3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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嗚呼、……
…――「ケイトの手先」呼ばわりだったか
…、――
…、――ケイト も 違うのに
……、酷い言い草だ な
[――でも自分は何も。半端に。力なく。]
……バーニィ、 …やめろ
…、 …戻ること、…考えろ…!
『ケイト…… 似てるな、セシル。お前にさ。』
『お前になら、きっと……解るんだろうなあ。』
[似てる、と思った。
自分にも、でも、きっと違う。
過去に来て、彼女は人の中で笑っていた。
だから――。]
… …センセ。
[この男の鍵は恐らく彼女だから。]
『頼んだ。』
『俺は、あのコ送りに行って来る。』
『異論、あるなら、聞くよ?』
『あ、セシル? セシルにはケイトを頼む。』
|
まったく、ケイトも底意地が悪いなぁ……。 せっかく穏やかな気持ちで終われると思ったのにね。
どうして、わざわざ、こんな趣向を凝らすかな。 ――……本当に悪趣味だよ。
[吐き捨てるように呟く]
(303) 2010/03/05(Fri) 23時半頃
|
――似てる
…――、…
[似てる。何処か、似ているのだと思う。
鬼、は
多かれ少なかれ、“彼女”に似たところがあるものと
“彼女”が強く、想うた欠片を持ったものが
選ばれたのでは、ないかと――]
…、さっき、先生の声で、
少し、おとなしくなった。
――、あの、キャロライナのところに、は
……ドナルド、が
[いるのでは、ないかと。そう。]
…、―― ケイト。
[走り去ってしまったままの彼女。
時間は迫るか。]
『ああ、 どうしようか。もうパメラは居ないしなあ。』
[彼らの事は知らないし、彼女の言ったあいつ、も彼のことだとは知らない。]
『…… それ なら』
[絶望の色濃い彼女は自ら消えるのでは。
それなら、その男を と 思って 闇 が止まる。]
|
――南棟屋上 給水塔――
――……そっか、それもいいかもね。 ケイトみたいに嫌なやつにやられちゃうんだったら、その方が、いいかな。 本当に、私を殺して(壊して)ってお願いしたら、そうしてくれるの? それなら――。
[蒼が濃紺を捕らえる]
(311) 2010/03/06(Sat) 00時頃
|
[一瞬 弱まった 闇 は 反動のように、色濃さを増して戻る。]
『どうしようかな、呼び出せば来るかな。』
『力の事を話すなんて、信用されてるみたいだし?』
[くすり、くつり、歪んだ わらい。
どうせ 傷つけるしか出来ない自分だ。
その信頼は 必要ないよと 教えてあげようか、と。]
…… 、 っ、…
[闇の声が聞こえた気がして、
背が冷える。ドナルドは、
駄目、だめだ、]
[形《こえ》にならなければ 口にすることは、ないけれど]
『…… どうしようか、誰にしよう。』
『別に僕は誰でも構わないよ。』
[鬼が勝てばいい。
もう ケイトを見つけて、出来るだけ皆で、なんて浅はかな望みは 抱いてない。]
『…… ね。』
『バーナバス』、あんたの声が聴こえないよ。
[どうしたの。
少し、少年のような声音は、困惑と不安の、色。]
あお を キャロライナさん を……
[ ふるえる こえ ]
あのこが きえれば もどってくれ る … ?
[覗かれたから?]
――バーニィ…
[蒼が、 覗いたから?]
[震える声が、沁みるよう]
|
――南棟屋上 給水塔――
[>>315振り返った濃紺に応える]
じゃあ、殺してよ(壊してよ) ここで待ってるから、後で絶対に殺しに(壊しに)来てよ。
[そうしてドナルドが去った後、ぽつりと呟く]
――……私の望みはもう、それだけだよ。 貴方の手で終わらせてくれるなら、それ以上は望まないよ……。
(322) 2010/03/06(Sat) 00時頃
|
『…… そうだね、あの子は。』
『バーナバスを』
『ケイトの手先だなんて 言ってた。』
『悪者みたいに。』
[違うのに、違うのに。
こんなに 闇 に囚われても 尚 優しいのに。
護る って ばかな こと 言うくらい。]
どうして
どうして
どうして
あの子達は 行ってくれな い の ?
[担任の、泣きそうな、声。]
『あのこ たち?』
『センセを困らせてるのは、だぁれ?』
『だぁれ。』
[低く 冷たく 闇 が 訊いた。]
[その人の言葉には少し、理性なのか、
何かが戻る。]
がぁあああああ
向こうに いけええええええ
鬼 なんて
なりたくてなったわけじゃねぇえ
先生は
だれよりも
やさしいひとなんだぁあああああ
わ た し ?
ち が う わた し だいじょう ぶ
だ か ら い い の
あ な た も ここ か ら に げ て
[鬼じゃない みんなが。]
『そう …… そう。』
[鬼 だから 鬼 だから。 鬼、だからなのか。
バーナバスの 慟哭(こえ) が 頭の中残響している。]
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