人狼議事


298 終わらない僕らの夏休み!

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【人】 甲板員 デリクソン

― 5回目の9月1日 ―

[揺れた鉄板は(>>4:151)、倒れることもなく。
オレは大量の肉を平らげたンだ。]

(11) fuku 2019/09/10(Tue) 22時頃

【人】 甲板員 デリクソン

満足だわ。超腹いっぱい。

[たとえオレに明日が来なかったとしても、きっと、『満足だ』。気持ちに変わりはない。]

(12) fuku 2019/09/10(Tue) 22時頃

【人】 甲板員 デリクソン

…………って、えっ?

(13) fuku 2019/09/10(Tue) 22時頃

【人】 甲板員 デリクソン

9月、2日…………?

―9月2日―

[オレはまた、知らない間に布団に横たわっていたんだ。
そしてカレンダーの日付を確認した時の、情けない声。我ながら、カッコ悪い声である。]

(14) fuku 2019/09/10(Tue) 22時頃

【人】 甲板員 デリクソン

オッ、オフクロっ!今日って『9月2日』だよなっ!!?

[階段を降りて確認する。
オフクロは眉間に皺を寄せて、『なに寝ぼけてンだい、今日から学校だよ。早く準備しな』と返す。]

(15) fuku 2019/09/10(Tue) 22時頃

【人】 甲板員 デリクソン

『ループ』は、終わったンだな…………

[静かに胸を撫で下ろすオレ。
けれども、オレは聞きたくねェニュースを知ることになっちまうンだ…………**]

(16) fuku 2019/09/10(Tue) 22時半頃

【人】 甲板員 デリクソン

『カキーン』

(35) fuku 2019/09/11(Wed) 23時半頃

【人】 甲板員 デリクソン

[最後は(>>0:23)、いつもあっけないモンだ。

野球の試合も、人生も。]

(36) fuku 2019/09/11(Wed) 23時半頃

【人】 甲板員 デリクソン

…………ヒナコ。そう、か。

[オフクロから聞いたのは、ヒナコが事故で亡くなった、ということだった。
同じ中学の高校生が亡くなったという話は聞いていたらしいが、まさかヒナコだとは思わなかったらしい。
経緯とかもウダウダと話していたが正直オレの足りない頭の中には入っていく余地はなかった。

『ヒナコが死んだ。』
オレの頭の中に残っていたのはこれ、だけだ。]

(37) fuku 2019/09/12(Thu) 00時頃

【人】 甲板員 デリクソン

なおのこと連れてってやりたかったな、甲子園。

[オレは9月2日もどこかぼんやりとしたままで長い校長の話を聞き流していた。

好きで交通事故に遭いに行くヤツなんかいねェつーの。]

(38) fuku 2019/09/12(Thu) 00時頃

【人】 甲板員 デリクソン

『でさー、ヒナコが事故にあったのってアレでしょ?遊んでた男の逆恨みとかでしょ絶対』
『やだマジうけるんですけどーヒナコビッチのままじゃ死ねないー』

[廊下で耳にした一言に一瞬で目が醒める。]

(39) fuku 2019/09/12(Thu) 00時頃

【人】 甲板員 デリクソン

『ドンッ』

(40) fuku 2019/09/12(Thu) 00時頃

【人】 甲板員 デリクソン

悪ィなァ。季節外れの蚊がプンプン五月蝿くてよォ。
つい壁ドンしちまったけど許してくれよな。

[思わず『利き手』を使ってしまったことは反省している。カッとしたからって冷蔵庫にワンツーを叩き込む外国人投手並みだ。
連れのギャルが『ハァ!?あり得ないんですけど』とかギャーギャー騒いでるので、]

(41) fuku 2019/09/12(Thu) 00時頃

【人】 甲板員 デリクソン

アイツがお前に何してたか知らねェが、死んでもなお咎めようっつー根性がオレからしたらありえねーわ。

[まだ何か言ってるが正直どうでもいい。
ヒナコはぶっちゃけこれ以上は望んでねェだろ。自分を納得させて、クラスメートの所に行く。]

(42) fuku 2019/09/12(Thu) 00時頃

【人】 甲板員 デリクソン

安住悪ィ、ちょっと手が痛ェから早退するわ。
ティーチャーに伝えといてくんね?ティーチャーに。

[そういってカバンを持って昇降口へ歩いていく。]

(43) fuku 2019/09/12(Thu) 00時頃

【人】 甲板員 デリクソン

[行き先はヒナコの家。オレはオレで、*蹴りをつけにいくつもりだ。*]

(44) fuku 2019/09/12(Thu) 00時頃

【人】 甲板員 デリクソン

『ボール!』

(87) fuku 2019/09/13(Fri) 00時頃

【人】 甲板員 デリクソン

― 明加邸 ―

スイマセン。まだ落ち着いてもないのに。

[学校をサボってから数時間後、オレはヒナコの家に来ている。
ヒナコの母親は、かなりやつれているように見えたが、快くオレを迎え入れてくれた。]

(88) fuku 2019/09/13(Fri) 00時頃

【人】 甲板員 デリクソン

[遺影の中のヒナコは、『9月1日』のあの姿のままだった。

そりゃそうだ。
最後の最後まで、『オレたちはヒナコの姿を目にしていたんだから。』]

(89) fuku 2019/09/13(Fri) 00時頃

【人】 甲板員 デリクソン

おばさん、アルバム見せてもらってもいいですか?
よく野球部の試合にも来てもらっていたみたいなんで。

[正直、ヒナコの中学時代の印象があまりない。
オレが高校で再会した時にはもう渋谷かよ!?みたいな容貌になっていたから。]

(90) fuku 2019/09/13(Fri) 00時頃

【人】 甲板員 デリクソン

[ぺらぺらと、アルバムのページをめくる。

時折、ヒナコの母親がオレにその都度都度の話を教えてくれる。
しばしば、言葉に詰まる場面もあった。]

(91) fuku 2019/09/13(Fri) 00時頃

【人】 甲板員 デリクソン

アイツ、こんな試合も見に来てたのかよ――――

[オレの初レギュラーの試合だ。
しかも初打席初ヒットの試合。

やっぱり、オレは女心がわかってねェんだろうなって実感する。]

(92) fuku 2019/09/13(Fri) 00時頃

【人】 甲板員 デリクソン

化粧しない方が、綺麗っつたら怒られますかね、やっぱり。

[ヒナコの母親には、少しきょとんとした顔の後に、

『そういうのは女の子相手には口にしちゃダメよ、いくら友達でも』

と、たしなめられた。
やっぱりオレは、デリカシーのない男らしい。]

(93) fuku 2019/09/13(Fri) 00時頃

【人】 甲板員 デリクソン

おばさん、すいません。

[ひとしきり挨拶をして、帰ろうとする直前に、]

すっげェ失礼なお願いついでなんですが、何個かヒナコさんのモノ、頂いてもいいですか?
オレ、凄く良くしてもらったんで。

[失礼なお願いとはわかっている。
ヒナコの母親は、少し悩んで、許可をしてくれた。

なんも、アクセサリーとか高価なモンを貰おうって気ではない。むしろ、ヒナコがつけそうなアクセサリーとかゴツいファッ○ンバット野郎がつけてもおかしいだろう。]

(94) fuku 2019/09/13(Fri) 00時半頃

【人】 甲板員 デリクソン

[忘れてはいけないのだ、彼女のことを。

彼女の生きた証を覚えていられるのは、*限られた人間しかいないのだから*]

(95) fuku 2019/09/13(Fri) 00時半頃

─9月1日深夜・叶い橋─

[皆や会堂と別れた祭りの夜、浴衣姿で橋の欄干に腰を下ろし、根良伊川の水面を覗き込む。

燻り続ける炎に炙られた思考は曖昧に掠れつつある。
嗚呼、この町の時間が巻き戻る瞬間が近付いているのだ。
時折橋脚に纏わり付くようにして渦巻く水の飛沫が、燃え上がる女の纏った焔に煌めいてチカチカと光るのを半ばぼんやりと眺めながら、浴衣の懐から一通の封筒を取り出した。]


[何度渡そうかと記し、その度に書き損じてはあきらめきれずに仕舞い込んでいた手紙の束は全て処分した。
娘を亡くした母親が机や荷物を整理した時にうっかり未投函のこれらを見つけ出して最後の願いとばかりに彼の元へ届けられてはたまらない───

この先の未来へ進むその背に重たいものなど残しては行きたくないのに。

伝えれば良かったと後悔した事も数えきれない。
それでも悔いる事が出来るのは生きてその先の未来へと己も進める者だけが持つ権利だと思えた。

それでも想いの全てをただ破棄してしまうのは哀しいと最後に記したこれだけは共に去ろうと持ち出して来たのだ。
封筒を開き、一枚ずつ切実に綴られた文字を眺めては、昏い水面へと落として行く。]


『嫌いにならないで』

[書き連ねられた文言の挙句の果ての最後の一文には呆れ笑いに肩を揺らしながら、そう言えば似たようなメッセージを送り付けた、と結局同じ事を繰り返した日の己を小さく鼻を鳴らして嗤った。

否、こうして繰り返した日々もまた死に際した己の都合の良い夢だったのかもしれないけれど。

最後の一枚を手放す。
ひらひらと風に舞い川面へ落ちて行く紙片を目で追う内にぐらり、と体が傾いで己もまた水面へと崩れ落ちる。


9月1日に託した願いを叶える事の叶わなかった燃え盛る亡者は、然し満足げに笑みを浮かべて水底に降り積もるいくつもの願いの上に溶け零れるように姿を消した。
苛まれ続けた痛みも熱も、憂いも悔いも既に無い。


後は川面にちかちかと瞬く星々の明かりが映るばかりだった───**]


【人】 甲板員 デリクソン

『ボール!』

(100) fuku 2019/09/13(Fri) 02時半頃

【人】 甲板員 デリクソン

[ヒナコの家から戻った、数日後の話――――]

(101) fuku 2019/09/13(Fri) 02時半頃

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