人狼議事


208 【突発誰歓】ーClan de Sangー【R18薔薇】

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視点:


【人】 半の目 丁助

ー昨晩・彼の部屋ー

 んーっ、美味しい!

[彼の持ってきてくれたけぇきを口に入れて頬を緩ませた。
そうしていると先程話すと約束した話題について水を差し向けられる。]

 あー、あぁその話ね。忘れたいと言ったのに。

[しつこく聞き出してくる彼に苦笑が漏れる。]

 別に大した話じゃあないよ。
 主様に一回だけ外の世界に連れてって貰った事が有るのさ。
 勿論此処に入居した後にね。

[大した話なのだが、なんでもない事のように話す。]

(0) 2014/12/27(Sat) 08時半頃

【人】 半の目 丁助

 衝動を抑えられたからじゃないよ、今も此処に居るものね。
 あっしがどうしても外に出たいとせがんだものだから。

[あの頃の自分はまだ血の力も弱く、薬を抜いてみるということをしばしばしていたものだと朧げに思い出す。]

 でも、外の世界も思った程面白くなくってね。
 此処が一番の極楽だと気づいたのさ。そういう話。

[其れからだったか、あの吸血鬼を半ば母同然に慕うようになったのは。其れ迄はただクランに連れて来てもらったから成り行きの恩を感じているだけであった。]

 話はこれで終わりだよ。

(1) 2014/12/27(Sat) 08時半頃

【人】 半の目 丁助

[彼は尚も何か追求しようとしたろうか。
何方にせよちょっとした悪戯を思い付いて、彼の足元に跪く。]

 ねーえ、あっしは甘味も好きだけれど苦いのも好きなんだよ。
 寝る前に味わわせておくれ?

[なんて夢魔気取りで上目遣い。
男の其れを飲み込みたいだなんて好きだと告白してるようなものだけれど──*]

(2) 2014/12/27(Sat) 10時頃

【人】 半の目 丁助

ー朝ー

 あー……なんで此処に?

[朝、身を起こして周りを見回した時に発した第一声が其れ。
なんで自分の隣にじぇれみが居るのか、部屋は自分の部屋ではないようだが何故自分が此処に居るのか。そういった疑問が篭っていた。

暫く考えて、シーツを駄目にしてしまったから彼の部屋に泊めて貰ったんだとやっと思い出した。
次いでに寝る際に絶対に同じべっどで寝たいと強請った事も。]

 だから酒の勢いだってば……

[彼は未だ目覚めて無いようだが言い訳した。
昨日も一昨日も一杯しか飲んでない筈だが、若しかしたら自分は案外酒に弱いのかもしれない。]

(3) 2014/12/27(Sat) 10時半頃

[跳ね上がる声は、申し訳なさげに喋る普段のものと同一の喉から発されたかに思えぬほど甘く耳打つ。
声に揺れる腰ち握りこんだ手の中で硬さを増し先濡れする竿が、
己に更なる昂ぶりを齎す]

 ん。

[気配に応えるような声は、外にいる者の名であろうと推測する。
如何な用かと、鎖骨の赤に目が止まった頃には既に立ち去った後。
そういえば、己はこの者の名も知らないままだ。
いや、嘗ては訊いたのかもしれない。
何時からか、人の名を覚えることを止めた己の記憶にある名はニコラスとシュロのみ]



 無論、そのつもりだ。

[入れていいかとの問い掛けに、
答える間もなく、傷持つ腕が自ら後ろへと廻り何やら動く]

 それが素か?

[敬語でなくなった問いに微笑み]

 俺の名を知っているか?

[問いを重ね、片手をこの者が弄る同じ場所へ向かわす。
傷に触れ、指先に血を滲ませ、解そうとしている窄まりへ重ねる]

 無茶をするな。
 お前の血で濡らせば……ほら。

[指先で周囲を濡らし、涙溜め、試そうとしていた指を入れさせる]


 どうだ? 
 爪立てぬよう、ゆっくり掻き回すことだ。

[やがてそこが馴らされれば、座らせた姿勢のまま、
圧迫するように挿し入れて。

落ちぬ涙は乾いただろうか、更に潤みを増しただろうか、
腰を突き上げるよう動かしながら、指の腹で目の縁を擦る]

 ………、………ッ。

[徐々に己の呼気も荒く浅いものへと変わり、
血と汗の匂いが大気を湿らす。
どちらが先に達したか、己の精は脈動と共に内奥へと放たれる]


半の目 丁助は、メモを貼った。

2014/12/27(Sat) 11時頃


[シャワーを出して手を伸ばす。
 冷たい水が肌を打って、体温が奪われている。
 だからか、小刻みに震えているのは。

 流れ出る色は酷く澄んでいて
 洗い落としたい赤など滲みもしない。

 何故だろう。
 なぜ、手が赤いのだろう。]


[その手の中、弄ばれるように指が動けば、先走りが絡む音。
音が、耳の縁から脳の芯へと沁みていく錯覚。]

 っは、……はッ、……ぁ、 

[その視線が体を這う。
鎖骨の一点で止まるのに、薄ら、昨晩の断片を思い出すか。
指先の動きの仔細を、言葉のやり取りの全てを、思い出すことまではできず。

持ち上げた腰の下、窄まりに触れる熱の切っ先。
未だ硬く閉じた其処は、息乱れた状態では自らの指すら拒んでいる。
もどかしさに瞼を閉じるも、問いかけに視線ごと上げられる。]

 ……素、……なんだ、と、……思う、……

[そも、敬語が身につかなかった最たる理由は、かつて主人の前で口を開かなかった事にあるのだろう。
敬語も、読書も、上達しないままに。]


 ライジ、……

[記憶の覚束ないとはいえ、ここに居る者の名前は覚えている。
眼前の者が覚えておらずとも、自分は、確かに。

名を、という問いにそう答えたけれど、少しばかりの間を置いて。
思い出すのは、先程のやり取り。]

 ……ライジ、さま、?

[主人となると言うならば、そう呼んだほうが正しいのだろうか。
そっと、確かめるようにそう口にすれば、微か目を細めて首を傾ぐ。

傷へと触れた指が、滲む血液を拭い取る。
薄い肌に触れた事にすら、大袈裟に体を跳ねさせた。

赤に濡れた其処は、促されるままに指を受け入れていく。
爪を立てない、ゆっくりと。
硬く唇を引き結んだまま、小さく幾度も頷けば解す指の数は増える。]


[やがて、十分と判断されたのならば、腰を落としながらその熱を受け入れる。
指よりもずっと奥へと侵入するのに、慎重に事を進めようと試みるが、]

 ……は、 はッ、 あ、 ぁア、 ぁッ
 ―――-ッ、く、 あッ ……!

[滑らかなシーツの上、慎重に落とす腰が重力に負ければ、残りの分を一息に収めることになるか。
一際高く、高く上がる嬌声。
衝撃を緩和するように呼吸を試みるも、しゃくり上げるような呼吸では尚更に自分を追い詰めるばかり。

落ちた涙の粒に、その指は伸びる。
それでも、体の下、突き上げる動きに応じるように、腰を揺らす。
自ら悦い箇所にその切っ先をと、ただ快楽を求めるままに委ねる。

シーツへと突いていた掌は、無意識的にその腹へと移動する。
汗と混ざった血液が、腕を伝ってそのガウンを点々と汚した。]


 ……っ、ぁあ あ、 …… っは、 ……
 は、……ぁ……

[達したのだろうと察したのは、内に流れ込む感覚から。

見下ろした自らの茎は、区切りのように達した様子はない。
ただ、突き上げられる度に零れた先走りは、だんだんと色を濃くしていったのだろう。
二人分の体の隙間へと、溢れさせた白濁は添う。]

 ……ッ、ん、 ……ぅ、う、

[それごとを引き剥がすように腰を持ち上げ、内で達した茎を抜き取る。
傾ぎかける体。
それでもその体へと倒れずに支えたのは、支えておけと告げられたから。]


[苦笑という作り笑顔を零し、シャワーへと落とした表情はどんなものだったか。
 湯気が何もかも隠せばいい。
 どうせ、似合いもしない傷ついた顔をしているのだ。
 傷付く権利など、ありもしないのに。

 性急に剥がしたタオルは、そのまま足元へと落とした。
 他の雄の香のつく、邪魔なもの。
 その体を他の相手には晒すのに、自分には晒したくないのかと。
 包帯に巻かれたその傷口を、誰にでも簡単に見せるのかと。
 酷く醜いものを裡に湛えて。]

 ……気持ち悪かろうが、我慢し。

[シャワーの取り付けられた壁に彼を向かせて、強引に腰を突き出させた。
 指がなぞるのは、誰かと繋がっていたであろう場所。
 とろりと、いまだ白濁の残るそこに触れて。]


[真白のタオルが、床の水滴を吸っていく。
腰へと伸びた掌に、傾ぐ体を眼前の壁に腕を突いた。
注ぐ湯が、肌の上を滑っていく。
日頃、拭うだけに留めていた体を、暖めていく。

けれど、肌を赤く染めるのは、その湯が原因ではなく。]

 止め、 ……そこは、いい、
 自分でできる、 ……できるから、……ッ

[引き攣れた、懇願の声。
その一瞬で振り払えばよかったのかもしれない。
指が触れた瞬間、身体はびくりと硬直した。]

 ……ぅ、 く、

[咄嗟に飲み込んだ声は、悲鳴の音に似ていた。

歯を食い縛り、瞼を伏せる。]


[肌に朱が差す。
 背中にはずっと塞がらない傷痕、薄く滲む血。
 羽織ってきたシャツにもその染みがあるのだろう。

 懇願するような声と、悲鳴のような音。
 跳ねる体は、きっと先程まで淫らに揺れていたものとは違う。]

 ……すまん。
 少しだけ、我慢しとって。

[指先はゆっくりと窄まりをなぞり、中へと動く。
 痛みを感じぬように、爪を立てることはなく。
 ゆっくりと円をかくようにして、体内に残る残骸を掻き出して。]

 …、…ッ。

[指から滴り落ちるものを感じれば、息を止めて唇を噛んだ。
 背にしているからわからないだろうと、眉まで寄せて。]


 ……はー……ッ、 は、ッ、

[湯気の中、荒く、息を吐き出す。
突いた手の先、爪を立てようにも硬く滑らかな壁ではどうしようもない。

内に潜り込む冷たい指先。
先程まで貪欲に熱を咥えこんでいたというのに、今となってはその指先は拒みたい対象でしかない。
指に掻き出され、太腿を伝い落ちる白濁。]

 もう、 いい、
 大丈夫、だから、 ……大丈夫だから、……はやく、

[羞恥に声を震わせながら、それでも口にするのは命令ではない。
“お願い”と称されるような柔らかなものでもなく、ただ切実な、懇願。

蠢く感覚に、膝が震える。
薄く開いた視線の先。
未だ足りぬとでも言うように、自身が緩く勃ちあがりかけるのに、またきつく下唇を噛んだ。
その視界すらも、じわり、滲む。]


【人】 半の目 丁助

 んっふふ、結構可愛い顔してるじゃないかい。

[じぇれみが未だ眠り込んでいるのをいい事に好き放題している。
彼の寝顔まじまじと見つめて突っついたり、しまってあった彼のシャツを勝手に引っ張り出して素っ裸の上から羽織ってみたり。]

 こういうの"かれしゃつ"って言うんだろ?
 知ってるよ、あっし。

[無邪気にくすくすと笑い転げている。]

(27) 2014/12/27(Sat) 15時頃

[荒くなる息が、他の音よりも何よりも聞こえる気がする。
 壁に突く手が何かを求めて引っかこうとしているように思えて。
 そこに『居る』のは、誰なのだろうかと思い描いては、息が洩れる。
 後ろからそっと肩に顎を乗せて、掠れるように呟く。]

 そんな…、厭か?

[中に残っていた誰かのものを、掻き出されてしまうのが。
 無理やりに、中を蠢く指先が。
 それとも、行為をしいている、]

 (───わし、が?)

[懇願に反するように、指先は入念にその残り香を掻き出して。
 肩越しに、前のものが緩やかに反応しているのを覗き見たけれど。]

 泣かんでいいよ、もう終わったけ。

[知らぬフリをして、漸く後処理から開放した。]



 よしよし、よく謂えた。
 利口だ。

[己の名を発する赤髪に、子をあやすような口調になる]

 寝処にいる時は、様は要らない。

[呼び方はどうでもよかった。
が、この者は指図あった方が安堵しようと、
この男なりの気遣いのようなもの。

苦痛の雑ざる嬌声と己を包み蠕動する肉壁の刺激に、
低く快楽の呻きを漏らす。
事を終え、最後まで崩れ落ちることを堪えた身体を抱き寄せれば、褒美とばかり髪を撫でた]

 ―回想:了―


[厭なのか。
きっとその答えは、是なのだろう。
自らの欲のまま内で受け止めた、他の者の精の後処理をその指に委ねるのが。
止めろという声を、聞き入れられない事が。

そこには決して、「クアトロだから」という個の情報は、入り込まない。
肩越しにかかる声、首はただ、逸らすように俯くのみ。]

 ……っ、 ひ、 ……ぅ、

[終わったと、肩に触れた声と唇にその声に膝の力は抜ける。
湯に暖められた床に、そのままぺたりと座り込む。
赤い髪を、降り注ぐ雨のような湯が濡らす。]


 自分で、……できるって、言っただろ、……
 ……お前が、こんな事する必要、何処にもないんだ、

[洗えと、自分が命じたわけでもない。
ただ、初めに架したのは「包帯を変えろ」とただその一言のみの筈。]

 ……俺が上の人間だから、そんな気を利かせてるってんなら、
 そんなの、……要らない、

[片手で掌で顔を覆いながら、水音に紛れぬ程度の声で、呟く。
もう片方の手を足の間に突いたのは、ほぼ無意識に。
少しでも、自身をその視線から隠そうと。]


[逸らすように俯く首を、ただ眺めていた。
 終わりを呟けば、ぺたりと座り込んでしまった体。
 背を、頭を湯が打つのだろう。
 降りしきる雨のように。

 悲鳴のように聞こえる声が落ち。
 搾り出されたような声が紡ぐ言葉を聞く。

 必要ない。
 気を利かせてる。
 要らない。

 覆われた顔と、隠そうとしているものとを見下ろして。]


 阿呆、か。

[拾ったタオルで隠したがっているのだろうそこを、覆う。]

 誰が、何が楽しゅうて、
 野郎のセックスの後処理なんぞせないかんのじゃ。

 気ぃ利かせて? 命令でもないのに?

[抱きしめる腕は強くなる。]

 んなもんッ、…──出来るわけねぇだろ。


 
 
 
 ───俺が、厭なんだよ。

 お前が誰かに、抱かれてんのが。



[泡はシャワーに流れていってしまっただろうか。
 溶けて、消えてしまうのだろうか。
 忘れていいといった言葉のように。]


【人】 半の目 丁助

 あっ、あっ。

[>>33朝餉を知らせる音が響き、慌てて勝手に羽織っていたしゃつを脱ぎ捨て、畳んで、着物に着替える。]

 朝餉の刻限だよ、起きな。

[じぇれみの頬を抓って彼を起こそうとする。
彼が其れによって起きたかは定かではないが、何方にせよ共に朝食の席に姿を現すなど恥ずかしくて堪らないので、先に彼の部屋を後にして食堂へと向かった。*]

(37) 2014/12/27(Sat) 16時頃

 ……クアトロ?

[声色が、違う。
声色だけではなく、口調すらもか。

腕の力が強くなる。
折れてしまうような華奢さは無いものの、それでも息苦しさはある。
この苦しさは、単に物理的な要員から齎されるものなのか。

命令でもないのに、自らの身を洗い流す理由。
告げられる言葉、眉をきつく寄せて。]

 んなこと言われて、……俺に、どうしろっていうんだよ……

[今はまだ、寝台の上、交わした言葉は覚えている。
けれど、一晩、二晩とすぎる内に、あっというまにその記憶は遠のいていくのだ。

自分が誰に抱かれたのか。
正確な人数も数も、全くといっていい程に覚えていないというのに。]


[泡の洗い流された掌は、抱きしめる腕にそっと触れる。
この腕の暖かさも、苦しさも。
きっとどこかに忘れてしまう。

ほんの僅かに、傷跡のような違和だけを残して。]

 クアトロ、……

[細い声で、名前を呼んだ。]


【人】 半の目 丁助

 えっ。

[食堂に入ると主様がいて挨拶をしてきたので>>39吃驚して飛び上がりかけた。何故このような刻限に。]

 あぁえっと、おはようございます。
 昨日のけぇきとても美味しかったですよ。

[取り敢えず彼の料理の腕前を褒めておいた。
其れから何時もの席に着く。
果たして隣に赤毛頭の姿は常通りあったか。]

(42) 2014/12/27(Sat) 16時半頃

半の目 丁助は、メモを貼った。

2014/12/27(Sat) 16時半頃


 クアトロ、じゃない。
 本当の、名前は……ボリス。

[今の今まで忘れていた名前を口に出す。]

 ……そう、だな。
 謂われたところで、迷惑なだけか。

[掠れて震える声から、飾りもしない言葉が落ちる。
 それもきっと泡のように消えてしまうのだろう。
 息苦しさを与えていると判っていながら
 抱きしめる腕を、離せない。
 緩めてやれる余裕など、部屋の前で嬌声を聞いたときから
 とっくの昔に失っていたのだから。

 何回目の『初めての男』なのだろう。
 それでも、構わないなんて馬鹿にもほどがある。]


[触れる掌に、手を重ね。
 慈しむように撫でる。]

 何度でも、謂う。
 お前が忘れるなら、俺が何度でも謂う。
 わしが、何度でも謂うけ。

 じゃけ、忘れてええよ。

[忘れたのならまた囁こう。
 見えぬ傷を、何度心に負ったとしても。]



 ヒュー、愛しとる。



[報酬でも、対価でも、見返りでもなんでもなく。
 ただ君を愛してると囁いて。]


[水音には決して掻き消えぬ距離の中、本当の名と囁く理由。
抱きしめる力は緩まない。
腕に触れた手にその掌が重なるのに、息を呑む。]

 ……ボリス、

[その音が、口に馴染まないのも当然か。
何時の日からか、彼は自分の中ではクアトロという存在だったのだから。

忘れてもいい。
本当に、忘れてもいいのだろうか。

本当に忘れてもいい言葉を、こんな声音で囁くものなのか。]

 ………、俺は、

[応える想いを、自分は持っているのだろうか。
忘れ、遠ざかることで自らを守っている、自分に。]


 ……何度も口にしなくても、いい。
 俺を愛する必要は、無い。

 きっと俺は、また忘れちまうから。
 ……そしたら、……お前が、傷つくだけだろ、?

[言葉を、一つ一つ、選びながら。
知らず、腕に触れた掌に力を込める。

忘れられても、何度も、何度でも。
この空間で時間が続く限り、何度も、何度も、永遠に。]

 ……お前が傷つくことで成り立つ永遠なら、
 そっちのほうが、俺は、嫌だ……。

[自分の知らぬところで、深く誰かを傷つける。
そんなことを、喜ばしいと思う者が、何処にいようか。
互いを守ると口にしながらも、それは酷く、独り善がりの思いだ。

―――ならば、他にどうしろと?]


【人】 半の目 丁助

 にこ、お前さん昨日はすっかり眠りこけていたのかい。
 そんな軟弱そうな身体付きをしているのだもの、
 無理もないねえ。

[主様とにこの会話を聞いて、あっしは何時もの人を馬鹿にする笑みを顔に貼付けて声を掛けた。]

 もしも体調を崩したのだったらあっしとかに
 頼ってくれてもいいんだよ。
 余り主様のお手を煩わせるものじゃない。

[誰かが体調を崩す度に主様が付きっきりで看病していたのでは、美しい吸血鬼殿は寝る暇も無いだろうと思って口にする。

そうこうしていれば食堂にじぇれみが顔を出す。>>46]

 おはよう、寝ぼすけさん。

(47) 2014/12/27(Sat) 17時半頃

[重ねた手を、強く握り締める力などない。
 いや、そんな勇気などない、が正しいか。]

 クアトロは、昔殺された『俺』の、名前じゃ。

[今はそこまでしか思い出せないけれど
 ここへ来て、その名前しか名乗っていなかったように思う。
 だから謂いにくいのも口馴染まないのも仕方がないと
 苦笑を零すのが精一杯の強がり。

 零される音は、温かな雨粒よりも鮮明な声。
 音量はさしたるものでもないのだろうが
 反響して落ちるのは、浴室にでは、きっとない。]


 うん、そうじゃの。

[必要不必要で、誰かをここまで想えるものか。
 不要と謂われ、そうですねと切り捨てられるものか。
 そう思いながら、吐き出すのは了承の意。

 傷付かないわけはない。
 それでも、きっと気持ちが揺らぐことはないのだろう。

 だから、頷いてみせる。

 彼をこれ以上、傷つけないために。]

 お前さんは優しいねぇ。
 わしなんぞいっくらでも、傷つければよかろうに。

[ふは、と笑みを零し。
 それでも顔はまだ見せられなかった。
 きっと、きっと歪んでいよう。]


[彼から離れる間際、そっと落とすのは額への口付け。
 昨夜の『おやすみ』のような、微かな。

 そして背を向けて、一度だけ立ち止まる。]

 ……のぉ。

[振り向くことは出来ずに。]



 愛さなくていいのは『命令』?

 それとも『お願い』?



[どちらであっても───*]


[クアトロと、その名の経緯を語る声に、眉を下げる。
何故、その名を名乗るのか。
殺されたのは『俺』だという、ならば今の彼は何者なのか。

馴染みの筈の者だというのに、明かされるの面々は知らぬものばかりだ。
踏み込む勇気は、膨らむ戸惑いに圧倒され、それ以上の言葉は紡げない。

踏み込んだところで、理解者になれるというのか。
またそれも、忘れてしまうかもしれないのに。]

 ……話なら、
 いつでも、聞けるから。

[口にしながら、その言葉が今この場には全くそぐわないものだと思う。
それでも、何かを口にしないと、押し潰されそうだった。]


[了承の返事を得た時、わずか安堵したのは事実だった。
その言葉の裏、真意がどうであれ、言葉という形で示されるのは、有難かった。

傷は、癒えるべきものなのだ。
忘れていい、ものではない。
忘れたところで、傷が無かった事になるわけではない。

そう思うと同時、背の傷がじくりと疼く。

優しいと、自分を称す言葉に首を横に振る。
何度も、何度も、首を横に振って。]

 ……臆病なだけだ、

[零れた笑い声に、涙が零れそうになる。
けれど、彼が無理矢理にでも笑うのであれば、自分もきっと笑うべきなのだろう。

そうして、作り笑顔を貼り付けて。]


[『命令』と、『お願い』と。
どちらかを問う声に、返したのは。]


 ……好きな方を、取ればいいよ。

[そんな、『選択肢』。
傷つきたくないからど、命令することで身を守ることもできたのだろう。
けれど、そちらを提示しなかったのは。]

 ……っ、

[唇を噛み締めながら、体を拭い、部屋を出た時と同じ服に袖を通す。
酷く時間をかけながら、釦を留めて。

浴場を出たのは、きっと随分後になる。*]


[渇いていた。
喉が渇いていた。

だから躊躇いなく、口をつけた。
その傷口を歯で、爪で広げて、溢れる血を獣のように啜った。

“友人”はもう抵抗する気力もないのだろう。
否、既にその時死んでいたのか。
死にたくないとその一心で、喉を潤していた自分にはもう、判別がつかず。

月明かりの元でも赤く、ぬめる血液が口を、喉を、胃を満たしていく感触。
血に汚れた顔をふと上げれば、佇む黒髪の男。]

 ………夢、……?

[ただの、夢なのだろうか。

夢にしては、あまりにも生々しい、その感触。]


[浴室での情景は、裡に染みている。
 優しくないと、臆病だと首を振った姿も。
 話なら聞けると、告げてくれたことも。
 男はそれに、結局頷きしか返さなかったけれど。

 何か思い出したら話してみようか。

 ───『また今度』。

 張り付いた無理矢理の笑みに
 噛み締めていたのは奥歯。

 代わりに優しく、優しく、あたまを撫でて離れた。]


 
 
 ……おぅ、そーする。


[与えられるのは『選択肢』。

 ならば選ぼう。
 『命令』でも『お願い』でもないその言葉を。

 残念ながら従順になど、従えはしないのだから。]


─ヴェールの向こう側─

(あの時は、なんの絵を描いていたんだろう。)

[たゆたう記憶、揺れる漣。
 向かうのは孤島?
 違う、窓ひとつない『アトリエ』だ。]


丁助は、ヒューの様子を案じて二人の会話を聞いている。

2014/12/27(Sat) 19時半頃


[【クアトロ】がカンバスに向かう。
 描かれるのは懐中時計の溶けた奇怪なものや
 極彩の黄色で描かれた向日葵や
 主と弟子の12人が食卓を囲むようなものまで様々だ。

 筆を走らせれば、硬貨が積もる。
 けれどそんなものに興味などなかった。

 描けることを許されていたのは資料に写されたもののみ。
 資料はいつでも柱のように積まれ
 ひとつ描き上げた頃には、また一冊積み上げられた。

 そして三日に一度は様子を見にやってくる『誰か』。
 その誰かは呪いの言葉を掛けていく。
 体を重ねるのはどこか、儀式めいていた。]


 
 
 
    「忘れないで。

     キミは、ボクを、愛してる。」
 
 
 


[終わりのこない永遠。

 ただひたすらに続くものだと思っていた。
 終わりなど考えてもいなかった。

 そこには幸も不幸も、何もなかった。

 永久に終わりが訪れたのはいつだったか────…]


【人】 半の目 丁助

[ふいと横から手が伸びてきて>>68顔を顰める。]

 おや、くあとろじゃあないか。
 相変わらず不吉な数字をぶら下げてるね。

["死"を連想させるその数字があっしは嫌いだった。
終わりを感じさせるものはなんだって嫌いだ。]

 木乃伊くんなら具合が悪いようだよ。
 主様がまた無理をして面倒を見ようとするから、
 何ならお前さんが看病をしてやりな。

[早口で言い捨てると、麗しの吸血鬼殿に確認するように。]

 ねえ、ひゅうが一人きりで無いのなら
 主様が付きっきりになる必要もないだろう?

[そう尋ねた。
くあとろの瞳の数字を見ていたくないから、追い払おうとしてるだけさね、別に。]

(72) 2014/12/27(Sat) 20時頃

【人】 半の目 丁助

 まあ、きちんとしてる積りでも
 何かの拍子に体調が崩れることも有……だ、だ誰か?

[>>70にこの不意の指摘に動揺する。]

 そ、ちが、いや、そりゃあ一緒には居たけれど、

[ちらりちらりとじぇれみに視線を送ってしまう。]

 別に、そういうんじゃあないよ!

[赤くなって何かを否定する。
「そういう」とは一体何がそういうなのか。]

(77) 2014/12/27(Sat) 20時頃

[寝静まって動きが少なくなってから。そっと半分保ちながら、半分無くした意識で呟いた。]

 すき、

[届いたかどうかは定かではないし届かせるつもりもない。
ただ、吐いてしまいたかったから。**]


【人】 半の目 丁助

[態々隣に座ってきたくあとろに眉を釣り上げる。]

 は?本人が否定しようとヒューの看病に行ってきな!
 あっしの命令だよ!

[その命令は恐らくもう食堂を出た木乃伊くんの耳には届かなかったろう。]

 あっしの可愛い弟分が具合が悪いってのに
 放っておこうって言うのかい?

[正直クランの他の面々は家族同然だと言われてもぴんと来なかったが。髪色の同じヒューだけは密かに兄弟のような親近感を覚えていた。

因みに自分で看病してやろうとしないのは、普段散々からかっているのに甲斐甲斐しく看病してやるなんて恥ずかしいからだ。]

(82) 2014/12/27(Sat) 20時半頃


(───目、腫れとったな。)

[昨夜あの後、泣いたのか。
 そうさせた原因は、自分であるか、他にあるか。

 そんな時に、傍に居てやれないなんて。

 その背を追ってはならない、なんて。

 『愛さなくていい』、…なんて。]


 …………さんきゅ。

[ぽそりと同じ髪色の男にだけ落とす。
 『命令』がなければその背を追えなかったし、追わなかった。
 『命令』をありがたいと思ったのなんて、初めてだろう。

 ありがたかったからこそ、
 そう思った最低の自分に、眉を顰めたのだ。]


【人】 半の目 丁助

 はあ?あっしが、可愛い?
 お前さん誰に向かってそんな口を聞いてるんだい。

[>>81まるで女に言うような文句に眉がぴくりぴくりと動く。
じぇれみに言われた時にはそんな風にならなかったものを。]

 次にそんな事口にしたらただじゃあおかないよ!

[続いて横から聞こえてきたくあとろの言葉にも反応する。>>84]

 なんだいそりゃあどういう嫌味だい!
 もういい!お前さんらなんかと居たって不愉快だよ!

[「ふん!」と鼻を鳴らすと、あっしは荒々しい歩調で食堂を去った。*]

(86) 2014/12/27(Sat) 20時半頃

[去り際にくあとろから落とされた礼の言葉に関しては、
何故言われたのか分からなかったので気にしない事にした。*]


[ふと、笑うオカマの表情がよぎったりもしたか。
 なにが全裸で雑用だ、受けて立つからもう一度オカマ呼ばわりしてやろう。

 振られた相手の背中を追える、嬉しさに、眉を顰めていた。
 手まで握り、時折はそっと頭をなで。
 そうしていれば馬鹿みたいに
 やがて、頬は緩んでしまうもの。

 何度も落とす『愛しとる』が忘れられないものになればいいのに。

 そう、思いながら*]


 
 
 (──ああ、違うな。)


[忘れられないのではなく。
 忘れたくないものに、なればいいのに*]


半の目 丁助は、メモを貼った。

2014/12/27(Sat) 21時半頃


丁助は、ボリスが命令を実行してくれた事に密かに感謝している。

2014/12/27(Sat) 21時半頃


【人】 半の目 丁助

ー図書室へー

[破れかぶれに食堂を飛び出したあっしは、図書室へと向かっていた。
実を言うと本を読むのは余り得意で無くて此処に足を運ぶ事は少ないのだが、怒りに任せて歩いていたら此方の方向に来たので図書室に入ることにしたのだ。]

 何を読もうかね……。

[本棚の前で腕を組んで悩む。
むつかしいのは読んでも面白く無いし、絵本なんか読んでるのを誰ぞに見られたら何を言われるか分かったもんじゃないし。]

(95) 2014/12/27(Sat) 21時半頃

 ……で、 ……良いんだよな?

[確かめるように、小さな声で尋ねたのは、朧に形の残る昨晩の事を思い出してか。

違う名があると、告げられた。
しっかりと自分へと告げられた筈なのに、それすらももう曖昧だ。
長い名ではなかった気がする。
けれど、そんな些細な事すら覚えていられないなんて、とんだ笑い草じゃぁないか。

自分が情けなくて、ただそれだけで、涙が滲む。]

 ………っ、

[涙腺が弱くなっているのは、身体が弱っているからだと信じたい。]


 ふはっ、構わんよ。

[本当の名前は別にある。
 けれど、彼が己を【クアトロ】として覚えているなら。
 きっとそれが、今の本当の名前。

 何やら息を詰める音。
 うっすらと腫れていた瞼がまた、涙を滲ませていて。]

 また怖い夢、見たんか?

[もう片方の手を伸ばし、そっと指先に掬う。
 怖がらなくていい、安心していい。
 でも泣き止むなとは謂わず。]

 傍におるけ、大丈夫よ。

[ゆっくりと、言葉を紡ぐ。]


 じゃぁ、やっぱり、……もう一つの名前のほうが、正しいんだろうな、

[その反応に、静かにそう悟る。
これで、自分の記憶がどれほどに曖昧なものなのか、彼も理解してくれただろうか。
今はただの穴あきの記憶かも知れない、けれどそのうちに、細かな断片すらも消えていくのだろう。

耳に、かろうじて残る、愛してるの響き。
あの音も、表情も、全て。

怖い夢は見ていない。だから首を横に振る。
涙を隠すべくタオルをずらすも、目尻から落ちた涙はタオルの縁から零れていく。]

 どうして、……忘れるんだろうって、
 ……忘れたくないことも、全部、……全部、忘れちまうのは、……何でだろうって

[子供のように、泣きじゃくりながら、言葉を吐き出す。
不安も、恐怖も、猜疑心も全て内包したような声。]


 ……どうしたら、いいんだと思う……?

[そんな事を、彼に聞いたとして答えが得られるはずないというのに。
言葉にせずには、いられなかった。]


丁助は、黍炉が如何して朝に食堂に居たのか分からず終いだったとふと思った。

2014/12/27(Sat) 23時頃


 お前さんが呼んでくれるなら、『おい』でも『なあ』でも
 なんだってかまん。

[すぐに曖昧になる記憶、抜けていく記憶。
 初めて押し倒した夜を覚えているだろうかなんて聞けば、もう記憶にはないのかもしれない。
 彼の記憶は他の誰よりも曖昧な気がする。
 そんなこと、ずっと知っていたことだ。

 ずらされるタオルが吸いきれず、目の端から落ちていく涙。
 案外泣き虫だなと、そっとタオルにてをかける。
 少しでも嫌がればやめるつもりで。
 タオルを外そうとするのは、その瞳を見たいから。]


【人】 半の目 丁助

 ふーむ。

[『失われた時を求めて』という題の小説がふと目に入ったが、余りにも長編なのを見て一瞬で読む気が無くなった。**]

(120) 2014/12/27(Sat) 23時半頃

半の目 丁助は、メモを貼った。

2014/12/27(Sat) 23時半頃


 忘れたくなかったら、わしに話すとええ。
 わしゃお前さんのことなら、絶対忘れん自信があるけ。

[実際は完璧に覚えられているかなんてわからない。
 けれど、自信にだけは嘘はなかった。]

 それでも忘れたくないなら。

[ひとつ息を置く。
 止めて、彼を見つめて。]

 わしと、どっか行ってしまおうか?

[忘れたくないと思ってくれていることが
 男のことなのだとしたら。]


[ それは面白い申し出であるように思われた]

 薬を飲まないとは悪い子だ――と、
 あやつなら謂うであろうな。

 つまり、吸血をしてみたいと?
 試してみるか?

[ガウンだけ羽織った己の喉元は既に晒されている。
吸われたらどうなるか、脈が目立たせるよう喉を逸らす]


 忘れたんは、消えたんじゃなかろ?
 いつかふっと思い出すかも知らん。
 今は忘れてたいことなんかもしれん。

[きゅっと、手を握って髪を梳く。]

 傷と一緒なんかも知らんよ?
 痛いけ、治らんけ、見えんように包帯巻いて。
 ちゃんと癒えたり、痕になってしまえば
 案外どってことなくなるんかも知らん。

 じゃけ、忘れたくないなら。
 思い出したいことがあるなら。

 一緒に、旅にでもでたらええよ。

[夢物語でも語っているようだ。
 でも、本当にそうしてしまえたらと。]



 ん? ふふ、口で?
 
[自分はデザートには手を出さずに、丁助の向かいの椅子に腰掛け赤ワインを飲みながら、彼の話を聞いていたのだが、

丁助が、自分の足元に跪き、足に手を絡め、上目遣いのそれは、まる猫の様。]

 下位の俺に?

[彼の顔を見落ろし、うっとり笑ながら、その髪を指で梳き。yesともnoとも応えずに、彼の好きな様にさせ。酒で気分が良い。このまま快楽のまま眠りにつきたい。*]


今起きたばっかだしそこは?許してもらおうかな。
それはアルジサマならいいそうだけどね。

試す?

[意外な言葉に少々驚きながら好奇心が鎌首をもたげる。こくり、と喉が動く様子は煽られているみたいで白い肌はうちに脈を隠していると告げている。]

本当に?いいの?上位なのにとか言わない?

[確認を取りながら間合いをゆっくりと詰めていく。目を細め、良しと言われるならその首筋に噛つくだろう。]


[かぷ。

皮膚を突き破ることのない歯は力を込めるから少し痛みを感じるだろうか?
僅かに舌に乗る血をちゅっと吸いながら舐めとり、口を離す。

鉄錆の味は鼻に突き抜け、喉に張り付く。]

うん、悪くない。

[そう笑いながら感想を。]



 言わぬ。

[簡潔に許可を出せば、イメージされる吸血鬼の犬歯とは程遠い尖りと大きさの歯が肌を掠める]

 ……ッ。

[痛みは僅かで、その噛み傷はごく浅い。
それでも顔を顰めくぐもった息をひとつ吐き。
受け入れた後その感想を聞き、若者の様子を眺める。
吸血の恍惚を感じた風でもない淡泊な様に違和感]

 ……ふむ。

[考え込む素振りを見せ]

 まあ、悪くない味なら良かったと思おう。
 大丈夫だ、シュロには黙っておく。
 



 付き合わせてすまなかったな。

[血の流れる首元に手を遣って] 

 俺はまだ暫く、ここでこれの練習しようと思う。
  
[ひとりで集中したいと謂う意味込め、
鍵盤に手を置いた**]


[それでも、そのタオルが外されれば、濡れた赤い瞳がその顔を見上げるだろう。
瞬きの度、涙は溢れて次々落ちる。

自分よりもマシだとはいえ、彼だってきっと、そこまで多くを覚えていられるわけでもないだろうに。
その僅かを、自分の為に割いていいのか。
不安げに、眉は寄る。]

 ……ここを離れたら、……多少は、覚えていられる、かな、
 お前の名前も、……声も、言葉も、全部、……

[それが、とても魅力的な提案に思えたのは、きっと気のせいではないのだろう。
全ての約束も、言葉も、自分の心の揺らぎ全て、覚えていられるのならば。

けれど、それは同時に、]

 ……忘れたいことも、……全部…… 思い出して、しまう……?

[震える声で、言葉にする。
世界は、そうも都合のいいようには、できていないだろう。
その掌を握ったのは、半ば無意識で。]


[タオルが落ちるのも構わず、体を起こす。
傾ぐ、重い頭を支えながら、それでも腕を伸ばし、指は繋いだままその頭を抱く。

その首元に顔を押し付け、緩く首を横に振る。]

 ……覚えていられないのがこの場所のせいだとして。
 忘れていられるのも、この場所のお陰だと思う。

[苦い記憶も、傷の痛みも。
それを逃げだと言われようとも、永遠に逃げていられるならばそれもある種の救いと変わる。
忘却は、害と同時に救いでもあった。

少なくとも、自分には。]

 ……もし、いつか俺に、全部を受け止められる覚悟ができたら、
 旅に出るのも、悪くないかもしれねぇな、って。

[『もし』『いつか』
それは成されないであろう、不可能にちかい不確定の未来への言葉。
けれど確かに言葉にした真意は、それが紛い物ではないと誓うようなそれ。]


[体を離し、タオルを拾い上げる。
再び寝台に横たわれば、自らその額にタオルを広げて。]

 ……昼まで、寝る
 寝たら、また、忘れそうだけど、

 ……体、怠くて、

[涙の跡の残る顔のまま、目を閉じる。
繋いだ指に篭められた力を、そっと緩めた。]

 クアトロ、……、 ……いや、

[曖昧に揺蕩う意識が、それを拾い上げたのは、ほんの偶然で。
それでも、忘れないように、言葉に紡ぐ。]

 ……ボリス、?


【人】 半の目 丁助

ー昨晩・愛しい人の元でー

 普通なら頼んだって出して貰えないだろうがね。
 普通じゃないくらい頼んだから。

[どのように頼んだか仔細までは思い出せぬが、確かそんな経緯だったと笑う。>>123]

 ん、其れだけ。

 うん、楽しいよ。
 死にたい?冗談じゃない。
 如何してこんな愉しい時間の終わりを望むんだい。

[半笑いで返しながら、ざわりと胸の内が騒ぐ。
此の人はあっしを置いて死んでしまいたいのだろうか。]

(135) 2014/12/28(Sun) 00時半頃

[その考えから意識を逸らすように、また彼がなんぞ探って来ないように、彼のスラックスを寛げてしまう。]

 あっしがしたいからするんだよ。

[彼の物を外気に晒させると、れろと一舐め。
男の其れなどどう舌で慰めたらいいのか分からぬが、好きなように弄ぶ事にした。

鈴口だけ口に含むとちゅうちゅうと吸ってみたり、下から上へべろりと舐め上げたり。
最後には喉の奥まで彼の物をすっかり口の中に収めてしまった。

程なくしてあっしは望んだ苦い甘味を味わえた。*]

 えへ。美味しい。


【人】 半の目 丁助

ー回想・朝の食堂ー

 悪戯?いいや?

[>>126しゃつは仕舞わなかったけれど、畳んではおいたから悪戯の内には入らない筈だ。
だから何のことか分からないという風にきょとりとしてみせた。
羽織った事?何の話かな?

ニコラスにからかわれて赤面した際のじぇれみの言葉>>128には、うっかり傷付いたというような表情をしてしまう。]

 ひ、まつぶし……

[消え入るような言葉で繰り返すだけで、結局彼に対しては何も言い返さなかった。**]

(137) 2014/12/28(Sun) 00時半頃

[溢れ落ちる涙を幾度か見つめ。
 綺麗だなと、その雫を指に掬う。
 続く言葉には、ああ、やっぱりと苦笑を洩らした。
 本当に、何故そうも自身ばかりを痛めつけているのか。]

 忘れたら、何度でも自己紹介しちゃるよ。
 なんべんでも喋っちゃるし、なんべんでも呼んじゃるよ。

 ヒュー、愛しとるよって。

[忘れられる度に男が傷つくじゃないかと、彼は謂った。
 そんな永遠は嫌だと謂った。

 傷付かないはずはない。
 でも傷付くのは、忘れてしまう方だって一緒だ。

 なら忘れる度に何度でも
 覚えていてほしいと願いを込めて
 繰り返し、伝えよう。
 そんな永遠も、嫌だと彼は謂うだろうか。]


[はたりと、タオルが落ちる音がする。
 聞こえる言葉は、きっと『怖い夢』のことだろう。
 手を繋いだまま、硬い髪にもう片方の指が絡んで
 引き寄せられてから感じるのは、体温、匂い、色彩。
 首元には、涙の落ちる顔が押し付けられて。]

 忘れたいこと、思い出したら。
 わしが、忘れさしちゃるけ。

 一緒に、夢にしちゃるけ。

 また思い出したくなったら、二人で思い出せばええさ。

[そんな都合よくなんていかなくても。
 怖い夢を見る夜に、独りになんてしたりはしない。
 逃げたいときは一緒に逃げよう。
 立ち向かいたければ、一緒に立ち向かおう。

 隣にいて、傍にいたい。
 臆病で泣き虫で不器用な彼の。]


 ふ、はっ。
 そうな、うん。
 いきなりじゃもんな、そら、そうじゃわな。

[『もし』『いつか』なんて、いつ訪れるかも判らぬ言葉。
 けれど前に落とした『また今度』とは違う響きで。]

 多分全部受け止めようおもたら、重くて潰れるぞ?

[それでも、その日が、『いつか』『きっと』。]

 
 
 ───忘れずに、待っとるよ。
 
 
 
[訪れることを願って、抱きしめた。]


[拾い上げられたタオルは、再び額の上に。
 横たわるのなら手もかしただろうか。
 それでも繋いだ手はまだ離さずに。]

 ん、そうし。
 わしが聞いたけ、忘れとったら思い出させちゃるよ。

 じゃけ、安心して寝り。

[涙の跡は指先が拭う。
 目を閉じた彼の瞼に、触れるか触れないかの口付けを
 落とそうかと顔を近づけて、]

 ひゅ……、……ッ…

[紡がれた名前に、ぱたと音がした。
 額のタオルにしみこんでしまったから
 音の正体はわからなかっただろう。
 わからなくていい。
 自分自身でも、わかっていない。]


 あっ 、あはは

[彼が身を乗り出し、スラックスをくつろげ、下着をずりおろして自身に触れる。握ったグラスの中身が危ういと、いっぺんに飲み干したあと、後ろの棚の端にグラスを置く。]

 …、っ

[外気に触れ、彼の舌が先端にふれ、その感触に俯き快楽の予感に耐えたが、その後の舌の動きは不慣れで、ちろちろと弄ばれる様。]

 、ふふ、かわいい

[赤い髪に指を埋めてそれを鋤き。
性的快楽をもたらすというよりは、ゆるゆると、達するには至らない鈍い快感。

もどかしく頭を抱えてその口の中を使い、蹂躙してやりたくもあるが、それは耐え。]

 どうせなら、またがってほしいね


[そう強請るが彼はどうしても口でしたいのか、ようやく全てを口に収め。]

 じゃあ、口を上下に動かして

[拙げな動きをする彼に要望を伝え。]

 口は不慣れ?
 ふふ、初めてしたみたいだね

[下への触れは、慣れている様にも思えたのに
それとも、これも彼の手管なのか

拙いとはいえ、次第にせりあがってくる
快感には目を閉じ、

  その後、彼の喉奥に欲をぶつけ]



 美味しい?
  悪趣味だね…

[自身のものに口付けた彼の唇に、そのまま口付け。]

 不味いよ

[そう呟いて*]


[愛している、その言葉は留めておけるのだろうか。
忘れたことすら忘れてしまえば、傷だって傷まなくなる。
それでも、痛みを感じぬ自分を前にしても尚、傷を負ってもいいと、彼は笑うのか。]

 ……いつでも、諦めてくれて、いいから。

[一緒に、二人で。
重ねられる言葉に、そう返したのは、やはり僅かの罪悪感から。
それでも、今直ぐ止めろと口にしなかったのは、その想いに少しでも触れていたかったから。

『もし』『いつか』自分に確固たる自我が根付いた時、その想いに返せるのだろうか。
裏切ってしまうかもしれないと、その想いに脅えて口に出せない言葉を、告げられるのか。

忘れずに、待っている。
その言葉に小さく、頷く。]

 覚えておいて、……俺の代わりに、

[その懇願ごと、その腕の中へと。]


[ボリス、本当の名と告げた彼の声。
その短かな音の響きを、忘れないように。

異を唱える声は聞こえない。
間違っていないのだろう、覚えていられて、よかったと思う。

額の上へと落ちたもの、微かに立てられた音は、シーツの衣擦れに紛れていく。
疑問を口にする気力も、既にない。]

 ………、

[深く、息を吸い、息を吐いて。]



 そう、俺と寝た?
 じゃあ、俺はあんたに
 情をくれと、愛を強請ったのかな…

 そして、お前は俺を騙した

[ニコラスの言葉に目を伏せて笑い。
過去の記憶にはない関係。
自分は相手の情を請う。

気持ちのない交わりは、後で苦痛なだけだ。
遊びとも割り切れずにいる。
きっと元の生業のせいだ。]


……情を強請って。
情を沸かせて。
それでも時が過ぎればあっさり忘れて捨てるのよ。
貴方はそういう人だわ。

……騙したのは……僕じゃないだろ?

[続けられた言葉には、自然と顔が強張って。
最後の言葉は今の己が吐き出したものではない。
色も輝きもを喪った蜂蜜色の瞳は、何処か虚ろな様でジェレミーを見て。
動きの止まった指先から、さらさらと流れ落ちる金の髪が、彼と己を繋ぐ視界を遮る。
瞬きをする一瞬前、彼を射抜くその目に、深い闇に似た熱が篭って。
それは写真からこちらを睨むのと似ていたが、目の前の彼に届くか。]


【人】 半の目 丁助

 ふとまどのそとをみると、
 そこからみえるきのははこうようしており…

[結局、ごく短い小説を選んで読む事にした。]

 ……紅葉?

[小説の中の一単語が心に引っかかる。
脳裏に浮かぶのは祖国の山々を彩る赤、黄、紫の生命の輝き。
冬という終わりの季節を前にしてより一層美しさを増す燃える命の色。

そもそも祖国で浦島太郎という不条理な物語が廃れず語り継がれているのは何故だろう。
亀を助けてやる親切をしたのに最後には老いて煙となって消えてしまうなんて報われない事この上無い。

其れでも語られるのは、
永遠のものなど無いからだ。]

 終わりが来るから
 世界は輝くのだろうかねぇ…

(161) 2014/12/28(Sun) 12時頃

【人】 半の目 丁助

[もしもそうなのだとしたら、その前にあっしは……]

(162) 2014/12/28(Sun) 12時頃

【人】 半の目 丁助

 わあ、参休さん!

[クラン上位者にいきなり声を掛けられ、思わず本を取り落としそうになる。>>163]

 いえいえ、適当に手に取って読んでただけで!

[市松模様の見事な着物を纏った彼とは、同じ国の出身であっても余り話をした事は無い。
多分、自分より身分が上だと思うとあっしが苦手に思って避けてしまう所為だろう。]

 病床に伏せってる娘が、
 窓の外から見える木の葉が全て
 落ちてしまう頃には自分も死んでしまう
 のだと言っている話です。

[何を話したものか分からないので、取り敢えず読んでいた本の内容を説明してみる。]

 あんまり面白いとは思いませんね。

(165) 2014/12/28(Sun) 13時半頃

【人】 半の目 丁助

 ……参休さんは、祖国の紅葉は覚えていますか?

[ふと、尋ねてみようかという気になった。]

 冬になったら、籠に入れて飼っていた虫も死んでしまって。
 泣いていたら義母に「其れも定めだよ」と諭されたのを
 思い出します。

[あの麗しい吸血鬼には誰が其の事を教えてやるのだろうか。]

(166) 2014/12/28(Sun) 13時半頃

 吸血鬼って… 嫌だね

[ぽつり]*


[自分を嫌う人間の声なんて聞こえない振り、見ない振り。
それが若い頃の記憶の全てだ。]


【人】 半の目 丁助

 嗚呼、昼餉の刻限か。

[>>173参休と会話していればもうそんな時間。
食堂を飛び出して行ったのがついさっきのことのように感じられる。
目の前の参休との会話に戻る。]

 じゅ、純朴というか、子供の頃は皆そうでしょう。
 義母は……そうですね。確か良い母だったと思います。

[もう朧げな記憶だが、彼女の事を思い出すと穏やかな気持ちが心に満ちる。こんな珍妙な髪色をしている自分を育ててくれたのだから、きっと良い人だったのだろう。]

 此処で泣いた事、ですか……?
 そりゃあ人との気持ちのすれ違いや嫉妬で泣いた夜もあるでしょう。

[記憶には無いがそういうこともあったろうと。
クラン内で「別れ」に関する涙を流した事が無いとは気付かず。]

(190) 2014/12/28(Sun) 15時半頃

【人】 半の目 丁助

 さてと、あっしはそろそろ食堂に向かいますよ。
 参休さんは如何します?

[彼も食事をする気なら、食堂に向かいながら話そうかと。]

(191) 2014/12/28(Sun) 15時半頃

半の目 丁助は、メモを貼った。

2014/12/28(Sun) 16時頃



 たかだか数年でこうは成らないからな。
 俺に流れた時間を知りたい。

[ それと、これからの時間と。
死を望んだことはない。だが、先にある時間は有限なものであって欲しかった]

 まだ死にたいのだったか?

[流れる金の髪を見つめる]


【人】 半の目 丁助

[参休の愛らしいという言葉>>201がこそばゆくって何か言い返そうかと口を開いたが、ごく穏やかで此方をからかう意図のない彼に何を言ってやったらいいか分からなくて其の儘口を閉じた。]

 書庫の整理をしている者ね、
 分かりましたよ。

[彼と分かれて、食堂へと向かった。*]

(203) 2014/12/28(Sun) 17時頃

【人】 半の目 丁助

ー食堂ー

 わあ、かすてぇらだぁ!

[食堂に入るなり、今日のでざぁとが目に入ってきて席に駆けて寄る。
食堂には何処か重い空気が漂って居たようだが、そんな事には気づきもしない。
思わず箸でかすてぇらを一口ぱくりと摘まんだ所で、隣の席の赤毛頭の存在に気づく。]

 おや、木乃伊くん。具合は良くなったのかい?

[其れから食事を始めた。]

(204) 2014/12/28(Sun) 17時半頃

【人】 半の目 丁助

 あ、そうだそうだ。

[食事をしながら、参休からの頼まれごとを思い出す。]

 ねえねえ、書庫の整理をしているのは誰か知ってる人は居るかい?
 はわぁどさんかね?
 参休さんが用が有るらしいよ。

[周りの空気も気にせずに食堂に居る面々に呼び掛ける。
そのついでに金の長髪の好い人にも用向きを伝える。]

 ねえお前さん、この後時間は有るかい?
 別に無いならいいんだけどね。
 ちょいと話したい事が有るだけだから。

(206) 2014/12/28(Sun) 17時半頃

[じぇれみがもし囁きかけられる位置に居るのなら、こう囁いたろう。]

 お前さんは「真実」って物に興味は有る類の人間かい?


 さあ、あなたは知ってるの?

[知ったその真実が、不幸なら
 どのみち忘れてしまうのだろうか?]


【人】 半の目 丁助

 じゃあ、食後にあっしの部屋に来ておくれ。

[愛しい人にそう答える>>208と、はっとして主様の方をちらりと見る。先程の囁きを聞かれていたろうか……?]

 ええとその、あっしの抱くお前さんへの思いの
 真実って奴を伝えたいのさぁ。聞いておくれかい?

[非常に不本意だが、態とらしく媚びた声でそう言った。
限りなく不自然だが人の思いに極度に鈍感な吸血鬼には分かりゃしないだろう。
じぇれみには目配せで詳しい話は後でと伝える。*]

(213) 2014/12/28(Sun) 18時頃

[そう、あっしの部屋で。
そこにあっしは真実を記している筈だ──]


【人】 半の目 丁助

[じぇれみの食事が終わるなり、彼の腕を引っ張って自室へと向かう。
廊下を歩いている途中から、吸血鬼の耳に届かなくなった距離まで来たと思ったら説明を開始する。]

 ねえ、変なんだよいくら衝撃的な事だった
 からってあっしが過去をあっさりと
 思い出すのは。

 きっとあっしは主様に隠れて過去の出来事を
 定期的に思い出す手立てを持っているんだ。

[だから写真を見ただけで過去が蘇ったのだと。]

 其れからね、

[部屋の前に辿り着き、戸を開ける際にくるりと振り向いた。]

(224) 2014/12/28(Sun) 19時半頃

【人】 半の目 丁助

 あっしは、故郷に居た頃は折り紙なんぞ
 趣味にしちゃあいなかったんだよ。

[部屋の目立つ所に置いて飾っておいても不自然ではない華麗な和紙で折られた折り紙。
かつその紙の裏側は折られた状態では見る事が出来ない。

──隠し事を記しておくには
    ぴったりの代物じゃあないか。]

(225) 2014/12/28(Sun) 19時半頃

半の目 丁助は、メモを貼った。

2014/12/28(Sun) 19時半頃



 ……僕?

[口調と一人称の、の違い。
騙したのはお前だと、なじる言葉。
 
伏せていた視線を彼に向けた時
一瞬、あの写真でだけ知れた
繕わぬ表情の彼が居た]

 ニコラス…

[自分は会話している相手のことを名前で呼ぶ事はほとんど無い。だけど、ついて出た彼の名前。]

 そうだとしたら、俺はお前に、
 「俺」を殺せって命令したのかもな…


半の目 丁助は、メモを貼った。

2014/12/29(Mon) 00時頃



 俺の生き死にんなんて
 どうでも良いと言ってなかった?

[まだ、死にたいのだったかと問われて、テーブルに頬杖をし、伺う様に笑い。]

 そういや、あんたは俺と寝た事ある?
 
 あはは、一度くらいは、
  俺はあんたを口説いたかもしれないね

[ニコラスとの会話を思い出しそう笑い。]


【人】 半の目 丁助

ー自室ー

[部屋に入るなり棚に飾られた折り鶴のうち一つを手に取り解き始める。]

 やっぱり……。

[其処には文字がずらりと記されていた。
祖国の文字ではなくクランで習った字で書かれているのは、何かあった時に他の入居者に読んでもらう為だろうか。

その鶴を解いた紙の裏側にはこう記されていた。

「主様にせがんで外へ出て祖国まで連れて行ってもらった。
あっしの育った村は跡形も無く其処はまるで異国のような有様であった。
主様に尋ねると外の世界ではもう其れは長い時が経ってしまったとの事だった。
喪心したあっしはこんな事忘れて仕舞いたいと言った。そうしたら主様は何時もの紅い薬を差し出した。
ところで、故郷の事をあれこれ思い出して帰りたくなったのはしばしば薬を抜くようになったからだった。」
]

(248) 2014/12/29(Mon) 00時半頃

【人】 半の目 丁助

 つまり、外の世界ではもう何年も、
 何百年も月日が経ってしまっている。
 あの薬には記憶を朧げにする効果が有る。
 其れが真実の一片さね。

[じぇれみに其の紙を見せて読ませる。
彼は余程驚いたかもしれない。
だが、だとしても其れは軽く流してこう言った。]

 他にも有るかもしれない。
 一緒に探しておくれ。

[その考えは過たず他にも「隠し事」を記した折り紙が見つかった。

折り紙二つ目。
「主様は時折外出をされる。
それとなく用向きを尋ねてみると、血を吸いに行っているとのこと。
薬で抑えているとはいえ、何故あっしらは血を吸う必要が無いのか。」
]

(249) 2014/12/29(Mon) 00時半頃

【人】 半の目 丁助

[折り紙三つ目。
「館の窓にはハワードさんが夜になる前にカーテンを閉めて回る。或る時、月が急に見たくなって廊下の窓のカーテンを開けた。
窓には”自分の姿しか"写って居らず月は見えなかった。その時、”後ろから”声を掛けられたので振り向くと主様が居てカーテンを閉めるように言われた。」]

 二つ目の疑問は兎も角、三つ目の此れはなんだい……?
 何であっしはこんな如何でもいい事を態々書いたんだ?

[首を傾げてじぇれみに意見を求めてみる。]

(250) 2014/12/29(Mon) 00時半頃

【人】 半の目 丁助

[四つ目の「隠し事」がないかと思って部屋を更に探していると、屑篭の中に捨てられている折り紙が目に入った。
くしゃくしゃに成ってしまっているが、赤を基調とした和紙で折られた其れは紅い薔薇を模しているように見える。

ヒューに掃除をしてもらった時に壊されてしまった物だ。此れは滅多に手に入らないほど高価な紙で折ったのだった。
もしも此れの裏側に何か記してあるとしたら其処にはあっしにとって最も忘れたく無い事が書いてあるのではないか…?
あっしは屑篭から其れを取り出して解いた。]

 あっ、嘘!

[その内容を見るなりあっしは叫んで其の折り紙をくしゃくしゃに丸めて、屑篭に放り捨てて仕舞った。]

 な、何にも書かれて無いごみだったよ!

[じぇれみにそう伝えるあっしの顔は赤い。
冗談じゃない、あの紙くずに書かれていた内容を読み上げたら主様向けに吐いた嘘が真実になってしまう。

だってこう書かれていたんだもの。
「絶対に忘れてはならない事:あっしは美しい金の長髪を靡かせる彼のことが愛しいって事。」
**]

(252) 2014/12/29(Mon) 00時半頃

半の目 丁助は、メモを貼った。

2014/12/29(Mon) 00時半頃


【人】 半の目 丁助

 ん、誰かが、なんだって?

[折り紙を開いては放り捨ての作業をしている最中に彼が何か呟いた>>268気がしたが、よく聞き取れなかった。]

 あの薬を飲まないと……さあねえ。
 衝動を抑えるという効果も怪しい物だね。

[三つ目の折り鶴に関するじぇれみの意見には成る程とうなづいた。]

 ああそうか、後ろから話し掛けられたのに
 自分の姿しか写ってなかったのだものねえ。

 あっしらは、主様とは
 違う存在なのかもと思えてくるよ。

[いち。主様とは違う存在かもしれない。
に。外の世界では何百年も経っている。
さん。薬の効果は記憶を朧げにさせる事と…?]

 若しかして……薬の効果って、

(276) 2014/12/29(Mon) 09時半頃

【人】 半の目 丁助

[その考えが頭の中で形作られようとしたところで、>>252紅い薔薇の折り紙を屑篭の中から見つけたのだった。
ちなみにあっしの知る限り、紅い薔薇の花言葉は「あなたを愛してます」]

 見ないでおくれよ!
 見な、あ、あー!

[屑篭を守ろうとするもその努力も虚しく、あっさりと紙切れを取られてしまう。
彼がかさかさと紙を開いて行く中、あっしは袂で顔を覆い隠していた。]

 手管ならお前さんの
 目に付く所に置いておくよ……

[暗に紙に書かれている内容を認めて。
僅かに袂をずらして彼の様子を確認すると、其処から見える表情に驚いた。]

 なんて顔してるんだい!
 そんな……泣きそうになって!

(277) 2014/12/29(Mon) 09時半頃

【人】 半の目 丁助

[その瞬間自覚したのだけれど。

若しかしてあっしが今迄彼に想いを打ち明けなかったのは、彼の想いが本当であるか不安だったからでもあるんじゃないかって。

人に想いを抱く者なら誰でも感じる不安。でも普通の人間なら時間の限りに急かされて何処かでぶつかって行くのだよね。

悠久の時に身を任せて何時迄も向き合わなかったあっしは、全く酷な男だよ……]

(278) 2014/12/29(Mon) 09時半頃

【人】 半の目 丁助

 ああもう、あっしはお前さんの事が確かに愛しいよ!
 これでいいかい、全く。ふん!

(279) 2014/12/29(Mon) 09時半頃

 ―或る日―

[雲が途切れ、また陽が入り。
昏く翳っていたその場所を照らす。
男は足許に転がるものを見る。

揺れる金の髪。
蒼ざめた膚は、最早生者のものではない]

 ……ぁ……。

[目の前掲げた、痺れて色を失くした指先が、
小刻みに震えるを不思議そうに眺める。
『それで良い』耳を打つ、囁きの気配に振り返れど、
黒衣の魔女はもうどこにもいない]


[やがて遠く喧噪の声がする。
森を抜けた先に或る城には吸血鬼が棲むと謂う。
其処に城があったか、其れがいたか、真実は不明。
だが、まともな人間は誰もその場所に寄り着こうとはせず。

だから、其処へ逃れようと走り出した。
生き場所を願ってか、或は逝き場所を願って**]


ー或る日ー

[握り返した手は吸血鬼である私のそれよりも冷たかった。

私の記憶はあの日からでいいのだと思う。
それまでは孤独な死という日々を生きていた。

古城を訪れる影一つ。
この吸血鬼の城をわざわざ訪れるとは誰だろう。
迷い込んだ妖精か悪魔か。
吸血鬼である自分以外に幻想を体現する存在は
目にしたことはなかったけれど。

ともかく私のことを恐れもしなければ迫害もしない
彼が人間であるとはその時は思わなかった。

だから彼に手を差し出した。*]


【人】 半の目 丁助

 嗚呼……いいよ、あっしの愛しい人。

[抱き寄せる腕の温かみに、
逸らしていた顔を真っ直ぐ彼に向け、彼を見据える。
そして、愛の言葉でも囁くかのように麗しく目を細めてその言葉を発した。]

         死ね。

(287) 2014/12/29(Mon) 16時半頃

【人】 半の目 丁助

     但し、あっしと一緒に。

[そう命じる唇の端はぐいと曲げられている。]

 ふふ、死ねと命じろだなんて無粋な言い方だねえ。
 共に心中しようだとか風雅に言えないものかね。

[何時もの人を馬鹿にした薄い笑いを浮かべて、あっしは彼の腕を引っ掴んで、部屋の外へと向かおうとする。]

 行こうか、竜宮城の竜王様に玉手箱を貰いに!

[どうせだったら愉しい死に方をしようじゃあないか。
其れが風流というものだ。]

(288) 2014/12/29(Mon) 16時半頃

【人】 半の目 丁助

 へえ、誰にも言えない?
 じゃあ言ったあっしのものだね、お前さんは!

[部屋の戸を開け放ちながらくすくすと笑う。]

 あっしだけのもの、ふふ。

[その響きが心底あっしには嬉しかった。]

 この時間なら主様は厨房にいらっしゃるだろうかね。
 ああ、矢っ張り死にたくないと言うなら今の内だよ?

[容赦無く腕を引っ張って行きながらそんな揶揄いを。]

(297) 2014/12/29(Mon) 17時半頃

【人】 半の目 丁助

ー厨房ー

[厨房に顔を出すと狙い通り彼は其処に居た。]

 珍しく手が止まってるじゃあありませんか、
 手際の良い主様が。

 いや。

 吸血鬼殿?

[ぐいと上がった口端は蔑称のように
その者の種族を強調する。]

(298) 2014/12/29(Mon) 18時頃

【人】 半の目 丁助

[此処からはハッタリだ。
薄い笑みに僅かに緊張が走る。]

 はっきり言うよ。
 この館で吸血鬼なのは本当はお前さんだけだ。
 そうなんだろう?

[もしも扇子を持ってきていれば
彼に突きつけていた場面だ。

さて、吸血鬼殿はどういう反応を示したか……?]

(299) 2014/12/29(Mon) 18時頃

【人】 半の目 丁助

[此処まで綺麗にハッタリに引っ掛かってくれると申し訳ない気持ちになってくる。>>300然しそれはそれとして此方の要求は通さねば。]

 あっしらと取引をしないかい、吸血鬼殿?

 あっしら二人をクランの外に出してくれよ。
 そうでなければ、この事実をクランの入居者
 全員に知らせるよ。

 さあ、何方がいい?

[あっしが此の要求をするのには勿論理由が有る。
死ぬ時には祖国の海を見ながらがいい。
そう思っていた。

しかしながら吸血鬼の選び得る選択肢には第三の道が有るだろう。其れは口封じの為にあっしら二人を殺してしまうという道だ。

それはそれでじぇれみと共に死ぬという願いは叶えられるのだからいい。真っ赤な花を散らして死ぬというのも乙なものだね。]

(301) 2014/12/29(Mon) 19時頃

半の目 丁助は、メモを貼った。

2014/12/29(Mon) 19時頃


【人】 半の目 丁助

[吸血鬼の白い牙が剥かれた瞬間、死を覚悟した。
だが、その牙は自分たちではなく吸血鬼自身の手首に突き立てられる。]

 ……っ!?

[「主様!」思わずそう叫びそうになるのを歯を食い縛って防いだ。]

 一年分て、記憶を保った侭
 生命を永らえさせる薬が一年分?

[信じられない言葉を聞いたような心地で聞き返す。
その時、吸血鬼の紅い瞳を目にしてはっとする。その瞳に孤独の色が見えたから。
初めて彼と出会い、思わず助け出そうと思ってしまったあの目だ。]

(313) 2014/12/29(Mon) 21時半頃

【人】 半の目 丁助

 大丈夫、一年も掛からないよ。
 ただ祖国の海まで行きたいだけさ。
 其れくらいは付き合ってくれるだろう?

[じぇれみに尋ねる。

其れから、吸血鬼に向き直ると恭しくこう言ってから袂を捲って札束と薬とを拾い始めた。]

 有り難う御座います、お優しい吸血鬼様。

(314) 2014/12/29(Mon) 21時半頃

【人】 半の目 丁助

 ふふ、未練なんて抱くのかい。案外可愛いのだね。

[瓶に錠剤を詰め終わり立ち上がる。
其れから懐から巾着を取り出すと、海まで行くのに必要であろう分だけ錠剤をその中に移す。]

 さて、悪戯をちょっと思い付いたんだけどね。
 この瓶をこのクランの食堂に置いておかないかい?

[二人で一年分だから一人で二年分か。
誰が手にするか、記憶を失わないこの錠剤を飲んでどんな変化が起こるか分からない。でも、]

 変化が起こるのは定めだと
 誰かが主様に教えてあげなくちゃ……。*

(319) 2014/12/29(Mon) 22時頃

【人】 半の目 丁助

[こつり。瓶は食卓に置かれた。
次いでに其処に放置されたまま
鳴らされていない鈴を手に取り、鳴らした。

リンリンリン。]

 さあて、行こうか。えすこぉとは要らないよ。
 ……ただ、あっしの隣に居ておくれ。

[其の晩、吸血鬼のクランを去る影二つ。
吸血鬼の血によって繋がれたクランを──*]

(320) 2014/12/29(Mon) 22時半頃

[最初に自分が手を差し出したあの子。

あの子と出会ってから、それまでの孤独とは違う時間が流れるようになった。

あの子が人間だと知り、いつかその日々が終わりを告げてしまうことを知った時、私はそれに抗う術を考えた。

その結論が吸血鬼である自分の血を少しずつ取り込ませて彼を不老にすること。
ついでに彼の記憶を失くさせて吸血鬼だと思い込ませれば、
彼はきっと自分と永遠に一緒にいてくれるだろうと思った。

だからそうした。]


[それから、自分とあの子が安心して暮らせる場所を
探して世界中のありとあらゆる場所に行った。

途中訪れた島国は閉鎖的な所でとてもじゃないが
吸血鬼の隠れ住むような余地はなかったが、我が子が増えた。

いつしか身を落ち着ける場所を見つけ、
「クラン・ドゥ・サン」と名付け、
仕事を任せられる執事も見繕い、
平穏で安寧な日々を過ごし……………]


半の目 丁助は、メモを貼った。

2014/12/29(Mon) 23時半頃


 私を独りにしないでくれ……。


[見上げた姿は、想像していたものよりずっと優しいものだった。
差し出された手は、冷ややかなものではなかった。

ただただ、寂しげに見えて、その手を握り返した時。
孤独な紅い眸に、仄かに揺れる灯の見えた気がした]

『いい子だ』

[何百回、それとも何千回となく繰り返し耳にした、
何時もの声。
永い間、その声の届く場所が己の居場所だった]


[かつて、その本を読んだ時、似たような話もあるものだと思った。
だから、きっとありふれた事だったのだろう、下働きの者を酷く扱う事も。

物語と異なる点は、幾つもある。

例えば子供は奉公にでたのではなく、物心ついた時から既にその地位にあったこと。
追い出されたのではなく、酷く傷を負った夜、支え合うように“友人”と二人、月夜に駆け出したこと。
月夜の荒野で地を潤したのは、その一人の血液だということ。
抜け出した一人は、今も尚生き延びているということ。

酷く飢え、渇いた身体にその血液はよく沁みた。
美味だと、その時確かに思ったのだ。]


 その後に、主と会って、吸血鬼という存在を知った。
 ……それで、その衝動が抑えられないならと思って、薬を飲んで、きて。

[けれど、自分が本当に怖かったのは、血を口にすることではなく、生き延びる為に友すらも利用する自分の浅ましさなのではないか。

掌で、顔を覆う。
不思議なもので、言葉にするとそれらは連鎖的に途切れずに連なっていく。
そこで一度、言葉を切る。]


[男は隣に座り、スケッチブックを開く。
 彼の口から落とされていくのは、『怖い夢』の話だろうか。
 まるで民話にでもありそうな物語。
 赤い血を啜った、働き者の少年の行く末。
 “友人”を糧にした、吸血鬼の話。

 話を聞いている間、男は声を出さなかった。
 真っ白なスケッチブックの中にペンを走らせていく。

 ただ、時折隣に視線を向けては
 彼がどんな顔をしているのかを、見つめて。]


[止まることなく語られた話。
 やがて、顔が覆われて言葉は途切れる。

 同じように一度手を止めてペンを置いた。

 無意識に手はのびる。
 肩へと伸ばし、軽く抱き寄せようと。]


[───人を殺した記憶。]

 …………。

[少しずつ、ゆっくりと、靄のヴェールが外れていく。
 生きるために友人を手にかけたのであろう彼の話を聞きながら。
 思い出すのは、男が『誰か』を殺めた理由。]


[語る表情には、笑み一つない。
彷徨う視線の先は、自らの言葉を追う。
恐怖よりも、嫌悪の勝る記憶。
けれど、その嫌悪を恐るならば、それすらも“怖い”夢となるのだろうか。

指越しの視線は、ペンの手の止まる方を見る。
伸ばされた指を拒むことなく、抱き寄せられるままに身体を預けた。]

 ……本当は、もっと沢山、覚えていないといけないんだと、思う。
 けど、……もう、あいつの顔も、思い出せない。

[年の頃も、性別すらも、
恐怖ばかりが勝ってしまい、それ以上を覚えていられない。]


 今話せるのは、ここまで。
 ……今晩も、薬、抜けそうなら、抜いてみるから。

 朝になってまた何か思い出したら、書いて貰えるか?

[最後にそう付け加えれば、微かに笑う。]

[自らの記憶に向き合おう、自らを記録していこう。
そう思った切欠は、何だったか。

例えば、覚えていられない愛の言葉だとか。
例えば、温かな食事の味の良さだとか。
例えば、書き留められない旋律だとか。

きっと、そんな些細の事の積み重ね。]


 ……うん。

[笑みもなく落とされていく言葉に、小さく頷いた。
 体重を預けるようにする体を抱き寄せて。
 本当なら強く抱き締めてしまいたかった。
 ぐっと、堪えて肩をとんとんとあやすように叩く。]

 そか。
 ……、…。

[今己は、酷いことを口にしようとしている。]


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