199 Halloween † rose
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名前……
[>>*19 鼓膜とは違う場所を震わせて、聞こえる、彼の声。 甘く囁くその声に、快楽は加速する]
シレークス……?
[心に浮かぶ名を囁く。 契約の完成。秘密を分かち合うように紡ぐ、互いのたったひとつの真名。 途端に胸が熱くなり、理性の箍が、外れて]
(@60) heinrich 2014/11/03(Mon) 03時半頃
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―旅立ちの日―
…知るか。 次からお前が手入れしろ。
[>>250身の回りの事に気を使う文化は消えてしまったし、そうまで言うんならお前が気にすればいい。 カビ臭いと文句を垂れる同行者に面倒事を押しつけて、それでこの話はお終い。 近づいた顔には制裁を。ぺちりと額を叩いても、それは対して痛くも無い力加減。 丁度、子供がじゃれあうような。
次の街>>251は、元々自分の候補先には入って居なかった。
街自体の大きさと、住民の数、外部の人間の出入りの加減。 今度の目的地はその条件を満たしてはいるものの些か観光地寄りで、一言で行ってしまえば騒がしいに尽きる。 普段はベッドタウンのような場所が気に入りであったのだが、これは到底それには当てはまらない。]
…さぁな。 別に、適当だ。
(@61) mzsn 2014/11/03(Mon) 15時半頃
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[街から出た事のない彼に、精一杯の外を見せてやろう。 旅の出だしは華やかな方がいい。 静かな街に住むのはまた今度でもいいのだ。どうせ機会は何度も来る。 らしくない店員を雇ったのなら、ついでにらしくない土地に移住してやる。
これから何度も、辛い別れを経験させる事になるのだろう。 その度に次の街への希望と高揚で悲しみを吹き飛ばして、そういう風であったらいい。 それ位しか自分にはしてやれそうに無いのだから。
きっと、次の街のハロウィンも盛大だ。 お前を飽きさせない生活がそこにある。 巡る生活を彼中心に組変え始めた事に、彼は気付くだろうか。気付かれたからと言っても、特に礼を言われる筋合いもなし。 言われてもお前の気のせいだと返すだけ。
放られた玉>>252を器用にキャッチして、俺を狙うなんていい度胸してると、冗談混じりの制裁を。 心底うれしそうな、悪い顔をして。*]
(@62) mzsn 2014/11/03(Mon) 15時半頃
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―いつか来る未来のはなし―
[その身長はとうの昔に止まっていただろうが、体格や顔立ちの変化はずっと続いて行く。 幼さの残る彼はあっという間に過ぎ去り、直凛々しい青年へ。 そして逞しい壮年。この頃になれば何やら力量関係は反転していた気もするが、それはまあ、別の話。
歳を重ねる毎に変わって行く彼を何度も愛し直し、それでもその内面は変わらず彼のままで。 自分の時は止まったまま。 重ねた彼の手にシワが増えても、自分の手は、ずっと色の悪い細い手で在り続けた。
それでも、それなりに楽しくは過ごしていたと思う。 少なくとも先の100年の様に孤独では無かった。]
(@63) mzsn 2014/11/03(Mon) 15時半頃
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[人の一生など一瞬の事。 彼と共にあると決めた時から、ずっと覚悟はしていた。つもりだった。
彼が弱り始めてから、街を転々とするのを止めた。 その土地に腰を添えたまま、薬屋はずっとそこに。 流石に不振がられ手は困る為自分は店の奥に引っ込んで、話相手は店番の老人だけ。 買い出しの為の外出は顔を隠して、歳を取らぬ存在と悟られぬよう。
彼がさらに弱ってからは、店を開けるのを控えた。 薬屋の内情を探る者を殺したりもしたが、それをリーには話さない。 きっと、彼が親しくしていた人物も含まれていただろうから。
彼の死期が見え始めた頃、薬屋は彼に服薬を命じる。 それは死期を早める訳でも、引き伸ばす訳でも無い。
彼が死んでも遺体はそのまま。 幾日立っても腐らぬ遺体に満足そうに手を這わせ、漂う彼の魂にも秘密にしたまま、 ガラスの棺と薬液に彼の身体を横たえると、ようやくその街を後にした。
店の中に、複数の他殺体を残して。]
(@64) mzsn 2014/11/03(Mon) 15時半頃
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[さあ、魔女を探そう。 身体も魂も此処にある。
今までのように逃げ回る旅では無く、明確な目的を持って。 もう一度、お前と踊る為に。*]
(@65) mzsn 2014/11/03(Mon) 15時半頃
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―11月1日―
[どうやって部屋に戻ったか、あまりよく覚えていない。もう日は高くなって、日常を取り戻した街並みが生活の音をさせている。
広すぎるベッドにひとり横たわり、ただぼんやりと天井を眺める。 横を向いたりはできない。わかっている現実をもう一度味わうなら]
………、
[横たわったままで食む赤。薔薇の花びらの砂糖漬け。 空白を埋めようとするように、それを喉の奥へと通して]
(@66) heinrich 2014/11/03(Mon) 22時半頃
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シーシャ……、
[名前を呟く声が掠れる。想い変わることはないと、彼の前で啖呵を切った。彼との再開が叶うならば、時間など問題にもならない。そう、思うけれど]
消えたり、しないわよね……
[ゆっくりと落ちる時計の砂。どれだけ大切に抱えていても、記憶は等しく零れていく。この世界に存在しない、この世に連なるもののない、記憶の中のみに生きる彼を、どうすれば傍に留め続けられるのか。
彼の声を、いつまで覚えていられるだろう。彼の体温を、いつまで覚えていられるだろう。 今ある記憶に霞がかかる、そのことが何より恐ろしい]
(@67) heinrich 2014/11/03(Mon) 22時半頃
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―――!
[響く鐘の音。澄み渡る空を抜けて、ここまで。 飛びつくように窓辺に寄れば、あの時計塔、揺れる大きな鐘が見える。
約束の鐘が鳴っている]
……っ、 ぅ……、
[口元を手で覆って、ずるずると座り込んだ。
あの鐘を覚えていよう。全ての記憶がこの手から滑り落ちても。 この音を覚えていよう。彼とこの世を繋ぐよすがに。
声を殺して、その名を叫んだ。 きっと何を忘れても、この鐘の音とともに。 また何度でも、彼を思い出すだろう**]
(@68) heinrich 2014/11/03(Mon) 22時半頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
heinrich 2014/11/03(Mon) 23時半頃
手妻師 華月斎は、メモを貼った。
heinrich 2014/11/04(Tue) 00時半頃
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―賭けの途中で―
[>>292 活動の拠点を故国に移した頃、その再会は叶った。あのデタラメなお伽噺のようなハロウィンを、共によく知る青年に。 あの街の中で、穏やかな佇まいの中に茶目っ気を持っていた彼が、もうすっかり落ち着いた大人になっていた。時は着実に流れているのだと知る。
それから何度も、機会を作っては共に茶を飲み、近況を報告し合った。 真面目な会社で勤めを続け、結婚して、子供に恵まれて。自分が選ばなかった「真っ当な」人生を、着実に送っていく彼。その姿を見守り、その都度祝福してきたけれど。
あの街のことを話す彼の笑みに、あの頃の面影を見る。 どこか遠く、心の一部を置き去りにしてしまったような横顔に、時折不安が兆した]
幸せか不幸かなんて、結局本人にしかわからないものだわ。 誰もが羨む暮らしの中で飢える人もいれば、 その逆だって有り得るのよ。
[互いに、核心には触れないまま。 ただ自分の忘れえぬものを、自分の手で抱え、それぞれの道を行く。 穏やかな共闘関係は、晩年まで続いた]
(@69) heinrich 2014/11/04(Tue) 01時頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
heinrich 2014/11/04(Tue) 01時半頃
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―それからのこと―
[>>308 シビアな戦場だと聞いていた悪魔の世界。あの時に発破をかけはしたが、まさか本当に偉いさんになっているとは恐れ入った。
中に入って眺めてみれば、やはり悪魔の理は人の道理から乖離している。0から覚えることも多い。それでもなんとかやっていけてるのは、目的が明確だからだ。
自分がやるべきことは、とてもシンプル。彼のためになればいい。 それだけを軸に考えれば、たいてい迷うことはない]
あっ、ずるい。アタシも「ある」に賭けたいのに。
[>>309 早々に選択肢を選びとった彼に、抗議の声を上げる。 同じ方を取ったら賭けが成立しない。成立しないんじゃつまらない]
じゃあ次回はアタシが「ある」に賭けるからね。
[手の甲への口付けひとつ、それでもう絆されてしまう。 しっかりと手を握り合い、ゲートの向こうへ]
(@70) heinrich 2014/11/04(Tue) 02時半頃
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……じゃあ、離さないでね?
[意地悪で過保護で、傍にいると退屈しない、誰よりも愛しい悪魔。 長く彷徨った果てに見つけた、自分の居場所。自分だけの場所]
アタシも、離さないから。シレークス、
[ゲートの光に包まれて、彼の耳に口づけた。 それぞれ口にした薔薇菓子は、互いの胸の奥、*2本の赤い薔薇になる*]
(@71) heinrich 2014/11/04(Tue) 02時半頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
heinrich 2014/11/04(Tue) 02時半頃
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