人狼議事


299 さよならバイバイ、じゃあ明日。

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視点:


[イナリは世界を渡る空狐である。

 渡った先で天寿を全うし死ぬ度に生まれ変わり、力を増す妖。
 それがこの胡散臭い拝み屋の狐の正体だ。]


[この街での生は、空狐となってから八度目の生。
 次に生まれ変わった時、遂に大願は成就する。

 ――ただし、生まれ変わって力を得るには条件がある。
 殺されたり、不慮の死を迎えてはならない。
 そうなれば全てが元の木阿弥、ただの狐からやり直しなのだ。]


[つまり狐はこの街にとってはよそ者、異邦人で。
 そうしてどうやらこの街では、異邦人とバレたら追い出されてしまうらしい。]

 殺されるよりは万倍マシですけれど。
 折角ならこの街で八度目の最期を迎えたいものです。

[狐は案外、この奇妙で雑多な街での暮らしが気に入っているのだった。]


 ――そう思いませんか、貴方?

[そして狐は、どうやらもう一人だか一匹だかいるらしい、異邦人の気配に向かって語り掛けた**]


【人】 血吸茸 ギロチン

 イナリのしっぽ、ふかふか。
 ギロのけなみ、しおしお…。

[イナリのボリューミーでふかふかな尻尾を見て、毛玉はより一層しんなりした。
しかし、小瓶が目の前に置かれるとしんなりした毛の間からにゅっと黒くて細い腕が伸びてそれを掴み、頭上に掲げてぽいんぽいんと飛び跳ねた。]

 おみず!おみず!
 ありがとう、イナリ!

[ちゃんとお礼を言ってから小瓶の栓を開けて、瓶の口を毛の中に入れる。
恐らく口がその辺りにあるのだろうか、ごきゅ。という音とともに、瓶の中の水も揺らめく。
ごきゅ、ごきゅ。と瓶の半分位の水がなくなったところで、毛玉はふるりと身体を震わせた。]

 んん…。

(16) 2019/10/08(Tue) 01時半頃

【人】 血吸茸 ギロチン

 ん!

[いつもより気合の入った、ん!の後。
ぽん!と弾けるように、毛玉のしっとりしなびていた毛がふかふかのふわふわに変わった。]

 ギロも、ふかふか!
 イナリ、ギロ、おそろい!

[嬉しそうな声をあげながら、毛玉はぽよぽよ飛び跳ねた。]

(17) 2019/10/08(Tue) 01時半頃

[ソルフリッツィは、剣闘士だった。]


【人】 血吸茸 ギロチン

 あ。いけない。

[ふと、何かを思い出したように止まって。
毛玉はイナリを見上げる。]

 イナリ、イナリ。
 モイ、しらない?

[小瓶を大事そうに抱えて尋ねるこの毛玉、実はうっかり寝坊をしてモイのお使いについて行きそびれたのだった。*]

(19) 2019/10/08(Tue) 01時半頃

[剣闘士ソルフリッツィは、充分に強かった。
 真剣を交えて戦い、相手を何度も地に伏せさせてきた。

 剣闘士の戦いは過激なものだった。
 皮膚も裂け骨も折れ立てなくなると負ける。
 時にはそのまま命を失う闘士もいたほどだ。]


血吸茸 ギロチンは、メモを貼った。

2019/10/08(Tue) 01時半頃


[剣闘士ソルフリッツィは、勝ち続けてきた。
 自らの剣で沈む闘士を何人も見下ろしてきた。
 多くの歓声に包まれ、闘技場の中央に立っていた。

 剣闘士ソルフリッツィは、敗北を知らなかった。]


[ソルフリッツィは常勝の闘士だった。
 故に、勝利を願われ、期待され続けた。
 否、すでに勝利を確信し、願いすらしないものもいた。

 ソルフリッツィは勝つ。
 それは、民衆にとっては当然で、ソルフリッツィにとっては恐怖だった。]


[常勝の闘士は、負けたものがどうなるかを、その目に一番多く見続けてきた。
 ほんの僅かの隙、勝つことの重責に潰れた瞬間に、自身の居場所がそちらになるという幻を何度も見てきた。
 震えるほどの恐怖だった。

 勝利の褒美で、ソルフリッツィは鎧を整え続けた。
 装甲を厚く、並の剣では貫けぬようにした。
 剣闘士としての戦いに防具を持ち出すことに異を唱えるものもいなくはなかったが、鎧さえ突き通して勝つのが真の剣士真の闘士と呼ばれ、戦いはいっそう湧き上がった。
 ソルフリッツィは鎧ばかりを整えて剣はいつもぴんぴんに研ぐ程度であったので、なれば鎧を貫きさえすればと鋭く強い剣を携える闘士が増え、刀工も技を競いはじめ、それはそれは盛り上がった。

 しかしソルフリッツィにとってはそれすらどうでもいいことだった。
 ただ負けられなかった。死にたくなかった。]


[やがて、最強の鎧と最強の剣を突き合わせて、鎧が負ける日が来た。
 腹のあたりの鎧の隙間を、突き通すように細剣が貫いた。
 それで継ぎ目をこじ開けるようにして、広がった隙間に刃の広い短剣が勢い良く振り下ろされた。

 ――ああ、ついに死ぬのだと思った。
 安堵と深い恐怖の混じった、強い感情が頭の中を塗りつぶして、時が止まったように硬直していた。]


[それからソルフリッツィは、この街にいる。]


[理由はわからない。何が起きたのかも知らない。
 気付けばこの街にいた。目覚めたのは自宅の中で、街人たちはまるで昔からここにいた住人のようにソルフリッツィのことを扱った。
 ソルフリッツィは戸惑いながらも、ぐるぐると街を見回しては街のことを知り、いつしかそれを仕事のようにしながら、この街で"生きて"いる。]


――そうだな。
出来るなら、この街で。

[イナリのそばを歩きながら、すれ違いざま返事をする。
 この街は、毎日ひとり誰か死ぬ。
 この街にいればあるいは、ようやく、本当に、震える日々から解放される気がする。]

八度も死にたくは、ないけども。


ギロチンは、ソルフリッツィに気づくと、小瓶を抱えたまま大きく飛び跳ねた。ぽよ〜ん。*

2019/10/08(Tue) 02時半頃


[すれ違い様零された、八度も死にたくはない、との言葉にくすりと笑う。]

 ええ、ええ、そうでしょうとも。
 わたくしにとっては、そう、列車を乗り換えるようなものでございますけれども。

[他の方はそうはいきますまい、と頷く。
 狐とて、死については他者と認識にズレがあることが多いのはわかっているのだが。つい、妖に寄った考え方をしてしまうのだった。**]


【人】 血吸茸 ギロチン

 ありがとう、いえるうちに。
 ギロ、おしえてもらった!

[イナリに礼儀正しいと言われて、毛玉は何処か誇らしげにぴょ〜んと跳ねた。>>40
今はもういないあの人に教えてもらった沢山のこと。
それらをとてもとても大事にしながら、毛玉は毎日を生きているのだ。]

(55) 2019/10/08(Tue) 23時半頃

[例えば八度も死ぬ――つまりは八度も生まれたことがある狐なら、多くの死肉を残したりしないだろうか、と過ぎるものの、イナリにいなくなってほしいとも思わないし、死んでいない狐のことを今算用に入れても仕方ない。]

私は一度だって死にたくはない――

[思考が呟きになって零れたが、狐に聞こえたろうか。]


【人】 血吸茸 ギロチン

 う。
 …はぐれた、ちがうの。

 その、…ねぼう。
 ギロ、ねぼうした。

[はぐれたのかとの問いには先程と打って変わって、しゅんとした様子でお腹の辺り(と思われる)毛をもしょもしょとこねた。>>41
しょぼくれた様子ではあったが、イナリに撫でられると少しだけ嬉しい気持ちになり、続けて一緒に行こうかと言われると、ぱっと毛をふかふかにして毛玉は飛び跳ねた。]

 イナリ、いっしょ。
 うれしい、うれしい。

[上機嫌になった毛玉はもう一度ぽよ〜んと跳ねて。
通りすがりに手を振ってくれたソルフリッツィに向けて手をがんばって大きく伸ばして振り返した後、残った水の入った小瓶を抱えてイナリの後を追った。>>50]

(57) 2019/10/08(Tue) 23時半頃

【人】 血吸茸 ギロチン

[とてちた、ちて、とたた。
走ると小瓶の中の水が揺れて身体がふられ、奇妙な足音から小気味よさが抜ける。
それでも置いていかれないようにと走っていると、毛玉の足がふわりと地面から離れた。]

 わー。

[地面から離れた毛玉は、イナリの手元にすっぽりと収まった。
小瓶は抱えたまま、足は邪魔にならないようにしゅっと毛の中にしまう。
毛玉自体は然程重くなく、毛はとてもふかふかしていながら、全体的にどこかもっちりとした質感もあり、抱えると妙なフィット感を感じる事だろう。
毛玉はといえば、暖かな腕の中、落ち着く香りと緩やかな歩みのリズムに段々気持ちよくなってうとうとしてきていた。]

→草屋
 

(60) 2019/10/08(Tue) 23時半頃

【人】 血吸茸 ギロチン

[が、雄叫びが聴こえるとハッと目を覚ました。>>43

 !!!

[そして、雄叫びをあげながら陽光の中で転げ回る鳥を見て、毛玉の毛がそれはもう大きく膨れ上がった。
ごまつぶのような目の周りにも白いふちができている。
わかりにくいが、目を大きく見開いているようだ。
そして毛玉はそのままフリーズした。

とてもとても、びっくりしたのだ。]

(61) 2019/10/08(Tue) 23時半頃

血吸茸 ギロチンは、メモを貼った。

2019/10/08(Tue) 23時半頃


[今はいない人。
 もう会えないはずの人。
 その人に会うために。ただそれだけのために。
 狐は八度目の生に手をかけた。]


【人】 血吸茸 ギロチン

[柔らかい草の上に降ろしてもらった後も、毛玉はフリーズしていた。
毛玉はとても驚くとこうして固まってしまうことがある。
暫くすると緊張がとけてその場でしんなりとするのだが。

再起動には、もう少し時間がかかりそうだ。*]

(79) 2019/10/09(Wed) 01時頃

血吸茸 ギロチンは、メモを貼った。

2019/10/09(Wed) 01時頃


[零れ聞こえた呟きに、狐は低い笑いを漏らした。]

 ホホ、これはまた。
 この世に命として生まれてきた以上、いずれ死を迎えるは必定。
 それとも、不死をお望みでございますか?

[本気とも冗談ともつかぬ口振りでそう言って、狐はいつものように笑う。

 狐は死体を残さない。失敗しない限りは。
 もしも天寿を迎えず不慮の死を遂げた場合は、ただ一匹の古狐の骸が残るだろう。]


血吸茸 ギロチンは、メモを貼った。

2019/10/09(Wed) 22時頃


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