[欲は底なしに深く、深く。
二つの緋色の瞳が身体の振動で揺らめくたび、背を甘い快楽が駆け抜けていく。
こうして知らなかった彼をまた一つ知る。
恥じらいの声をあげる>>175様子に、ため息とともに笑みを零すが、それすら重なった唇の合間に消えてゆく。]
っく、……ぁ、気持ち、 い、
……ふ、まだ、……もっと、 ぁ——
[彼の声だけが脳を支配するように、自らの声を飲み込もうとしても、
重ねられた熱が、擦り合う指先が、さらに男を追いつめる。
粘膜が絡まりあい、ぷつりと離した>>176。
いつか一つになることができたら、焦がるる想いはなくなるのか——そんな行き過ぎた想いすら、過る中。
水音に混じる声音はさらに甘やかに。
至近距離で涙の玉が緋色に浮かぶ、まるで、闇夜の月のように。]
——……ッん、 ニコラエ、
[綺麗なのは、
——ガラスより繊細で、愛おしい君。]
(201) oranje 2014/11/02(Sun) 22時頃