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うん、そうだよ。
ソーセイくんと私。
[死んでいるから。彼がそう問うた瞬間に足元から吹き上がる熱風が狭いコンビニの店内をひと凪ぎした。
それは実際の世界には干渉しない異質な何か、なのであろうけれど
少なくとも彼の髪のほんの一筋程がチリ、と焼け付いた気がした。
焦げ付いたような黒い影が女の表情を半ば覆い隠している]
………
[何かを呟いたようだが、それはとても不明瞭だった
ただ、少し開かれた唇のその奥、喉を焼いて吹き荒れる炎がゴウ、と音を立てただろう]
明日が、
[来なければ、このままでいられる──そう続いたように聴こえた]
【人】 死ね死ね団 サミュエル─ 図書館 ─ (140) 2019/09/05(Thu) 00時半頃 |
【人】 死ね死ね団 サミュエル[一番奥の窓際の席についた俺が持っていた本は、『宇宙で一番簡単で美味しい手抜きごはん』……レシピ本だ。こうやって毎日少しずつ本を読んでいったら、もしかして俺も人並みの頭になれたりするんじゃないだろうか。もしかしてこれは俺がみんなに追いつくためのチャンスだったりするのかも。どうせどうすりゃいいんだか分からない状況なら、少しでもこの時間を有効活用してやろうと思った。]** (141) 2019/09/05(Thu) 00時半頃 |
[瞬間、ごう、と熱気が吹き抜けた。気がする。
多分、本物の熱じゃない。わかってる、けど、熱い。
髪の焦げるようなにおいを感じる。
聞こえないものが聞こえるみたいに、嗅げないものも嗅げるようになってしまったのか。
なのに、肝心重要そうな言葉ばかり、ぐしゃぐしゃにくぐもって、聞こえない。]
俺は。
俺は友達でいいから。
明日も。
だから――
[怒らないで、と続けようとして、これは怒りなのだろうかと思いとどまった。
ごうごうと吹く熱風と煮えたぎる感情は怒りのように思えるけれど、哀しい、といったそっちの方が、本当の本心のような気がした。
ぽたり、溶けたアイスがひとしずく落ちた*]
[ゴウゴウと激しく吹き上がる焔はそれ以上何も伝えはしなかった。
ただずれ落ちた眼鏡を直しながら会堂とおどけている女は、一度少年を見つめて愛し気に笑った **]
[合わされる三本のアイス。
会堂の色はオレンジ、自分と少年の持つ色は水色。
補色に近い、正反対の色味に嗚呼……と喉が鳴った。]
こう言うのをさァ、象徴的、って言うんだろうね。
[会堂の持つ色を眩し気に見つめて呟いた。
自分達と彼との間に線を引くように、ただ違うね、と。
───本来ならば、少年の持つべき色はあちらだとは言ってやらない]
― 八月の回想(2) ―
[部屋で寝ていたけど、だんだん頭がいたくなってきている気がして、車をだしてもらって、とりあえず町の小さい病院につれていってもらった。
夜だった。黄色っぽい月が出ていて、雲がすこしかかっていたことを覚えている。
あたしの家から病院に行く時、叶い橋を通る。
願い川に月の光が反射してるのを窓から眺めていた。
後部座席に座っていた。
古いがたがたのアスファルトを走っているせいで、車は揺れていた。
病院について、薬のにおいの待合室で暫く待ったあと、昔から風邪をひいたら診てもらっていたおじいちゃん先生に診てもらった。
久しぶりだねと言われた。
あたしは頭痛を我慢しながら「はい」と言った。
頭痛の度合いやどこがどう痛いか質問されて、あたしはつい、少し我慢をした返事をしてしまった。
ここでは詳しい検査ができないから、心配なら大きい病院に行って診てもらうしかと言われて、あたしはまた「わかりました」と頷いた。
待合室のお母さんにそれを言うと、この時間から大きな病院に車で行くのは無理があるから、明日にしようと言われた。
あたしは病院から帰ることになった。**]
【人】 死ね死ね団 サミュエル─ 図書館 ─ (172) 2019/09/05(Thu) 14時頃 |
【人】 死ね死ね団 サミュエル[貰ったメモに書かれた内容は、およそ俺のような人間宛にはもう一生かかることのないかもしれない誘いだった。こういう時どうすればいいのかわからない。会長にいきなり『花火やるの?詳細求む』とか連絡するのは正直無理ゲーに近い。マジで無理。 (173) 2019/09/05(Thu) 14時頃 |
【人】 死ね死ね団 サミュエル[元いた席に戻ろうとしたら入口側に背の高い女子が見えた。(>>169)咄嗟に、昨日の余韻でも残ってたのか、なんとなく。そちらに向かって片手を少し上げてしまった。 (174) 2019/09/05(Thu) 14時頃 |
[スマートフォンの画面から目を上げ、強張った貌の会堂を見る。
表層的な意識としては半ば縋るように彼に助けを求めながら、然し何処か醒めたように腑に落ちるものがある。
二度目の9月1日の時点では共に居る二人や己と同様に繰り返しの異常さに気付いていたはずの彼から何故その意識が抜け落ちたのか。
三度目の今日を迎えたこの町の気配が僅かに変わった気がするのか。
嗚呼、そう云う事、そう云う事なのだ───つまりこの時を留めた世界を閉じてしまうには、昨夜あのもう一つの『何か』がそうしたように、異物を取り込んでこの場に縫い留めてやればいいのだ]
[灼熱に焼かれ続ける脳裏にじわりと愉悦が満ちる。
嗚呼そうすればこの夏は終わらないのだ、そして私は彼らに置き去りに等されない
……いっそ一つに溶け合ってしまえるのなら
胸の芯に空いた穴からひやりとした哀しみ染み入る。
沸き上がる熱の塊が急激に冷やされてまた新たな罅となり、燃え崩れそうな体が痛む。
あのごぼごぼと泡立つ不可解なノイズは秋山翔を飲み込んでしまった事を自覚しているのだろうか]
嗚呼、……やっぱり哀しい。
[ぽつりと溢れるように目の端から炎の粒が零れ落ちて肌を焼いて行く。
ある意味では秋山を、この町は、あの何かは永遠に手に入れたとも云えるのかもしれない。
それなのにどうしようもなく空しい。
嗚呼、あの『何か』にとってこれは良き終わりであったのだろうか。
終わりであったのか、すらもわからないけれど
それに確信もした。……放っておくばかりでは彼らはこの世界の殻を破ろうと藻掻くだろう]
[頭蓋の中を強く掻き回されているかのようだ。
嗚呼、ならば、今日摘み取るべきは?
選択をしなければいけないのだろうか、カードを選ぶように
昨夜のようにただ『あれ』に任せきりではいられるはずもなかった。
手に入れて、そして失う誰かを見定めなければ
………手に入れておきたいのは。
浮かんだ顔を打ち消した。あれは、駄目だ。駄目だ。駄目、駄目……絶対に駄目………
乱れた心のままに炎が荒れ狂う。炙られた肌にボコボコと水泡が粟立ち醜く爛れて行くようだ。
嗚呼、と両の手で顔を覆った。嗚呼、嗚呼……喜悦と哀しみが交互に襲い来る]
ッハ、ハハ………!ハハハハ、ハッ……!!!
[嘲りを含んだ高らかな笑い声は泣き叫ぶような響きをしていた **]
【人】 死ね死ね団 サミュエル[汗の処理についてはそんなことほとんどしたことのない俺にはわからないことだった。(>>177)ただ女子トイレの方を見張ってたみたいになったのがイヤすぎて俺は咄嗟に見ていないふりをしたけど、それも無駄だったみたいで、宍井は真っ直ぐにこちらへ歩いてきた。] (181) 2019/09/05(Thu) 19時頃 |
【人】 死ね死ね団 サミュエル
(183) 2019/09/05(Thu) 19時半頃 |
【人】 死ね死ね団 サミュエル おっ……── (184) 2019/09/05(Thu) 19時半頃 |
【人】 死ね死ね団 サミュエル
(199) 2019/09/05(Thu) 20時頃 |
【人】 死ね死ね団 サミュエル
(200) 2019/09/05(Thu) 20時頃 |
【人】 死ね死ね団 サミュエル─ 図書館 ─ (248) 2019/09/05(Thu) 22時頃 |
【人】 死ね死ね団 サミュエル[宍井の目鼻は少し赤くなってたように見えたけどそんなの花粉症かもしれないのでそれに関して俺は特に何を思うでもなかった。無闇に顔が綺麗なのは前からのこと。] (249) 2019/09/05(Thu) 22時頃 |
俺たちも、忘れちゃうのかな。
忘れたくなんて、ないんだけど。
[ワタル先輩が出て行ったとき、境界線という言葉の意味がわかった気がした。
自動ドアで分けられた世界。
向こう側に行ったら、この記憶は消えてしまいそうな気がする。
それがいいことか悪いことか、わからないけど。]
【人】 死ね死ね団 サミュエル─ 図書館 ─ (253) 2019/09/05(Thu) 22時頃 |
[離れたくなかった。
混乱したままの昨日なら、もしかしたら走ってでも逃げていたかもしれないけれど。
哀しい。明日が来なければ。
マグマみたいに燃え滾って怒るひとは、境界線をひいて線引きをしながら、叫ぶみたいに笑うひとだった。
それを知ってしまったから、きっともう離れられない。]
ソーセイくんは、
[少年の呟きに表情を削げ落とした顔で呟いた。
ぐつりと煮えたような音はしなかった。
ゆらゆらと少し揺らめくようにして歩きながら、
『そうなるのは怖い?』
と問うた。]
──毎日朝起きて、新しい一日が始まった、って思って、新しい何かをして、新しい事を知って、新しく思い出を作って、
ねェ、私達の『今』と何の代わりがあると思う?
町の人も、私達も、皆『今日』を生きてるだけだよ。
[彼と、誰かに言い聞かせるように囁く声音で
───もしかしたら己自身に。
離れないでいてくれるつもりらしい彼を撫でようとしたのか、そっと手を差し伸べて、
少し躊躇った後に触れずにその手を下ろした。]
……うん。
怖い、っていうか……やだ。
このまま同じ日をずっとやるんなら、忘れたくない。
[忘れてしまったら、なくなってしまう。
今日アイスでカンパイしたことも、友達になったことも。
きっとこれから花火をすることも、みんな。]
……───、
[黙って目を細めて見つめてから、そう。憶えておくね、と呟いた *]
【人】 死ね死ね団 サミュエル─ 図書館 ─ (276) 2019/09/05(Thu) 22時半頃 |
[呟きには、覚えておいて、と小さく返す。]
……俺ね。
『明日』になってほしくないんだ。
ずっとずっと、このままがいい。
何が違うとか、ムズカシイことはよくわかんないけど……
俺にとって、今日と明日はぜんぜん違う。
[伸びてきた手を、自分の手で追いかけてつなぐ。
隣を歩きながら、少し空を見上げた。]
俺、明日になったらこの町を出るの。
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