75 サプリカント王国の双子
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―式典 バルコニー下―
[式典の開催が告げられれば、懐から取り出すのは銀縁の眼鏡。 テンプル(つる)には銀細工の小さな蝶が誂えられている。 昔から、視力はお世辞にもよくはなかった。 屋内に籠りがちで、本ばかり読んでいたのならば無理もないこと]
嗚呼、噂にたがわず、お"美しい"
[無礼を厭わず、差しかけた黒い日傘はそのままに。 囁きながらくるり回せば、レースの端がひらりと揺れる]
(22) 2012/01/09(Mon) 14時半頃
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[兄が着飾ったのならば、 果たして姉王女が噂通りの男性であれ女性であれ、 見る者全てを恋に落とすほど麗しく可憐たることは予想出来ていた。
驚くべきは、妹王女の美麗さもそれに劣らぬものであったこと。 彼女を彩ったのは、先程出会ったシメオンという青年なのだろうか。
一対の"双子の姫君"は、艶やかな華のようであり]
(23) 2012/01/09(Mon) 14時半頃
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リリィ。
[スピーチが終わり、 小さなリスザルの喝采>>11に視線は自然と其方へ向いた]
…あ。
[歩み寄ろうとする前に、 地へ降り立ったリリィは何処かへと行ってしまった。 ふと零した声に、珍しく落ちる感情の色は何処か寂しげなもの]
(24) 2012/01/09(Mon) 14時半頃
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― →城内、応接間―
[入院していた時の娯楽は、 本を読むことと空を眺めること位だったから。 この町の天気はよく知っている]
…ほら、雲が出て来た。
[ささやかな天気予報>>0:19が当ったことを喜びつつ、 日傘を畳んで城内へと案内を受けた。 共に招かれた者は、先に聞かされていたより随分と少ない。 件の噂の所為だろうか。 唯でさえ可能性が低いであろう自分にとって、 ライバルが減るのはむしろ好都合ではあった]
(30) 2012/01/09(Mon) 18時頃
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失礼、ミスター。 随分と浮かない顔をされていますね。
[居合わせた青年>>13に、にこりと微笑みながら声をかける]
緊張されているのですか。
いけません。こんな素敵な日に。 折角の上等のお召し物が、泣いてしまいますよ。
[冗談めかして言いながら、人差し指をすっと立てて。 彼の眉間を軽く押そうとする]
気分が楽になるおまじないです。 此処でお会いしたのも何かのご縁ですから。
楽しい時間を過ごしましょう?
[紡ぐ言葉に棘はない]
(31) 2012/01/09(Mon) 18時頃
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―応接間―
[此方から視線を外す金糸の青年>>34。 純朴な様子は人柄の良さを示すに足る。少なくとも、自分よりは]
白状すると僕も少々緊張しておりまして。 話し相手が欲しかったのです。ご迷惑でしたら、ごめんなさいね。
実は、―――…おや、続きのお話はまた後程。
[会話を続けようとして、使用人の声に言葉を中断した。 もうすぐ女王陛下と王女達がやってくると聞けば、 姿勢はすっと正される]
……。
[やがて扉が開けば立ち上がり、三人の王族へ深く礼を。 正直なところ、こういった場面での礼儀作法が良く分からない。 非礼がなければ良いのだがと内心思いつつ、 許可を待ってから席に着き、挨拶と自己紹介を聞いていた]
(37) 2012/01/09(Mon) 23時頃
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[妹王女から視線>>35が向けば、 薄く微笑んで生成りの髪をさらりと流す。
女王の挨拶の後、 姉王女>>36が口を開き始めれば緩やかに視線を其方へと向け。 間近に映る姿、今は眼鏡がなくともはっきりと瞳に捉えられる。 ―――…兄が施した最良の華。
各人の挨拶が終わる度、恭しく頭は下げられる]
(41) 2012/01/09(Mon) 23時半頃
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―謁見前:応接間>>43―
お気遣いに感謝します、ミスター。
[差し出された見取り図を受け取りながら、 浮かべる穏やかな笑みは先程までと変わらぬもの。 他人行儀な双方の様子は、 揃いの色の髪を除けばよもや兄弟とは思われまい]
……。
[けれど。伏し目がちに見取り図へ視線を滑らせれば、 其処に明らかに付け加えられた走り書き]
是非とも。
[見学を、との言への返事としても可笑しくない言葉を紡ぎ。 くすりと口元の笑みは一度だけ深まった。 見返す眸の色もまた、生成りの奥と似たオリーブ色]
(48) 2012/01/10(Tue) 00時頃
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―応接間―
[挨拶を促されれば、静かに席を立って深く腰を折り]
御丁寧な挨拶、痛み入ります。 本日は光栄な場にお招きに預かり、身に余る幸せに存じます。
僕はエリアス。エリアス・ブローリンと申します。
残念ながら父母は高貴の出ではありませんが、 この町で生まれ育ちましたので、 王都のことならば詳しい、というのが取り柄でございましょうか。 勿論、一庶民の視点ではございますが。ふふ。
絵本作家、などをしておりまして。扱う題材は幅広く。 ―――――…この国の逸話なども、少々。
[にこりと悪戯めかした笑みは、 この会合には些か似つかわしくない無邪気さを伴って]
(51) 2012/01/10(Tue) 00時半頃
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しかし、女王陛下と王女様がたの御美しさは、 物語の域をゆうに超えておりました。
[視線を緩やかに動かし、最後に留まったのは姉王女の髪先]
―――――…特に、シルヴァーナ様。 赤い花飾りが良くお似合いで
[すっと目は細められる]
失礼。不躾でしたね。 本日はどうぞ、宜しくお願い致します。
[再度礼をし、席に着いた]
(52) 2012/01/10(Tue) 00時半頃
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嗚呼、"リリィ"が。あれは賢い子ですから。
[他の者の挨拶の邪魔にはならぬよう見計らいつつ、 姉王女>>55へと言葉を返す。 それは彼女の脳裏の疑問へ、暗に答えるものとなっただろうか]
お言葉に甘えまして、庭園にも是非寄らせて頂きますね。 この季節、夏薔薇も美しく咲いているのでしょう。
[逸話の話をした折、僅か姉王女の表情が曇ったことを見てとる。 あれだけ悪い噂が流れているのだ。 それが真であれ偽であれ、不安に想うのは無理の無いことだが、さて]
僕の物語はね、Happy Endと決めているんですよ。 苦しいことも悲しいことも、きっといつかは報われる。 誰しもが笑顔になって、めでたしめでたし。
ふふ、其の方が素敵でしょう、プリンセス・シルヴァーナ。
(60) 2012/01/10(Tue) 01時頃
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――――…Happy End。僕はその為に参ったのです。
[にこりと静かな微笑みに、滲ませるのは揺らがぬ焔]
貴女様が手をとってくださるならば、幸い。
[けれど押しつけ過ぎぬよう、 最後は幾許かの冗談めかした声色で締めくくられる]
もしも読んでくださるならば、本は喜んでお持ちいたしましょう。 シルヴァーナ様に、最も相応しい物語を。
[ゆるりと視線を窓へ滑らせれば、先程より空を覆う雲は厚く。 憂うのは、庭園での約束を想ってのことか**]
(67) 2012/01/10(Tue) 01時半頃
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病人 エリアスは、メモを貼った。
2012/01/10(Tue) 02時半頃
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―応接間―
ペンブルックシア。
[言葉を詰まらせながら懸命に挨拶を述べる ディーン青年の口にした地名には、よく覚えがあった]
―――…嗚呼、確かに。あの地の風景は素晴らしい。
[田舎で療養を勧められた折、いくつか候補の場所が挙げられた。 ペンブルックシアはその内の一つ。 結局、頑として王都を離れようとはしなかったが、 あの日見せられた写真の美しさは今でも鮮やかに脳裏に残る]
夕暮れ、紫色に染まりゆく空の中、野道に咲く花と戯れる蝶。 遠く高台から鐘が鳴り、仄かな家の灯に照らされる大通り。
[何処か愉しげに呟く姿は、 厳粛な会合には些か似つかわしくなかったかもしれないが]
(90) 2012/01/10(Tue) 21時頃
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…そうだ。
どのような物語をシルヴァーナ様に贈るか、 先程から考えていたのですが。
[灰色に覆われ行く空へ、ちらと視線を送る。 湿気を帯びた空気は肺を刺激した。 零れかけた咳は口元に手を当てて、笑みと共に誤魔化される]
"月に恋をした蝶の話"
[視線を姉王女へと戻せば、生成りは再びさらと流れた]
(93) 2012/01/10(Tue) 21時半頃
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―応接間―
[ラルフの流れるような口上には、内心感心するばかり。 公園で見かけたときから、立派な御仁だと思ってはいたが。
女性はああやって褒めれば良いのかと、 その態度や仕草を見つめて学びつつ。 自分が真似をしてもあまり様にならないことに思い至り、諦めた]
(97) 2012/01/10(Tue) 22時頃
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――…ミッシェル様。失礼と存じつつも、一つだけ御礼を。
[対談は30分と刻が定められていたか。 終わってしまわぬ内にと、会話の合間に妹王女へ笑みを向けた]
シメオンさんはとてもお心遣いの細やかな方ですね。 城門で困っている僕を、助けてくださいました。
聡明で御優しい。従者は主の鏡と申します。 この日、貴女方にお会いできたことに感謝いたします。
(98) 2012/01/10(Tue) 22時頃
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[地を叩く雨音が、耳先に響く。――…嗚呼、肺が重い]
物語を成すのは生業ですから。 僕の拙いお話で良ければ、是非とも。
嗚呼、ですが、しかし――――…。
[姉王女>>99へ名残惜しそうに、細められるオリーブ色。 刻が迫っているのを示す様に時計へ顔をあげた視線は、 言葉を紡ぎ始めた女王陛下>>#7へと向けられることになる]
本日は素晴らしい機会を与えて下さり、身に余る幸せです。 寛大なるお言葉に甘え、暫しの間、留まらせていただこうかと存じます。
善き日になりますよう。クイーン・グロリア。
[深く礼をして、立ち去るその姿を見送った]
(106) 2012/01/10(Tue) 23時頃
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――――…さあ、どうでしょう。
貴女様の傍を離れたくない僕の我儘な気持ちを汲んで、 雨が降ったのかもしれませんよ?
[姉王女>>110へと軽口を返し、 けれど穏やかに細められた瞳には本心であるという色を滲ませて]
…………。
その蝶は満月の夜に蛹から返り、艶やかな姿を得たのです。 暗く閉じられた世界から、開けた視界。 同じ闇でも、其処は今まで居た場所とは全く違う。 満天の星空を見守る様に、優しく柔らかな光を放つ満月。
蝶は一目で、月に恋をしたのです。
[無邪気に笑う姉王女は、実際の歳よりも幾許か幼く映った。 愛らしいその姿へ向けるのは、唯、慈しむような眼差し]
(115) 2012/01/10(Tue) 23時半頃
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[ふ、と不意に口元に描かれた弧]
シルヴァーナ様。
"月に恋をした蝶の話"
続きは文にしたためて、貴女様だけに贈りましょう。
―――――…想いが形に残りますように。 [微笑んで立ち上がり、恭しく頭を下げる。 深い礼の後、あげた顔は些か子供のように悪戯っぽい表情]
(116) 2012/01/10(Tue) 23時半頃
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―応接間→―
…ひとが最も"美しさ"を魅せるのは、どのような時でしょうか。
[独り言のように、誰へともなく呟いて。 例えば世話役を褒められた妹王女の笑顔は、華に満ちていたが]
失礼。
滞在が伸びることを、連絡して参ります。 席を外す非礼、お許しくださいね。
では、後ほど。
[頭を下げ、緩やかな足取りは応接間の外へと]
(117) 2012/01/10(Tue) 23時半頃
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[かかる声>>119に静かに向ける笑みは、此方も他人行儀なもの。 けれど僅か滲んだ顔色の悪さに、気づけるとしたら兄だけだろう]
ありがとうございます。
…転ばぬようよく気を付けましょう。 この雨の中では、服を泥だらけにしてしまいかねません。
[穏やかな足取りは、屋根の無い場所へ。 嵐にも似た雨の中、ふわりと差しかけるのは黒い傘]
(124) 2012/01/11(Wed) 00時頃
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[外へ一歩踏み出そうかという所で、服の裾を掴む小さな手に気づく]
リリィ?
[おっとりと瞬いた後、緩く小首を傾げて流れた生成りの奥、 覗く瞳は一瞬だけハンスの姿を捉えたが]
ふふふ、ありがとう。
[礼を述べるのは足元のリスザルへ向けて。 黒い傘を閉じ直し、身を屈めると指先でリリィの頭を撫でる]
お気遣いに感謝いたします。 随分と可愛らしい案内役が付いてくださるようです。光栄ですね。
[王女達の言葉>>123>>129へ感謝を述べて頭を下げ、 後はリスザルの先導へ身を任せる]
(132) 2012/01/11(Wed) 00時半頃
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[リリィは賢い。その賢さはよく知っている。 ――――久方ぶりの案内は、まるで昔のあの日のよう。
身体が弱く殆ど外出など出来ず、道も碌に知らなかった幼い頃。 迷った僕を最初に見つけてくれたのはリリィだった。 少し進んでは後ろを振り返る。気遣う仕草も、昔のままに。 導かれるままに歩みを進めた細い脚。 辿り着いた先は何処かの庭園。咲き誇るのは、艶やかな華]
…、けほ。
[辺りに人の気配が減ってくれば、堪え切れず咳を零す。 伏し目がちな視線。 口元に笑みを浮かべるのがやっとで、既に顔色ははっきりと青い。
それでも人目を考え、態度と仕草だけはゆったりと。 扉の鍵が開いたならば、兄の部屋へ静かに足を踏み入れる。 そして、リスザルへ案内の礼を言う余裕すらなく―――]
(142) 2012/01/11(Wed) 01時半頃
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―ハンスの部屋―
[扉を閉め切ると、どさりと其の場に崩れ落ちた]
げほっ、けほ、ッ、は、げほげほっ、けほ、けほけほ。
[床へ転がるような格好のまま、喘鳴強く浅い呼吸を繰り返す。 手を滑り落ちた黒い傘は、乾いた音をたてて床へ倒れる]
―――ッ、っは、あ…、ぁ…。
[ぎりと歯噛みし、懐から取り出した薬を水もないままに流し込む]
ぜー…、はー…。 げほげほげほっ!
[半身を起こすことすら叶わぬまま、 乱れた生成りの向こうに見上げたテーブルの上。 散らされた赤い花弁は、まるで血の滴の様で"美しい"]
(143) 2012/01/11(Wed) 01時半頃
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―ハンスの部屋―
[本来ならば、姉王女からの願いを断るべきではなかった。 折角の会話の機会をふいにすることなど、したくはなかったのだが]
(…嗚呼、これがあるから敵わない。困ったものだ。)
[応接間より退出したのは兄との約束の為でもあったが、 それ以上に平静を取り繕うのが無理だと判断したからだった。 とにかく人目の付かない所へ行きたかった。
自分の身体が弱いことを、王家は既に知っているか。 仮に知っていたとしても、ここまで酷いとは分かるまい。 今にも死にそうな人間が王などと片腹痛い。 だからこそ、不調を悟られる訳にはいかない]
―――…。
[薬で少しでも発作が治まるのを待つ最中。 這う様に身体を起こし、ぐたりと壁に背を付けて目を閉じた**]
(150) 2012/01/11(Wed) 06時半頃
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病人 エリアスは、メモを貼った。
2012/01/11(Wed) 06時半頃
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―ハンスの部屋―
[数度浅く呼吸をしては、咳き込むことを繰り返す。 眼を瞑り閉じた視界。耳には強い雨音だけがやけに響く]
…?
[ふと柔らかな感触。 リスザルが毛布を掛けてくれていることに気づけば、 包まる様にして小さくなる]
リリィは本当に賢いですね。流石、兄さまの"おきにいり"
[掠れた声で呟き、目を閉じたまま伸ばした細い指先は、 リスザルの首元を手さぐりで撫でるか。
やがて手は再び床へ落ちて、けれど意識は保ったまま。 体調の回復に努めるようにその場でじっと雨の音を聞いていた]
(172) 2012/01/11(Wed) 21時頃
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病人 エリアスは、メモを貼った。
2012/01/11(Wed) 23時頃
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―ハンスの部屋―
[扉を開く音は雨にかき消されて。 兄が部屋へ戻ってきたことに気づいたのは、 その気配が随分と近くなってからだった]
どうも、兄さま。
[ぱちりと目を開く。大丈夫、咳は殆ど止まっている。 此れで暫くはまた、何とか動ける筈だ。 差し出された腕へ、おっとりと瞬きを零して]
ありがとうございます。 少し疲れて、休んでいただけですから。
どうってことないですよ。
[嘯きながら薄く笑んで、差し出された手をとった]
(195) 2012/01/11(Wed) 23時半頃
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[覚束ないながらも、何とか立ち上がることは叶った。 けれど、その後も兄の手は離される様子はなく]
はは。それなら、どんな訳でしょうね。
――…、けほ。
[叱るような声色を、のらりくらりとかわすように。 続けた言葉の先、小さく咳が零れた。 捕えられた手をぐいと軽く引いてみるも、力で敵う筈もなく]
何故、と言われましても。 招待状を頂いたからですよ、ミスター。
僕が王位を望んではいけませんか?
[兄を見上げるくすんだオリーブ色は、楽しげに細まるだけ]
シルヴァーナ様は御"美しい"ですね。
(202) 2012/01/12(Thu) 00時頃
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