54 CERが降り続く戦場
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よ、よろこべないよ!?
うぅ…『万物の記憶』たる私がなんという…。
[内心、既に半泣きだ。
少しアリスが意地悪に感じるのは、まったくの気のせいか…あるいはさっき散々勘違いしたせいだろうか]
…ヒトは、こういう気持ちでオトナのカイダンを上るのね…。
[情けなさやら何やらで、さっきまでの話と少しごっちゃになっていたり]
ヤニクがこの姿を見たら…か…。
[ミスティアはしばらく考えて、にやりと悪い笑みを浮かべる]
そうよ…ヤニクが目覚めるまでに思いっっっっきり恥ずかしい格好をしておいたら、彼も少しは反省するんじゃないかしら!
そしたら、私の言うことも少しは聞いてくれるかも!
[いな、そんな事をすれば、むしろ余計ペタンにされるうえ、ソレを実行するには、自分がその格好をまずしなければならないことに、『万物の記憶』は気づいていない]
ミ、ミスティアはそれでいいの?
それってミスティアが恥ずかしい格好をするって事でしょ?
いいならいいかもしれないけど…
ヤニクさん、本当にどう思うのかしら
え…あ、そっか…。
[アリスの指摘で、漸くそのことに気づく]
そ、そっか…そっかー…。
…ねぇアリス、どのくらいの格好だったら(ヤニクが)恥ずかしくて(私が)恥ずかしくないかな…。
…す、スクール水着とか?
[ソレはある意味、恥ずかしいと言うより犯罪だ。
そして間違いなくヤニクがぶちきれるレベルだろう。ミスティアの胸がえぐれかねない]
スクール水着だったら、
(その見た目年齢なら)ミスティアは平気だろうけど
… ヤニクさんの、 スクール水着か…
なんだか、すごく無言なヤニクさんしか想像できなかったわ…?
でも、学校の制服でもダメージがないのよねえ
うーん…
[一瞬、モードチェンジを思い浮かべたけれど、そろそろしつこいといわれそうだったので黙っておいた。]
そっか…そうよね…。
ありがとうアリス、時間があるときにでも少し考えてみるわ。
[流石に今はそのときではないと割り切ったらしい]
…
[時間がある時に恥ずかしい衣装を考えるゆにばーすめもりー…。
なんだかとても、シュールな光景だと思ってしまったけれど、まあいいか。
ミスティアが、楽しそうなんだもの。]
ううん、
私もちょっと、考えておくわねっ
[彼らの笑い声に、むうとほほを膨らませたい気分よ!でもぬいぐるみはやっぱり微動だにしないの。]
まったく!本当よ!
アックもロビーくんもっ 二人してえ!
まったくう…
[その声すらあってしまったのをしっているのは、ミスティアとアックだけだったでしょう。それ以外の人にもしられたら、とても恥ずかしいわ。]
ふたりとも、だって
[ふふっと笑う声を、私は響かせた。]
(アック…)
[その声色は、とても心配そうだったと思う。]
[けれど私は振り返る。
見えたのは虹―――…。]
…みなみちゃん?
[小さく呟いて、その虹を、この目に焼き付けたの。]
[オスカーの言葉に微笑むアリスの気配につられて、ミスティアも小さく笑みを浮かべる]
えぇ、アリス…どうか無事でね。
[とにかく、その光を受け取ろうとしたが、それには手が触れられなかった。]
…拒絶、されちゃったか。
ま、仕方ないわよね。
[諦めてはいたので、小さくため息を漏らした。]
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―EX Episode:"癒やし手《プリーストリィ》"の系譜U―
闇色の聖譚《オラトリウム・デリクイム》?何すかソレ。
[それは嘗て、ツェツィーリヤがまだ少女と呼ばれる年齢だった頃。 兄弟子の一人――現在では"癒やし手《プリーストリィ》"の当主となっている――との間に成された会話。
教団所有の書庫で見つけた歴代"癒やし手《プリーストリィ》"の名が記されている書物を紐解いていた際、不自然な空白のある時代があった。 その件を尋ねども師は口を噤み、ただ忘れろとのみ言われた記憶がある。 あまりに不自然な対応にしつこく問いただしていたら、最終的に聖典の背表紙で殴られた記憶までばっちりだ。
その後、見かねた兄弟子が後ほどこっそりと耳打ちしてきたのが、少女が禁忌の呪法の伝承に触れた切欠であった]
(392) 2011/06/09(Thu) 22時半頃
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[それは本来、歴代の当主のみが語り継ぐ禁忌の歴史。 当時師の一番弟子であった兄弟子も偶然に断片を耳にしただけで、その全容までは分からないと語った。
彼の話では――嘗て、《混沌》に魅せられ"堕ちた"プリーストリィが存在したという。 今となっては名前も性別も分からぬ、存在すらも表の記録から葬られたその者は、ある時七色の聖譚《オラトリウム・イリオイデス》を元に新たな魔法を作り出した。 それは光色から分かたれた"七色"のどれにも属さぬ、陽《ヒ》の光からは決して生み出されぬ色―――漆黒の業(わざ)。
"聖なる女神"《Sancta Diva》に立てし誓いを力に変える"七色"に対し、"闇色"は別の……不浄に染まりしおぞましき"何か"に誓いを立てるという]
(394) 2011/06/09(Thu) 22時半頃
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["堕ちた"プリーストリィはその力をもって教団に、ひいては《世界》に反逆し、各地で多くの殺戮を行ったという。 凶行を止めるべく教団側は永き時と多大な犠牲を払い、最終的には"堕ちた"プリーストリィの妹弟子であった女性が"闇色"を継ぐ者を根絶やしにした。
今日に続くプリーストリィの系譜を"消された"時期を含め正確に辿れば、やがてその妹弟子にたどり着くことになるという。
"闇色"は決して再び現れてはならぬ。 故にその存在は、英雄となった妹弟子を含む前後数世代の記録ごと表の歴史から抹消され、万一再び芽吹いた際にすばやく刈り取るべく当主のみが存在を語り継いだ―――]
(395) 2011/06/09(Thu) 22時半頃
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[そう、それは潰えたはずの…滅びたはずの邪法。 少なくとも"伝承上では"、"闇色"の使い手は全て殺されている。
――復活など、普通はありえない――
あの時、兄弟子は最後にそう言っていた。]
(396) 2011/06/09(Thu) 22時半頃
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思ったより…退屈だな。
[ドナルドをからかうのは店主のマスターとしては楽しかったが、《獣》を満たすにはとても足りない]
どうだ?
楽しんでいるか?
[ふあっと混沌の気配を見せる2人を遠目で見ながら戯れに呼び掛けた]
世界を再生させるアイテム…。
そんなもの必要ないのに…。
パパ、神の霊峰パイロンに、栄光の花弁とか言うのがあるんだって。
やっぱり、そろそろ邪魔した方がいいかな?
[狼の姿のままだが、創世≪ハジマリ≫の杖は持ってきている。
湯を出せば、問題なく人型に戻れるが…。]
お兄ちゃんを殺して奪うのは、気が引けちゃうなぁ。
[耳に届いたのは『栄光《グロリア》の『花弁《ティアーズ》』
その単語に、思わず感心の声をあげる]
ほお、栄光《グロリア》
余程この世界が、ヒトが大切だったらしいな。
[躊躇いが聞こえれば、また声は緩み]
殺したくないなら、花弁だけ奪えばいい。
もしくは花弁を破壊するか。
[獣の声に反応して、少しだけ考えてみせて]
使命がなければ、そこそこに楽しかったかもしれないけど。
でも、使命の事を考えると少しね…。
[なんとも言えない。そんな感情だったが]
しょうがないわ。それが世界の選択。
私は世界の選択を実行するだけだもん。
奪う…かぁ。どうやろうかなぁ。
[そう考えていると、不意に渡されるそれに、一瞬だけ目を丸くした。]
パパ、なんの労力もなく奪えちゃった。
[何の緊張感もなく、あっけに取られた声が届く。
その内容に思わず声を出して笑いかけて押さえるのに必死だった]
そうか。
それは良かったな。
つまりそう言う事だ。
お前が《裁く》事を許されたんだ。
[開いた眼に宿るモノは破滅の闇の色]
花弁がお前に渡った。
つまり世界はお前を選んだ。
それが世界が望んだ結論だ。
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