02(Tue) 21時頃
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ヘクター、貴方の体もずいぶんなようですね。 格闘家は気を読むといいます。まだ、あきらめてはなりませんよ。
[かける声は、常のもの]
おかしいですか? ああ、心配していないのなら、それで。 それに、貴方には他に心配しないといけない方がいるでしょう。 [セシルへ告げる言葉はどこか他人事で、なくしたものを聞かれると言葉は止まった]
――……。 何かをなくした気がするのですけどね。 それがなんなのかは、思い出せないのです。 残ったものを考えれば、なくしたものは、私にとっていいものだったのでしょう。
(900) 2010/03/02(Tue) 21時半頃
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貴方に、昔の私に似ている、と言ったような気がします。 今の私は、……その頃と同じだ。
[違うとすれば、それからの記憶だけは残っていること。それから。 侵蝕されてしまった黒い心]
(905) 2010/03/02(Tue) 21時半頃
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心配してくださるのですか。 ですが心配は無用です。
もう。
[その先は紡がない]
他に、いらっしゃるでしょう? 口付けなど、何も思っていなければ出来ないことだと思いますが。 だから、貴方も人に頼ることができるようになったのだと、思いました。
[あくまでも、淡々と口にする。 伸ばされた指先>>909結晶のようになった指。 それを見つめて、そして逸らした]
同じ、拒否することばかりだった、あの頃の私です。 あの頃の方が、まだましかもしれませんが。
(917) 2010/03/02(Tue) 22時頃
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化学教師 スティーブンは、生徒会執行部 ラルフがディーンを連れて行くのをやれやれという感じで見送った
2010/03/02(Tue) 22時頃
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[問いには答えない。濃紺がこちらを見た気がする。けれど向かない]
あれは? 他に理由があるのでしたら、それはそれでいいでしょう。 貴方に説いた私は、もういないということです。 今の私は、あの時の私ではない。
今の私には、私が今までしてきたこと全て。 何故そんなことをしたのか理由がわからないのですから。
(936) 2010/03/02(Tue) 22時頃
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[声は他にも届いただろうか。 それほど大きくは出していない。 今は、ノイズも頭痛も少なく。
ミッシェルが戻ってきていたのには、気づいた。その口から語られたことも、耳には入っていただろう]
――…。全部。記憶だけは、残っているのです。 貴方に説いた言葉も、未来へ行っていた時も、ここに来る前のことも。 ですが、その言葉にいたる過程が、思い出せない。 だから、ピアノを弾きました。 でも戻らなかった。 ですが。 ……私が元々持っていたものなら、また生まれてくるかもしれない。
時間をかければ。そうは思いましたが、その時間もなさそうです。
(955) 2010/03/02(Tue) 22時半頃
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[去っていくドナルドの背を見る。その視線は、いつもと同じ。ミッシェルやグロリアがそれぞれ移動するのを見送った]
……言葉にするのが、難しい。 なくしたものがわからないので、それがどういったものなのかわかりかねますが。
ああ。逆なら思い出せる。
私は、ピアノを弾くことが嫌になったので、ピアノを弾くことをやめました。 その、ピアノをやめた事実だけが、頭に残るということです。
今も、やめた理由を思い出せても、やっていた理由は、思い出せません。 好きだから、だったのでしょうか。別の理由があったのでしょうか。勧められたままやっていただけなのでしょうか。
――貴方に聞いても、仕方ないのですけどね。
時間がないのは、私には時間が残されていないということです。 今消えかけている私の体は、いつまで持つのでしょう。 ひょっとしたら、持つかもしれないし、持たないかもしれない。……わかりません。
(978) 2010/03/02(Tue) 23時頃
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[ヘクターが壁を伝い外へ向かうを見る。気づけば人の気配が廊下から消えていて]
…皆、いなくなってしまいましたね。
[肩を竦めた。 猫は、黒の裡でじっとしているようだった]
気持ちを心が忘れてしまっても、体は覚えています。 ですが、今の私の体は不安定で、体すら覚えているかどうか怪しい。 思い出さなくていいのなら、残る時間が短いのなら、私は今のままで――…
[いい。そういおうとして、言葉が詰まった]
(989) 2010/03/02(Tue) 23時半頃
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それは、失礼しました。 確かに、教師の話は長い。説教が、好きなのでしょう。
[言って手を伸ばそうとした。その、髪に触れようとして途中で止まる。 透けた腕]
さあ。 私の体はまだ、忘れたくないのでしょう。 ……今までの、私を形成してたものがなくなったのですら、仕方ありませんね。
勝手でしょうか。 ……言うだけ言って、私が忘れてしまったのでは、そういいたくもなりますか。
[――忘れたかった。 黒の裡で、震える]
(1011) 2010/03/03(Wed) 00時頃
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化学教師 スティーブンは、用務員 バーナバスが出て来たのを見てどうしましたか、と声をかける
2010/03/03(Wed) 00時頃
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[セシルが下がると、手は下りる]
そういわれましても、もう忘れてしまいましたから。 思い出す方法も――。もう一度職員室に入れば思い出すでしょうか。 あそこで、なくしたので。
知らないから、言葉にするのでしょう。 ああ、これは言いましたね。 知ろうと思うから、言葉を尽くすのです。
指を、そんなにあてたら傷がつきますよ。
[同じ言葉。 それに心は篭るのか。
バーナバスの頼みには、しかたありませんね、と頷いた]
(1030) 2010/03/03(Wed) 00時頃
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死に掛かったからこそ、それだけのことをしなければ、元に戻らないのではないでしょうか。 [用務員室のほうへと身体を向ける] 探しましょうか? 日誌を。 ケイトのことを、調べなくてはならないのでしょう。
[震える。黒の裡の、猫。 痺れを切らし鳴き声を]
……。私が、選びたいのです
[言葉は裡へ向けて小さく。眼はわずか虚ろに。けれど一瞬で元に戻る]
(1052) 2010/03/03(Wed) 00時半頃
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[セシルの後ろから、用務員室へと歩いていく。 選ぶのは、自分で。
憶えている。 やめた理由。 それは
あの子が生まれてから。
その理由も。 なら、仮定でも答えは導ける。
導いたのは、黒いくろい入り込んだ何か。 若き日の、なくした想い。]
(1067) 2010/03/03(Wed) 00時半頃
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[今は、違う。
そのことには、なくしたまま気づかない]
別に構いませんけどね。
……中庭が気になるなら、行って来たらどうですか。 アトラナート先生が、ヘクターを追って行ったようですので。 その間に、日誌は見ておきましょう。
[中庭を気にするバーナバスへと声をかけた]
(1070) 2010/03/03(Wed) 00時半頃
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化学教師 スティーブンは、長老の孫 マーゴを無事だろうかと思う(01)
2010/03/03(Wed) 00時半頃
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そのヘクターは、割と満身創痍なのですが。 そしてケイトは、ヘクターを気に入ってたかとも思うのですが。
……アトラナート先生が、大事ではないのですか。
[バーナバスへと問うた]
(1081) 2010/03/03(Wed) 01時頃
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…… 私の体は、もう役に立たない。 私より、貴方の方が、いいでしょう。 貴方は、アトラナート先生のことを思っていたのではなかったですか。
それに、私の中にはそこでついた猫が入ってますから。 同じように猫の憑いたアトラナート先生と、どうにかなってしまうかもしれませんよ?
[軽い調子で付け足した]
(1093) 2010/03/03(Wed) 01時頃
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[…生徒を思う気持ちは、もうないのかもしれない。 いや、ないのだろう。
それは、なくしてしまった中に]
(1098) 2010/03/03(Wed) 01時頃
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