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って 、えええ?
[なんか聞こえた?と、慌てた声が返る。]
─ 時間軸/早朝 ─
[帰ってくる声があった。
知らない声だ。…… 少しの間。]
ぅなぁ〜お。
[返すのは鳴き声だけだった。]
─ 時間軸/早朝 ─
…、ね、ねこ?ちゃん??
[猫と会話できるようになってしまったのかと考える。
いやでも、まって、よくわからない。
くるくると混乱した頭は、回転しすぎて目が回りそうだ。]
?、…??えっ、えっと??
にっ、にゃー!!
─ 時間軸/早朝 ─
にゃ〜ん。
にゃるゎ〜ん。
ぅなぉお〜ん。
[相手の混乱が面白くなって付け足した。
頭の中に響く猫の声。取り憑かれたと思われても仕方はないが、辺りを見回したら一匹の猫が居るかもしれない。
何かを確認しに来たその金色の瞳をした猫は、音もたてずに立ち去るのだけど。*]
― プロローグより ―
[校舎から飛び出した後。
完全に道に迷った攻芸は諦めて、飛ぶという手段を使うことを体得していた。
(※飛んでも目的地には滅多に到着しない)
『最近蝙蝠が多い』の一因である彼は、夜空から金城グロリアを見た。彼女は月を見ていた。
ひとつ上の先輩。
学園のマドンナなんて呼び方をされている。
すぐに令和だってのにいつまでもそんな昔ながらの呼び方が子供に通じるとは思わないで頂きたい。
きれいな人だと、思っていた。
その青い瞳。白い首筋。くらくらしてくる――]
[ハッとした。
欲につられてふらふら方向転換をしてしまいそうだった。
このままではいけない。
とにかく彼女から離れないと――
攻芸はますます夜空を迷った。]
![]() | 【人】 宇宙原理衆 ウツギ疲労回復には甘いものがイチバンだかんね。 (179) 2019/04/28(Sun) 01時半頃 |
[夜空を迷いながら、先日の夜を思い出した。]
(語り:金色の月が出ていた。脚の速さには自信があった。俺は吸血鬼に追い付いた。それまでの経緯?どうだっていいことだ。吸血鬼が街にくればハンターの出番になる。しかしそれが、同級生の、しかも九生屋だったとはね。)
♪
猫の目の月 夜風は涼しく
深夜0時の黒猫探し
城から出てくるのを待っていた
喵(miao) 朝がくるまで
殺し(かたり)合おう
(語り:殺意をもって襲い掛かったのは俺の方だった。だから殺し合いになるのは当たり前だ。友人と知っても吸血鬼であれば俺には容赦する理由がなかった。なぜって?ハンターだからさ。)
♪
互いの血が温く冷える(何故歌う?)
俺の血で窓が紅く染まる(何故歌う?)
折れた腕と銀の槍(何故歌う?)
笑っている この脚が動く限りは
(語り:吸血鬼に人の身が劣るのは当然だ。だから俺は"俺が死んでも相手を殺す"というつもりで戦っていた。恐れ?忘れていたさ。ハンターだからな。)
♪
このまま二人朝まで
灰になろうか?
鳴いてみせてよ
ほんの手違いの繋がりが
朝日に灼ける
(語り:結論からいえば、たしかに俺を負け犬にするならこの方法が一番だったのかもな――)
[攻芸はすっかり『これから』を見失っていた。
幼少時からいずれはそうなるのだろうと思ってきた吸血鬼を殺しの世界。その世界では攻芸は『死ななければならない』ことになった。
己の情熱に従い熱心に打ち込んだ、ただ好きなだけのスポーツの世界では『人間を超越するその肉体そのものがチート』である上に、バスケットボールなんて勝利への熱気のなかで、吸血衝動は堪えがたい。
六合の家の掟よりも、こんなにも。
暇つぶしみたいに始めたスポーツが出来なくなることが、胸に風穴をあけてしまうなんて、考えもしなかった。]
[ともあれ。
攻芸が最初に考えたのは自殺だった。
けれどそれと同時。
かの吸血鬼(ゆうじん)は生かしてはおけぬ。
吸血衝動を堪えに堪え、飢えて気が狂う前に
どうにかかの者を灰に変えたいと。
攻芸は今宵も道に迷いながら考えていた。]
/* オールオッケーといわれて気が狂ったので、どんなほどオールオッケーなのかと経緯らしきものを書き溜めていました。殺す殺すいってますが完全にノープランですし初回吊とか勝ち逃げで全然いいです
![]() | 【人】 宇宙原理衆 ウツギ♪ (187) 2019/04/28(Sun) 01時半頃 |
― 朝 ―
……… ?
[だれか、という女の声が聞こえた。
攻芸は眉根を寄せた。
どこから聞こえた声なのか、攻芸にはわからぬ。
誰かがどこかで助けを求めている……?
しかし既に人の身ではない己が助けにいったところで
余計危険な思いを――匕首みたいにとがっては、触るものみな傷つけてしまうおそれがある己では――しかし……
その女の声は、朝から攻芸を盛大に道に迷わせる一因となった。**]
やめたの? 部活。
[笑い混じりに呟いてみる。
この声は聞こえるようになっている筈だ。
反応があってもなくても構わないが。]
……
[笑い混じりの呟き。
怪異の身体に変わってから、どこからともなく聞こえるようになった声。勿論、届いていた。]
ああ。やめた。
[端的に攻芸は返事をした。
そしてその声の方角を(よせばいいのに)探った。
到底辿り着くはずもないのだが……**]
そっかそっかぁ。
大変だにゃ〜。
好きだったのにねえ、部活。
[一年の頃からの付き合いだし、
モっちゃん先輩との付き合いもあるから
部活に熱を入れていたのは知っている。
名前は幸運なのに、とんだ不運だなと笑った。
探ろうと思えばこちらの位置は探れるだろう。
方向音痴が良い方向に向かうのか、
悪い方向に向かうかは知らないけれど。
吸血鬼を増やしても責任はとれないから、機会がないと眷属は増やさないのだけども、
この反応が見れたのはちょっと面白かったので、増やすのも悪くないなあと思った。
気になるのは他に"繋がった"モノたちだけど、さて。どうやってコンタクトをとろうかな。とふわふわ悩みつつも、まあいいか〜で積極的に動くことは、まだなかった。]
ああ。好きだったからやめるんだ。
[どうせ続けたとして、三年間で高校生は終わり、人の肉体は成長の末に年々老化し、限界や飽きさえ付きまとう。
いずれ来る日がきただけ。
そう言い聞かせていたから、大変だにゃあと言われても頷くことはしなかった。
怪異になってからまだ日の浅い攻芸は、九生屋の声が聞こえた方へ足を踏み出した――ようでいて、てんで別の方角へ歩き始めた。その身に殺意を携えて……**]
[さて、色々気にはなっているのだ。朝から。]
[
[
[故郷の村を焼かれて自分以外の同族を喪って以来、こういう声の聞こえ方がする事は長らく無かったのだが。]
[笑いからかうような声
[それに端的な返事を返す声
[自分には関係の無いであろう遣り取りも、聞こえてしまっている。
口を出すべきか迷いながら放っていたのだが……]
あの、さ。
多分そっちじゃないと思うよ ……?
[
[それは違和感を持ったもう一つだ。
聞こえる声に、一度瞬いて、]
知らない間に、二人増えてる。
…… キミたちも、吸血鬼?
[と、とりあえずは訊ねてみた。
方向についてのツッコミは気にしなかったけども。*]
キュウケツキ……
血を、吸う、鬼ね。
[覚えたばかりの言語だが、理解は早かった。]
ふーん…ニホンじゃそう言うんだ?
まあ、血は吸うから、多分それじゃないかしら。
……驚いた。こっちじゃ同族が生き残ってるんだ。
(あれ、「吸血鬼」って……)
[ヤマモトが何か言ってなかったか。
吸血鬼 殲滅 どうこう、と。
自覚が無かったので完全に聞き流していたが、]
(―――…警戒しないといけないヤツだった!?)
[渡された『ハッシンキ』とやらが急に重みを増した気がした。**]
そーそー、血を吸う鬼。
二ホンじゃ?
てことは、ガイコクジン?
よく渡って来れたなァ。海があるのに。
[流れる水を通りこせない性質は、
眷属にまで適用されているか解らないけれど。]
…こっちじゃ。ってことは、
そっちも一人?
あ〜いや、こっちはもう一人じゃないんだった。
[既にマルカイに接触しているとは知らず声はのほほんとしたものだった。*]
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