人狼議事


208 【突発誰歓】ーClan de Sangー【R18薔薇】

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:

全て表示


 ―或る日―

[雲が途切れ、また陽が入り。
昏く翳っていたその場所を照らす。
男は足許に転がるものを見る。

揺れる金の髪。
蒼ざめた膚は、最早生者のものではない]

 ……ぁ……。

[目の前掲げた、痺れて色を失くした指先が、
小刻みに震えるを不思議そうに眺める。
『それで良い』耳を打つ、囁きの気配に振り返れど、
黒衣の魔女はもうどこにもいない]


[やがて遠く喧噪の声がする。
森を抜けた先に或る城には吸血鬼が棲むと謂う。
其処に城があったか、其れがいたか、真実は不明。
だが、まともな人間は誰もその場所に寄り着こうとはせず。

だから、其処へ逃れようと走り出した。
生き場所を願ってか、或は逝き場所を願って**]


ー或る日ー

[握り返した手は吸血鬼である私のそれよりも冷たかった。

私の記憶はあの日からでいいのだと思う。
それまでは孤独な死という日々を生きていた。

古城を訪れる影一つ。
この吸血鬼の城をわざわざ訪れるとは誰だろう。
迷い込んだ妖精か悪魔か。
吸血鬼である自分以外に幻想を体現する存在は
目にしたことはなかったけれど。

ともかく私のことを恐れもしなければ迫害もしない
彼が人間であるとはその時は思わなかった。

だから彼に手を差し出した。*]


【人】 宝飾交易 黍炉

ー厨房ー

[図書室でケイイチに今夜は必ず薬を飲むようにと頼んだ後、吸血鬼は厨房に来ていつもより随分遅い時間から夕食の用意を始めた。

今夜のメニューはパンと、赤ワインと………

端と吸血鬼の手が止まる。
薬を抜く子が一時にこんなに出ることは無かった。
何かが変わろうとしているのだろうか。

変わる?この生活が?
また孤独に戻るのか……?]

(290) 2014/12/29(Mon) 17時頃

【人】 宝飾交易 黍炉

[さて今夜は久しぶりにスパゲッティでも作ろうかとした所で、厨房にやってくる者がある。>>298]

 やあ、チョウスケにジェレミー。
 どうし……

[掛けようとした声は「吸血鬼殿」という呼称に阻まれる。その言葉に含まれる響きに、吸血鬼はじとりと冷や汗が垂れるような感覚を覚える。
吸血鬼だからと言って自分を迫害し苦しめた人間。
まるでその人間達の発する言葉みたいで……

そう考えていれば、チョウスケから吸血鬼にとって最悪の言葉が発せられる。>>299]

 ど、どうしてそれを……

[吸血鬼は顔を青ざめさせ後ずさる。
肘が台の上のまな板にぶつかり、包丁が床に落ちた。

がらんがらん。鋭利な刃物が金属音を響かせる。]

(300) 2014/12/29(Mon) 18時半頃

【人】 宝飾交易 黍炉

[自分たちが吸血鬼ではないと知った我が子たちは、
このクランから出て行くと言っている。
皆に知らせるとも。

吸血鬼にとって悪夢のような出来事だった。
皆に知られてしまったらきっと、
皆もここを出て行くと言うのだ。]


 飲むのを止めたら……老いて死ぬ。


[「ただの人間の俺たちは」
ジェレミーの声が耳に入る。

そうだ、真実を知ってしまった彼らはもうただの人間。
愛しい我が子たちではない。
それならば……………

吸血鬼の瞳が紅く暗く光る。]

(303) 2014/12/29(Mon) 19時半頃

【人】 宝飾交易 黍炉

 こんなに月も紅いから、

[カーテンを掛けられた窓からは月の姿は窺えず、
ただ吸血鬼の瞳の中にだけ紅い月が浮かんでいる。

吸血鬼が口端を曲げると、
そこから垣間見えるのは鋭い牙。
人を殺す能力を持つ本物の吸血鬼の牙。]

(306) 2014/12/29(Mon) 20時頃

【人】 宝飾交易 黍炉

[白く鋭い牙が、

  素早く白い柔肌に突き立てられ、
         そこから紅い血が溢れ出した。


   ……牙が突き立てられた吸血鬼の手首から。]

(307) 2014/12/29(Mon) 20時頃

【人】 宝飾交易 黍炉

 ……こんなに月も紅いから、純粋な薬を作れる。

[吸血鬼の手首から溢れ出した血は床に落ちる前に凝結し、クランの入居者たちにとって見覚えのある錠剤となって床にバラバラと散らばる。]

 これには記憶を薄れさせる効果は無いから、

[吸血鬼は棚から瓶を一本取り出すと床に放り捨てる。]

 何処へなりとも消えてしまうがいい。
 二人で一年分ずつはあるはずだ。

[要は床に落ちてる錠剤を
勝手に拾って瓶に詰めろということだ。]

 我が子でもない者をここに閉じ込めておく趣味はない。

[そう話している間にも吸血鬼の腕から流れる血は錠剤となり、床にぶつかって音を立てている。*]

(308) 2014/12/29(Mon) 20時頃

【人】 宝飾交易 黍炉

 さあ……百年よりは長いし千年よりは短い。

[吸血鬼は衣服の中に手を突っ込むと札束を取り出し、それも床に投げ捨てた。]

(312) 2014/12/29(Mon) 21時半頃

【人】 宝飾交易 黍炉

 …………。

[吸血鬼の腕の血はもう止まっていた。
チョウスケの礼にも答えず、吸血鬼はカツカツと靴音を鳴らして厨房を去った。どうやら自室へと向かうようだ。*]

(318) 2014/12/29(Mon) 22時頃

【人】 宝飾交易 黍炉

ー吸血鬼の部屋ー

[吸血鬼の鳴らした覚えの無い鈴の音が鳴り響く。>>320
自分は何故今日は夕食を作らないのだろう、と吸血鬼は思う。

別に一食くらい夕食を抜かしたって、
一回くらい薬を抜かしたって我が子達は死にはしない。

我が子達……
私の孤独を埋めてくれる我が子達。

あの子たちと共に生きるようになってから、
日々は輝き出すようになった。]

(325) 2014/12/29(Mon) 23時頃

[最初に自分が手を差し出したあの子。

あの子と出会ってから、それまでの孤独とは違う時間が流れるようになった。

あの子が人間だと知り、いつかその日々が終わりを告げてしまうことを知った時、私はそれに抗う術を考えた。

その結論が吸血鬼である自分の血を少しずつ取り込ませて彼を不老にすること。
ついでに彼の記憶を失くさせて吸血鬼だと思い込ませれば、
彼はきっと自分と永遠に一緒にいてくれるだろうと思った。

だからそうした。]


[それから、自分とあの子が安心して暮らせる場所を
探して世界中のありとあらゆる場所に行った。

途中訪れた島国は閉鎖的な所でとてもじゃないが
吸血鬼の隠れ住むような余地はなかったが、我が子が増えた。

いつしか身を落ち着ける場所を見つけ、
「クラン・ドゥ・サン」と名付け、
仕事を任せられる執事も見繕い、
平穏で安寧な日々を過ごし……………]


 私を独りにしないでくれ……。


[見上げた姿は、想像していたものよりずっと優しいものだった。
差し出された手は、冷ややかなものではなかった。

ただただ、寂しげに見えて、その手を握り返した時。
孤独な紅い眸に、仄かに揺れる灯の見えた気がした]

『いい子だ』

[何百回、それとも何千回となく繰り返し耳にした、
何時もの声。
永い間、その声の届く場所が己の居場所だった]


【人】 宝飾交易 黍炉

ー部屋ー

[吸血鬼は机に突っ伏しているが、泣いているわけではない。吸血鬼は涙を流す術を知らない。

>>331戸が開いて、吸血鬼は顔を上げた。]

 君も、いなくなるのか?

[吸血鬼は最も長くの時を過ごしてきた我が子に尋ねた。]

(334) 2014/12/30(Tue) 00時頃

【人】 宝飾交易 黍炉

 悲しいよ。

[口にしてから、迫害される悲しみとはまた違うなと吸血鬼は思った。]

 君がいなくなったら私は悲しくなる。
 チョウスケとジェレミーがな、出て行ってしまった。

[吸血鬼は理由までは説明しない。

吸血鬼は、涙も流さずにただ眉を下げて悲しげな表情を作るだけ。]

(337) 2014/12/30(Tue) 00時半頃

【人】 宝飾交易 黍炉

 独りには、なりたくない。

            [ぽつり。]

(338) 2014/12/30(Tue) 00時半頃

【人】 宝飾交易 黍炉

 からくり……そうだ。君も知っていたか。

[ゆるりと目を伏せる。]

 いくら血を注ぎ続けても、
 人間は人間のまま。
 私と同じ存在になることはなかった……。

[我が子の記憶を朧げにしようと思ったのは、或いは自分自身をも騙す為だろうか。
彼らと自分とは同じ存在だと。]

 あちらで生きていけない……。
 だから、ここを出ていかないと?

 私と一緒にいてくれるのか……?

[彼の意思を近くで確認したくて、吸血鬼は椅子から立ち上がり彼に寄る。
そして或る日のように、彼に向かって手を差し伸ばした。]

(343) 2014/12/30(Tue) 00時半頃

【人】 宝飾交易 黍炉

 ……そうか。

[吸血鬼はただ、悲しそうな顔をした。
握り返されることのなかった手に。*]

(350) 2014/12/30(Tue) 01時頃

[かつて、その本を読んだ時、似たような話もあるものだと思った。
だから、きっとありふれた事だったのだろう、下働きの者を酷く扱う事も。

物語と異なる点は、幾つもある。

例えば子供は奉公にでたのではなく、物心ついた時から既にその地位にあったこと。
追い出されたのではなく、酷く傷を負った夜、支え合うように“友人”と二人、月夜に駆け出したこと。
月夜の荒野で地を潤したのは、その一人の血液だということ。
抜け出した一人は、今も尚生き延びているということ。

酷く飢え、渇いた身体にその血液はよく沁みた。
美味だと、その時確かに思ったのだ。]


 その後に、主と会って、吸血鬼という存在を知った。
 ……それで、その衝動が抑えられないならと思って、薬を飲んで、きて。

[けれど、自分が本当に怖かったのは、血を口にすることではなく、生き延びる為に友すらも利用する自分の浅ましさなのではないか。

掌で、顔を覆う。
不思議なもので、言葉にするとそれらは連鎖的に途切れずに連なっていく。
そこで一度、言葉を切る。]


[男は隣に座り、スケッチブックを開く。
 彼の口から落とされていくのは、『怖い夢』の話だろうか。
 まるで民話にでもありそうな物語。
 赤い血を啜った、働き者の少年の行く末。
 “友人”を糧にした、吸血鬼の話。

 話を聞いている間、男は声を出さなかった。
 真っ白なスケッチブックの中にペンを走らせていく。

 ただ、時折隣に視線を向けては
 彼がどんな顔をしているのかを、見つめて。]


[止まることなく語られた話。
 やがて、顔が覆われて言葉は途切れる。

 同じように一度手を止めてペンを置いた。

 無意識に手はのびる。
 肩へと伸ばし、軽く抱き寄せようと。]


[───人を殺した記憶。]

 …………。

[少しずつ、ゆっくりと、靄のヴェールが外れていく。
 生きるために友人を手にかけたのであろう彼の話を聞きながら。
 思い出すのは、男が『誰か』を殺めた理由。]


[語る表情には、笑み一つない。
彷徨う視線の先は、自らの言葉を追う。
恐怖よりも、嫌悪の勝る記憶。
けれど、その嫌悪を恐るならば、それすらも“怖い”夢となるのだろうか。

指越しの視線は、ペンの手の止まる方を見る。
伸ばされた指を拒むことなく、抱き寄せられるままに身体を預けた。]

 ……本当は、もっと沢山、覚えていないといけないんだと、思う。
 けど、……もう、あいつの顔も、思い出せない。

[年の頃も、性別すらも、
恐怖ばかりが勝ってしまい、それ以上を覚えていられない。]


 今話せるのは、ここまで。
 ……今晩も、薬、抜けそうなら、抜いてみるから。

 朝になってまた何か思い出したら、書いて貰えるか?

[最後にそう付け加えれば、微かに笑う。]

[自らの記憶に向き合おう、自らを記録していこう。
そう思った切欠は、何だったか。

例えば、覚えていられない愛の言葉だとか。
例えば、温かな食事の味の良さだとか。
例えば、書き留められない旋律だとか。

きっと、そんな些細の事の積み重ね。]


 ……うん。

[笑みもなく落とされていく言葉に、小さく頷いた。
 体重を預けるようにする体を抱き寄せて。
 本当なら強く抱き締めてしまいたかった。
 ぐっと、堪えて肩をとんとんとあやすように叩く。]

 そか。
 ……、…。

[今己は、酷いことを口にしようとしている。]


情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


トップページに戻る


← ↓ ■ □

フィルタ

注目:黍炉 解除する

処刑者 (1人)

黍炉
23回 (3d) 注目

種別

通常
内緒
仲間
死者
舞台
背景

一括

全示
全断
反転

ツール

クリップボード

ピックアップ

>>【】
(0.117 CPUs)
SWBBS V2.00 Beta 8 あず/asbntby
あっぱれ、うっかりアイコン by 小由流
人狼議事キャラセット by りりんら
管理 sol・laななころび