46 監獄病院弐 〜堕天使たちの集中治療〜
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―タバサが入室する前―
……あぁ、そうだ。
よろしければ……ジェルマンさんの弟…アダム君、だっけ?
彼も、院長がこちらへ来る際に連れて来てくれませんか?
車椅子にでも乗せて。
えぇ、薬の影響はまだ残っていますが……
重症患者とはいえ、動けないだけですから。
[グロリアへの電話の際、最後にこう付け加えるのだった]
……まさか、「お兄様」もこの病院にいるんじゃないだろうな。
[整理中、すれ違った瞬間に、とても嫌そうな声で囁いた]
居ないわよ。
今は、ね。
[その眼には一瞬だけ、暗い翳が浮かんでいた。]
…………。
そうか。
[翳る表情を眼に留める。
それだけで察することは出来て。
複雑な感情を抱いて、すぐに眼を背けた]
……構わないわ。
お兄様の痕跡が、まだこうしてあるのだから。
[それはとても、空虚に響いた。]
これで良いですか、ジョンソン。
まったく……私を使おうだなんて、一つ貸しですよ。
[ため息交じりに、彼にだけ聞こえるように呟いた]
有り難うございます。
…まぁ、先程毒香を隠滅した件で…チャラにしてくださいよ。
[申し訳なさそうに呟いた]
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